ランス再び   作:メケネコ

415 / 456
第一次魔人戦争①

 聖魔教団は順調だった。

 闘神都市を次々と打ち上げ、闘将を次々に作り上げていった。

 ルシラも闘神Θへと姿を変え、最強の闘神と呼ばれる闘神Λも完成していた。

 闘神都市も19まで打ち上げ、20号となるユプシロンの建造も開始された。

 が―――人間達の準備は最悪な形で打ち砕かれた。

 まさかの魔人側からの襲撃―――予想外からの攻撃には聖魔教団も後手に回るしか無かった。

 本来地上で戦うはずだった闘将は闘神の護衛に回らざるを得なくなり、同時に攻めてきた魔軍は地上に残された者達、当時の蛮人と呼ばれる者達に押し付ける形になってしまった。

 それこそがGI期の時代の中においての暗黒の時代とされる、魔人戦争の幕開けだった。

 

 

 

 魔王城―――

 魔王ガイの元には魔人からの沢山の開戦の言葉が届いていた。

 それは人間達が打ち上げた闘神都市と呼ばれるモノへの攻撃だった。

 少し前までは魔物達は人間界でも好き勝手に暴れていた。

 それは魔軍という形ではなく、あくまでも野良モンスターが勝手に暴れているだけだった。

 が、それはモンスター達の全滅と言う形で終わりを告げた。

 しかもそれを行ったのが僅かな数の闘将と呼ばれる存在だった。

 魔人達はそれに興味を持った―――無論それは暴力という名の興味だ。

 それだけ強いのならば壊すのに丁度良い、それくらいの感じだった。

 好戦的なノス、レキシントン、レイ、レッドアイ、バボラ等は直ぐにでも攻撃に向かうだろう。

 ガイは聖魔教団を放置するつもりだったが、魔王ガイという特殊な魔王であるが故の揺らぎが生じていた。

 それこそが絶対命令権が上手く働かないという揺らぎだった。

 魔人達の強烈な戦意、それが魔王としてのガイを揺らがせていた。

 そしてとうとう魔王の口から言葉が出た。

「人間達への攻撃を許す」

 その言葉に魔人、魔物達は歓喜した。

 ようやく人間達をこの手で殺せる事、そして戦える事への喜びに打ち震えたのだ。

 ただ、全ての魔人がそれに喜んだわけではない。

 穏健派であるシルキィ、ハウゼル、メガラスは特に動こうとはしなかったし、人間に興味の無いパイアールにとってもどうでもいい話だった。

 だが―――それも時間の問題で、次々に新たな魔人が参加する事になる。

 そして魔物大将軍率いる魔軍もまた地上へと侵攻を始める。

 後に第一次魔人戦争と呼ばれる戦争が始まった。

 

 

 

 開戦前…聖魔教団は魔人を倒すための鍵を探していた。

 それこそが魔剣カオスと聖刀日光の二つの剣だ。

 両方とも魔人の無敵結界を斬る事が出来るという、魔人を相手にするにはこれが無ければまず話にならない…そんな存在だ。

 だが、この二つの剣は世界を征服した後も見つける事が出来なかった。

 魔剣カオスに関しては色々と諸説は有るが、結局影も形も見当たらない。

 聖刀日光も同じように全く見つける事が出来なかった。

「のう…ハンティ。お主は聖刀日光の行方をしっているのではないか?」

「いいや、知らないよ。嘘じゃ無いよ」

 フリークはハンティに尋ねるが、ハンティは首を振るだけだ。

 本来の歴史とは違い、聖刀日光に関しては明確な逸話が残されていた。

 それこそが今は魔人になってしまったが、人間であった頃にシルキィ・リトルレーズンが所持し、魔人メディウサを倒したという話が広がっていた。

 これは確かに事実なのだが、肝心な所だけは明確に排除されていた。

 そしてハンティもその排除された部分を口にする事は絶対に無い。

 もし口を開くとすれば、あの男が元の時代に現れた時になるだろう。

「魔人と魔王と戦うためにはそれが無いと話にならないよ。ま、例外っていうのはあるんだけどね」

 ハンティの言う例外とは何のことか分からないが、フリーク達は二振りの剣を探していた。

 が、それが見つかる前に魔人達からの襲撃が始まった。

 そして―――それから10年が経過していた。

「戦局は厳しいか…」

 フリークは現在の戦況に嘆いていた。

 魔人が恐ろしいはずの存在である事は知っていた―――知っていて尚、これ程までに強いとは思っていなかった。

 それは魔人を撃破したシルキィの存在があったからかもしれない。

 現実には、シルキィだけでなくランス、ジル、レンという規格外の存在が合わさったからこその勝利なのだ。

「闘神Nからの情報は有りますか、先生」

 生命維持装置の中からルーンが語り掛ける。

「いや…まだ無い。じゃが、幾つかの闘神都市が魔人に落とされた…これが現実じゃ」

「そうですか…カオスと日光は…」

「まだ見つからぬ…この調子ではこの世界にいるかどうかも怪しいの…」

 フリークの言葉にルーンは何も答えられない。

 ルーンがまだ闘神となっていないのは、未だに増大する己の魔力の成長を止めたくなかったからだ。

 実際、ルーン1人の力で闘神都市を浮かせる事が出来る程、ルーンの魔力はずば抜けていた。

 しかし、その魔力も無敵結界の前では意味をなさない。

 闘神達も魔人が相手では分が悪かった。

 魔人一人一人の力がルーンが想定していたよりも遥かに高かった。

 特に恐ろしいのが魔人ノスと魔人レキシントンだ。

 恐ろしく強い上に積極的に闘神都市へと攻撃を仕掛けてくる。

 この二体の魔人による被害が一番多い。

「地上は…」

「何とか食い止めてはいるが、どれだけ持つか…闘将を回す事が出来れば良いのじゃが…」

「魔軍よりも魔人を食い止めなければいけません」

 ルーンの言ってる事は間違っていない。

 魔軍1万よりも魔人1体の方が恐ろしく強いのだ。

 それだけ魔人の存在は大きかった。

 唯一の救いは、地上を攻撃している魔軍の進行速度が遅い事だ。

 どういう意図かは分からないが、地上を攻撃してくる魔物兵の数はそこまで膨大という事でも無かった。

 だからこそ、10年もの間地上は魔軍の支配を何とか免れている状態なのだ。

 が、それも何時までも続く事は無いだろう。

 最初は僅かな数の魔人だったが、今では最初の倍の数の魔人が襲い掛かってきているのだ。

「何とか…何とかしなければ…」

 ルーンの言葉は重く重く伸し掛かって来るのをフリークは感じ取っていた。

 

 

 

「はははははは! 殺せ殺せ! 人間共を殺せ!」

 そして魔軍は人間を蹂躙する―――が、その行軍速度は決して早いという訳では無い。

 実際の地上で人間達を攻撃する軍隊の数はそれ程多くも無い。

 魔王ガイがそれ程の数を動かす事を許さなかったのだ。

 闘神都市を攻撃するのは魔人達だが、その魔人を闘神都市に移動させるための兵も必要になる。

 空を飛べる魔人―――ハウゼルとメガラスに関してはこの戦いに関わる気すらない。

 サイゼルが少しだけ闘神都市を見に行ったりはしているようだが、積極的に攻撃をしていない。

 なので魔人達を闘神都市に送り届けるための部隊が必要となり、そちらの方に人員を割かれているのも事実だ。

 だが、それでもやはり魔軍は非常に強い。

 相手が闘将や闘神ならば分が悪すぎるが、地上に居る蛮族―――魔法を使えない者達にとっては脅威以外の何物でもない。

 人間の騎士が3人で魔物兵1体を倒せるという状況は、今の人類にとってはそう簡単に跳ね返せるものでは無かった。

「ゴラトス将軍、突出し過ぎてはありませんか?」

「フン、腑抜けた人間共を殺すのに突出もクソ無いだろう」

「まあその通りですが…」

 魔物隊長の言葉に魔物将軍は鼻で笑う。

 地上には闘将は居ないので、まさに真正面から力づくで人間達を殺せる。

 そして人間達を捕らえた後はそれこそお楽しみの時間だ。

「だが、ガイ様の命令は気になるな。あまり人間を殺し過ぎるなというのはな…」

 魔王ガイは闘神と闘将を倒すのは認めたが、地上に居る人類を殺し過ぎる事は認めなかった。

 それは動かした魔物大将軍が2体だけという事が物語っている。

 後の魔物大将軍達は魔人のバックアップという形を取らされている。

 なので行軍もあまり進んで無く、まだ大陸の半分も制圧出来ていない。

「まあ楽しみの時間が増えるのは良い事だ」

「そうですな、ははははは!」

「うるさい。その不細工な笑い声を止めろ」

「うぎゃあああああああ!!!」

 突如として魔物隊長の体が真っ二つになる。

「な、何だ!?」

「お前もうるさい。とっとと死ね」

「ぎゃああああああ!」

 ザクーーーーーッ!

 魔物将軍は斬り殺された。

「全く、何で魔物将軍が居るんだ。今はあいつが人間達を襲わないように言ってるんじゃなかったのか」

「魔王の命令なんて魔王の気分で変わるんだし、そんなもんじゃない?」

 ランスは魔物将軍を斬り殺したというのに全く呑気な顔をしている。

 将軍の周囲に居た魔物兵達は突然将軍が死んだ事にあっけにとられている。

「よく見ればなんだこりゃ。もしかしてマジで戦争中か?」

「魔物の領域じゃあなさそうだけどね。その証拠に周囲にある破壊された建物が明らかに人間の建築物だし」

 レンは周囲を見渡すと、そこには破壊された家が無数にある。

 そしてその中には倒れている…いや、死んでいる人間が複数転がっている。

 つまりは今は人間と魔物の戦争中だという事だ。

「な、何だお前等!?」

 魔物兵の一体が驚愕の声を上げるが、

「うるさい、黙れ」

「ぎええええええええ!」

 ランスが剣で一突きするとそれだけで頭部を貫通し、魔物兵が悲鳴を上げて倒れる。

「囲まれては居ませんね。どういう状況なのでしょうか?」

 ジルもこちらを取り囲んではいない状況を見て素早く詠唱を始める。

「こ、この…人間風情が!?」

 困惑から正気に戻った魔物兵達がランス達に襲い掛かって来る。

「やかましい!」

「ぎゃああああああ!」

 目にも止まらぬランスの斬撃が襲い掛かって来た魔物兵達を一気に斬り伏せる。

「な、なんだこいつは!?」

 魔物兵達には何が起きたか分からなかった。

 分かっている事は何が起きたか分からない内に、複数の魔物兵が死体になったという事だけだ。

「に、逃げろ! 俺はまだ死にたくない!」

 そして正気に戻ったが故に、魔物将軍が死んだという事が魔物兵に激しい動揺を与える。

 魔物兵は自分達を指揮する魔物隊長、そして魔物将軍が居なければ軍としての体を保つことが出来ない。

 個々の能力を殺す代わりに集団的な行動を取る事が出来る魔物兵だが、同時に頭を潰されると軍としては瓦解してしまうというデメリットも存在している。

 そして魔物将軍が殺されたという恐怖が今更ながら魔物兵を逃走という形に走らせていた。

「俺は死にたくない!」

「あ、ま、待て!」

 一体が逃げるともう後は蜘蛛の子を散らすようにそれが伝搬していく。

 だが、それはもう遅かった。

「行きますね、ランス様」

「おう、遠慮なくぶっ放せ」

「はい、白色破壊光線!」

 ジルの手から凄まじい威力の魔法が放たれる。

 それは逃走していた魔物兵達をあっさりと飲み込み、後には何も残らない。

「ほう。少しは強くなったみたいだな」

「えへへ…まだ破壊光線はランス様の前では使っていませんでしたし」

「うむ、俺様の奴隷の中では中々の威力だ。それよりもどうなっとるんだ」

 改めてランスは周囲を見渡す。

 魔物兵達は既に逃走をしており、残されたのはランス達と魔物と人間の死体だけだ。

「取り敢えず人の居る所に行かない? 今が何年が聞かないといけないし」

「そうだな。とっととこんな辛気臭い所から離れるぞ」

 ランスにとっては死体なんて珍しくない。

 戦争は何度も経験しているし、魔軍との戦いももう慣れた物だ。

 そう思っていると、

「た、助けて下さい…」

 か細い声がランスの耳に入る。

「む、女の声が」

 ランスがその声の方を向くと、そこには真っ青な顔をした少女が1人倒れていた。

「レン」

「はいはい」

 ランスの言葉にレンは倒れている少女に回復魔法をかける。

「おい、喋れるか」

「な、何とか…」

 見れば女は戦士のようで、軽装ではあるがきちんとした格好をしている。

「気絶した私を死んでいたと勘違いしていたようで…」

「そんな事はどうでもいい。それよりもこの状況は何だ」

「…え? し、知らないんですか?」

「何がだ」

「だ、だって今私達は魔物達と戦争中で…」

「そんなの見れば分かる」

 女は困惑した様子でランスを見る。

「ランス様…アレを見て下さい」

 ジルがランスの袖を掴む。

「何だジル。女でも空を飛んでるのか」

 ランスはジルに促され、上空を見る。

 それを見て流石のランスも茫然とする。

 そこには空に浮かぶ都市と、その都市に向かって移動するであろう魔物達の姿があった。

 そしてランスはその上空に浮かぶ都市に心当たりが有る。

「まさか…あれは闘神都市か」

「ランス様…知ってるんですか?」

「うーむ…だが、イラーピュがあった所は確かJAPANの近くだったはずだし、何よりもアレは俺様が落としたからな…」

 ランスの記憶にある闘神都市はイラーピュ…そしてゼスの地下に埋まっていた闘神都市、それとヘルマンのラングバウの地下にあったものだ。

「そうです…アレは闘神都市と呼ばれています。そしてそこでは闘神と魔人が戦いを繰り広げている…らしいんです」

「魔人…」

 その言葉を聞いて、ランスは全てが繋がった。

 昔、魔人と人類が戦った戦争があったとか何とか話を聞いたような気がした。

 そしてその生き残りがフリーク、そしてハンティらしいと聞いた。

 記憶は曖昧だが、そんな話をヘルマン革命の時に聞いたような気がしたし、そもそもフリークが居るのだから別におかしな事ではなかった。

 ただ、ランスは詳細は全く知らないし、知っているのは魔人に負けたという事実だけだ。

「まあいい。とにかく人の居る所は何処だ」

「え…あ、そ、そうですね。案内させて頂きます」

「で、お前の名前は何だ」

 ランスは改めて女を見る。

 戦士なのだろうか、中々に体格は立派なものだ。

 見てみれば鎧も普通に上質のものだろうし、何処かの国の騎士と言われても納得出来る。

 リーザスの親衛隊レベルの強さはあるんじゃないかとランスは感じ取っていた。

 流石にレイラやチルディ程では無いだろうが、ランスの足を引っ張る事は無い、それくらいの強さだろう。

「失礼しました。私の名前はラギと言います」

「挨拶は良いからとっとと行きましょ。連中が戻ってきたら面倒よ」

「そうだな。とっとと行くぞ」

 ランス達は取り敢えずはこの場から離れ、人の居る場所へと向かうのだった。

 

 

 

「ラギ! 無事だったか!」

 そこは正に砦と言っても良い場所だった。

 そこには無数の人間達が居り、魔軍に対して最大限の警戒をしていた。

「そしてこの人たちは?」

「この人達は私達を助けてくれたの。そして…魔物将軍を倒したから、魔物達は撤退したの」

「魔物将軍を!?」

 ラギの言葉に皆がざわめく。

 それは当然だろう、魔物将軍は本当に強い存在なのだ。

 それらを倒せるランス達がまさに規格外の強さを持っているのだ。

「でも…ちょっと困った事があって…」

「何がだ?」

「あの方と連絡がつけば良いんだけど…」

「あの御方は多忙だからな…今も我々のためにこの世界を渡り歩いている。私達を助けてくれない聖魔教団の連中とは比べ物にならないくらいにな」

 聖魔教団、という言葉が出てきてランスも確信する。

(つまり魔教団から聖魔教団に名前が変わったって訳か)

 ランスが知っているのはあくまでも聖魔教団と、その遺物…そして当事者の1人であったフリークだけだ。

 なのでその前身の組織が何であったのかなんて知る由もない。

 そもそもランスは聖魔教団という組織そのもには全く興味が無かった。

「で、まず聞きたいんだけど今って何年だっけ?」

「…え?」

「だから今はGI何年?」

「え…い、今はGI430年ですけど」

「そう」

 ランス達がセラクロラスに出会ったのはGI389年…この年に魔教団は人類を統一した。

 アレから41年経過しているが、まさか魔軍との戦争になっていたとは想像もしていない。

 レンも少しくらいは聞いた事があったかもしれないが、そもそも人類の歴史には興味も無かった。

 なので本当に耳にした事が有る程度の知識しか持っていない。

 時代を聞いてきたレンに対してラギは困惑した顔を向けるが、当の本人は知らん顔をしている。

 なので何を言えば良いのか分からなくなってしまう。

「で、魔物が攻めてきてるのか」

「は、はい。今から10年前に魔人達が突如として襲い掛かって来ました。その恐ろしい力には闘神も闘将も成す術なく…」

「そりゃそうだろ。どうせカオスも日光も無いんだろうからな」

 魔人には無敵結界があるので、そもそもカオスと日光が無ければ相手にすらならない。

 ランスとて、無敵結界の前には無力なのだ。

(一応俺様ならば斬れるが…それでも日光には遠く及ばんからな)

 バスワルドの力を解放すれば無敵結界を無視して斬れるが、それでも日光より格段に劣る。

 切味だけならば日光を上回るランスの剣だが、魔人の回復能力を殺せない。

 魔人のやっかいな所はその再生能力もそうであり、カオスと日光で無い限り再生されてしまう。

 なのでランスの剣は一撃必殺のタイミングで使う以外に無い。

「で、魔人は何体居る」

「…確認しているだけで14体です」

「14!? そ、そんなに居るんですか!?」

 魔人の数にジルは驚く。

 ランスもその数には思わず舌を巻く。

 ランスは魔人と何回も戦っているが、その数は多くても3体だ。

 しかも同時に戦う事は無く、一体一体を相手にして倒して来た。

 なので14体も魔人が居るというのは流石に厳し過ぎる。

「ただ、魔人は全て闘神都市に向かっているので、地上にいるのは全て魔物兵です」

「魔物兵…つまりは魔物将軍か」

「はい。しかも魔物将軍の上…魔物大将軍まで出ているんです。それも2体です」

「そいつらもか…」

 魔物大将軍、それはランスも何度か戦っている。

 無敵結界の無い魔人とも言うべき存在で、その強さは確かに強い。

 が、魔人に比べると戦いやすい。

 魔人のような再生能力は無いので、日光とカオスが無くても十分に戦える相手だ。

 ただ、魔物大将軍は本来前線には出てこない相手だ。

 それこそ魔物将軍を倒し続ければ出てくるかもしれないが、流石にそれを期待するのも酷というものだろう。

「で、お前達は10年の間戦ってたと」

「はい…魔物達の行進は想像以上に遅い…というよりも、あえて人間に恐怖を与えるかのように動いてきます。メインはあくまでも闘神都市のようですので」

「フン…」

 闘神の強さはランスもよく知っている。

 闘将は今のランスならば問題無く倒せるが、流石に闘神が相手だと厳しいだろう。

 強さに関しては魔人とあまり変わらない。

 ただ、ランスが戦ってきたのはカミーラ、ノス、ザビエルといった魔人の中でも上位の存在が含まれている。

 流石にこれらの魔人と比べれば闘神は劣るともランスは思っている。

「あの…皆さんは一体どうするつもりですか?」

 ラギはランス達は正直怪しいと思っている。

 何しろランス達はこの時代の当たり前の事を全く知らない。

 そもそも今魔人達と戦争中だという事を知らないというのはハッキリ言っておかしい。

 ただ、自分達を騙そうとしているとも思えない。

 そんな事をするメリットは無いし、そもそもランスは魔物将軍を殺している。

「別に俺様は人類がどうなろうが知った事じゃ無いからな」

 ちなみにランスは割と本気でそう思っている。

 全ての戦う意味は女、これに尽きるのである。

 それにこの戦争はもう結果は分かり切っており、ランスが何をしようが聖魔教団の敗北は決まっているのだ。

 なのでランスはここから出て行こうと思った時、

「大変だ! 魔軍だ! 魔軍が攻めてきたぞ!」

 兵士が慌てた様子で走って来る。

 その声に全ての者達が城壁へと移動し、その光景を目にする。

 そこには確かに無数の…何万もの魔物兵が隊列を組んで向かって来ていた。

「ランス様…」

「チッ」

 ジルの不安そうな声にランスは忌々しそうに舌打ちする。

 どうやら魔軍の動きは思ったより早かったようだ。

 そしてジルの顔にはここの者達を助けたいという表情が浮かんでいた。

「ランス、逃げるにしてもこの場を凌ぐ必要は有るぞ。相手の出方を見る必要も有るからな」

 そしてジルの口からスラルの言葉が放たれる。

「フン、全く面倒な事だ」

 そう言いながらもランスもまた移動をするのだった。




いよいよ第一次魔人戦争が始まりました
ただ、ここでかなりの自己設定というか解釈が入ります

まず設定としてGI420~GI452の間まで戦争が出来ていた
これはまずは滅茶苦茶長いです
第二次魔人戦争が4ヶ月くらいで終わったと考えれば相当に長いです
ランス10発売前よりも設定が出ていたので、そこはもう決定事項です
ただ、ランス10には明確なゲームオーバーの期間があるので、それだけ短いのだと思います
ぶっちゃけランスが介入しないとそれこそ3ヶ月持つか怪しいですし…
その辺りはゲームバランスと考えるしか無いです
それを加味した上で考えても、地上に魔人が介入していないとはいえ、30年持ったのは何でだろうとという疑問が出ました
ですので、地上の進行はまあ非常に遅かったと言わざるを得ません
勇者が活躍した記述も無いので、多分人口の30%も死んで無いか、または勇者が存在しなかった期間としか考えられないです
なのでそれを考慮して、地上の魔物の軍隊はそこまで多く無かったんじゃないかとも思います
シャングリラの地の利が無い事を考えても、ランス10程の数を用意しなかったんじゃないかなと
この作品においてはあくまでも魔人が相手と考えているので、地上戦はあんまり考慮しないです
まあ地上で戦う魔人も出てくる予定です
数を14としてるのはまあお察しくださいとの事で
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。