取り敢えずの戦いは終わった―――ただ、結果は魔人という存在の強さを思い知らされただけだった。
無敵結界を使っていないにも関わらず、魔人ノスはランスと闘神を相手に大立ち回りを演じた。
倒せた訳でも無く、ただ一時的に凌いだだけ。
それがランス達に重く伸し掛かっていた。
「しかしアレが魔人ノスか…恐ろしい存在だ」
「ああ。あのマリーゴールド等とは比較にならない」
シロウズとメイは怪我は無いが、それでも魔人の重圧に冷や汗を流していた。
二人はノス相手にはほぼ無視されていた形だが、それでもその強さを思い知らされた。
「マリーゴールド? ああ、魔人の一体だな。お前達も既に魔人と交戦していたのか? だが、一体何処で? 魔人達はほぼ例外なく闘神都市に向かって来ていたはずだ」
二人の言葉にルシラは表情が分からない顔の下て眉を顰めていたのだろう。
「カラーの所に来た。だからぶっ殺した。それだけだ」
「…は?」
ランスの言葉にルシラは言葉を失う。
「なんの冗談だ。笑えない冗談は止めてくれ」
ルシラはランスの言葉を冗談だと思う。
それは当然、何しろ魔人には無敵結界があるのだ。
今回ノスを闘神都市から撃退出来たのも、ノスが無敵結界を最後まで解除していたからだ。
無敵結界が無くともノスは闘神相手に余裕を見せる程の力があるのだ。
ランスも別にこの戦争に本気で関わるつもりも無いので、そのまま冗談だと思わせる事にする。
「チッ、流石にノスの野郎の攻撃だ…俺の体に小さくないダメージを与えやがって…」
カインは舌打ちをしながら自分の体を気にしている。
「回復くらいはしてあげるわよ。回復の雨!」
レンが皆に向けて回復魔法をかける。
その威力は絶大で、傷ついてたランスとレンの体も癒される。
だが、カインの傷に関しては治りが鈍い。
「あれ? そんなに効果が無い?」
「ああ、ドラゴン同士の傷はそう簡単には治らねえんだよ。ま、ノスの奴は魔人としての再生能力があるから俺よりも傷の治りが早いだろうがな」
「ドラゴン!? ノスはドラゴンの魔人なのか!?」
カインの言葉を聞いてルシラは驚愕の声を上げる。
「あん? 今まで何だと思ってたんだ」
「いや、人か鬼の魔人だと思っていた…まさかドラゴンの魔人だったとは…」
ノスは本来の第一次魔人戦争の時でも本気を出していない。
ノスがドラゴンの魔人だったという事は、あのカオスとハンティですらも知らなかった事だ。
LP期になるまで、魔人ノスの出身種族は人間には分からなかったのだ。
「しかしあの化け物ジジイがここに居るとはな…」
「そうだ。ランス、お前は魔人ノスの事を知っていたのか? ノスは明らかにお前の事を知っていたぞ」
ランスとノスは顔見知り、そんな印象がルシラにはあった。
それどころか、魔人カミーラの名前を出してまでランスの事を言って来た。
「別にどうでもいいだろ」
「どうでも良くない気がするが…いや、今お前にそんな事を言うのは間違っているな。だが、とにかく…再びお前達と再会できたのは嬉しいし、何よりも助かった」
「ルシラも…でもそんな姿になっているなんて」
嬉しそうな声を出すルシラに対し、ジルは複雑な顔をする。
今のルシラの体は闘神ボディと呼ばれるモノであり、人型ではあるが当然人とは違う。
黄金に輝くボディを持ち、その体は他の闘神よりも一回りは小さい。
ランスはそれを見てこれまでの闘神の事を思い出した。
ランスが戦った闘神ユプシロンと闘神MM、そしてゼスで展示物になっていた闘神ゼータに比べると大分小柄だ。
だが、それ以上にランスにとって残念な事は当然―――
「うーむ…しかしあれ程良い体だったお前がこんな体になってしまって…」
闘神ボディになった事でセックスが出来なくなった事だろう。
その言葉を聞いて当然ルシラは呆れた声を出す。
「お前という奴はこんな時にまで…大体、私はもう結構な年だぞ?」
「そういやアレから大分時間が経っていたな」
「それに私の体はもうミイラになっているからな。女としてはもう論外だぞ」
「フン、勿体ない。これだから闘神と闘将は嫌いだ。倒しても旨味が無いしな」
「お前は随分と闘神と闘将を嫌っているな。別に私達はお前の敵になるような記憶は無いぞ」
「………まあいい。それよりも俺様は探し物に来たんだ」
ランスはルシラとの会話をはぐらかす。
将来ランスが苦労するのはずっと先の未来の話だ。
その時は闘神ユプシロン、そして闘神MMと戦う羽目になったというだけだ。
(そういや闘神とか闘将は人類を抹殺するように命令されてたって話だったな。だが今そんな事は無いな)
闘神と闘将は人間に対して殺意を抱いていた。
聖魔教団の負の遺産とも言える、聖骸闘将…いやゆるロンメルシリーズやマーダーシリーズといったモンスター扱い同然の存在も厄介だ。
だが、今のルシラの態度を見る限りランスに対して敵意は見当たらない。
それどころかランスに対しても懐かしいとまで言っている。
「何を探しに来た? ここにお前達が欲しがるものなんて無いと思うが…」
「魔王の呪いを解く事が出来るアイテムだ。お前達ならそれくらい持ってるだろ」
「魔王の呪い? いや、何故そんな物を…」
ランスから出た言葉にルシラは思わず闘神の身でありながら首を傾げるような仕草を見せる。
「必要だから探してるだけだ。持ってるだろ」
ランスは聖魔教団の遺産が魔王リトルプリンセスの氷からシィルを解放したと信じて疑っていない。
そのために態々ヘルマン革命という面倒くさい出来事に介入した理由だからだ。
真実をランスは知らないので、そう思うのは自然な事だ。
「少なくともここには無いぞ。もしかしたらデトナ・ルーカには有るかもしれないが…」
「何だそりゃ」
「私達聖魔教団の本部だ。ルーンもフリーク先生もそこに居る」
「何だ。無駄足だったか」
当てが外れた事にランスは少し苛立ったような声を出す。
「それよりもランス。私から頼みがある」
「断る。面倒くさい」
「………」
ルシラの言葉を躊躇う事無く斬り捨てる言葉にルシラも思わず沈黙する。
「あの…ランス様。ルシラの頼みを聞いてもらうだけでも…」
「フン、昔のルシラなら考えてやったかもしれんが、今のルシラとはセックス出来んだろうが」
「…私は魔人と戦うために闘神へと姿を変えたからな。そういう事とは縁を切ったつもりだ」
「大体俺様はお前達に協力する気は無いぞ。面倒くさいしな」
「本当に私達聖魔教団が嫌いなのだな…というか、お前に私達が何かしたか?」
昔からランスは聖魔教団に対しては敵意があるように見られた。
(私は…まあ女だからだろうな。ただ、ランスは闘将となったフリーク先生を知っていた。何か因縁があるのかもしれないが…何故だ?)
ルシラの疑問は尤もだが、それは聖魔教団が滅んだ未来の話だ。
そして今から近く無い未来に聖魔教団は人類に牙を向く事になるとは今のルシラには知りようが無い。
「お前達には関係ないわ。取り敢えずその聖魔教団の本部とやらに行くか」
「ランス、少し待て」
ランスが立ち上がってカインを見るが、そのカインが少し申し訳なさそうな顔でランスを見る。
「空を飛ぶなら少し時間をよこせ。流石にノスとの戦いで俺も傷を負っているからな」
「回復魔法をかけただろうが」
「ドラゴン同士の傷ってのはそう簡単には治らねえんだよ。今飛んでバランス崩して落ちたとして文句がねえなら構わねえけどな」
「ぐぬぬ…」
カインにそう言われてはランスとしてもどうしようもない。
ドラゴン同士の傷が治りにくいのはカミーラの例からしても明らかだし、無理して墜落死なんて事になったら笑い事じゃすまされない。
「ランス、少しの間ここで傷を癒せばいい。ノスを退けた今なら少しの余裕がある。他の魔人だって早々にここに来るのは難しいからな」
「ランス様。ここはルシラの言葉を受けましょうよ。ランス様だって疲れてますよね」
「フン、仕方ないな。少しの間居てやるから有難く思え」
「やれやれ、お前は何処までも尊大な男だな。まあ案内はしよう。別に秘密の組織という訳でも無いからな」
ルシラは呆れつつもランス達を闘神都市の中に案内しようとする。
「ああ、ドラゴンであるあなたは…」
「俺はここで寝てるから構わねえよ。ま、確かにドラゴンにとってはここは中々過ごしやすいかもな」
カインは傷を癒すため、取り敢えず闘神都市の上で眠る事にする。
「とっとと治せよ。お前が治らんと移動が出来んからな」
「ま、そんなに時間はかからねえよ。それこそ魔人じゃ無いとここに乗り込むなんて難しいしな」
ランスの言葉にカインは翼を動かして手を振るような仕草をする。
そして本格的に寝入ってしまう。
「よっぽど疲れたんですね…」
「ある意味ドラゴン同士の戦いだったみたいだしね。ま、しばらくそっとしておきましょ」
ジルの言葉にレンも頷く。
そしてランス達は闘神都市の内部に案内される。
実際の闘神都市を見て、シロウズとメイは感心したような声を上げる。
「ここが闘神都市か…」
「カラーが協力したのも納得いくというものだ。それにしても内部は随分と静かだな。闘神都市には闘将も多数配備されていると聞いている」
メイの言葉にルシラは少し気が重たそうに答える。
「ああ…魔人との戦いで結構な数を失ってしまった。正直、この闘神都市Θはもうジリ貧だったよ。お前達が来なければ間違い無く落ちていただろうな」
これまでの戦いを思い返してもルシラの気は重くなるだけだ。
甚大な被害を出しても、魔人の一人も倒せていないのが事実だ。
魔人の無敵結界の前には、闘神という絶大な力が有っても手も足も出ないのが現実だった。
ノスに至っては無敵結界を使っていないのに、闘神Θの攻撃は殆ど通用していなかった。
もしここに他の闘神が居てくれれば話は違っただろうが、生憎と闘神というのはそういう存在ではない。
「取り敢えずここで休んでくれ。私もお前達の話を聞きたい」
ルシラが案内したのは人が集まれる場所だった。
闘神都市という場所に相応しく、未知の物で形成されている。
「なんだここは」
「ここは本来は闘神と闘将以外の者達を案内する場所だ。私達はなにも闘神と闘将だけをこの闘神都市に乗せている訳では無いはずだったんだ。だが、予想外の魔人の襲撃に地上に残って居る者達には辛い思いをさせている…」
心苦しそうな声を出すルシラに対し、ランスは別にどうでもいいかのように取り敢えず備え付けの椅子に座る。
どういう素材で出来ているのか、不思議な座り心地だが悪い感触では無かった。
「で、お前達は本当に魔王の呪いを解くアイテムを探しに来たのか? 態々ドラゴンに乗って」
「それとハンティに頼まれたからよ」
「…黒髪のカラーがか。彼女もまた複雑な立場な方だ」
ハンティの名前が出てルシラは苦い声を出す。
彼女は聖魔教団が人類の統一する際に蛮人…魔法を使えない者達の味方をした。
ただ、彼女の力をもってしても教団は止めれなかった。
それでいて、彼女はフリークとの親友という複雑な立場の存在だった。
「助かった、と言いたいが状況は改善はしないだろうな。聖刀日光と魔剣カオスを見つける前に戦争が始まってしまったのは痛手だよ」
予定としては全ての闘神都市を打ち上げ、魔人の無敵結界を斬れる日光とカオスを見つけた上で、各闘神都市が連携して魔人達を倒す予定だった。
しかし現実には一体の魔人すらも倒せていない。
10年間戦争して持ちこたえられているだけでも僥倖なのだが、正直に言えば先が見えない状況だ。
「ランス…無理を承知で尋ねるが、やはり今でも私達に協力をしてくれる気は無いのか?」
「有る訳無いだろうが。大体ここまで来たら終わりだ終わり。お前達が負けるだけだろうが。俺様は泥船に乗る気は無いぞ」
「…やはり無理か」
ランスの言葉にルシラは落胆するが、ランスに無理強いは出来ない。
それにランスの言う通り、最早聖魔教団に勝ちの目は薄い…ルシラもそう思ってしまっている。
何しろ無敵結界を使っていない魔人ノス一体を倒す事も出来ないのだ。
まだ参戦していない魔人の事を考えれば聖魔教団の目標は瓦解したと言っても良かった。
「ランスが協力した所で状況は好転しないわよ。ランスだけじゃ魔人相手には勝てない。特に四天王クラスはね」
レンの言葉にルシラは気が重くなる。
彼女の言う通り、ノスは無敵結界を使っていないのに自分達を相手にしても余裕だった。
恐ろしい程の強さを感じ取った一戦であり、ルシラとしても今更ながら魔人の強さを思い知らされた。
例えランスが魔人の無敵結界を無効に出来ても、結局は一人では魔人の相手は厳しいという事だ。
「ままならないな…だとすると、私としてもこれからを考えないといけない」
ルシラとしては希望を捨てる訳にはいかない。
もうこの先の未来に向けて考えないといけない展開になってきてしまっているのだ。
遅かれ早かれ聖魔教団は負ける、それはルシラももう感じ取っている。
だとすると、問題になるのは未来の話となってしまう。
「ランス、私から頼みがある」
「知らん。お前達に関わると碌な事にならんから断る」
「………お前はそういう奴だったな」
自分の頼みをあっさりと断るランスに対してルシラはある意味懐かしい気分になる。
「だが、お前にとっても有益な情報を出せると思う」
「何だ。女でも居るのか」
「生憎と闘神や闘将にお前が求めるような女は居ないだろうな。だが、お前が求めるアイテムはあるかもしれない」
「何だと?」
「闘神都市Σ、そこに闘神Σという奴が居る。そいつを助けて欲しいんだ」
闘神Σ、それは今も魔人相手に戦っている闘神であり、闘神の中でも結構な変わり種だ。
そして―――未来にランスを、人類を助ける事になる闘神でもあるが、それを今のランスは知らない。
「今Σは魔人と戦っている。Σを助けて欲しい」
「だから何でだ。そいつを助けて俺様に何の得がある」
「奴ならばお前の助けになるからだ。他の闘神ではお前個人の助けにはならないが、Σならばお前個人の助けになれるはずだからだ」
「やだ。面倒くさい」
ルシラの頼みにもランスはあっさりと斬り捨てる。
ただ、ランスからすれば聖魔教団と魔人の間の戦争などそれこそ他人ごとでしか無いのだ。
所詮は過去の出来事であり、聖魔教団は魔人に負け滅んだ国家でしかない。
それなりに関わりはしたが、本質的な意味ではランスは聖魔教団の事には関わってはいない。
「ランス様…」
「関わっても良い事は無いだろうが」
ジルは悲しそうな顔をするが、ランスもそこを曲げる気はない。
「そうね。それにランスがこの戦争に関わるという事は、それだけ魔人にも狙われる可能性が増える。それこそカミーラやレイ、レキシントンとかはランスを狙ってくるでしょうしね」
「…お前、そんなに魔人に狙われていたのか?」
レンの口から出た魔人は何れもこの戦争に参加している魔人だ。
レイとレキシントンは積極的に闘神都市に攻撃を仕掛けているし、魔人カミーラは積極的に襲っては来ないが、ふらっと突然現れては甚大な被害を出してくる存在だ。
特にカミーラは空を飛べるので闘神都市には簡単に乗り込んでくる。
無敵結界は使ってはいないという事だが、それでも魔人四天王の一人だけありそれこそ強すぎる存在として知られている。
「Σなら恐らくはお前が探しているアイテムのヒントを知っていると思うぞ」
「何だと?」
「Σはホピンズ出身だ。色々なアイテムを見てはそれを参考にして闘神を作っていた奴だ。奴ならば、呪いを解くアイテムについても知っている可能性は高い。それに、今我々の本拠地に乗り込むのは不可能だ」
「お前が居るだろうが」
「私はここを離れられない。今ここを離れれば、魔人による被害はもっと大きくなるだろう。お前の目的のためには、Σの所に行ってもらうのが一番だ。まあ、奴が本当に魔王の呪いを解くアイテムについて知っているという保証は無いがな」
「じゃあ無駄足になる可能性も有るという事だろうが!」
「そうだな。だが、私としても可能性が最も高い所を教えているつもりだ。ルーンなら知っているかもしれないが、今の状況でルーンがお前に協力する可能性は無いぞ。お前は最後まで私達と手を組む姿勢を向けなかったからな」
「むぐぐ…」
ルシラの言葉にランスは呻く。
ランスとしては魔人と戦うなんて非常に面倒くさい。
カオスも日光も無しに魔人と戦う辛さは先程のノスとの戦いで思い知ったばかりだ。
流石のランスでも、あんな戦いが続くと精神的に疲弊するし、何よりも面倒臭い。
だったら目的の物を見つけてからとっととこの戦争からオサラバするのが手っ取り早い。
「仕方ない、行ってやるか」
闘神都市の何処かにケッセルリンクの呪いを解くアイテムがあるのは間違いない。
「すまない、ランス。私としても何か礼をしたいが…今は出来る事は無いのが口惜しいな」
「だったら後で返せ。お前は闘神だから少しは役に立つだろうからな」
それはランスからすればただの軽口のつもりだった。
ただ、この言葉は将来的に影響を及ぼすのはまだまだ先の事だった。
そして一週間後。
その間魔人の襲撃も無く、ランス達は本当に何事も無く過ごした。
「本当に魔人の襲撃が無かったな…」
メイが少し感心したように呟く。
「魔人にとっても闘神都市に乗り込むのは一苦労という事だ。空を飛べる魔人はカミーラとサイゼルしか確認されていないからな」
闘神都市が空中に浮いている事と、闘神の強さが噛み合う事で魔人達もそう簡単に闘神都市を落とす事は出来ない。
ただ、一度乗り込んでくると撃退するのに苦労するというのが現実だ。
それが魔人ノスであれば尚更な事をルシラは思い知った。
「で、ドラゴン殿はもう大丈夫なのかい?」
「問題ねえよ。それほど深い傷って訳じゃなかったからな」
シロウズの言葉にカインは牙を見せて笑って見せる。
「で、次は何処に行こうってんだ」
「あちらの方向だ。あちらの方向にあるのはもう闘神都市Σしか無いからな…」
ルシラの指さす方向には何も見えないが、その方向には闘神都市が浮かんでいるのだろう。
「また魔人が居るかもしれねえな」
「フン、魔人が居ようが何だろうが関係無いわ。邪魔をするならぶっ殺す」
「ハッ! それでこそお前だぜ!」
ランスの言葉にカインは楽しそうに笑う。
「…いいの? ランスの力ってアンタの弟の力だって事だけど」
レンの言葉にカインは苦笑するかのように顔を歪めた。
「ま、色々あったけどよ…もう会えねえ奴の事を考えるのも何だしな。それにカミーラはまだこの世界に居るんだ。俺の目的はあいつだぜ」
「お前、まだカミーラの事を諦めてないのか。呆れた奴だな」
「お前だってそう簡単に諦めるような奴じゃねえだろ。ま、それよりも乗りな!」
その言葉にランス達はカインの背中に乗る。
「ランス! ジル! レン!」
「何だ」
「気をつけろよ。そして死なないでくれ…」
「フン、お前自身が気を付けるんだな。その闘神都市をぶっ壊すなよ。将来俺様が使うんだからな」
「フ…その時が来ればな。少し闘神都市を動かすかもしれないが、お前なら問題無いだろう」
「行くぜ! ランス!」
カインが翼を羽ばたかせて宙に浮く。
「ルシラ! また…会いましょう!」
「ああ! ジル、お前も絶対に死ぬな! レン、ジルを頼む!」
「私とランスが居るんだから死なないわよ。それでなくてもこの子はそう簡単には死ねないしね」
「がはははは! 次の闘神都市に向かうぞ! 行け、カイン!」
「おう!」
ランスの言葉に合わせてカインが空を飛んで闘神都市Θから離れていく。
それを見届けて、ルシラは改めてこれからの事を考える。
「聖魔教団がランスと協力するのは難しいかもしれないが…それでも私が居れば少しくらいは何とかなるはずだ」
ルシラにとってはランスが希望だ。
ランスの言う通り、この戦争はもうジリ貧で、聖魔教団が瓦解するまでは魔人達は攻撃を仕掛けてくるだろう。
その場合は未来の事について考えないといけない。
「聖魔教団が滅んでも人類が滅びる訳じゃ無い…またいつか、人類が魔物に対抗できる時は来るはずだ」
ルシラはその未来を見据えて動き始めた。
それが実を結ぶのは今から遥か先の未来であったが、当然誰もそんな事は知らない。
「うおおおおおお! 覚悟しろ! 魔人レイ!」
「はっ! 中々やるじゃねえか! 闘神の中でもお前は楽しめるな!」
闘神都市Σ―――そこでは闘神Σと魔人レイがぶつかっていた。
レイはあれからは取り敢えずランスの事は放っておいて、闘神都市へと攻撃を仕掛けていた。
ただ、レイの歩みは本来の歴史よりも格段に遅い。
それが闘神都市Σの運命を変えている事には誰も気づいていない。
「無敵結界無しでもこの強さ…おいら達闘神でも厳しい訳だ…でも負けられない!」
「そうかよ! だったらやってみな!」
レイの体から電撃が迸る。
「くっ…その電撃の力、おいら達闘神や闘将にも厳しいなあ…」
魔人レイの電撃は金属の体を持つ闘神達には脅威だ。
だが、闘神Σはそんな事では退けない。
実際、魔人レイとの戦いで色々と対策は考えてはいるのだ。
「ドラゴンも飛行魔物兵との戦いでこちらには来れない…でも何とかなる!」
闘神Σが覚悟を決めていた時、こちらにやってくる影が見える。
「あん? ドラゴンか?」
レイもそれに気づき空を見上げる。
そこには一体のドラゴンがやって来ていた。
そしてその上から一人の人間が飛び降りてきた。
「死ねええええええええええ!」
その人間は魔人レイに向かって凄まじい勢いで剣を構えて向かってくる。
それを見てレイはその口元に笑みを浮かべる。
「はっ! まさかお前の方から来てくれるとはな! ランス!」
次は順当に闘神Σと魔人レイの場面に
ランス10での組み合わせなのでそこはやっぱり出さないと
問題なのは闘神Zで、7年バボラと戦ってるのがネックなんだよなあ…
あまり情報の無い闘神を出したく無いので、実は登場する魔人も案外出せない
最初闘神γとレッドアイ出そうと思ってたけど、公式でレッドアイがある状況だと最弱の魔人だと明言されたのもあり、ここで出しても殺せてしまうので断念
だってレッドアイってキ〇ガイでバカだから油断してコアを斬られる状況しか思い浮かばない…
やっぱりこの時代で登場出来る魔人ってノスとレイとレキシントンに偏っちゃうなあ…