ランス再び   作:メケネコ

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パレロアの日常

 ○月×日

 今日から日記をつけて見ようと思う。

 夫と子供を無くしてから一月がたった。

 それから私の生活は一変してしまいました。

 まさか私が悪魔や魔人と関わるなんて思いもしませんでした。

 でも、私はこうして生きて日記をつけています。

 今日はまたランスさんが色々としていました。

 あの人と一緒にいて、これまでの自分の人生とは全く別のものに変わってしまいました。

 ランスさんと一緒に居るのは大変ですが、何故かあの人を放っておくことが出来ません。

 私よりも年上との事ですが、外見も内面もどうしても私より年上には見えません。

 私より年下と言ってもおかしくはありません。

 でも、魔人と戦ったり、魔人の方と対等に話したりと私の想像も出来ない事をしています。

 そんなランスさんと一緒に居ると、これまでの事が忘れてしまうくらいの衝撃です。

 

 

 ○月△日

 ランスは色々とだらしない生活を送っていますが、意外にも規則正しい生活をしている事がわかりました。

 必ず朝の八時には目が覚めます。

 そして八時半には一緒に食事を取りますが、同じメニューが続くと不機嫌になってしまいます。

 ランスさんも今の状況が分かっているみたいなので怒りはしませんが、そこは私の腕の見せ所。

 伊達に主婦はしていません。

 ダンジョンを探して色々と情報を集めているようで、レダさんを置いてどこかの町へ聞き込みに行っているみたいです。

 レダさんは「大まおーが居れば大丈夫なんだけどね」と言ってましたが、リビングのテーブルに置いてあるぬいぐるみがその大まおーなのでしょうか?

 でも、たまに動いている所を見るので不気味です。

 外見はカワイイのですけど。

 

 

 

「だ、駄目です…ランスさん」

「がはははは! 良いではないか!」

 ランスはとうとうパレロアを押し倒していた。

 パレロアと出会ってから結構な時間がたっている。

 それまでランスがパレロアを押し倒さなかったのは、やはり子を失ったショックが癒えるまで待とうという、ランスにしては非常に全うな理由だった。

 それもリセットが生まれたからなのかもしれない。

 ちなみにダークランスと乱義の事は脳内には殆ど無い。

「大体本気で拒むなら、こんな夜に俺様に呼ばれた時点で断ってるだろ」

「そ、それは…」

 パレロアも子供を生んだ事があるとはいえ、まだまだ若く、夫に操を立てている訳でもない。

 それにランスがレダ、シャロン、そしてケッセルリンクとも夜を共にしているのは彼女も知っている。

 だからかは知らないが、ランスは決して無理にパレロアに迫ってくるような事は無かった。

 パレロアはランスにベッドへと押し倒されるが、ランスの力はそれ程強くは無い。

 もし本気でパレロアが抵抗すれば、ランスもあっさりと彼女を解放しただろう。

 だが、パレロアは年上である(と、言い張っている)ランスに母性本能をくすぐられていた。

 それは彼女が子供を生んでいたからかもしれないし、その彼女の技能からかもしれない。

「ランスさん。私は人の妻だった女です。そんな私はランスさんには…」

「そんな言い訳で俺様が引き下がるとでも思っているのか? むしろそれはそれで良いではないか!」

「ランスさん…」

 パレロアはランスが本気で言っている事が分かる。

 だから彼女は完全にランスに絆されてしまった。

 いけないと思いつつも、それでもランスに対する感謝と慈愛、それが彼女から抵抗を消してしまっていた。

「…私は見合いで知り合った夫しか知りません。ですので、ランスさんを楽しませる事は出来ません…それでもいいですか?」

「なんだ、そんな事を気にしてたのか。俺様はお前の過去など全く気にせんからな。俺様は俺様のやりたいようにやるだけだ」

 ランスはそのままパレロアの服を脱がすと、自身も服を脱ぎ全裸になる。

「あ…」

 ランスの体を見るのは別に初めてではない。

 しかしベッドの上で見るランスの肉体は、また別の感想を彼女に与えていた。

(すごい筋肉…ランスさんは細く見えるけど、凄い力持ちなのよね…)

 そしてパレロアの視線はランスの下半身に向けられる。

 そこにはまさにいきり立っているランスのハイパー兵器があった。

「っ!」

 そこにあったのは、かつての自分の夫とは比べ物にならぬほどの大きさがあった。

 それを目にして、パレロアはそこから目を離すことが出来なくなってしまってた。

 その視線に気付かぬランスではなく、ニヤリと笑みを浮かべると、それをパレロアに突きつける。

「どうやら興味があるようだな」

「そ、そんな事は…」

 そう言いながらも、パレロアの視線はランスのハイパー兵器から離れない。

 彼女もまだ若く、子育ても忙しかったが、そういう事にまだまだ興味がある年齢なのだ。

「とーーーーーっ!」

「きゃあ!」

 顔を真っ赤にして恥らうパレロアを見て、ランスはとうとう辛抱たまらんといった感じに押し倒す。

「ランスさん…」

 元々ランスに力で抵抗しよう等と考えてはいない。

 正直、ランスに呼ばれた時からこのことを考えていたのかもしれない。

「わ、私…さっきも言いましたが、夫以外とした事が無くて…その…優しくしてくれれば…」

「がはははは! 任せろ!」

(うーむ、やっぱりこの手の女は最初は優しくして欲しいと言うな)

 今までならば「がはははは! とーっ!」であったが、ランスもかなり成長し、魔王や魔人とも多く経験をつんできた。

(未亡人か…あまり未亡人とはしてなかった気がするぞ。うむ、ここは俺様の技でパレロアをメロメロにしてやろう)

 未亡人、という言葉にランスは興奮してきた。

(うむ、どっかの映画でもやってたな…ここはそれを実践してみるか)

 ランスも色々な映画…ポルノ映画を冒険に行かない時は見ていたし、その手のラレラレ石もそれなりに集めている。

 その中にあった、未亡人や人妻に色々とする映画やラレラレ石を思い出す。

 そしてやってみようと考える…即ち人妻(未亡人)調教というジャンルを。

 ランスはパレロアからは見えないようにニヤリと笑うと、そのまま彼女の体を弄る。

「あ…ランスさん…」

 パレロアは体の力を抜き、ランスにされるがままとなっている。

 夫の繊細、悪く言えば単調とも言える愛撫も、同じ男性であるランスは全く違う。

 研究肌だった夫とは違い、大きく筋肉質な腕。

 そして体に感じるランスの力強い体。

 夫とは全く違う感覚にパレロアは目を白黒させていた。

 ランスの指が自分の胸、そして大切な所に触れるたびに電気が走ったかのような衝撃に襲われる。

「がはははは! かわいいぞ、パレロア」

「ランスさ…ムグゥ」

 そしてとうとうランスの唇がパレロアの唇を塞ぐ。

(あ…)

 パレロアは唇を奪われた時、何かを失ったような気がしたが、それでも目の前のランスの指から与えられる刺激と、自分の口内を思う存分蹂躙するその舌に翻弄され、何も考えることが出来なくなっていた。

 ランスの唇が離れないために、ランスから与えられる唾液をごくごくと飲み干す。

「パレロアはそんなにキスが好きか」

「ぷは…え…?」

 ようやくランスの唇が離れ、パレロアは新鮮な空気を吸い込む。

「がはははは! 俺の唇を離すまいとしているではないか」

「え…あ…」

 パレロアは何時の間にか自分の手がランスの頭に回されている事に気付く。

「もう十分準備が出来ているではないか。ではいくぞ!」

「ひうっ!」

 そしてとうとう夫しか迎えたことの無い場所に、ランスのハイパー兵器が入り込む。

(ああ…とうとうしてしまった)

 いつかこんな日がくるとは思っていた。

 夫を亡くし、子供も亡くしてしまったが、自分はまだ女だと思い知らされてしまった。

「がはははは! 夫が居たという割にはキツキツではないか! 殆どしてなかったな!」

「そ、そんな事は…」

 パレロアは僅かに残っている、夫がまともだった時を思い出すが、そもそもの大きさが違いすぎる。

(あの人ではとどかなかった所まで…)

 パレロアは自分の奥を刺激するランスのハイパー兵器に目を白黒させる。

 あまりの違いに、パレロアの体がついていけないのだ。

 ランスは思い思いの動きでパレロアの体を翻弄する。

 経産婦だと言うが、ランスにとっては殆ど経験の無い女性の体に等しかった。

(未亡人なら未亡人で色々と楽しめると思ったが、これはこれでグッドだ!)

 まさかランスもパレロアがここまで経験が少ないとは思っていなかった。

 同時に彼女が今まで女として満足していなかったのを察し、これを気に本当のセックスを教えてやろうと、どんどんと動きを激しくする。

「俺様のハイパー兵器は夫と比べてどうだ」

「ああ…そんな…お願いします、そんな酷い事を私に言わせないで下さい…」

「言わないなら止めるぞ」

 ランスはそういって動かしてた体を止める。

「ああ…そんな…」

 パレロアは突如として止まってしまったランスの体にもどかしさを感じてしまう。

 ランスの顔を見ると、ランスはニヤニヤと笑っているだけだ。

 まるでパレロアが何と答えるかを分かっているかのように笑っている。

 それでも、彼女はこう答えるしかなかった。

「ランスさんの方が…いいです」

「がはははは! 当然だ!」

 ランスは笑いながら再び腰を動かす。

 パレロアが何度も絶頂と迎えていると、ランスも共に絶頂を迎える。

「ああ…」

 その感触にパレロアは艶かしい声を出して震える。

(あの人以外のを…受け入れちゃった…)

 絶頂の余韻に暫く浸っていると、ランスが再び動き始める。

「え…ランス…さん」

「がはははは! 一度で終わる訳が無いだろう!」

「ああ…そんな…」

 結局その日、パレロアはランスが満足するまで何度も何度も抱かれ続けた。

 

 

 

 パレロアが目を覚ました時、そこには非常に逞しい体が目に入った。

(私…そうだ…ランスさんとしてしまったんだ…)

 しかも非常に恥ずかしい事を言いながら一晩中抱かれてしまっていた。

(私…なんて事…)

 自分には亡くなったとはいえ、夫が居たというのに、自分はあんなにも乱れてしまった。

 それも最後のほうには自分からランスを求めてしまっていた。

 自分がそんな人間だったという事を思い知らされたようで、唐突に自分の子供の事を思い出し、その目からは涙が零れ落ちる。

「泣いとるのか」

「あ…ランスさん…ごめんなさい…」

 突如として泣き出したパレロアにランスは起き上がると、その大きな手でパレロアの頭を撫でる。

 その意外な暖かさ、そして不器用ながらも自分を慰めてくれていると感じて、ランスの胸で泣き始める。

「ごめんなさい…私…子供を亡くしたのに…でもこんな…ランスさんと…」

「お前の子供が死んだのはお前のせいじゃないだろ」

「でも…私は夫を止められたはずなのに…私は母親だったのに…」

 流石のランスも子供を持ち出されると少し弱い。

 それもリセット・カラーという娘が生まれたからかもしれない。

「忘れろとは言わんが、気にしすぎてもいかんぞ」

「でも私…」

 泣き続けるパレロアを、ランスは気の済むまで泣かせてやる。

「落ち着いたか」

「ええ…ごめんなさない。ランスさんと一緒に居たら、何故かあの子達の事を思い出して…」

 ランスさんが子供っぽいから…という言葉をパレロアは飲み込む。

「もう大丈夫です。ランスさん達はあんな姿になってしまった私の子供を救ってくれました。私もまだ生きているのですから、もっと前を向きたいと思います」

 パレロアはそう言って少し笑う。

「そう笑えるのなら大丈夫だな。ならば…早速朝のコレの相手をしてもらおうか」

「え…」

 ランスはパレロアの細い手に大きくなったハイパー兵器を握らせる。

「そんな…あれだけしたのに…」

 夫から考えると有り得ないほどの体力と精力に、パレロアは顔を紅く染めてしまう。

「ぐふふふ…まあ朝から入れるだけでは芸が無いな」

 こうしてランスは朝からパレロアの手と口を使い、思う存分愉しんだ。

 

 

 

「ランス…あんたやり過ぎ」

 パレロアは本日は腰が痛いとの事で寝込んでいる。

 ランスがパレロアと夜を共にしたのは知っているが、まさか足腰が立たなくなるまでやってるとは思わなかった。

「手加減はしたぞ」

「あんたの手加減の範囲が怪しいのよ。どうせ私やケッセルリンク基準で手加減してるんでしょ」

 レダもケッセルリンクも体力は当然の事ながらずば抜けている。

 その二人が相手だと、ランスも全力で相手を出来る上に、しばらくはこの二人の相手をする事が多かったため、思わずやり過ぎてしまったようだ。

「今日は私とランスの美味しくも何とも無いご飯ね…」

「うーむ、もう少し俺様も技を磨く必要があるな。と言う訳でやるぞ! レダ!」

「何がと言う訳でよ! あ、こら!」

 ランスはレダを抱き上げると、そのままベッドへと走り始める。

 そして聞こえてくるのはレダの怒声と、悩ましい喘ぎ声だけ。

「まったく…今日は本当に何も無く終わりね。私は何時ものように研究でもしよっと」

 

 

 

 ○月□日

 とうとうランスさんと一線を越えてしまいました。

 拒もうと思えば拒めたでしょうし、ランスさんも無理強いはしないでしょうけど、それでも私はランスさんを受け入れてしまいました。

 でも不思議と後悔はありませんでした。

 ランスさんの人徳と言えばいいのでしょうか…子供っぽいだけなのかもしれませんが。

 でもそれだけではなく、どこか人としての大きさを感じさせてくれる人です。

 いい人…とは違うと思いますが、どこか優しさを感じさせてくれる人です。

 

 

 

「がはははは! ザコは死ねーー!!」

「「「ぎゃーーーー!!!」」」

 洞窟の内部、そこに居た雑魚モンスター達はランスの一撃で吹き飛ばされる。

 その一撃には耐えられるものではなく、全ての魔物達が肉塊となって弾け飛ぶ。

「ちょっとランス! やりすぎよ! ちょっとは手加減しなさいよ! 実験にならないじゃない!」

 ランスの剣の中に居るスラルがランスに対して文句を言う。

 付与の実験をしようと思ったのだが、ランスの一撃が強すぎるせいで実験にならないのだ。

「がはははは! 弱すぎる奴が悪い!」

「まったく…こういう時だからこそ、実験しておきたいのに…」

 確かにこの辺のモンスターは弱いが、それでもやはりランスの攻撃力は異常であり、あのカミーラにも手傷を負わせたのも納得がいく話だ。

「それにしても思ったよりも進めないわね…やっぱり大まおーが居ないのは痛いわね」

 レダはトラップを解除するのに失敗し、痺れる体を神魔法で癒しながらランス達と合流する。

「トラップの解除が出来なくて、諦めないといけない宝箱もあったし…」

 何故かレンジャーとしての技能を持つ大まおーであったが、現在はただのぬいぐるみとして魔法ハウスの中に飾られている。

「ごめんなさい…私は本当に何も出来なくて…」

 一応の荷物持ちとして同行しているパレロアだが、この戦闘に関しては戦力にならず、レダに庇われながら共に行動している。

「別にいいわよ。大した事じゃないから」

 レダは何でも無いように応える。

 実際に彼女を庇いながら戦闘をしているが、その技能は圧倒的であり、彼女に攻撃が通ったことなど一度も無い。

 レダ自身の体も頑強で有り、彼女を庇いながらも傷は殆ど負っていない。

「うーむ…ダンジョンに必須の鍵までも売っていないのはな…」

 ランスも冒険の時にはその手の準備は欠かさない。

 シィルは器用で、鍵開け、罠の解除等人並み以上にこなす。

 本職には敵わないが、その辺の冒険者よりは腕が上だ。

 だが、何よりもその辺の町には世色癌や宝箱を開ける鍵なども売っているものだが、何故かこの辺には売っていない。

 それどころか世色癌というものを誰も知らなかった。

 しかし無いものはどうしようもなく、ランスもそれを承知の上で冒険を行っている。

 シィルやかなみといった腕が立ち、美しい女性など中々居るものでは無く、男は最初からランスの眼中には無いためにレンジャーの役割を出来るものがいない。

 ケッセルリンクが居た時はごり押しで何とでもなったが、居ないものを言っても仕方が無い。

「でも本当に大したものが無いわね…唯一、経験値パンがあったのが救いかしら」

 手に入れたアイテムも二束三文にしかならない物ばかりで、今回の成果は経験値パンのみと言っても過言ではない。

 勿論レベルが高いランスやレダには有り難い品ではあるが、ランスは目的の物が中々見つから無いことにイライラしているのではないか…皆はそう思っていたのだが、

「無いなら仕方ないな。別の場所に行くか」

 ランスは何でも無いかのようにあっさりと引き上げることを選ぶ。

 その言葉に皆が意外そうな顔をする。

「どうした」

「いや…ランスが意外にも平然としてるから…もう少し怒ったりするものだと思ってね」

「私もね。ランスは気が短いから、目的の物が見つからなかったら怒るタイプだと思ってたから」

「そうですね…私もランスさんが怒るのかと思いました」

 三人の言葉にもランスは呆れたような顔をする。

「そんな簡単に目的の物など見つかるわけ無いだろ」

 ランスは冒険が大好きだ。

 この世界のまだ見ぬ物を探し、謎を解くのは非常に楽しい。

 だからこそ、一つのダンジョンで目的の物が見つからなくても怒るという事は無い。

 尤も冒険LV2というとてつもない技能のせいで、何時も何かしらの発見があるのがランスという男なのだが。

「それに中々のお宝も手に入れたからな」

「お宝?」

「がはははは! これだ!」

 ランスが取り出したのは貝殻だった。

 見る角度によって色が変わるという、ランスにとっても見た事の無い貝だった。

「貝…ですよね?」

「うむ、お宝ではないか」

「あー…そういやランスの趣味なのよね」

 ランスの趣味の一つに珍しい貝を収集するという事が有る。

「意外な趣味ね…でも確かに貝は不思議なのよね…一体いつからいるのかしら?」

 人類が生まれてからの魔王であるスラルも、貝がどういうものなのかは詳しくは知らない。

 知っているのは、丸い者と戦っていた第一世代のモンスターであるというだけだ。

 スラルでも生きている貝は見たことが無かった。

 種としては存在しているが、川や湖や海岸で採れ、食用になる物もいる。

 ランスが手にしているのは鉱物としての貝であり、何の役に立つかはスラルでも知らない。

「ランスさん。お預かりします」

「うむ、壊すなよ」

 パレロアはランスから貝を受け取ると、大事そうにしまう。

 ランスにとっては大切な物のようなので、パレロアも大切に扱う。

「帰るか」

 今回の冒険は、ランスのその言葉で終わりを告げた。

 

 

 

 △月○日

 今回で3度目のダンジョン探索になりましたが、ランスさんの目的の物は見つからないようです。

 でもそれでもランスさんは文句も無く、逆に楽しそうにしています。

 そしてランスさんの意外な一面が見れました。

 本当に貝が好きなようで、貝の手入れは私にもさせてくれません。

 子供のような目で貝の手入れをしている所を見ると、あれほど何度も私やレダさんに迫ってくる人とは思えません。

 でも、そこもランスさんの魅力なのだと思えてきました。

 

 

 

「ふぅ…」

 パレロアは今日も無事に終わった一日に思わずため息をつく。

 確かに冒険は彼女には大変だが、それでもかつての生活には無い充実感もあった。

 今日の冒険はランスも疲れたようで、もう既に寝入ってしまっている。

 ランスに夜に呼ばれないことに少し物足りないものを感じながらも、明日の朝も早いので直ぐに床に入る。

「…お母さんが皆に会いに行くのはまだ先になりそうね」

 失ってしまった二人の顔を思い出す時間も少しずつ少なくなっていく。

 だが、それでも彼女は生きている。

「明日も無事に過ごせますように」

「過ごせるよー」

「え…?」

 いつの間にかパレロアの横に一人の子供が寝ている。

「あなたは…?」

「むにゃ…おやすみ」

 そしてそのままパレロアに抱きつくようにして寝入ってしまう。

「…誰なのかしら? でも…」

 暖かい感触に何故かパレロアは何も言うことが出来なくなる。

 そのままその少女を抱きしめたままパレロアも眠りにつく。

 そして次の日の朝、パレロアは到底信じられない思いをする事になる。

 その少女こそ聖女の子モンスター、セラクロラス。

 ランスの冒険の原因の一端の神であった。




普通の話に戻ります
ちょっと怪我をしてしまったため、更新が遅くなりました
準備が悪い自分が悪いんですけどね

次はパイアールですが、あまり長引かないと思います
ちょっとチート過ぎて扱いに困るんですね…二次創作だと

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