運命が君と   作:左のほう

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彼女との出会い

青春の象徴。 新生活の始まり、仲間との別れ。

僕の時間も春のまま止まっていた。

彼女に出会うまでは。

―—————。

 

「 春はあけぼの—— 」

進学式が終わり、3日。本格的に授業が始まった。

窓の外をぼんやりとみていると授業の終わりのチャイムが教室に響く。

 起立 礼。

あと2時限で下校かと思い風呂敷を広げ教室で弁当を食べ始めた。

後の二時限も空の雲をぼんやりと見ながら過ごした、何気なく見ていた雲だが時間がたつにつれ形を変えるので以外にも飽きなかった。特に部活にも入部していなかったのですぐに帰った。

 

 

登下校の時に通る街道には、桜が咲き乱れていた。あれからちょうど10年。

今まで生きてきた約16年間のうちで一番、憂鬱で悲しみに満ちた日。

「あぁ」

胸の気持ちが晴れず思わずため息が漏れ出てしまった。

「ただいま」

おかえりとリビングのほうから祖母の声が聞こえるのでリビングに向かう。床がミシミシいう。築70年弱

祖母の母の家

木造の平屋建て簡単に言うとサ〇エさんの磯〇家みたいな家。祖父と祖母と俺が住むには少し広い。

リビングには祖母がこたつをしまっていた。線香臭い。

「おばあちゃん手伝うよ」

「ありがとう。だけど、まだ足腰元気だから衰えないうちにやっとかないと」

ふ~んと軽く返すと手を洗ってきなさいと急かされた。

 手を洗ってリビングに戻って

「母さんと父さんの袴襟に行ってくる」

というと祖母の顔が少し暗くなった。

 先に説明しておかないといけない。

僕の父と母は僕が小学校に進学する前に航空事故で無くなった。ニュースでも大々的に取り上げられて、死者267名行方不明者6名その死者に僕の父と母は含まれていた。僕の誕生日の1ヵ月前の話だった。小学校に進学して4年生、僕は父と母がいないということでいじめられていた。そこからあまり人と関わらず、最低限大事なことを最小限にすましてきた。

 

 

「いってくるよ」

行ってらっしゃいと、祖母は何とも言えない顔で見送る。冬に比べて日が昇る時間が伸びた。ここから父母が眠る霊園は近くの停留所からバスで15分。停留所でバスを待っていると、同年代ぐらいの女子が後ろに並んだ。その時は気にしていなかったが、この子は俺を変えてくれる『運命』のひとになるのだ。

バスが来る。

バスに乗る。

10分ほど経ってバスを降り、停留所から少し歩くと父母が眠る霊園がある。来る前に買ってあった忍冬の花をもって父母が眠る場所に向かう。着くと、花と果実が置いてある。祖父母が置いたのだろう。赤色のアネモネの花。母が好きだったらしい。父がプロポーズした時に母が渡してくれたのだと祖父が言ったことを祖母が間接に教えてくれた。

気を使ってくれたのか、右の銀筒の瓶が開いている。

そこに忍冬の花を刺した。

花言葉は―—————愛の絆

赤のアネモネは君を愛す。

夫婦お互いにロマンチストだったのかもしれない。

果実を供えて、手を合わせ目をつぶった。

目を開けて、顔を上げる。

帰ろうと思い、立ち上がると人がいる。彼女だ。

彼女はこちらの視線に気づくと、見ず知らずの自分を手で招いた。

 

 

顔をしっかりとみていなかったが、ニットとロングスカートの軽めの服装をバス停で見ていたので、少し時間はかかったが彼女だと気づいた。これが運命なのかな。

彼女のほうに向かうと、霊園の近所の公園に連れていかれた。

公園は鉄棒と滑り台以外の遊具はなく、質素だった。ベンチに座る、女子が隣に座ることがなれていなかったので照れくさかった。真面目に顔を見ると可愛い。清楚系で美人だ。

思わず顔を見つめってしまったので、彼女がうつむいてしまったので慌てて顔をそらす。

「ねぇ…」

彼女が口を開いた。

彼女を見つめなおす。

「君は何であそこにいたの?」

最初は少し困ったが、不思議に話す気持ちになった。

「母さんと父さんの命日なんだ」

「・・・。」

彼女は困った顔をしたが、父母が死んだときの親戚の人達や友達だった奴らの哀れむような表情ではない。

「私も、去年の九月に急性心不全でお父さんが死んじゃったんだよね…」

「そっか」

簡素に返す。すると、彼女が

「君のお父さんとお母さんが死んじゃったんだよね…。私なんかまだ幸せなのかな…」

黒くてどろどろしたヘドロが脳にへばりついたような感覚がした。今度は少し強めの口調で答えた。

「人が死んだことに上も下もないよ。自分よりつらい人がいることを考えるよりも、今の自分の気持ちを尊重するべきなんじゃないかな。」

そうだ、僕もよく君よりつらい人がいるよと言われた。彼らは気づいていないだろう、その言葉は全くもって慰めの言葉じゃない。責め立てる言葉だ。

「・・・。」

彼女の瞳がうるんでいる。

「そんなこと言われるの初めて…」

彼女が空を見ている。いつの間にか空が夕暮れ時の橙色に染まっていた。

「皆ね…大丈夫やご愁傷さまですとか友達からの言葉が温かく感じられなくて…急に不安になっていつもお父さんのもとに行くの。」

わかる、僕も父母が死んでしまったときは、毎日そこに行っていた。もしかしたら、ママとパパがいるかもしれないという、幼くて儚い希望を胸に抱いて。

「そしたら同年代ぐらいの君がいて思わず声をかけちゃった…」

彼女な目から頬を伝って滴が滴る。

「ありがとう、ごめんね迷惑じゃなかった?」

彼女の問いに僕は大丈夫と答えた。熱い心と冷たい頭というが、僕の心と思考は暖かかった。こんな気持ちいつぶりだろう。僕は立ち上がる。

「そろそろ夕ご飯だから帰るよ」

降車したバス停に向かうために歩き出す。待って!。少し驚いて振り向く。

「君バスでしょ、私もだから一緒に帰ってくれないかな。」

「あ、うん」

彼女が小走りで向かってくる。目的の方向に向いて歩きだす。

 

バス停に向かっていると彼女が「君の名前は?」と聞いてくる。「渡辺 亮」と返すとそうなんだとうなずいている。

————。

 

「私の名前は聞かないの?」

焦って聞いてくる。少し首をひねったが

「君の名前は」

と聞くとうれしそうな顔して

「長峰 美幸だよ」

と返してくれた。

バス停についてバスを待っていると

「○○高校だよね」

と聞いてきたのでそうだよというと、またうれしそうな顔をして

「私もだよ」

という。

バスが来た。バスに乗るとサラリーマンや子連れの人、中年のおじさんがいたので一つしか席が空いていない。

レディーファーストかぁ…そんなこと思いながら彼女に席を譲る。

窓の外を見ると、地平線から少しだけ太陽が顔をのぞかせている。今日も一日終わりかぁ。こんなにしゃべったのは久しぶりだ。自分が降車するバス停についたので、バスから降りた———。




えっと、気分転換に書いた本作品ですが、まだ中学生なんで違和感のある文章については暖かく指摘をくださるとうれしいです。
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