エロマンガ先生の新刊出てないのに嬉しい感想貰ったから書きました!
「なんのようだ」
俺はめぐみからのLINEを取った。
こいつ以外からはかかってこないが、もう十二分にLINEを取ることに慣れたということだ。
今は夜飯食い終わって、風呂入り終わって、ベッドの上でマガジンを広げていた。この四葉ってやつはなーんとなく一色いろはに似てるんだよなあ……。
なんのようだ、とは言ったがどうせ何の用事もない。だいたいいつもこの時間帯にかかってくるんだが、今日はこんなことがあったとか、誰々ちゃんが誰々ちゃんのことを好きらしいとか他愛もない話だ。友達いねえのかこいつはと思うが、友達がいないのは俺であり、こいつは友達がいっぱいいる。
「あ、おにーさん♡ 今、ナニやってるんですか?」
「ナニはやってねえよ」
「ちょっ!? なんでいきなりシモネタなんですか!?」
「ちょっとからかってるだけだ」
そう、こいつは大した用事もなく頻繁に連絡をよこしてくる。そして、だいたい俺をからかおうとして失敗する。西方を見習って、からかうの失敗したら腕立てすることにしたら? 筋トレして痩せたらめっちゃモテるようになるんじゃね? ま、そんな筋肉にお願いしなくてもめっちゃモテるよな、ひびきちゃんもめぐみも。
そんなわけで最近はこちらからからかってやることもしばしば。
あいつは中一のくせに、えっちなアプローチを結構してくる。ただ、こちらからそういうことを言うと意外と弱い。
攻撃力全開に割り振って、防御力がまるで無いようなやつだ。盾の勇者を見習ったほうが良いぞ。
「いい度胸ですね、おにーさん。そういうことならこっちにも考えがありますよ」
「ほう」
「実は今~、ぱんつ履いてないんですよ、どうです、興奮しますか?」
「俺は脱がせないほうが好きだぞ、ぱんつも靴下も」
「えっ!? ええっ!? そうなんですかっ!?」
「ぱんつはずらすのもいいが、膝のところに引っ掛けておくのもいいぞ」
「ええええっ!?」
まぁ、実体験じゃなくて漫画の話だがな。
それにしても、からかおうとしてくるやつを圧倒的なパワーで反撃しちゃうのって楽しいよね。フリーザ様のような気持ちになりますよ。めぐみ、お前はもちろんヤムチャだ、オーホッホッホ。
「お、おにーさんって結構オトナですよね」
「ま、まーな」
こういうこと言われる方がよっぽど照れくさいんだよな。えっちな漫画を読んでるだけなのに。
中一女子から見れば俺は結構大人っぽく見えるのだろうが、こちとら全然大人じゃないことは理解っている。陽乃さんも俺からすれば大人だが、自分ではそうでもないと思ってるんじゃないだろうか。今度、大人扱いしてみるか。結構カワイイ反応をするかもな。
「だから~、オトナの男の人が何を考えてるかァ~、教えてもらってもイイですかっ?」
「お、おう」
なんつーエグい前提なんだ。
大体、大人の男なんて大して考えてねえよ。会社行きたくねえな~とかじゃね?
「どうみてもまだ子供にしか見えない可愛い女の子から、明らかな好意を向けられたときってどう思うんですか~?」
「なにそれ、九頭竜八一の話?」
「いえ、ロリペド竜王がどう思ってるかじゃなくて、オトナの男の人がですよっ」
まぁ、確かに彼より俺のほうが年上だが、ロリペドだとしても天才プロ棋士だよ? 俺みたいな専業主夫志望者よりよっぽど大人だと思いますよ?
「まず、前提条件を詳しく聞こう」
「わー、めんどくさいですねー。さっさと答えればいいのに」
「ちょっと? 俺がひねくれてるからモテないのも前提条件なんだからそこに文句言わないでね?」
「その前提条件はちょっと間違ってると思いますケド、まぁいいですよ」
「どうみてもまだ子供にしか見えないってのは、どのくらいなんだ」
ここは重要だろう。小学校低学年と高学年と中学生では全然話が異なる。異なるのか? 本当に大人だったら全部アウトなのでは?
「そ、そうですね~。おっぱいはBカップです」
「ほ、ほう」
正直なところBカップと言われてもよくわからないが、埼玉県民の平均バストがAカップだから子供とは呼べないくらいあるのではないだろうか。そうじゃないと埼玉県の女の子はみんな子供ということになっちゃうからね! 気にするなよ、貧乳はステータスだって埼玉県のキャラが言ってたし!
「それは結構子供じゃないんじゃないか」
「そ、そうですか~? えへへー♪」
なんで照れるんだよ。意味わかんねえな。
「あと可愛いってのはどのくらい可愛いんだ」
「ん、ん~。そうですねぇ、友達はみんな可愛いって言ってます」
「それじゃわかんねえだろ、友達にブスなんて言わねえからな」
「そーですか? 本人が居なければ結構言いますけど」
鬼かよ……。女ってコワイ……。
「そうですねぇ、じゃああたしくらいってことにしておいてください」
超絶美少女じゃねえか。
「超絶美少女じゃねえか」
「ん! ん~!?」
声に出てた。
って俺はいつから声に出ちゃうタイプになったんだよ。僕だけがいない街かよ。
「お、お、おにーさん、あたしをからかうのは、や、やめてくださいね」
「ただの本音だから気にするな」
「あ、あ、あふぅ~♡ はぅ~♡」
ほ~ん。
ほんとこいつ、こっちからからかうのには弱いのな。別にからかって言ってるわけではないけど。
「で? 明らかな好意ってのは? 男は鈍感だからな、わかってねえかもよ?」
「はぁ、はぁ、ふぅ~。そうですね、その可能性もあります。今もちょっと思ってます……」
「え? なんだって? って言っておきつつ理解ってるパターンもあるけどな」
プリン頭さんは鈍感野郎ではなく、難聴野郎だからな。
難聴は好意に気づいているけど無視しているわけで、鈍感野郎はガチで気づいてないわけだ。そう考えると鈍感野郎のほうが業が深い。なんで気づかないんだろうね? どうかしてるぜ。
「例えば、例えばですよ? 毎晩特に用事がないのに、連絡してくるとか」
「暇なんだろうな」
「えっ!? 暇だから!?」
「ま、俺みたいなぼっちだったら暇なときは本読んだりゲームしたりだが、友達が多いやつは喋り相手が欲しいんじゃねえの」
「ま、まぁそうかも知れませんが、好きじゃない人にはそんなことしないんじゃあないかなあ~?」
「いや、会話ってのは好き嫌いじゃないからな。得になる情報を持っているとか、単に話が面白いからということもあるだろう」
「あ、あはは、おにーさんってやっぱりオトナなんですね」
褒められた! 八幡褒められたよ! やったぜHACHIMAN!
ちゃ、っという小さな音が聞こえる。めぐみが聞く耳を変えるためにスマホを持ち替えたのだろう。それだけ長電話をしているということか。俺たちも暇だなあ。得になる情報も持ってないし、話も面白くない俺と会話してるこいつは一体なんなんだろうね。全く理解できんな。
「じゃあ、じゃあ、ちょっと遠いのに頻繁に会いに来るとかは?」
「ついでかもしれん。本命が他にあって、そのついで。例えば湊智花は毎朝バスケゴールを借りに来るだろ? ついでに長谷川さんに会うじゃん?」
「逆ですよ逆! あんなの好きな男に会うための口実で練習してるだけですよっ!?」
「おいおい、もっかんはそんなビッチじゃねえよ。清い心を持ったバスケ乙女だよ」
「かぁ~っ、まさかおにーさんがここまでとは思いませんでした~」
露骨にがっかりするめぐみ。世の中みんなお前みたいなビッチじゃないんだよ。
大体、ロウきゅーぶは純粋にバスケが好きな小学六年生の女の子をエロい目で見ちゃうという背徳感を楽しむものなんだよ。だからもっかんがビッチとかありえない。いや同人誌ではそういうのもいいけど。
「じゃあ、質問を変えます。鈍感すぎる男子に好意を伝えるにはどうしたらいいですか?」
随分急に違う話題に変えたなこいつ。さっきまでと脈絡がなさすぎるだろ。
しかし難しいな、大人っていう意味ではそりゃめぐみよりは年上だからアドバイスも可能だが、俺は鈍感じゃないからな。気持ちがわからん。
「う~ん、鈍感すぎる男子の気持ちは俺にはわからんが」
「……はぁ」
「ため息をつくと幸せが逃げるぞ」
「誰のせいですか、誰の……いいから一生懸命に考えてくださいよっ、おにーさん!」
なんで怒ってるのこいつ。理不尽すぎるだろ。
「そうだなあ、好きって言っても、友達としての好きだからとか思っちゃうかもしれんし」
「そ、そこまで直接言っても駄目なんですか!?」
「まぁ、鈍感すぎるんだから最悪そういうことも考えられる」
「そんな人いるのかな~」
いるのかな~って、お前がそういう前提にしたんだろう。本当にいるかどうかなんて知るか。
「恋していますと言っても、気の迷いだと思うかもしれんしな」
「現実的にそんな事言う女子見たことないですよっ?」
そりゃ現実的にはそこまで鈍感なやつはいないだろうしな。
「でもな、めぐみ。伝える方法って必要なのか?」
「は? 今までの話聞いてました?」
声のトーンがガクッと下がった。顔を見なくても怒りマークが付いているとわかる。
「おこなの? めぐみんおこなの?」
「む。むぅ。……ちょっとその、むかっとしちゃったかも……ごめんなさい」
めぐみに殊勝な態度は似合わないが、こういう態度をされると少し心に来るものがある。
「めぐみ、そいつはめちゃくちゃ可愛い女の子なんだろ。だったら伝えなくたっていいだろ。男の方から告白されるのを待ってればいいんだ。今は子供にしか見えなくても、すぐに大きくなる」
「そ、そうですけど」
不服か。まぁ、煙に巻かれたように感じるかも知れない。
「それにな、めぐみ。確実に好き同士ってなったらつまんないだろ。こいつ俺のこと好きなんじゃね? この人私のこと好きかも? なんて関係が一番楽しいと思わないか? もちろんお互いを愛し合ってるのは幸せなことだが、明確じゃないほうが青春っぽいと思わないか?」
俺の青春が間違っているからこそ、めぐみにはこれぞ青春っていうのを味わって欲しい。
「ん~。おにーさんがそう思ってるならそれでいいかも」
「俺のことは別にどうでも……」
「おにーさん」
「なんだ」
「あたし、今とっても楽しいです!」
それだけ言って、切りやがった。
まぁ、そうだな。
俺も楽しいわ、なんか。
俺妹のクロスオーバーの方の超絶鈍感八幡さんがちょっと評判良かったのでこちらでもやってみました~。
しかし神野めぐみはカワイイ。
一色いろはといい、私は小悪魔偽ビッチが好きなのかもしれません。
続きは……エロマンガ先生の新刊が出るか、感想がいっぱい来たらということで……。