ISてぃーちゃあ〜   作:BlueRider

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第壱時限目〜鬼教師って呼ばないで〜

チュンチュン

 

小鳥のさえずりが外から聞こえ、ベッドに横たわる1人の青年は目を覚ます

 

「ん………もう朝か…」

 

ぼやける視界を無理やり手でこすってはっきりさせ、大あくびをしながら頭をボリボリと掻き立ち上がる。

 

足元の本やコントローラーがいたるところに散らばった床を、掻き分け窓のカーテンを開ける

 

時刻は朝6時、いつも起きる時間より30分早い時間帯

 

「よく寝たぁ」

 

背伸びをしながら洗面台に向かい、歯や顔を洗いテレビをつける

 

「7時半のニュースをお伝えします」

 

テレビから意味深の時刻が告げられる

 

―7時半?…ついにいかれちまったか?黒の箱よ

 

急いで携帯を充電器から取り開き、ピッピと操作

 

不在着信

 

7:20織斑千冬

 

7:10織斑千冬

 

7:00織斑千冬

 

6:50織斑千冬

 

6:40織斑千冬

 

6:30織斑千冬

 

「死んだ…俺今日で死んだわ…死亡フラグ総立ちだ…教師生活一年で積んだ」

 

―はい…本作の主人公赤城優は…只今最大な山場を迎えました…

 

あ、これでも一応一年二組担任の教師っす

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―行くべきか行かざるべきか

 

只今俺は、職員室の扉の前で姿勢を低くく、少し隙間を開け中を覗いていた

 

「ですから、今日の課題は…」

 

―職員会議始まってる…

 

現時刻は8時、あれから、猛スピードで着替えを済ませスーパーカブをぶっ飛ばしてきたが…このざまだ

 

「はぁ、気が重い…」

 

頭に手を当てうなだれる、ちなみに俺の脳内選択肢は2つ

 

1つは、このまま、終わるのを待って、潔く腹をくくって職員室に入っていくか

 

もう1つは、頭を使い病気と言う事で、こっそり自宅に気付かれないように戻るか…

 

この時俺は、コツコツと靴音をたてゆっくりとこちらに近づき背後に立つスーツの女性に気がつくわけが無く

 

「いぎぁぁぁぁぁあ!」

 

奇声を上げ、職員室のドアもろとも壁にぶっ飛ばされる。

この時織斑千冬が張り手であったことは言うまでもない。

 

大きく腫れた右頬に赤い紅葉マークを作り、一年二組の教室の扉を開け教壇に立つ赤城

 

「んじゃ、出席とるぞ」

 

出席簿を開きカチカチとシャーペンの芯を出す

 

「先生〜右頬どうしたんですか〜」

 

ニヤニヤしながら聞く鈴音

 

「鈴音…教師にはいろいろあんだから突っ込むな」

 

「うわぁ何かかわいそう」

 

思わず哀れむ目でこちらを見る鈴音

 

「うっせぇよ!」

 

バキッとシャーペンを根元から折り答える

 

「先生〜生徒に向かって暴言はよくないと思います」

 

挙手をし正論を述べる

 

「綾瀬、後で職員室こい……しごいてやる」

 

「うわぁ、だから鬼教師って言われんのよ」

 

気分が一気に下がり教壇へと崩れ落ちる

 

―今のは効いた胸が一撃で切り裂かれた…

 

「うわぁ、本気でへこんでる」

 

「どうせ、また千冬さんにやられただけでしょ」

 

グサグサと突き刺さる容赦のない生徒達の言葉の槍

 

「なぜわかった!」

 

「いや何となく」

 

「まぁいい、冗談はさて置きクラス代表戦の話に入る、二組は厳島から鈴音にチェンジするが、誰か異論はあるか?」

 

「「無いでーす、赤城先生」」

 

皆声を揃えて答える

 

「了解」

 

「先生〜一組はやっぱりセシリアさんですか?」

 

「いや、恐らく千冬さんの弟、織斑一夏が出るだろな…」

 

「二人目の男でISに乗れるって言う人ですか?」

 

「ああ、一応専用機持ちらしい、つまりは俺より上だな」

 

「あんたは訓練機だもんね」

 

「鈴音…チェーンブロックで中吊りがいいか?それとも命綱の中吊りがいいか?」

 

わなわなと拳を振るわせる

 

「きゃー鬼教師に殺される〜」

 

「先生…担任辞めたい…」

 

「どんだけメンタル弱いのよ」

 

「うるさい!教師って結構苦しいんだよ!とりま、何としても一組には勝て……どんな手を使ってもだ」

 

ふふふと不適な笑みを浮かべる

 

「赤城先生からすごく黒いオーラを感じる、て言うか後ろに何かいない?あれ!」

 

「先生〜なんかえげつないよ」

 

「下剋上と言いたまえ鈴音君」

 

ドギァァンと言う効果音が入りそうなポーズで鈴音を指差す

 

「うわ…完全に人のセリフじゃなわよ、それ」

 

「ともかくだ、今回は俺の教師人生がかかってるだ!しっかり頼むぞ!」

 

「先生ちなみに好きな言葉は?」

 

「いきなり何を言うかと思えば……海老で鯛を釣る!喧嘩両成敗!漁夫の利!平和だぜ!」

 

「先生…あなたは何故先生になったのですか」

 

「鈴ちゃん察してあげようよ」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間は流れに流れて放課後

 

「……仕事が終わらん、つか、量が一段と多い」

 

机の上には書類が山のように積まれており、その半数を半日かかって終わらせたとこである

 

「はぁ……ダルい、帰りたい」

 

気をつけろ!上から来るぞ!!

 

―はい?

 

ゴン!!

 

「あだ!」

 

頭上から頭に鋭い拳骨が振り下ろされジャストミートする

 

「馬鹿者、それくらいの仕事さっさと片付けんか」

 

「痛ぅぅぅ……そうは言ってもですね……織斑先生…新人にこの量は…む」

 

頭を撫でながらそんな感じに返答し終える前にドゴン!と拳が振り下ろされ机に穴が開いた

 

「やれ!」

 

「はひ!」

 

―地獄だ!地獄しかねぇ!俺どこで人生踏み間違えたのかなぁ

 

死神に見つめられながら仕事を終わらせると、日が完全に沈み、辺りは真っ暗となっていた。

 

「ようやく終わった……さて、けーるか」

 

ズドォォォォン!

 

爆音に近い音が職員玄関近くまで聞こえてくる

 

「何だ?アリーナの方から聞こえたが……アリーナの使用時間過ぎてるし……何かあったらあれだから行ってみるか」

 

時計を見ると時刻は夜の7時を差しアリーナの使用時間外、しかし何かあってからでは遅いので自前のペンライト片手にアリーナへ向かう。

 

日頃から戸締まりだけが厳重なアリーナの筈だったが、今日この日だけは不用心だった。

 

扉に施錠はしておらず、どうぞ中へっといった具合にスルスル入っていけた。

 

誤算だったのことは…………

 

赤く爛々と光る1つの閃光

 

「IS持ってくりゃよかったな」

 

ポリポリと頬をかきながら、アリーナの真ん中で鎮座していた1つ目の四脚歩行型ISをペンライトで照らしていた。

 

「仕方ない、IS無しでどこまで行けるかわかんねーけど…やるしか無さそうだ」

 

上着を脱ぎ捨て、ネクタイを緩める

 

「来いよ、特別授業の時間だ!」

 

ウゥゥゥゥン!

 

静かに2人の戦いは始まった。

 

1つ目が光輝くと静かに右腕を上げ、拡張領域(バススロット)より黒光りするゴツいマシンガンを呼び出しこちらに向ける

 

「へ?」

 

レーザーサイトが地面を這いながら彼を捉えると、ためらいなくマシンガンのトリガーが引かれた

 

「ちょ!おま!空気読めや!ここは武器使わずに殴り合いだろ!!」

 

真横に緊急ダイブし、モン●ン走りのように必死にアリーナの隔壁内に滑り込む。

 

マシンガンの弾丸が隔壁に当たり弾かれ激しく火花を散らす

 

「マジで今日厄日だ!」

 

頭を抱え身を低くし銃弾が止むのをしばらく待つと、トリガーを引く音だけがアリーナに響く

 

 

「リロード?よっしゃ!俺の時代だ行くぜ」

 

好機を見逃さず隔壁から飛び出し敵へ近づく

 

四脚のアンカーを地面に刺し固定、左肩についていた長方形方の箱を発射態勢に持って行く

 

―へ?何ですか?何なんですか?その左肩に付いてる箱みたいな物は

 

光輝く1つ目の広角レンズが動き、止まった瞬間長方形の箱から射出される

 

「そこまでするかぁぁぁ!」

 

きびすを返し隔壁に戻り今度はもっと奥に逃げ込む、六発のミサイルが連続発射され彼を追尾する

 

「ああ!女神様俺に明日を!」

 

モ●ハンダイブをする五発が隔壁に着弾し、一発は俺の頭上をかすめ50メートル先の扉に当たり吹き飛ばす

 

 

「おいぃぃぃ!髪の毛数本チリチリになったんですけどぉ!」

 

そんな事はお構い無しに、隔壁に近づき無理やり中に入ろうとする四脚のIS

 

「やべぇ、完全に俺ピンチ何ですけど…」

 

ゆっくりと立ち上がり、後ろを振り返りながらも、ありがたく壊してくれた扉の中に逃げ込む。

 

「ここは……訓練機打鉄の格納庫…て、ことは今まで俺が通ってきた場所は」

 

後ろを振り返り、しゃがみ込んで下を見る

 

「カタパルト…メインキタ…俺のターンKtkr!これで勝つる!」

 

さっそく、一番奥の打鉄に乗り込み起動を開始する。

 

《メインジェネレータ起動……パスワード入力をどうぞ…》

 

「パスワード?俺マスパしか知らないぞ!」

 

※マスパ→マスターパスワードの略、消してマスタースパー●では無い

 

ついに奴は、隔壁を突き破り中へと強引に入り始める

 

「ヤバいヤバい、マスターパスワード!教員番号0017!教員名赤城優!」

 

《マスターパスワード入力確認………承認…シールドエネルギー充填終了まで一分》

 

「はぁ?コイツ、ガス欠だったのか…付いてねぇ」

 

こちらから見る限り半身程、侵入しているのがわかる

 

「何か入ってきそう何ですけど?早くしろ!このポンコツめ!」

 

《シールドエネルギー充電…完了。シールド展開》

 

「よし!セーフティーリミッター解除!」

 

《セーフティーリミッター解除…確認》

 

目の前のモニターのロックが全て解除される。

 

「カタパルト電流チャージを開始!」

 

《カタパルト電流チャージを開始…終了まで三十秒》

 

バゴン!と隔壁が壊れ侵入する四脚IS

 

「入ってきたか!武装は…無し…か、まぁ俺には必要ないがな」

 

《カタパルト電流チャージ完了》

 

「さぁ一丁やりますか…」

 

カタパルトに両脚を乗せ重心を低く構える

 

ローラーのダッシュ音が聞こえ確認するとこちらに向かって疾走して来る四脚IS

 

「赤城優!打鉄!目標を駆逐する!」

 

カタパルトで一気に加速を開始、奴もろともアリーナ内へ吹き飛ばす

 

吹き飛ばされた四脚ISは超低空飛行をし、壁へ勢い良く激突する

 

「あのIS…やっぱり軍事用か?…」

 

1つ目を爛々と輝かせ立ち上がる四脚IS

 

「全く法律違反(チート)もいい加減にしろよ。警告しとくぞ!俺はかぁなぁり強い!サレンダーするなら今のうちだ」

 

腕を軽く回し構えをとる、どうやら向こうはサレンダーする気も無いらしい

 

「そうかい、なら、特別授業の開始だ」

 

時間にしたらあっと言う間、まさに瞬殺とはこの事だろ

 

駆動音と1つ目が消えアリーナ、一帯が静まり返る

 

「ぜーはー、たく…いらない残業しちまった…今日リラ●トやる予定だったんだぞ!こんちきしょう」

 

頭はもぎ取られ、左肩のミサイルハッチを潰され、右腕は肘間接から先が無く、自慢の四脚は全て逆方向に曲がり、見るも無惨な変わり果てた四脚ISに愚痴をこぼす

 

時刻は深夜を回り二時を指していた。

 

―今晩は泊まりだな

 

「はぁ…始末書もんだよなこれ…とりあえず連絡入れなきゃマズいよな…出るかどうか知らないけど」

 

恐る恐る片っ端から教員全員に電話をかける。

 

無論…出たのは彼の天敵織斑千冬だけだったのは言うまでもない……合掌

 

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