ISてぃーちゃあ〜   作:BlueRider

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第弐時限目〜人それをスペシャリストと呼ぶ〜

翌日の1時限目、黒板にはデカデカと自習の二文字が書かれ、ノートパソコンのキーボードを無気力で叩く本作の主人公的な位置の赤城

 

「先生〜授業中にPCゲーはマズいと思います」

 

その言葉を聞きキーボードを打つのを止め、立ち上がり鈴音の席に行き…

 

「痛ったぁぁぁぁぁ!あんたそれでも教師か!?」

 

拳骨をお見舞いし、何事もなかったかのように再び教壇に戻りキーボードを打ち始める。

 

「相当機嫌よろしくないみたいね」

 

頭をさすりながら赤城を見る鈴音

 

「仕方ないよ、昨日アリーナをボコボコにしちゃったんだから」

 

ひそひそと話す綾瀬

 

「え!何それただのストレス発散じゃない」

 

音もなく忍び寄り鈴音を教科書スパンと叩く

 

「やかましいわ!ストレス発散な訳ないだろ!逆にストレス溜まりまくりだ!朝から始末書、報告書……」

 

こめかみに青筋を浮かべる。

 

「先生がやったんじゃないんですか?」

 

「俺は不法侵入したISとやりあっただけだ!ちなみに俺は武器使ってないから俺は殆ど無実だ!なのに……あの女…」

 

――――――――

――――――

――――

 

「始末書と報告書、明日の放課後までに書いて提出するように」

 

「…………」

 

「返事はどうした?」

 

「はい…」

 

――――

――――――

――――――――

 

「今日中だとふざけんなよ!後片付けもして、睡眠ロクにとってないんだぞ!殺す気かあの鬼教官」

 

「先生、それ以上言わないほうが…」

 

何かを察する鈴音

 

「あぁん?悪口ってのは言わなきゃ毒なんだよ!」

 

「ほう…私が鬼教官か…毒か…言うようになったじゃないか赤城…」

 

―背後から死神の声がする…

 

ポキポキ

 

―死神の鎌の音がする

 

恐る恐る後ろを振り返る

 

「赤城…」

 

手の骨を鳴らし目を見開きこちらに近づいてくる千冬

 

「イマノ、ウソッテイウノハ、アリデスカ?」

 

「無しに決まってるだろ!!馬鹿者!」

 

シュバン!

 

「ぎぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

今日この日、俺はIS無しで空を飛んだ

 

「つう訳で先生忙しいから今日は3組と合同授業をしてもらう」

 

左頬は大きく膨らんでおり、左目の視界を半分以上遮っていた

 

「先生よく生きてましたね…」

 

派手に割れた窓ガラスを指さす鈴音に賛同する二組一同

 

「鈴音、先生は頑丈だから大丈夫なだけだからな、皆くれぐれも一般男性にこのような事はしないように」

 

派手に割れた窓ガラスに、どこからか持ってきた段ボールで覆い始める赤城

 

「「はーい」」

 

「よろしい、あとクラス対代表戦だが、御存知の通り先生派手に壊したから一週間後になった」

 

「「えー!」」

 

「すまん!こればっかりは謝るしかない」

 

両手を合わせ頭を下げる

 

「まぁしかないよね赤城先生だし」

 

「だよね赤城先生だし」

 

―生徒諸君まるで俺が、毎度毎度騒ぎを出してるみたいじゃないか…

 

「だって、その通りじゃない?」

 

グサッ!

 

「心読まれた!そして先生傷ついた!」

 

「駄目だよ鈴ちゃん、先生ガラスのハート以上にもろいんだから」

 

「いや…その言葉でも傷ついてるからね」

 

教室の角に体育座りでいじけ始め、床にのの字を書く

 

「いじいじ、いじいじ、これだから三次元は嫌なんだ…いいさ、俺にはあっちの世界がある、今日は定時で上がって引きこもってやる」

 

「先生、元気出してよ…クラス代表戦絶対勝から…ね」

 

「うん…」

 

「さすが委員長、1ヶ月もしない内に赤城先生の扱いになれてる」

 

「という訳だから鈴ちゃんファイト」

 

「はいはい、期待に応えられるよう努力はするわ…」

 

半ばあきれながらも、答える鈴音

 

「赤城は、いるか?」

 

言い忘れがあったように再び二組に入ってくる千冬

 

瞬時に近くにあった掃除用具入れに逃げ込むように隠れる赤城。

 

―いやだ…絶対いやだ…今度は拉致られる…

 

「ん?いないのか?」

 

「いや〜」

 

「いないって言ってくれ…頼むから」

 

掃除用具入れからぼそりと鈴音に言う。

 

「はぁ……」

 

鈴音に歩み寄る千冬

 

「お、織斑先生、赤城先生は職員室に……」

 

「ほう……」

 

鈴音には目を向けず横にあった掃除用具入れを凝視する

 

「馬鹿者ぉぉぉぉ!」

 

ドゴン!グキャン!ガシャン!

 

掃除用具入れに隠れている赤城もろとも正義の鉄拳を放つ、掃除用具入れは、くの字にひしゃげながら横に倒れ中に潜伏していた赤城を吐き出す。

 

―ツッコミどころが多いが…まぁ何というか…恐るべき千冬パワー…

 

「「うわ〜」」

 

唖然とする二組一同

 

「貴様はガキか…次の時間貴様には一組の奴にノウハウを教えて貰う、いいな……」

 

「はひ……」

 

目を回しながら床に倒れたまま返事をする

 

「よろしい、それじゃコイツ借りてくぞ」

 

「「はい!!ご自由に!」」

 

襟首を掴まれ引きずられて行く赤城に皆、ハンカチなどを使い手を降る。

 

―俺は僻地に出兵する兵士じゃねぇぇぇ……ガク

 

ズルズルと引きずられること数分、チャイムと同時に俺はアリーナに放り投げられた。

 

「今からおまえ等にコイツの指導を受けてもらう」

 

「千冬ねぇ…その人あからさまに気絶してない?」

 

頭頂部に拳骨が炸裂する

 

「織斑先生と呼べ」

 

「はい…織斑先生」

 

「コイツは死んだふりしてるだけだ」

 

ハイヒールで背中を思いっ切り踏みつける

 

「いぎぁぁぁぁ!内臓が破裂するぅぅぅぅ!」

 

地面で、のたうち、もがき苦しむ赤城

 

「なら早く立って自己紹介しろ」

 

「はいはい……今ハイヒールで背中、主に腎臓を踏みつけられました」

 

軽く敬礼すると

 

「誰が!事故紹介しろと言った!」

 

鋭いアッパーカットによるツッコミで、俺は世界選手顔負けのベリーロールを決め地面に倒れた。

 

「うわぁ、今30メーターくらい飛んだんじゃない?」

 

「さすが織斑先生」

 

「千、織斑先生、その人は?」

 

「コイツは赤城優、男のIS乗りだ、一応お前の先輩に当たる」

 

「敬語は必要ナッシング!」

 

瞬時に立ち上がり生徒達にピースをする

 

「まぁ、でしたら専用機持ちですの?」

 

「いえ、赤城先生は訓練機の打鉄で戦います」

 

がやがや…がやがや…

 

―け、専用機持ちがそんなに偉いんかい…

 

「だが、今の貴様等全員相手したとこで赤城には勝てないがな」

 

ニヤリと微笑む千冬

 

―はい?何言ってんの?専用機持ちは別だろJK

 

「何を隠そう非公式だが、私と同等の技量を持った男だ」

 

ひそひそ…ひそひそ…

 

「では、織斑先生、彼を倒せば」

 

「そうだ、篠ノ之言うとおり彼を倒せれば私と同等と言うことだ」

 

おおぉぉぉぉ!

 

俄然やる気を出す一組一同と面倒くさそうに頭をかく赤城

 

「では、始める……いいな赤城」

 

「へいへい」

 

打鉄を起動させ乗り込んでいると、千冬は打鉄の刀を借り赤城の周りに円を書いていく

 

「マジっすか?」

 

「ああ、察しがいいな赤城、ただやるだけではつまらんだろうからな」

 

「織斑先生…その円は?」

 

「山田先生、コレどうやら俺の移動制限みたいです」

 

「え!」

 

「なんですって!ここまで侮辱されたのは初めてですわ!一夏さん、ボコボコにしてやりましょう!」

 

「お、おう」

 

―はぁ…かったるい

 

「早く始めようぜ?俺暑いの嫌いだからよ」

 

「では、いきますわ!」

 

「望むところだ!先生とはいえ、容赦はしない!」

 

「お、おいみんな…」

 

一夏1人を残し突撃する一組一同

 

「一分もかからないか、な」

 

軽く腕を回しこちらに向かってくる軍勢を見る。

 

ドガシャーン!

 

「うそだろ……」

 

「さて、残るはお前だけだぞ織斑一夏」

 

呆然とする一夏…まぁ無理もない、この男、殆ど一瞬と言ってもいいくらいの速さで一組の突撃を葬ったのだから。

 

「安心しろ全員気絶してるだけだから」

 

「いや……そういう問題じゃ…」

 

「早くしろ、俺はこの円の外に出れないんだから」

 

「射撃武器は無いのか」

 

「ちんたらすんなよ…暑くて死にそうだ…

 

「なら……」

 

雪片弐型の切っ先がスライドし青い一筋の刀身が現れる。

 

「あれがバリア無効化攻撃……唯一仕様能力(ワンオフアビリティ)、零落白夜か……」

 

「アクセル全開で行くしか……ない!」

 

一気に踏み込み加速する一夏

 

「IB(イグニッションブースト)だと?!誰だ、んなもん教えたのは!」

 

「私が教えてる最中だ」

 

「あなたの仕業か!?」

 

「ボサッとしてるとやられるぞ」

 

「わぁってら!」

 

一夏の攻撃を円内で的確に交わしていく。

 

「そこだ!」

 

「やべ!」

 

白式の右足を軸にした突きを、左手にSE(シールドエネルギー)を集め防護壁を作り、雪片弐型の刀身を滑らすように受け流す。

 

「え」

 

「はぁ!」

 

唖然とする白式のボディに遠慮なく右拳を打ち込んでやる。

 

地面を滑る用に飛ばされ片膝をつく

 

ちらりとSEの残量値を見る。

 

「おいおい、一発受け流して3分の2以上持っていくってどんな破壊力だよ」

 

―受け流しは使えない、となれば交わしてカウンターを入れるのが、正攻法か

 

「つ、強い!今のはマジで効いた…でも…」

 

雪片弐型を握り締め立ち上がる

 

「赤城…本気でやれ…」

 

「ちょっと織斑先生」

 

「はい?本気でやったらケガしますよ?」

 

「やれ!この際移動制限は解除だ」

 

「はいはい、仰せのままに」

 

残りのSEを両腕に、両腕以外は展開ギリギリのSEでまわす。

 

「本気のアイツを一夏に勉強させてやりたい…武装1つで戦う、超攻撃特化のスペシャリストの戦い方をな…」

 

両腕を前に出し盾のように構える、族に言うピーカブースタイル……要するに幕ノ●のファイティングポーズ

 

「来る……」

 

「さて、悪いがこっからは俺のターンだ、ぜ!」

 

IBを使い一気に一夏へと接近する

 

「俺のIBより速い!」

 

雪片弐型を構え直し、攻撃に備える

 

「ノビてる奴らもよく見ろ!!あれが、1つの武装で戦う超攻撃特化のIS乗りだ!」

 

「織斑先生…さすがにそれは……」

 

構えた左手に右ジャブが鋭く突き刺さり、構えを崩され情け容赦無しのジャブによる波状攻撃

 

初撃で防戦一方の白式に対し、更に畳み掛けるように攻撃を加えて行く打鉄

 

ほぼ勝敗はこの時点で決まっていたと言っていても過言ではない

 

「ぐっ…だぁ!」

 

打鉄の隙をつき凪払いをするが

 

「バックステッポ!」

 

華麗にバックステップし凪払いをかわされる

 

「ほいさ!」

 

着地と同時にIBをかける

 

「カウンターで決める!」

 

雪片弐型を大上段に構え、振り下ろす。

 

完全にカウンターが決まり白式の奇跡的逆転勝利

 

「もらっ……え?」

 

になるはずだったが、雪片弐型は赤城に触れることなく宙を舞い一夏のはるか後方に落下する。

 

「ちぃとばっか痛てぇぞ」

 

振り下ろされる右手で一夏のヘッドギアを粉砕する。

 

「痛!」

 

「はい…終了…」

 

「上出来だ…」

 

「お、織斑君」

 

パタパタと急いで駆けつける山田先生

 

「ふぇ〜」

 

目回して気絶している一夏

 

「もう用はないから二組に戻っていいぞ赤城」

 

「俺の扱い雑すぎる!」

 

「不満か?」

 

「不満に決まってるだろう、バカァァァァァァ」

 

凄まじいスピードでその場から走る去る赤城

 

「まるでドラマですわね」

 

「そうだな」

 

「お前たちようやく起き上がったか」

 

一夏以外の生徒がぞろぞろと起き上がり始める

 

「あの方、スゴいですわね」

 

「投げ技に拳闘術…」

 

「赤城はそれしか能が無いからな…お前たちも勉強になったろ」

 

「はい…」

 

「超攻撃特化のスペシャリスト…」

 

一組一同が唖然とする中、二組に戻った彼は体育座りをしていた

 

「先生……部屋の隅でなにしてるんですか…」

 

「俺の扱い…日に日に雑になってる気がするんだ鈴音」

 

「そんなの知らないわよ。どうせまた、千冬さんに言われただけでしょう!!」

 

「うん………」

 

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