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「ん……ここは?」
白い天井が視界に入り、消毒液等の独特な匂いがする。
「確かアリーナで、赤城先生と戦って……」
「クロスカウンターを食らってノビたんだお前はな」
聞き慣れた声がし、そちらを見ると腕組みをし椅子に腰掛けている姉がいた
「千冬ねぇ……」
―そうか、と言う事はここは医務室か…
「大した男だよ奴は、お前のカウンターに右アッパーで合わせて雪片弐型の柄を叩いて弾き飛ばし、上げた右手をアームハンマーの要領で振り下ろしヘッドギアを破壊……単純に見えて一番難しい技だ」
「だから…あの時、雪片が後方に飛んだのか…」
「殴られた場所は痛むか?」
「いや、全然痛くない」
殴られた場所をさすってみるが、痛みどころか痣も無い
「全く、甘いのは相変わらずか」
「千冬ねぇは赤城先生の事、いつから知ってるんだ?」
「話せば長いが、まぁ…私が現役だった頃からか」
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遡ること3年前、織斑千冬がまだ選手だった頃、当時の新聞には小さいコラムだったが、彼の話題が載っていた
「世界初!男のIS乗り現る」
最初は誰も注目どころか目を向けなかったが、徐々に世間は彼に注目し始める
「男のIS乗り、練習試合でイギリス代表を破る」
「男でオリンピック、初出場なるか!?」
コラムは徐々にデカくなり、やがて一面を飾るようになる。
しかし、彼をよく思っていない連中も多くいた、その1つが日本のIS委員会である
この頃彼らが押していたのは、織斑千冬ただ1人
ようはパッと出の彼は邪魔な存在であり目障りであった。だから彼らは、彼を……破滅へ追いやった……ありとあらゆる手段を使い、あたかもそんなIS乗りは存在しなかったかのように………
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「千冬ねぇ?」
「すまん、思い出に浸っていた」
「赤城先生…強かったなぁ…」
「馬鹿者、ダテにお前らの教師してる訳じゃないんだぞ」
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「ふぇっくしょん!」
「先生、お風邪ですか?」
「いや、おそらく誰かが噂してんだろ…」
「先生の噂って言ったら織斑先生くらいじゃないですか?」
「鈴音冗談でも止めてくれ、心臓に悪い」
「もしかして織斑先生、赤城先生に好意を抱いてるんじゃない?」
「ないない」
綾瀬の問いに対し手を振り返答する
「だってこれだけ、目をかけてるって事は…ね、鈴ちゃん」
「あるわけないじゃない」
きっぱりと否定する
「ガーン!!鈴ちゃんと赤城先生ダブルに否定された……委員長〜」
「………赤城先生は私の………」
爪をカリカリし始める厳島
「い……委員長?」
「己…織斑千冬……はっ!」
「委員長〜もしも〜し」
厳島の前で手をふりふりする綾瀬
「あらやだ…どうしましたか?綾瀬さん」
「いや……何か、やな予感するんで何でもないです…」
「あら、そう…闇打ち、闇打ちしかないわね……」
再びネガの世界にダイブする厳島委員長
「うぅ……」
「だってあの千冬さんよ」
「あぁあの織斑先生だぞ」
「「恋するわけがないだろ、あははは」」
「むしろ、男だろあれ」
「赤城先生〜それ言っちゃお終いですよ」
「「あはははははは」」
ガラガラ…
唐突に開く教室の扉
「「ははは……は?」」
「ほ〜う、私が恋するわけがない…か、私は男か」
賑やかだった2組の教室が一気に凍りつく
「お…織斑先生……」
「何だ赤城?」
―声が恐いです…なまはげ、よか恐いです
「何ようで………」
ギギギギ…と首を開かれたドアに向ける
隣の鈴音は冷や汗をダラダラ流しながら、ゆっくりと着実に自分の席に戻り座り始める。
―う、裏切気者!
―私は死にたくありません
―今度何か奢れよ……
―何でも奢りますから…この状況なんとかしてください
目でアイコンタクトする2人
「アリーナの件だが思ったより軽傷で、復旧工事が今朝の段階で片が付いてな…クラス代表戦予定より早くなる」
腕組みをしたまま赤城に歩み寄る
「じゃあ、今日の模擬戦は…」
ハイヒールの足音は近づくにつれて、死神の足音に聞こえ始める
「アリーナの試運転を兼ねた模擬戦だ」
腕組みを解き、ボキボキと指の骨を鳴らし手首を回す
「へ……へぇ〜では明日あたりにでも行うんですか?」
右足が後ろへと下がる
「そうだ、それを伝いに来てみれば」
―あ、赤城先生
―見るがいい!コレが戦と言う物だ!!
ズゴォン!ゴギィン!
腰の捻りを加えた鋭い右ストレートは、敬礼した赤城の顎を的確にとらえ首が90°に跳ね上がり、今回は前にゆっくりと倒れていく
バタン!
「全く貴様と言う奴は毎度毎度……」
ガラガラ…
織斑千冬という嵐が去っていく
「赤城先生?…赤城先生!」
「委員長!赤城先生意識無いよ!!てか、口から泡噴いてるし目が白目だよ!」
「担架!どなたか担架持ってきて!」
―あぁ、意識がblackあ……
「う…うぅ…」
「赤城……私はお前の事が……」
頬を染めながら言い始める千冬
時刻は夕方、いつもの家庭科室
―え!……超展開過ぎないか…つか、なぜ学生服にエプロン…
千冬の姿に突っ込みたいのは山々だが、それを言い出したらキリがない
「殺したいほど大好きなんだ…」
眩しい程の笑みを浮かべる……無論、家庭科室だけに何故か右手には包丁が握られていた。
―満面の笑み+包丁は止めてくれ
分岐用の選択肢は無いようで物語は一気にクライマックスを迎える。
何故かアップテンポな陽気なBGMが止まり、しばしの間沈黙、やがてヤバげなBGMが流れるような感じであろう
「誰にもやらない…やってたまるか…」
ジャラジャラとゴツい鎖、足枷が出てくる
―一体どこから出したんだ?おい?ちょ!何!そのゴツい鎖と足枷は!
「決まっているだろ?お前が外にでないように拘束するんだ……お前が悪いんだぞ……他の女と楽しくしているから……」
瞳はヤンデレ状態特有の虚ろ状態で笑みを浮かべている
―ひぃ!マジ勘弁!
「絶対に逃がさないからな…覚悟しとけ…」
―いやぁぁぁぁぁぁ
「監禁は……うぅ…」
「うなされてるわね」
「仕方ないよ…顔が直角に傾いたんだから」
「介抱しないと……」
「せんでよろしい…」
ガシッと委員長の襟首を掴む鈴音
「………は!ここは!」
目を大きく見開き飛び起きる
「うわ!びっくりした」
「赤城先生無事…じゃないよね」
「当たり前だろ…危うく監禁されるところだった…」
「「?」」
「それはさて置き…明日のクラス代表戦についてだが…」
「置いちゃうんだ」
「気にするな、やっぱり織斑一夏が相手になる」
「一夏相手か……」
「主武器は恐ら……うご!」
素早く現れる黒い陰
「悪いな、赤城」
鳩尾に拳がめり込むほどのボディブローが炸裂する
「なぜ、織斑……けは…」
再び悪夢の中にダイブする
「今、背中から衝撃波らしき物が見えなかった?」
「見えた見えた。こうズギャァン!て感じで」
「赤城先生…」
「おまえ等は何故私がここに居るのか聞かんのか?」
「「あ」」
「担任が担任なら、教え子も教え子か」
「兎も角だ、お互い助言無しで行こうじゃないか赤城」
「ふぁい……」
肩をバンバンと激しく叩き出て行く千冬
「嵐だ…」
「赤城先生大丈夫ですか?」
「ああ、頑丈なのが取り柄だからな」
「あはは…確かにそれ言えてるかも」
「だったらやっぱり、織斑先生の相手は赤城先生しかいないんじゃない?」
「そんな……」
「いや…3日立たずに死んじゃうでしょう」
「いや、1日で再起不能だな」
「「あははは……はぁ」」