住所通りの場所に向かうと「鬼崎」と書かれた表札を発見する。
聞いていた通り、立派なお屋敷だった。
「こんちはくらちくーん!!!」
ノックもする間もなく、ウィルバーが叫ぶ。
すかさず、腹に1発入れる叶彗。
そして「ごめんください」と丁寧に挨拶し直す。
「はぁい、どなたですか?」
「村長の鬼崎さんですか?」
「はい、私が鬼神村の村長の
村長も同じく、目は虚ろだった。
まるで役職の与えてられていないモブのように。
「私たちは鬼崎雅司さんの都会での友人でして……雅司さんから連絡が合ったのでこちらに参ったのですが…」
「……遠路はるばるありがとうございます。しかし、息子には会わせたくないのです。どうかお引き取り願えないでしょうか?」
「何か理由があるのでしょうが、私たちはそれを解決するために来たのです」
「どうか、会わせて貰えないでしょうか?」
「…………分かりました。お入りください」
敬三は叶彗達を迎え入れ、2階へ案内する。
「雅司……都会から友達が来とるよ…」
しかし、返事はない。
「扉を開けます。私は下に降りてますので…」
そう言って扉の鍵を開け、敬三は下へ降りていった。
鬼崎雅司は部屋の隅で震えていた。
布団にくるまり、ガタガタと震えていた。
その顔は恐怖に染まり、こちらを警戒していた。
「雅司さん。私
「私たちFBファイラーも禁書を回収に参りました。どうかお話をお聞きしたい」
「……アンタ達が……いや、わざわざありがとうございます。話します、何が合ったのかを」
雅司さんは勇気を振り絞り、ポツリポツリと話始めてくれた。
「私は都会の大学に進学して以来、そちらで就職してから村には帰ってませんでした」
「一週間前に10年ぶりに村に戻ったんです。そしたら村全体が何か異常な気配に包まれてたんです。色々調べ回った結果禍々しい気配を放つ書物を見つけたんです」
「その本は村の古い祭りについて書いてありました。村の祭りに使う祭具を収めた蔵です。桐箱に入ってて外見は和装の古書でした」
「タイトルは『鬼ノ舞』。内容は要約して2つ。『村の守り神たる鬼神はいつか蘇る』、『鬼神への生け贄に四人の肝を捧げる』といった身の毛もよだつような内容ばかり…」
「これは危険だと思って持ち出そうとしたら何故か腕が切り裂かれて……これはその時の傷です」
雅司は腕を見せる。
そこには包帯が巻かれている。
少し解くと痛々しい傷跡が覗く。
わざと切れ味の悪い刃物で無理矢理切ったかのようなその痕は対象を殺害するためではなく、恐怖を抱かさせるためのものだと気づくだろう。
「腕を切り裂かれて、父さんに発見されて手当してもらったからら『鬼ノ舞』はまだ、蔵の2階にあるはずです」
他にも雅司からは祭りについて詳しく聞けた。
古来にこの村で行われた『鬼神祭』という祭り。
今年は今日の夕方に、行われる。
長年失われてたこの鬼神祭だが、昨年に件の『鬼ノ舞』が発見された。
そしてそれに記述されている手順で祭りを取仕切ることになったというのだ。
主導しているのは村の氏神である鬼神を祀っている雪代神社の神主、
昨年は神主の妻である
そのため今年はその娘、
「手がかりがあるとするなら蔵か神社だな」
「蔵に
「俺もついていこう。村長の息子だから、村人も入れてくれるはずだ」
雅司は疲弊しながらも立ち上がり、3人と鬼崎雅司はウィルバーの一理ある一言に一行は蔵へと向かうことにした。