小道を抜けた先は洞窟利用した石室があった。
岩肌がそのままになっている壁。
石畳の床。
そして空気中には濃密な赤い霧。
そして石室の中心には人ひとり横になれるほどの大きさの台座の上に横になる紅璃。
その前で禁書『鬼ノ舞』を開き、読み上げている公孝がいた。
紅璃を運んでいた村人は石畳に倒れふし、血を流していた。
まだ生きているようだが、ピクリとも動かない。
そして流れ出る鮮血は石畳を通り台座に流れている。
石室には小鬼がたむろしていた。
そして石室の床には謎の陣が描かれ、中心からより大きな体格の鬼が出現していた。
それが出てきると公孝は歓声を上げた。
そして一際大きな体格の鬼が横たわる紅璃と重なった。
「いいぞ!これが俺の鬼神!我が一族の力の象徴!!『鬼ノ舞』さえあれば……フフっ、はっはっはっはっはーーー!!!ついに鬼神の力は我がモノよ!ははははははははは!!!」
高笑いを上げる、公孝。
そして3人に気づいた。
余裕の笑みをみせ、3人に向き直る。
「ここを嗅ぎつけたか……しかし、もはや鬼神は我が手中!お前たちも、村の連中も全部生け贄にしてやろう!!!」
公孝は嘲笑しつつ、手に持つ『鬼ノ舞』に念を送る。
自身の前にいる新たなる犠牲を捧げようと。
しかし、紅璃に重なった大鬼は立ち上がると公孝の身体を鷲掴みする。
「へ?」
そしてそのまま拳を握りしめる。
公孝の身体はへし曲げていく。
「そ、そんなっ!馬鹿な…!?グギャッ」
驚愕な叫びを上げた公孝だが、直ぐに意識が失われる。
手に持っていた『鬼ノ舞』を地面に落とした。
鬼は公孝の身体を引き裂こうとする。
しかし、その動きは身体を締められたかのように動きを止める。
いつの間にやら紅璃が目を覚ましていた。
そして地面に落ちていた『鬼ノ舞』を手にし、必死に鬼へと念を送っていた。
「に、逃げてください!もう…もう少ししか抑えられません……だからっ!……逃げてぇ!!」
「………」
紅璃の必死の叫びは3人に届いた。
しかし、彼らは動けない。
いや、動かない。
「任務である禁書を補足。これより、回収作業に入る」
「鬼神の神話かぁ、早く読んでみたいなぁ〜」
「紅璃ちゃんの念で全力を出せないみたいですね。倒すなら今です」
叶彗はコインを用意しながら大鬼に向ける。
ウィルバーはウキウキしながら拳を構える。
鉄扇をカバンから取り出す時雨。
「ダメっ!逃げて!!」
「禁書領域がある限り、ここから出られない。ここで倒さなきゃ変わらん。それに俺は任務を失敗する訳にはいかない……」
思い浮かぶはあの人の顔…
「だから待ってろ!俺が大鬼を倒す!!」
3人は大鬼たちと対峙した。
「じゃあ、俺は後衛だから」
「私も後ろに下がりますね」
「また私だけ!?」
叶彗、時雨は後方に。
ウィルバーは小鬼とまた対峙するのだった。