ダンジョンに転生者が居るのは間違っているだろうか!   作:白廻楓

3 / 3
ダンまちの最初の方の会話がうろ覚えなので、結構台詞が違うかもしれませんがご容赦ください。


第2話:ロキファミリアとの邂逅とお礼

ヘスティアに恩恵を貰い、俺はベルの誘い受けて豊穣の女主人と言う酒場に夕食を食べに来ていた。

 

「ここか?」

 

「うん、そうみたいだね!こういう酒場に仲間と来るの憧れだったんだよ!」

 

ベルはまるで幼い子供の様な表情をするので思わず、こちらも微笑まし顔を向けてしまう。

 

「店の前で喋るのも邪魔になるし、とりあえず入ろう」

 

「うん!」

 

俺とベルが店に入るとそこには、ダンジョン帰りの冒険者以外にもヒューマンにエルフ、その他にも猫人にドワーフなどの従業員が居る。

 

「「「「「ようこそ!豊穣の女主人へ!」」」」」

 

挨拶をする従業員の中には原作で見た顔も居るのが分かる。

実際に見てみると皆可愛いな!

 

俺とベルが従業員達の可愛さに見惚れていると、一人のヒューマンの女の子がベルに声を掛けてきた。

 

「ベルさん!来てくれたんですね!!」

 

「シルさん!はい!今日新しく同じファミリアになった仲間と来ました!」

 

「はじめまして!シル・フローウァです。」

 

「サクラギ・レンだ。今日からベルと同じファミリアで冒険者を始めた。よろしく頼む」

 

俺とシルが簡単な挨拶をすると、ベルと共にカウンター席に案内される。

 

そして、席に案内されてすぐに俺とベルの前に山盛りのパスタが置かれる。

どれぐらい、多いかと言うとペヤングの超大盛が3つ分くらいの量だ。

ちなみに一人でそれぐらいの量なので恐れいる。

 

ベルも急に置かれたパスタを見て顔をひきつらせながら何やら言っている。

 

「・・・ファミリアに蓄えもしておきたいからそれも考えないと」

 

俺も少し遠慮して食べるか、ベルに悪いしな

すると今度は、バカでかい魚が俺たちの前に置かれた。

 

「「・・・・・・」」

 

遠慮以前の問題だった。

この店は頼まなくても料理が出てくる。

 

「たりないだろ!今日のオススメだよ!シルから聞いてるよ二人共とんでもない大食いなんだってね!」

 

ドワーフの店主のその言葉に俺とベルは二人揃ってシルの方に顔を向ける。

ベルはともかく俺はついさっき会ったばっかだぞ!

 

「・・・テヘッ!」

 

すっごい可愛いけどこの時ばかりはシルの顔がどこぞの魔女の顔に見えた。

 

俺は溜め息つきベルの顔を見るとやはり顔をひきつらせている。

 

「・・・今日のオススメ・・800ヴァリス・・・」

 

「出された物は仕方がない。冷めない内に頂こう」

 

俺とベルが料理を食べ始めしばらくすると、シルがこちらにやって来た。

 

「どうですか?ベルさん、レンさん、楽しんで頂けていますか?」

 

「圧倒されてます」

 

「右に同じく」

 

「フフッ!今日の私のお給金は期待出来そうです!」

 

やっぱ魔女だ。

 

俺がシルのことを魔女だと再認識していると店の入り口から新たな客が入ってきた。

 

 

 

 

「ご予約のお客さまご来店ニャー!」

 

猫人の店員がそう言うと後ろに大勢の冒険者が続く

 

「おい、えれぇ上玉じゃねぇか」

 

「バカ!エンブレムを見ろロキファミリアだ」

 

 

 

 

 

 

 

ロキファミリア

 

迷宮都市オラリオで最強の一角を担うファミリア

 

【勇者】フィン・ディムナ

 

【九魔姫】リヴェリア・リヨス・アールヴ

 

【重傑】ガレス・ランドロック

 

【凶狼】ベート・ローガ

 

【大切断】ティオナ・ヒリュテ

 

【怒蛇】ティオネ・ヒリュテ

 

そして、【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタイン

 

数多くの上級冒険者が集う巨人殺しのファミリアだ。

 

 

 

ベルは予期せぬロキファミリアもとい剣姫の来店に顔を青くしたり赤くしたりと器用な事をしている。

信号機みたいだ。

 

 

すると、ロキファミリアの【凶狼】ベート・ローガが面白い話があると話始めた。

 

「よっしゃ!アイズ、そろそろ例のあの話してやれよ!」

 

「あの話?」

 

「あれだよ!17階層で俺達が逃がしたミノタウロスの5階層で助けたトマト野郎の話だよ!」

 

それを聞くと、アイズが少し顔を顰めたがベートは話を辞める気配はない。

 

「ミノの奴が奇跡みたいに5階層まで昇って行きやがってよ!そこに居たんだよ、いかにも駆け出しのヒョロクくさいガキが!そいつ、アイズが細切れにしたミノのクッセー血を浴びてトマトみたいになってやがったんだよ!そんでよ!家のお姫様、助けたトマト野郎に逃げられてやんの!」

 

ベートがそこまで話すと今まで苦笑いだった冒険者達も耐えきれないとばかりに笑いだす。

 

「フフッ・・ごめん、アイズ、さすがにもう限界フフッ」

 

「ブァッハッハ!助けた冒険者にも逃げられるアイズたんまじ萌えー!!」

 

「辞めろベート、17階層でミノタウロスを逃がしたのは我々の不手際だ。その少年に謝罪することはあっても酒の席で笑い者にしていい道理などない」

 

「あぁっ!ババア!弱いザコをザコと言って何が悪い!」

 

「やめんか、二人共酒が不味くなるわい!」

 

「あの子はまだ駆け出しの冒険者でしたミノタウロスから逃げるのは仕方がないと思います」

 

「あぁっ!ならアイズ!あのトマト野郎に言い寄られたらお前は答えるのか!答える訳ねぇよな!何よりもアイズ・ヴァレンシュタインがそれを許さねぇ!ザコじゃお前には釣りあわねぇよ!」

 

「ベート、君酔ってるね」

 

「少なくとも、そんなことを言うベートさんとはごめんです」

 

そこで、また多くの冒険者が笑いだす。

 

その瞬間、俺の横を白い影が通り過ぎて行く。

 

ベルだ。

 

「ミア母ちゃんの店で食い逃げなんて大層なやっちゃっなー!」

 

ベルの奴俺を置いて行きやがった。

金も全部あいつが持って行きやがったぞ、どうすんだよ

 

まぁ、これがベルにとって強くなる切っ掛けになったことは間違いない

とりあえず、あの狼にお礼を言いに行こう。

 

「ミアさん、お金は後日ベルと持って来るので見逃してくれませんか?」

 

「ダメだよ、家の店にツケ効かないよ。どうしても払えないなら体で返しな」

 

「それなら、お金の代わりに一時この刀を預けます。一応、不壊属性が付与されているのでそれなりの値段になるはずです。もし後日支払いに来なければこの刀を売ってお金に替えてください。」

 

ミアはその刀を手に取り見る

 

「はぁー、今回だけの特別だ。ただし、以後こういうのは無しだよ。」

 

「ありがとうございます。迷惑ついでにトマトを1つ頂けませんか?」

 

「・・・行くのかい?あんたレベル1だろう。勝てっこ無いよ」

 

「関係ありません。家族が世話になったんです。少しお礼をしてくるだけです。」

 

「店をあんまし荒らすんじゃないよ。このトマトと店のもん壊したらそれも料金に付けるからね。」

 

「重ね重ねありがとうございます」

 

俺はミアにトマトを貰い、ベートのもとに歩いて行く。

ベートは未だに笑っている。

 

そしてベートの真後ろに立った俺は、手に持っているトマトをベートの頭の上でおもいきり潰した。

 

その瞬間、酒場から全ての音が消えた。

 

 

 

「てめぇ、なんの真似だ」

 

「家族がお世話になったのでお礼です。極東にはお世話になった人にお礼参りをする習慣があると聞くので」

 

「てめぇ、あのトマト野郎の仲間か?」

 

「はい、そうです。俺が知る限りトマト野郎は目の前にも居ますがそれで間違いありません。」

 

「てめぇ、殺されてぇみてぇだな!何か言い残すことはねぇか!」

 

「そのトマトスッゴくお似合いですよ!!」

 

すると静寂が支配していた空間に先程と同じ笑いが起きる。

 

「ぶっ殺す!!」

 

「やめぇ!ベート」

 

そこで、俺に攻撃しようとしていたベートに制止の声がかかる。

 

声をかけたのはロキファミリアの主神ロキだ

 

 

「あぁ!ロキ、口出しすんじゃねぇよ!!」

 

「やめろ言うてるのが聞こえへんのか?何回も言わすな」

 

ロキが少し神意を出しベートを止めたことから流石のベートも拳を引いた。

 

「ちっ」

 

ベートが止まり、次は俺の方にロキが歩んで来て、俺の前で止まる。

 

「自分何してるか分かってるか?」

 

「はい、そこの狼にお礼をしました」

 

「はぁー、自分今のはうちが止めんかったら殺されても文句言えん立場やってんぞ」

 

そこで、ロキは俺にも少し神意を放つ。

 

「家族をバカにされて黙ってる糞野郎になるくらいなら殺されたほうがましだ!!」

 

周囲もまさか神の神意を向けられ大声で言い返すことなど想像にもしていなかったのだろう。

 

酒場の店員、ロキファミリアの冒険者、その他の客

 

先程まで俺に殺気を放っていたベートでさえ今は目を見開いている。

 

 

俺とロキが見つめ合う形になる、するとロキが溜め息をつき神意を引っ込めた。

 

「はぁー、もうええわ、うちの負けや。自分バカなやってよう言われるやろ」

 

「失礼な!そんなことないですよ!

それに、貴女が止めることは分かっていました。」

 

「なんやと?」

 

「いくら、こちらからケンカを吹っ掛けたと言っても、先にこちらの家族をバカにしたのはそちらだ、証人が居る以上、そこのベートさんがレベル1の俺に手を出せば如何にロキファミリアとは言え面倒ごとは避けられない。なので、様子を見てベートさんが手をだす前に貴方かそこの【勇者】さんが止めると考えてました。」

 

「なるほどな、それでもレベル1でレベル5のベートにケンカ吹っ掛けるんはバカやで」

 

「そこはまぁ、冒険者なんで度胸ですよ」

 

そこで、ロキは表情を変える、面白いものを見つけた時の表情に

 

「なぁ、話変わるねんけど自分、うちのファミリアに入らへん?」

 

そこで、周りに居たロキファミリアの面々は様々な顔になる。

 

面白そうにこちらを見る者

 

気に入らなさそうにこちらを見る者

 

この展開を予想しており溜め息をつく者

 

そんな中、俺はロキの誘いを断る

 

「申し出は有り難いのですがその誘いを受けることは出来ません。」

 

「やっぱりなー、そんな気はしとったけどまぁ、気が向いたらいつでも家においでや!レベル1でレベル5の冒険者にケンカを売るような面白い奴やったら大歓迎や!」

 

「はい、また機会があれば」

 

「そういえば、まだファミリアに誘ったんはええけど名前も聞いて無かったな!」

 

確かにまだ名乗っていないことを思いだし俺は名乗る

 

「俺の名前はサクラギ・レンです。所属ファミリアはヘスティアファミリアです」

 

「なぬっ!ドチビんとこかい!やっぱり今すぐうちのところに来い!」

 

「無理ですよ!そもそも今日恩恵貰ったばっかなんで改宗出来ません!」

 

「くっそー!ドチビの奴にこんなおもろい子は勿体ないわ!」

 

俺が溜め息をつきロキを見ていると今度はパルゥムの男性に話しかけられた。

【勇者】フィン・ディムナだ。

 

「サクラギ・レン君、こちらの団員の非礼をロキファミリア団長として謝罪する。」

 

「いえ、ケンカを吹っ掛けた時点でこちらにも多少なりとも責任はあるので別に構いませんよ」

 

「そう言って貰えて助かるよ、だが君がうちに来ないのは残念だ」

 

「すいません、今の家族を大切にしたいので」

 

「あぁ、分かってる、だがもしいずれこちらに来る気になったら歓迎しよう。」

 

「はい、ありがとうございます」

 

俺はフィン・ディムナとの会話を終えたあとミアやシルに謝り、後日支払いに来るといいホームに帰るのだった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。