女になった僕が冒険者なのは間違っているだろうか   作:怜応

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女ベルのちょっとした騒動?(3)

「なんかおもろいことないかなー?」

ぶーらぶーらと賑わう街道を歩いているのは、このオラリオで1.2のファミリアの主神の1人『ロキ』だった

「はぁ、アイズたんはダンジョン…。他の連中も鍛錬やら買い物やら…わいを1人にせんといてええ!!」

そんなことを叫んでも今の状況に変化は訪れない

はぁ、ともう一度ため息をつくロキに気になる話が…

『おい!豊穣の女主人が大盛況だってよ!』

『そんなんはいつも通りだろ?』

『ちげーよ、すげぇ可愛い娘がいるんだってよ!』

『まじで?』

『行ってみよーうぜ!』

『おうさ!』

そんな男冒険者たちの話を盗み聞きしたロキは、

(これは面白そうな予感がするなぁ!)

と考えて«豊穣の女主人»へと足を進めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな噂が経つ頃、豊穣の女主人では…

1人の少女が動き回っていた

小柄な身体でトテトテと走り回る姿は冒険者に癒しを与えた

その髪は白で、瞳は紅色といった兎を思わせる少女だった

「嬢ちゃーん、こっちに酒お願ーい!」

「わ、分かりましたぁ!」

「嬢ちゃん!こっちもだ!」

「は、は〜い!」

そうその少女とはベルのことであった

「ベルさん、それが終わったら少し休憩していてください」

銀髪の少女で、ベルの今の状況の原因となった人物シルはそう言った

「や、やったぁ〜…」

ベルはそう返事をしながらその場に少ししゃがみこむ

そんなベルを見てシルは微笑みながら、

「ふふふ、お疲れ様です」

そう言うのだった

リリはあの後やることがあると言ってホームに帰って行った

「あと少しだ、頑張るぞ〜」

と意気込むベルにこれから起こる不運などは分からないのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほぅ、凄い繁盛しとるやないか…」

豊穣の女主人に来たロキは中に入った途端にその人の多さを見てそう言った

今の時刻からしてここまで溢れんばかりの人がいるのに軽く驚いた

「あ、ロキ様。いらっしゃいませ」

ロキにそう言ったシルは首をかしげながら、

「ロキ様、護衛の方は?」

「それが今連中全員用事でおらんのや」

「そうなんですか」

「せやで、だから1人で来たっちゅうわけや」

「ふふ、そうですか。席の方へ案内するんでゆっくりしてくださいね」

「おう、ありがとさん」

シルに案内された席にロキは座りながら疑問をシルに聞いてみた

「なぁ、シルたん。これはなんでここまで繁盛してるん?」

そんなロキの質問にあぁ〜という感じでうなづいたシルは

「もう少しで分かりますよ」

とウィンクしながらそう言った

 

「シルさ〜ん、手伝いますね」

「はい、お願いします」

シルが団体客に料理を運んでいるのを見てベルは手伝いに来た

「うひょ〜、まじで可愛い娘じゃねぇーか」

「あ、ありがとうございます…」

一気に顔を真っ赤にするベルを見て和む冒険者たち…

そんなベルを遠くから離れた席で見ていた女神が1人いた…ロキだ

(か、可愛いいい!)

ロキは冒険者たちて笑いながら話すベルを見てそう思った

「可愛いですよね?」

「うわっとい!ビックリさせんといてやぁ、シルたん」

「ふふ、ごめんなさい」

「あぁ〜、あの娘やな?」

「そうですよ」

「そりゃ納得やわ」

ロキは頷きながらベルを見る

そんなロキにシルは、

「それにもっと面白いことありますよ?」

と呟き仕事に戻った

 

「お嬢ちゃん、こっち注文えぇか?」

「は、はい。わかりま…ってロキ様〜!?」

「せやで、ロキやで」

ベルは初めてロキの存在に気づき、アワアワしだした

ロキはそれを見て怪訝そうな顔をした

「君、どこかで見たことあるような…?」

「か、勘違いでは〜…」

んっ〜?と唸りながらロキはベルを見た

そんなベルの後ろから店員のキャットピープルのアーニャが

「白髪頭さっさと動くニャ!最近ちょっと有名になったからって調子にのるニャよ!」

「お前はもっとだ!」

アーニャの先輩であるヒューマンのルノアが上から拳骨を落とす

(((白髪頭…有名…)))

「もしかして、君冒険者とかやってへん?」

「そ、それは…」

「そうニャ!この新人は怪物祭(モンスターフィリア)で活躍した冒険者ベル・クラネルにゃ!」

アーニャのその言葉にベルは吹き出し、アーニャはルノアにまた拳骨をもらっている

「「「えええええええ!!!」」」

「もうやだぁ〜…」

みんなの叫びで、兎の呟きはかき消されたのだった




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