仮面ライダーに変身できる奴の話   作:つっけんどん

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初めは『これはゾンビですか?』



これはゾンビですか?
はい、平和は夜に無くなるものです。


 

俺、相川歩が高校生になってから初めての夏が来た。

 

 6月という雨で湿気が充満する梅雨を乗り越え、カラッとして景色が蜃気楼のように歪む時期、それが夏。

空は快晴。梅雨が終わり、ギラギラと太陽が体を照りつける。そして、その暑さゆえに教室は一切の戸を閉め、エアコンをつけている。

まさに最高である。涼しい教室に窓から入る日差しは俺に寒くなく暑くなく適度な環境を提供している。

 

今は一時間で数学の時間なのだが、瞼をゆっくりと沈んでいき、体勢が睡眠へと移行して机に腕をのせる。

 

 最近はヤバいこと起き続けてたし、これからも起きそうなのでさらりと俺の秘密を言います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺、転生者です。

 

あ、あと女装したくないから仮面ライダーしています。

 

 

 

 

 

それでは、オヤスミー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――夢を見る。いつもの良いステージスポットを探すための深夜徘徊をしていた時に出会った、自己中魔装少女との出会いを

 

 

 その日、俺は撮影スポットで新鮮さを求めるために墓地に来ていた。なんで墓地なんかに来たのだと疑問に思われるかもしれない。しかし、今まで海や山、都会のデータを採取してステージを作ってきた。それ故に、もはや良いステージになる場所は限られてくるのだ。

 

そうなったら身近で特別で戦闘に適しているといったら墓しかおもいつかないのだ。そして、その墓地は俺の家の近くあり、かなり多きな墓場だ。そこまで墓がある訳でもなく、場所との差が有りすぎてしまうぐらいには大きい墓地だ。

 

空気も6月下旬とは思えないひんやりとした空気が漂い、背筋を撫でられるかのような風が通っていく。

これなら良いステージを作れそうだとカメラで撮っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒュゴォ

 

撮影に集中していたのだろう。俺は空から聞こえる音が聞こえなかった。

 

 

そして、気づかぬまま激突。その音を出した物体は俺の髪を斬り、カメラを斬り割き、俺の足の間に地面に衝突した。

 

 

ドゴォーーン!!!

 

耳に多大なダメージを負い、吹き飛ばされた。地面に激突し、何度も転がって墓石にぶつかり止まった。

起き上がると、爆心地までの距離はそこまで離れてないみたいだった。

 

「あーあ、カメラが真っ二つだよ。せっかく俺が頑張って作ったやつなんだけどな」

 

心の痛みと口の中の砂利に気分が沈んでしまったが、一応爆心地に向かっていく。平和な世界で戦い系の特典を貰ったゆえの闘争願望があるから、うまくいけば初めて自作自演以外でのバトルができるかなと期待しえしまうだよ。

 

しかし、爆心地に行くとあり得ない光景があった。

 

 

「いたたたたたた~」

 

 そこにいたのはピンクの服を着た少女だった。

いや、誤魔化すのはよそう。そこにいたのは、ピンクの魔法少女もしくはプリキュアのような服を着た少女だった。そして、俺の足のすぐ近くには少女の武器であろうピンクのチェーンソーが深々と突き刺さっていた。

 

見た感じ年齢は中学生位で腰を強打したのか押さえていた。

 

 

 

(多分これ、今戦闘中なんだろうな…。一応準備して近づくか)

 

 俺は平成仮面ライダーの歴史そのものが詰まった時計であるライドウォッチを胸から出し、それを手に持ちリューズに相当するボタンを押した。

 

【カブト】

 

するとライドウォッチが空気に溶け、カブトの変身ベルトが出現する。一応コミュニケーションを行うからカブトゼクターはまだ召喚していない。

 

俺は彼女の武器であろうチェーンソーを手に取る。手に取った感じ予想よりとてつもなく軽い。俺がゾンビだからにしろ金属で構成されているチェーンソーがこんなに軽い訳がない。少女でも持てる軽さの知らない金属で作られているのかもしれないな。―――っと、そんなことよりもこれを彼女に渡さないとな。

 

腰を押さえて痛みを解そうとしている少女は、栗のような色をした肩まで髪を伸ばしていて、猫のようにとても大きくつり目が印象的だ。そして、彼女のチャームポイントらしい一本の大きなアホ毛はぴょこんぴょこんと左右を猫じゃらしのように揺れている。

 

「君、大丈夫か?」

 

「んあ?」

 

彼女は腰を擦っていた手を止め振り向いた。すると、彼女はその猫のような目を更に見開いた。

 

「これ、君のだろう?ほら」

 

「あーーーっ!」

 

俺がチェーンソーを差し出すと彼女はひったくりみたいに奪いとろうと飛びかかった。

 

「あたしの魔法錬器!返せっ!早く!すぐさま刹那の内にあたしに返せ!!」

 

「お、落ち着けよ…。ほら、返すから」

 

 さながら主人の顔に爪を立てて攻撃しようとする猫の如く飛びかかり、チェーンソーを奪い取ろうとした。しかし、チェーンソーに触れた瞬間バチっと静電気のような火花が飛び、彼女の手を拒絶し地面落ちた。

 

「痛っ!なんで!?」

 

何度を彼女は触れようとするが、その度に火花が飛び彼女を拒絶する。しまいに、強引に掴もうとしたが火花から電流に変わりバリバリと音を鳴らした。

 

(どうして持てないん、だ………っ!??)

 

「ぶっ!」

 

疑問に思っていると、彼女の服が空気に溶けて消えていっている。しかし、彼女はチェーンソーを取ろうとするのに夢中で気づいている様子はなかった。それよりか自分の武器に拒否され、頭に血が上りそれ以外のことを認識できていない。

 

(ヤバい、ヤバい、ヤバい…!羽織る物、羽織る物!)

 

俺は急いでジャージを脱ぎ彼女を視界から隠すように広げた。少女体型なのが功を(そう)し、ジャージ一枚で体を覆い隠せれた。

 

「あ?あんたなにやってんの」

 

彼女は俺の行動に不思議に思い聞いてきた。

 

「ちょ!お、お前、服!服!」

 

「ほえ?」

 

そして、次に自身の体を見て自分の今の状態を理解したのだろう。顔が真っ赤に染まり、耳まで染まる。

 

「これを早く着ろ!後ろ向いとくから」

 

「う、う、うきゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

彼女は脱兎の如く俺から逃げ、近くの墓石の陰に隠れた。

 

「参ったな…彼女の戦いって3分しか戦えない巨人とかそんな部類なのかな?」

 

「なあ、君!君と戦ってた相手ってどこに―

 

 

 

 

後ろから気配!

 

 

 

俺の背中から獣のような殺気が表れて、反射でその場から飛び退いた。

 

 

「おいおい、魔法少女の戦闘相手は学ラン着た熊かよ…」

 

飛び退き振り向くと、学ランを着た大きな熊がぬいぐるみのような目を血走(ちば)らせて爪を振り上げていた。

 

止まっていたら爪で串刺しジ・エンドってやつか。

 

 

「そいつは凶悪女子高生クマッチだ!早く逃げろっ!じゃないと、あんたなんかすぐに死んでしまうんだかんなっ!」

 

こいつ女子高生なのかよ。

 

お互い向き合っていると、後ろから俺のジャージを着た少女が説明してきた。見た感じ普通の熊ではないのだろう。学ランを来て、ついさっきまでチェーンソー魔法少女とバトルやってたんだから。

 

「すぐ死ぬって言われても、こいつ一撃必殺の技とかバリアとかはってるのか?」

 

「バカ!ホントに馬鹿!あんた相手の力量も測れないのか?これだから、この世界の人間は!」

 

「あるのか?」

 

少女が罵倒してくるが、再び聞く。彼女は何言っても聞いてくれないのと理解したのか震えながらも呆れ声で言った。

 

「い、いや、ない。そいつは特殊な技は一切使わないメガロだ。ただ、反射真剣と攻撃力が強いだけだ」

 

それを聞いて安心した。何か特別な攻撃でないとダメだというならこのライダーでは無理だと思ったのだが、どうやら今から変身するライダーはこの熊とすこぶる相性が良いらしい。

 

 

「ま、見てな。今の俺は天の道を往き総てを司るライダーになれるからな」

 

 

ビィィィィィィ

 

どこからともなく昆虫の羽の音が聞こえ、金属質な深紅のカブト虫が現れた。それは俺の手に収まり、ベルトへと装着し

 

 

 

 

 

 

仮面の戦士へなる言葉を発した。

 

 

「変身」

 

 

『HENSHIN』

 

 

 

 




主人公(転生):相川歩
原作との相違点:ニヒルな口調は使わない。戦闘厨明け透けたエロではない。ゾンビではない。女装しない。




女装したくない
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