仮面ライダービルド×ブラックブレット 人と神とを分かつもの   作:リョウギ

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第1話 「黒い壁の町」

夕焼けに染まる閑静な住宅街

その静寂を引き裂く轟音、崩れ去る住宅から血塗れの小さな人影が転がり出る

「う………ぁ……ッ」

よろよろと立ち上がったのは小柄な少女。まだ小学生ほどだろうか

その手には何やら無骨な黒いガントレットがはめられている

 

ギィキィイイイイイイイイイイイイ‼︎‼︎

 

けたたましい鳴き声が砂煙の中から響き渡る

崩れた住宅街から体を揺すって現れたのはー人間の身の丈を軽く越える巨大なハリネズミ

その血のように真っ赤な瞳を輝かせながら少女を睨みつける

「ぁ………うぁ………」

恐怖に顔を歪ませた少女がへたり込む

巨大ハリネズミは体を丸めて背中の針を逆立たせるとその場で高速回転を始める。恐らく少女を轢き潰すつもりだろう

針玉になって高速回転しながらハリネズミが少女へと迫る

諦めたように少女が顔を塞ぎ目を固く瞑る

 

《Wake up Burning‼︎ Get CROSS−Z Dragon‼︎》

《イェーイ‼︎》

 

「ぬぅおりゃあああああ‼︎」

 

全身穴だらけになることを覚悟していた少女はいつまでたっても襲ってこない激痛に疑問を抱きながら目を開く

 

そこには巨大な針玉を受け止めた、鮮烈なまでに青い背中があった

 

「吹っ飛んどけ‼︎」

針玉を押さえ込んでいた青い人影はその針玉を思いっきり殴りつける

ボーリング玉のように吹き飛ばされたハリネズミは仰向けになって崩れた住宅の瓦礫に突き刺さる。立ち上がれないのか巨大ハリネズミはその短い四肢をジタバタさせている

「いっちょあがり‼︎ ……っと、オイ大丈夫か?」

よく見るとパワードスーツを纏ってるように見える青い人影がかがみこんで少女に問いかける

少女には見たことがないその容姿に目を丸くする

ーが、瞬時にその顔が再び恐怖に歪む

視界後方で巨大ハリネズミが起き上がったのだ

「あ、あぁ……ッ‼︎」

「あ?どうした?」

少女の様子に首を傾げる青い人

その後方で再び丸まったハリネズミが高速回転を始め、こちらに走ってくる

今度こそ青い人ごと轢き潰されることを少女が覚悟した瞬間

 

ズガァアアアアン‼︎

 

轟音と共にハリネズミが横にひしゃげ、横方向に大きく吹っ飛ぶ

再びの予想外の事態に少女が目を丸くする

 

「何一人で突っ走ってんだ筋肉バカ」

 

落ち着いた声色と共に現れたのは、赤と青に色分けされた、少女を助けた青い人に似たパワードスーツのようなものを纏った人

赤い左脚が上げられているのを見るに、恐らくあの巨大ハリネズミを蹴り飛ばしたのだろう

「おせーぞ戦兎‼︎……ッてバカってなんだバカって⁉︎」

「お前のことに決まってるでしょうが。トドメ刺したかどうかの確認くらいしなさいよ」

「あ?……おおおお⁉︎ハリネズミがなんであっちに……?」

「お前に突っ込んできたのを俺が蹴り飛ばしたんだよ」

「そっか………悪りぃ、助かった」

「わかればいいんだよ」

しばらく小競り合いを繰り広げていた二人だが、青いほうが状況を察したのか二色のほうの手を取り立ち上がり、並び立つ

「ちょっと隠れてな、すぐ終わらせるからな」

青い人が少女を抱え上げ、電柱の影に座らせる

「いきなりヤバそうなヤツに出会ったが、まぁなんとかなるだろ‼︎」

「スマッシュじゃないのは確かだ。油断すんなよ万丈?」

「わかってるよ‼︎」

万丈と呼ばれた青いほうが拳を打ち鳴らし気合いを入れ直す

戦兎と呼ばれた二色のほうが右のツノを撫で上げハリネズミに向き直る

 

「ー改めて、実験を始めようか」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

話は数分ほど前に遡る

「完成だ‼︎やっぱ俺って天ッ才だな〜」

紆余曲折あって手に入れたラボに自信たっぷりな声が響く

声の主はラボの奥まったスペースで何やらレンズのような機械を手にはしゃいでいる青年

 

天才物理学者ー桐生 戦兎

 

かつて葛城 巧として生まれ、地球外生命体のエボルトと対抗し記憶を消され、顔を変えられ、人生を変えられながら立ち上がった正義の科学者

戦争兵器として作られたはずの仮面ライダービルドという力を手に、ラブ&ピースを胸に新たな世界を作り上げた男だ

「うっせーな………何が完成したんだよ戦兎?」

ラボの梁で懸垂を続けていたもう一人の青年が降りてくる

 

万丈 龍我

 

エボルトの因子を持って生まれ、戦兎と同じくエボルトに利用されながらも正義のために戦い続けた

戦兎にとってバカでーそれでいて最高の相棒だ

「聞いて驚くなよ?こいつは、平行世界の観測装置だよ」

得意げに戦兎がレンズを掲げる

「平行世界の観測?なんだそりゃ……」

「前に最上のカイザーシステムでエグゼイドの世界に行ったことあっただろ? あんな風にこことは違う世界が、理論上無数にあるはずなんだ」

「ふ〜ん……カイザーって、お前世界侵略するつもりか⁉︎」

「バッカ違ぇよ。まずは、平行世界を観測するだけだ」

「観測って……そんなことしてどうすんだ?」

「…………まぁ、それはおいおい」

「いや、考えてねぇのかよ」

呆れたように万丈がツッコむ中、戦兎がレンズを操作していく

それを近くの椅子に腰掛けて万丈が眺めているとラボに新たな人影が入ってくる

「よぉ、戦兎、万丈……って何やってんだ?」

入ってきたのは緩めのジャケットを着た青年と黒いジャケットを着たヒゲを蓄えた男

「おう、カズミン。また戦兎のヤツの発明だよ」

「まーた変なもの作ってんのか……よく飽きねぇな」

 

ジャケットの青年は猿渡 一海

かつて戦兎たちと共にエボルトたちと戦った仲間であり、牧場を営んでいる

 

ヒゲの男は氷室 幻徳

一度は秘密結社ファウストの幹部ナイトローグとして戦兎たちと対立していたがネビュラガスの毒気から目を覚まし、心強い仲間になった

 

二人とも新世界創造の際に記憶を失っていたが、紆余曲折あって再会し、再び親しい仲になっていた

「お、カズミンに幻さん‼︎ 見てろよ、ついに平行世界観測装置起動……ってあれ?」

と夢中でレンズを操作していた戦兎が何やら不穏な呟きを漏らす

見ると例のレンズが戦兎の手を離れ、空中でバチバチと光を放っている

ー流石に万丈たちにも嫌な予感が走る

「……戦兎、コレは正常な動作なんだよな?」

「……いや、想定外」

「失敗してんじゃねぇかコラァ⁉︎」

「なんかやべーんじゃねぇかコレ⁉︎」

「俺にも想定外なんだよ俺に聞くな‼︎」

4人が慌てだし騒然とするラボを尻目にレンズが一際強く光り輝く

「うわっ⁉︎」

「ぬおっ⁉︎」

突然の閃光に4人が目を覆う

次の瞬間には、ラボには誰もいなくなっていた

 

万丈が目を覚ましたのは夕焼けに染め上げられたどこかの河川敷だった

「………ッ⁉︎ ここは……?」

先ほどの惨事を思い出し、起き上がり周囲を見回す

特に異変はない。周囲にあるのは閑静な住宅街、よくある平凡な河川敷、すぐ側にうつ伏せでのびてる戦兎(今回の元凶)、そしてその周囲に散らばってる数個のボトルとメカ

だが、その視線を上に上げるとすぐに異変が目に入った

 

「ッ⁉︎ スカイウォール⁉︎」

 

その目に映ったのは、遥か遠景にそびえ立つ黒い大きな壁

かつて戦兎と万丈が戦った旧世界にパンドラボックスによって生成され、日本を三分割していた巨大な壁ースカイウォールを想起させるような壁だ

今万丈たちがいたはずの新世界には無いはずのものだ

「おいっ、おい戦兎‼︎ スカイウォールができてやがるぞ‼︎おい‼︎」

「ん〜……うるさいな筋肉バカ……スカイウォールなんてあるわけがないでしょうが……」

万丈に揺さぶられてのびていた戦兎がのっそり起き上がり、巨大な壁を見て固まる

「………なんじゃあれ…」

「スカイウォールじゃねぇのか?」

「いや、違う。あれには隙間がある。スカイウォールは一続きの壁だったはずだ」

戦兎の言う通り、巨大な壁は一続きではなく、石版のような長方形のものが等間隔に並べられていた

「じゃあ……余計なんなんだよアレ……?」

「俺に聞くなよ…」

「いや元はと言えばお前があのヘンテコなレンズで……」

と言いかけた万丈が何かに気づいたのと同時に戦兎も何かに気づき顔を見合わせる

「「レンズ‼︎‼︎」」

「そうか、あの並行世界観測機でこの事態になったのか……」

「………ってことは、俺たちもしかしてそのナントカ世界に来たんじゃねぇのか?」

「並行世界、な。というか、それしか考えられない……何よりそうでないと、アレに説明がつかないからな……」

頭を掻きながら遠くの壁に戦兎が視線を向ける

 

ドガァァァァァン‼︎

 

突然の轟音

まさかの事態に呆然としていた二人も河川敷を駆け上がり、音の方に視線を向ける

「なんだありゃ⁉︎」

驚く万丈の視線の先には巨大な黒い影が蠢いていた

そのシルエットはどこかハリネズミに似ている、というか異常に大きいことに目を瞑ればほぼハリネズミそのままだ

「ハリネズミの、化け物?」

「スマッシュ……にしては生き物らしい見た目だな……」

「……ッ‼︎」

と、顔色を変えた万丈がどこからか取り出したベルトを腰に巻きつけハリネズミの方に走る

「あ、オイ万丈⁉︎」

呼び止めかけた戦兎だが、万丈の視線の先を見て声を止める

ハリネズミの眼前には小さな少女らしい人影がいたのだ

ーふぅ

やれやれ、とばかりに戦兎がため息をつく

「あの筋肉バカ、ほんと後先考えないんだから」

呆れたようにつぶやく反面、その顔にはうっすらと笑みが浮かんでいた

「正義の味方は、お前だけじゃないだろ?」

戦兎も複雑な機構のベルトを取り出し、腰に巻きつける

 

次にその両手にボトルを一つずつ握り、カシャカシャと軽く振る

振り終わったボトルをベルトのスロットに装填する

 

《ラビット‼︎》

《タンク‼︎》

《ベストマッチ‼︎》

 

ベルトから軽快な音声が発せられ、それに続けて戦兎がハンドルをグルグルと回す

回すと同時に彼の前後に何本ものパイプが走り、赤と青の液体が流動、装甲のようなものを作り上げていく

 

《Are you Ready ?》

「変身‼︎」

 

戦兎の掛け声とともに、前後の装甲が戦兎へと装着、蒸気の放出とともに装甲の結合が完了する

そこに現れたのは、鮮烈なまでに鮮やかな赤と青の装甲を持つ人影

 

《鋼のムーンサルト‼︎ ラビットタンク‼︎》

《イェーイ‼︎》

 

底抜けに明るい音声と共に現れたその姿、赤と青にカラーリング分けされた強化装甲のその姿こそ、かつて兵器として作られながら愛と正義のために戦う正義の味方として立ち上がった桐生 戦兎の写し身

 

仮面ライダービルド、である

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

そして現在

「ぬぅおりゃあああああ‼︎」

万丈が変身した仮面ライダークローズの青い炎を纏った拳が巨大ハリネズミの鼻っ柱にめり込む

悲痛な悲鳴をあげながらハリネズミが大きく仰け反る

「ハッ‼︎」

すかさずビルドが手にしたドリル型の武器ードリルクラッシャーをガンモードに変形させ、ハリネズミを撃つ

ヂヂヂ………ッ‼︎

しかし、その傷は即座にふさがり、怒りに満ちたハリネズミの顔が戦兎達に向けられる

「効いてねぇのか⁉︎」

「いや、ダメージはあったが再生した。異常なまでに再生能力が高いみたいだな……」

ビルドが冷静に分析し、クローズに告げる

「だったら、一気に叩き潰せばいいってことだな‼︎」

「強引極まるが、ここではそれが正解だろうな」

互いに頷きあった二人は腰に巻いたベルトービルドドライバーのハンドルに手をかけ、グルグルと回す

 

《Ready Go‼︎》

 

《ボルテック・フィニッシュ‼︎》

《ドラゴニック・フィニッシュ‼︎》

 

解放されたエネルギーと共にビルドはジャンプし、クローズは低く構える

跳躍したビルドの側から曲線グラフのようなオーラが出現、ハリネズミを挟み込む

「ハァッ‼︎」

グラフを滑るように滑走したビルドのキックがハリネズミを貫く

続けてクローズが背後に現れた燃え盛るドラゴンのオーラと共に跳躍、

「うおりゃァッ‼︎」

ドラゴンの放つ火炎に乗って、ハリネズミに鋭いボレーキックが突き刺さる

爆炎と共にハリネズミが爆散、その半身が吹き飛ぶ

「うおし‼︎ これなら流石に……」

と振り返ったクローズが固まる

そこにあったのは倒れ伏したハリネズミーではなく、半身が吹き飛びながらも立ち上がり、赤い瞳でこちらを睨みつけるハリネズミの姿

「これでもまだ倒れないのか…⁉︎」

流石のビルドも驚嘆の声を上げる

驚く二人を尻目に、ハリネズミは失った半身を凄まじい速度で再生させていく

「…………下がってください………」

再び臨戦態勢をとる二人の前に、よろよろと小さな人影が立ち塞がる

先ほど万丈が助けたあの少女だ

「バカ‼︎ おとなしくしてろって言ったろ⁉︎」

「アレは……ガストレアは私たちでないと倒せないから……‼︎」

「ガストレア……それがアイツの名前か」

少女は弱々しくも拳を構える

その拳にはひどく不釣り合いに重厚な黒い金属質のガントレットがはめられていた

「でも、そんな傷で暴れられるわけがないだろ⁉︎」

「いや、待て万丈。この子、もっとボロボロになってなかったか?」

見ると二人の前で拳を構えている少女には目立った傷が見られなかった。荒い息遣いや、弱々しい足取りから疲労こそ見えるが、先ほどクローズが助けた時よりもたしかに傷が癒えているように見える

「ー私が、やらなくちゃ………‼︎」

半壊した体をすでに半分以上再生させたハリネズミに少女が拳を向ける

が、その拳も、足も震えていた

そんな少女の体が急に宙に浮く

「ーやっぱ下がってろ」

少女の体はクローズに抱え上げられていた

「⁉︎ 離して、くださいっ‼︎ 私が戦わなくちゃ……‼︎」

「そんな震えてるのにどうすんだ?」

暴れる少女にクローズが問いかける

「ーッ‼︎ ………っ」

少女は、反論ができなかった

「でも、でも」

「駄々こねんな。安心しろよ、こっちには天才物理学者サマがいるんだからよ。死なないバケモノくらいなんてこたぁねぇよ」

「いや簡単に言ってくれるな……」

クローズの発言にビルドが頰を掻く

 

ヂヂヂッ、ギギギィィィィィィ‼︎

 

けたたましい咆哮が鳴り響く

ハリネズミが全快し、活動再開した合図だ

もう一度自分たちの背後に少女を下ろしてクローズがその頭をポンポンと叩く

「まぁ、任せとけって」

クローズが拳を鳴らしながらビルドと並び、ハリネズミに向き直る

「……で、どうするよ?戦兎」

「安請け合いしといてそれかよ……」

「しょうがねぇだろ⁉︎ あんなん、戦わせられっかよ……」

「ー同感だ」

と、ビルドが細長いステッキのようなものを取り出す

「ま、死なないなら死ぬまでストレステストしていくしかない」

「スト……なんだって?」

「とにかく強い力で攻撃してくってこと」

と、その瞬間

 

「そこのあんたら、どいてろ‼︎」

 

後方からの一喝、それと共に二発の乾いた銃声が響く

ギッギィィィィィィィィィィィィ⁉︎

ハリネズミが今までとは異なる、明らかに苦悶を示す声をあげる

見るとその赤い目からドボドボと血を流している

先ほどの銃声が原因だろうが、それよりもー

「傷が、再生してない⁉︎」

先ほどのような明らかな致命傷でも再生したハリネズミ、だがその目の小さな傷は、なぜか塞がる気配が無い

 

「そこの青いの、肩を借りるぞ‼︎」

 

と可愛らしさが目立つ少女の声と共にクローズの肩に軽い衝撃が走る

見るとハリネズミの頭上に、先ほどとは違う黄色いパーカーの少女が赤いツインテールをなびかせながら舞っていた

 

「はぁああああああああッ‼︎‼︎」

 

ズガァァン‼︎

その小さな体からは想像もつかない衝撃音と共に、少女の蹴りがハリネズミの頭にめり込み、道路ごとひしゃげさせる

砂煙が晴れた中、そこには頭部を潰されたハリネズミと、側でスカートを払う少女が立っていた

頭を潰されたハリネズミはー当然と言えば当然だが、ピクリとも動かなくなった。どうやら今度こそ死んだらしい

「……なんじゃそりゃ……」

あまりの出来事にビルドが呆然とした声を漏らす

「蓮太郎ー‼︎ やってやったぞ‼︎」

呆然とするビルドたちを尻目に赤髪ツインテールの少女は二人の後方に向けて自信満々にピースサインを送る

「お疲れ、延珠」

と、二人のすぐ後ろからその返答が聞こえてくる

振り向くとそこには、制服のような服を着た少年が立っていた

右手に拳銃を携えている以外はごくごく平凡な、高校生くらいに見える少年だ

「………あんたら、なんなんだ?」

少年ーたしか蓮太郎と呼ばれていたーが訝しむ視線をビルドとクローズに向ける

駆け寄ってきた延珠と呼ばれていた少女も二人を不思議そうに眺める

「……お主ら、なんなのだ? あ、あれか?蓮太郎が前に言ってたえくさすけるとんとかいう…」

外骨格(エクサスケルトン)、な。にしてもこんなの、見たことないぞ…」

首を傾げる二人を前にして、ビルドたちが変身を解除する

「おおおお……‼︎ 蓮太郎‼︎こやつら一瞬で変身したぞ‼︎」

延珠が年相応に目を輝かせて興奮気味に蓮太郎の袖を引く

「驚いた……なんなんだそれ?」

「驚かせてすまない。俺は天才物理学者の桐生 戦兎。こっちは、筋肉バカの万丈 龍我」

「バカは余計だろ⁉︎」

万丈の抗議を尻目に、目を丸くした蓮太郎に自己紹介をすませる戦兎

「天才って……自分で言うのかよそれ?」

「な、ヘンテコだろコイツ」

「いや、俺から見たら二人とも変なんだが……」

咳払いしながら胸ポケットから免許のようなものを取り出し、蓮太郎が自己紹介をする

「改めて、俺は里見 蓮太郎。『天童民間警備会社』所属のプロモーターだ」

「そして妾は、その蓮太郎の相棒にしてふぃあんせのイニシエーター、藍原 延珠だ‼︎」

続けて延珠も胸を張りながら自身満々に続ける

「……プロモーター?」

「イニシエーター、ってなんだ?」

それを聞いた天才物理学者と筋肉バカは、より一層首を傾げるのであった




また新作投稿ですが申し訳ない……発作的に思いついてしまいました…

他の作品と同様にのんびり続けていくつもりなんでどうぞよしなに、です

ブラックブレッドの世界を舞台に、戦兎たちはどう過ごすのか、何を見るのか、楽しんでみていただけたら幸いです
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