繰り返す。本編ではない。
やろうと思っている『予定』の予告だ。
もーちょいまってね?
――ある所に、それはそれは平凡な少年がいました。
これが一番好きと言うことも無く、これだけは苦手と言うのも、無脊椎動物程度。
それゆえに燃え上がる事、冷めすぎることも無く、別段極端でも狂人でもありませんでした。
あるとすれば、精々狭い胸中にある身内ライン内の人間を馬鹿にされると沸点が低くなる程度。
そんなつまらない人間でした。
そんなクソ面白くない人間である少年に、一つの転機が訪れます。
長くしなやかで、触れれば涼風でも吹きそうなほど滑らかな銀の長髪、血のように鮮血でありながらルビーレッドの輝きを放つ凛とした瞳。
加えて凛として、綺麗と言う言葉が烏滸がましく感じるほどの顔に、恐らく女性の理想以上であろうそのプロポーション。雪の冷たさと柔らかさを合わせた小さな鐘の音のような声。
画面の向こうであるその『彼女』に、彼は一目惚れをするのでした。
――しかし、どう足掻いての次元の違い。
三次元と二次元。立体で現実と、平面の仮想存在。
恋の始まりにして、少年は恋破れるのでした。
そんな運命的な日から数年。
リメイク劇場版をなけなしの金を持って四つ隣町まで見に行き、青盤が出るまで正座待機どころか修行待機する始末。大人しくしろよ。
そんなこんなで青盤も届き、一人至福の時間を過ごして布団について、陽が上り――
――起床してトイレに行こうとしたら一目惚れした『彼女』が自分と同じ動きをしているなど、夢にも思わない。
「ど、どうするんだこれは……!?」
親もいねぇ。友もいねぇ。電話の中身も入ってねぇ。
バイトもねぇ。やんなるねぇ。頭の中身がぐーるぐる。
朝起きて、鏡見て、数分ちょっとで大混乱。
時間早ぇ。飯もねぇ。まずはも一度二度寝する!
……とまぁ、現実逃避気味に二度寝をして。
「二度寝とはバカか。馬鹿なのか。若しくは阿呆か貴様」
見覚えのある姿と、個人的に聞き覚えのある口調で寝起き一番に罵られて、(相手の)頭を握りしめた事を、誰が責められようか。
「我はディアーチェ。ロード・ディアーチェ――闇を総べ、世界に覇を唱える闇の王ぞ!」
「お初に御目に掛かります。理のマテリアル……シュテル・ザ・デストラクターと申します。以後お見知りおきを」
「僕はレヴィ! 青き閃光レヴィ・ザ・スラッシャー! 強くて速くてカッコイイとは僕の事さッ!」
「……ハジメ。京西院一だ。こんなナリでも元男で、あー……うん。ヨロシク?」
これは、男から女に変わり、加わる三人の少女と共に不思議愉快で温かな日常の物語――
『この世界のツインテール、頂くぞッ!』
「え、ナニアレ」
――ではなく。
「オレは、テイルレッドだッ!」
(リアル戦隊ものかな?)
「このリザドギルディ、そうそう軟ではない!」
(あっ、フラグ)
「お前……このお姉ちゃんに何をしたッ!」
「言ったであろう……『ツインテール』を奪った、とな」
(ツインテールを奪う……そういうことか)
何と皮肉なことか。
三人との生活と共に得たのは安らぎだけではない。人を傷つけ、自身を守る『武器』の力。
手に入れても使用することはない。無用の長物、宝の持ち腐れであると。
ああ、しかし。しかし!
目の前のリザードマンが奪ったのは心。何かを愛する心、概念そのもの。
このまま続けられ、世界からその概念が消え去れば、どうだろうか?
――それはつまり、自分以上の抜け殻が生まれてしまうと言うことに他ならない!
「(――レヴィ。使うぞ)」
「……へへっ! 待ってましたッ!」
――
ただ、速さと強さを。
誰よりも速く駆けつけて、悪い奴らに負けない強さを追い求めた。
力は、あくまで道具だ。使う人間の善悪で何物にも染まる透明の力。
誰が何と言おうと、速さで音を置き去りにし、誰かを傷つける悪い奴らを倒すヒーローに!
「シュテル、力を貸してくれ」
「ええ。参りましょう……滅却の時間です」
――
願ったところで変わらない。
動かなければ何も始まらない。失敗してしまうのは、一人だから。
だから二人。それでもダメなら三人、四人、五人!
理は全て。なれば、仲間と言う全てを以って――眼前の敵を屠るのみッ!
「ディアーチェ……頼む」
「――仕方無かろう……感謝せよ。さぁ、跪け……塵芥ッ!」
――
闇は静寂そのもの。
良くも悪くも何もない。だからこそ、何かを包み込めると言うもの。
闇は悪しき者ではない。有史以来片時も離れず傍にいる隣人だ。
故にこの手綱、容易く切れると思うなッ!
「負けるわけにはいかない……誰かが愛するモノを、誰かが心を燃やすモノを、奪わせてなるものかッ!」
《――ようやく、ようやく会えました》
――
永遠とは目に見えて届かないモノ。
届いたとしても禁忌とされる御業であり、災いそのもの。
それでも、大好きをずっと感じていたい。一秒でも長く一緒にいたいと思う気持ち。
永遠であって欲しいと願う心こそ、永遠にあり続ける感情ッ!
「ちょ、キャラ被りじゃないですか! 銀髪おっぱいキャラは私だけで十分です!」
「加えてロリコン変態科学者と言うのもそうそう被らないから安心していいんじゃないかな」
「さ、爽やかに負の面を強調するように言ってきましたね……!」
「負の面って認めるんかい……」
「ハジメさん! ツインテールに――」
「し ま せ ん よ ?」
「 」
「そ、そーじさんが真っ白にー!?」
「総二様もなかなかに諦め悪……はっ、まさかアイデンティティの危機――」
「うむ、ないな」
「ないですね」
「ないねー」
「ないわね」
「ねーよ」
「最初四人は兎も角ハジメさん笑顔で口調戻すのやめてくれませんか!? 無性に心に罅が」
「砕け散ればいいんじゃないかな?」
「このドSゥッーー!」
「あ、あの、次は私にば、罵倒をッッ!!」
「……」(スッ……ポンポン
「優しい目で頭を撫でないでくださいませ――あっ」(スヤァ……
「気持ちよさそうに寝てますねー」
――おおよそこんな感じ。
馬鹿で真面目な雰囲気に真面目シリアルが突っ込んでいくお話。
『オレ、アインスです』
かみんぐすーん?
ウチのTSリインくんさんはメカクレ。ギャルゲ主人公張りにメカクレです。
クーデレ、ダルデレも良いけどメカクレおっぱいも最高じゃぜぇッ!