イナズマイレブンIN王牙 転生者の記憶   作:Balu

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 第十話です。グラファ・ドメインとの試合がこの話で決着します。
 次回は謎解きみたいな回になると思います。
 では、数あるイナズマイレブンの二次創作の中でこの作品を読んでくれる貴方に感謝を。
 本編スタートです。


第十話:(チートじみた能力は)ないです(VSグラファ・ドメイン)

 俺はまず、倒れているバダップに駆け寄った。

 

 バダップは倒れたまま、ピクリとも動かない。

 

 …まさか、死んでないよな?

 

「バダップ!バダップ!…大丈夫か!バダ「死んではいない。気絶しているだけだ」」

 

 ラツィエルがバダップの顔を覗き込んで無事を俺に知らせる。その時、バダップの顔面に水がビシャリとかけられた。

 

「げっ!げほっ!…おえっ!」

 

 水が鼻の中に入ってきたためにむせて、バダップは目を覚ます。水をかけたのはセシルだった。水は喉が乾いたギャラリー達のために用意されている水道から両手で汲んできたものらしかった。

 

「セシル…」

 

「…貴方がいなくなって大変だったのよ。こっちは防戦一方で八点もとられた」

 

「…ごめん」

 

「別にいいわ。もう起きたことの責任を追及しても過去は変わらないしね」

 

「…もう少し優しい起こし方は…げほっげほっ!なかったのか?古芝(ふるしば)セシル」

 

「あら?スリード議員の息子ともあろう者がこの程度で怒るのかしら?」

 

 謝る俺。許すセシル。少しだけ怒ってるバダップ。そこにエスカバがフラフラと合流する。

 

「はは…バダップの言う通り時間内に起きてきたか。すげえな」

 

「ごめん。迷惑かけた」

 

「はは。そんなこと言うなよ。お前の方が絶対今キツいだろ?」

 

 エスカバの言う通り、俺の体はもはや限界に近い。足はガクガクするし意識も霞んでいる。それに全身が痛い。

 

 でも、それでも止まることは出来ない。彼等がここまで繋いでくれたのだから。

 

 俺は鎧を纏ったラツィエルに他のやつらに気づかれないように話しかける。

 

「なあ。俺に与えられた力って何だ?」

 

 とりあえず俺が神によってどの程度強化されたのかを確認しとこう。そうすることで多少の作戦はたてられるかもしれない。

 

 ラツィエルは微笑むとこう答えた。

 

「神が零に与えた力はシュート技だけだ」

 

 …え?今こいつ何て言った?シュート技だけ。必殺技なんて所詮、身体能力の延長。今、この試合に必要なのは高い身体能力とかなんだけど。

 

「チートじみた運動能力は?」

 

「ない」

 

「じゃあ頭が良くなったのか?」

 

「いや、別に良くなってはいない」

 

「あっ…(察し)感覚器官が超絶強化「ないです」…」

 

 あのさぁ…(呆れ)。俺はジトッとした目でこの無能天使を見る。しかし、ラツィエルも俺と同じような目をしていた。

 

「零は何か勘違いをしている。神も言っていただろう?『チートではない』と。だが、確かに今の零には大いなる力がある」

 

「どういうことだ?」

 

「つまり、神が与えた力関係なく、今の零はグラファを倒せる」

 

 …よく分からない。グラファの力は圧倒的だ。序盤からぶっ飛んだ運動能力を見せてきた。そんな奴より今の俺の方が強いだと?

 

「冗談きついぜ。じゃあ何だ?俺は神に会わなかったとしてもグラファを倒せるって言うのか?」

 

「ああ。そうだ」

 

 ラツィエルはどや顔で即答する。

 

「なあ。一体どういう「零?試合が再開するぞ」…うん。分かったよ」

 

 質問しようとした俺の言葉をエスカバが遮る。その隙にラツィエルはベンチへと移動…もとい逃げていった。

 

 ラツィエルのやつ、嘘言ってないよな?

 

 本当に今の俺にグラファが倒せるのか、分からない。でも、試してみる価値ならある。というかラツィエルが言ってたことを信用して動かないと他に動きようがない。

 

 グラファが立ち上がる。どうやら先程の失点の原因である俺がフィールドへ戻ってきたことによって立ち上がったのかもしれないな。

 

黒野(くろの)!さっきは騙されたが先程のような小手先の技はもう俺には通用せん!残り三分で俺がお前を遥かに凌駕しているという事実をお前の身にたっぷりと味わわせてやる!」

 

 グラファは俺を指差してそう宣告した。

 

 DJ-YOU(ディージェイユー)が叫ぶ。

 

『試合再開!』

 

 それと同時にタイマーが動き出す。 俺はボールをバダップにパス。それをバダップは俺にダイレクトで蹴りかえす。

 

「ボールはもらったあああ!」

 

 グラファが超スピードでこちらに疾走してくる。

 

 …あれ?なんかおかしくね?

 

「これって…」

 

 そして俺は…グラファのタックルをかわした。

 

「!?」

 

 ギャラリー達がどよめく。フィールドに立っている全プレイヤーが驚愕したことだろう。一番驚いたのはグラファだ。俺は抜き去ったグラファを確認する。

 

 グラファはこちらを見て、信じられないといった顔をしていた。

 

 この時、俺は思った。

 

 こいつ…もしかすると…サッカー下手くそなんじゃ…?

 

「行かせなイ!」

 

 チャンフイが俺の前に立ちふさがる。後ろを確認する。グラファとバダップがこちらに近づいてきている。

 

「バダップ!」

 

 俺はバダップにボールをパスして、ゴール前へ移動する。そう。グラファの近くにいるバダップにパスした。

 

 バダップは驚いた顔をしてボールを受けとる。グラファは気づいたようだ。自分がなめられていることに。

 

 今、俺はチャンフイとの競り合いではなく、わざわざグラファの近くにいるバダップへのパスで突破を図った。

 

 つまり、グラファよりチャンフイの方が脅威だと判断されたとグラファは思ったのだろう。

 

「貴様!俺をなめるなああああ!」

 

 そして、事実、俺は…

 

 

 

 そう判断した。

 

 

 

 

「…!バカな…!?この俺が…!?」

 

 バダップがグラファを突破する。そして、ボールをあげる。チームの中核のグラファが二度も突破された…このことから『グラファ・ドメイン』のメンバーは動揺してあげられたボールへの反応が遅れる。

 

 それは致命的な隙だ。

 

 俺はあげられたボールに向かって飛ぶ。そして、オーバーヘッドキック。蹴られた瞬間にボールに二枚の大きな赤く光輝く翼のオーラが現れる。

 

「ラツィエルウィング!」

 

 ボールがまるで鳥のように力強く羽ばたきながらゴールへと向かっていく。

 

「クッ、キルブリッジG2!」

 

 黒いオーラを両手に具現化させ、それをまさにブリッジ…橋のように形作る。しかし、ボールはそのオーラを圧倒的な力で霧散させた。

 

「どわあああああ!」

 

『ゴール!わずか一分で《オーガ》、三点目!グラファを突破してのゴールだ~!』

 

「なぜだ…なぜ俺がこんな奴等に…!?」

 

 俺とバダップがグラファとすれ違う際にグラファは確かにそう言った。

 

 今なら分かる。ラツィエルの言葉の意味。そして、なぜ、俺とバダップがグラファを突破できるか。

 

「バダップ。まだいけるよな?」

 

「…ああ。まだ、俺達はいける」

 

 俺の言葉にバダップは頷く。

 

 グラファ・ドメインのボールで試合が再開。チャンフイからのパスを受けたグラファは一直線に俺達に向かって走っていく。

 

「俺が…俺が負けるはずがない!俺は…最強のはずだあああああ!」

 

 その彼のボールを俺とバダップは無慈悲にも奪い取る。

 

「バダップ!デススピアーだ!」

 

 俺のあげたボールをバダップがジャイロ回転をかけることでボールが槍へと変貌。

 

「デススピアーV2!」

 

「津波ウォール!」

 

 しかし、進化前のデススピアーすら止められなかった津波の壁が止められるはずもなくゴール。

 

 ギャラリー達のボルテージが一気に上がった。

 

「グラファがボールを奪われた!?」

 

「やばいよやばいよ!」

 

「ヒーハー!」

 

 そして、悔しさが滲み出るような咆哮がコート内で響き渡る。

 

「うおおおおおおおおおおおおお!」

 

 グラファだ。…まずいな。暴れだしそうで怖いんだけど。

 

 なぜ、グラファを突破できるか。それは、俺達のリミッターが少しだけ外れたからだ。

 

 元来、人というのは生命の危機等の極限状態に置かれない限り、普段は30%ほどの力しか出せないと言われている。

 

 しかし、極限状態に置かれればそのリミッターが外れ、普段以上の力を発揮することが出来る。

 

 サッカーで極限状態なんておかしいと思うかもしれないがその極限状態にもってかれるほどグレファの攻めは苛烈だった。

 

 だが、多少の身体能力の強化でグラファを止めることはできない。だが、先程の火事場の馬鹿力というのは身体能力以外の能力値にも補正をかける。

 

 それは…感覚器官だ。視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感だ。だが、それだけではなく、頭の回転や反応スピードなども向上する。実際、リラックスした後よりも激しい運動した後のほうが視力検査等のテストの出来がいいというデータがある。

 

 これによって一時的とはいえ、俺達はグラファのパワーとスピードに対応出来るようになったのだ。

 

 ここで、もうひとつ。グラファは圧倒的なパワーとスピードを誇っているが、大きなものが彼には欠落している。

 

 それは…技術だ。パワーとスピードでごまかしてはいるが、間違いなく技術は俺達の方が上だ。事実、グラファはここまでフェイントなどのプレーを一切していない。まあ、大半の相手はパワープレーでごり押し出来るから使わないのだろう。

 

 だが、そのパワーとスピードに対応されたら?もしも自身の得意分野の上をいく選手が現れたら?

 

 当然技術での勝負となる。しかし、グラファにはその肝心の技術がない。今までパワーとスピードでなんとかなっていたのだ。技術を磨くタイミングがなかった。

 

 グレファはチャンフイからボールを受けとると再びゴールに向かってドリブルする。

 

「行かせな「どけええええ!」…ぐあっ!!」

 

 俺とバダップがディフェンスに入るが今度はグラファは先程以上の強引なプレーで突破。下手をすればファウルともとれる危険なプレーだ。

 

「おらぁ!」

 

 グラファがシュート。ボールはゴールへ一直線。

 

「行かせねえよ!うおおおおおおおおおおおおお!」

 

 エスカバがボールを蹴り返そうとするも単純なパワーだけならリミッターが多少外れていてもグラファの方が上だ。

 

「ぐっ!?…くっそおおおおお!」

 

 エスカバの足は弾かれる。エスカバは叫んだ。止められなかった。たった一人にまた点を取られるのか?嫌だ。

 

 グラファ・ドメインはシュートが入ることを確信した。いや、彼等だけじゃない。俺も、バダップも、ギャラリー達でさえそう思った。

 

 そのシュートが地面からせり上がってきた水晶の壁に阻まれるまでは。

 

「クリスタルウォール改!」

 

 セシルがその必殺技名を叫ぶ。水晶の壁はシュートの威力を完全に殺す。そして、セシルの前にポトリとボールは落ちた。

 

「ボサッとしないで!零!バダップ!もう一点よ!」

 

 セシルがボールをゴール前までロングパス。俺はボールを空中でトラップ。その時見た。グラファが俺達のゴール前で膝をついている姿が。

 

「止めろ!(さかき)!」

 

「分かってるよ!」

 

 キーパー長岡(ながおか)の指示と同時に榊が俺に向かって飛び上がる。空中戦でボールを奪おうというのか。

 

 バダップのデススピアーのためにより上空にボールを蹴り出そう…とするが、バダップはチャンフイからマークされておりパスが出せない。

 

 長岡はニヤリと嗤った。完全に攻撃を止めたと思ったのだろう。だが、それは間違いだ。

 

 さて、俺は現在長岡から見て右側に立っている。長岡は左目が隻眼だ。長岡は俺の方…すなわち右側に体を向けている。

 

 では、ゴール前が長岡に見えているか?答えは否。

 

「エスカバ!」

 

 俺は逆サイドを走るエスカバにパス。そのボールをエスカバはボレーシュート。このパターンは一点目と同じ。死角をつくシュートだ。

 

 そして、長岡は対処法は分かっているが、さっき止められた作戦をもう一度こちらが使うなどと夢にも思っていなかった。

 

 ゴールネットが揺れた。

 

『ゴール!素晴らしい!見事な連携で《オーガ》は五点目を獲得した~!』

 

 そして、タイマーが試合終了を知らせるビーッという音を出した。

 

『試合終了~!勝ったのは《グレファ・ドメイン》!10ー5という圧倒的大差で勝利した~!』

 

 しかし、ギャラリー達は分かっていた。『グレファ・ドメイン』の勝利を宣言したDJ-YOUもきっと分かっていただろう。

 

 この試合の本当の勝者が。

 

「くそおおおおおお!見えていれば!見えていれば!!止められたんだ!今のシュートも一点目も!くそおおおおおお!」

 

 長岡が叫ぶ。何度も何度もゴールポストに頭をぶつける。それをグラファが止めた。

 

「グラファ…」

 

「止めろ。見苦しい。確かに俺達は試合に勝って勝負に負けた。事実、向こうが三人になったっていうのも俺達が勝てた理由だな。四対四の状態ならどうなったか分からなかった」

 

 グラファは続ける。

 

「だからどうした?」

 

「…」

 

「この負けを糧にして俺達も努力すればいい。長岡。やけになるな。なった者はそこで敗北者だ」

 

「…すまない。やけくそになってた」

 

 俺は、グラファが長岡を励ましながらも左手を強く強く握りしめているのを見た。

 

 この試合で、もっとも苦汁を飲まされたのは間違いなくグラファだ。だが、彼はキャプテンという立場上、さっきの長岡のように振る舞うことは出来ないのだろう。

 

 最初に見た時はかなり傲慢な男と思っていたけど、こうして見ると彼がキャプテンの器と分かる。

 

 ラツィエルが俺の横へと近づく。

 

「あの『グラファ・ドメイン』というチームは間違いなく強くなるな。零。君も負けてられないぞ」

 

「分かってるよ」

 

「黒野零!」

 

 グレファが叫ぶ。そして、彼はクシャクシャになった紙を俺に向かって投げつけた。

 

 俺はそれを左手でキャッチする。

 

「俺達はその紙に書かれた大会の本選に出場している!お前達も予選を勝ち上がり俺達の元に来い!その時こそ本当の決着だ!…行くぞ。お前ら」

 

 グラファはそう言ってこのコートから去っていく。

 

 俺は紙を開く。そこに書かれていたのは

 

「『これがサッカーバトルの殿堂!強者達よ!SBF(サッカーバトルフロンティア)に挑め』…?」

 

「サッカーバトルの大会だな」

 

 ラツィエルが俺の見ているチラシを見て言った。

 

「え?」

 

「始まったのは三十二年前、神藏財閥(かみくらざいぱつ)が持っている土地の一部をフリーのコートにしてサッカーの普及を進めるために始めたものだ。四人制のサッカーという小規模なものにすることでメンバー集めを簡単にしている。なるほど。これにグラファ達も出るわけか」

 

 ちょ!?メチャクチャ饒舌になったんですけど!?

 

「ちなみに予選は神藏財閥が持っている32の小さなサッカーコートで行われる十五分の一本勝負。優勝したチームのみが本選へと進める。それから本選は…」

 

 固まるラツィエル。しばらく固まった彼女は顔を真っ赤にしてうつむいた。

 

「す、すまない。わ、わ、私は知恵を司る天使だからこういうことをよく知ってて…。あ、でも、いつもはこんなにうるさくないから!本当だから!」

 

「…分かったよ。お前のことは家に帰ったらたっぷりと教えてもらうさ」

 

「…今教えてもいいんだぞ?」

 

「いや、後にしてくれ。俺はまだやることがある」

 

「おい。零。なに独り言ぶつぶつ言ってるんだ?」

 

「あ、いや、何でもない。それよりバダップ!364364 !これ!」

 

 俺は怪訝な顔をしているバダップに紙を見せる。エスカバとセシルもいつの間にか来ており、紙を覗き込んだ。

 

「…というわけで『グラファ・ドメイン』から招待状ってわけだ。どうだ?この日ってみんな暇か?」

 

「…俺は暇だ」

 

「同じく」

 

「なら、参加しましょう?私も暇だから」

 

 バダップとエスカバが暇と答えるとセシルが参加を促す発言をする。

 

 ちなみに俺も暇だ。なぜなら、この日は軍部発足記念日。国民の祝日の一つだ。バダップとエスカバは軍部の親がいるけど暇だったのはよかった。

 

「じゃあ、参加するか」

 

 メチャクチャ嬉しかった。だってついさっきまでサッカー仲間はバダップしかいなかったんだぜ?俺は大会とかに参加するのはもっと先だと思ってた。

 

 でも、たまたまエスカバがサッカーをやっていたことがあって、今日たまたまセシルがこのコートで試合を観ていて、今日たまたま四人制のサッカー大会のことを知った。

 

 きっとこれは神様のくれた奇跡なんだろう。今まで楽しくサッカーをやっていた俺とバダップへの。

 

 俺はこの日初めて、あのクソみたいな神様に感謝した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、俺達は試合を降りて、そこから先のすべての試合を観戦した。色々なチームがあった。

 

 中年のおじさん達のチーム、小学校低学年のチーム、なんか変なコスプレしたチーム、すごかったのはDJ-YOUまでチームの一つに入って戦っていたことだ。お前選手だったんかーい!

 

 と、あっという間に時間は過ぎていき、時刻は午後七時。このコートにはナイターの設備がないのでここで打ち止めのようだった。

 

「やべえな。俺、門限七時半なんだよ!やらかした~!」

 

 エスカバが頭を抱える。

 

「安心してくれ。エスカバ、俺の家の者が迎えに来る。君の家まで送ろうか?」

 

「マジで!?ありがとよ!」

 

 バダップがエスカバに提案する。おっ!?まさか…

 

「リムジンか!?」

 

「ああ。零に約束したな。リムジンに乗せてやると」

 

 バダップ…お前そこまで考えて…。お前…お前は真の天才だよ…。

 

 リムジンが到着する。運転手が降りて、後部座席の扉を開けた。

 

「うお!?すげえ!リムジンなんて初めて見た!なあなあ!俺から先に乗ってもいいか?」

 

「ふっ。いいぞ」

 

 エスカバがリムジンに乗車。それに続いてバダップも乗る。

 

 ラツィエルが俺に話しかける。

 

「リムジンとは豪華だな。零の友人は金持ちと見える」

 

「ああ。そうだな。だけど、今は乗れない」

 

「…?それはどういう「あ~!しまったあ!ボールがない!どこかに置いてきちゃったんだ!」…え?」

 

 ラツィエルを無視して俺は大袈裟な演技をする。

 

「たぶん映画館の前かコートのどっちかにあるのかも!」

 

「どうする?零?」

 

「バダップ!エスカバ!映画館に行って確認してきてくれないかな?お願い!俺とセシルはコートを探すから!見つかったら連絡してくれないか!?こっちも見つかったら連絡するから!」

 

「分かった。おい。イナズマ映画館まで」

 

「かしこまりました」

 

 バダップの指示でリムジンはコートを出発する。

 

 …ごめん。バダップ。本当にごめん。騙してごめん。

 

 俺はセシルの方を見る。セシルはコートの方へと歩いて行こうとしていた。彼女は全く動かない俺を見る。

 

「どうしたの?早くコートへ行きましょう?」

 

「いいよ。ボールは…」

 

 俺は歩道の脇にある草むらの中に隠したボールを見せた。

 

「ここにあるから」

 

「…何?ふざけてるの?貴方。友達を騙すなんてとんでもない悪党ね」

 

「さて…悪党はどっちかな?」

 

「なんですって?」

 

「お前は何者だ?何の目的でバダップに近づく?そして何でお前は…」

 

 セシルの肩がピクリと動いた。沈黙。風が先程ボールを取り出した草むらをザワザワと鳴らした。

 

「…お前は、俺が転生者だと知っているんだ?」




オリジナル必殺技

ラツィエルウィング 火属性 威力130(基準としてデススピアーが140)

謎の必殺技。神が人に与える神託…かもしれない。


クリスタルウォール 風属性 威力150(基準としてアイアンウォールが150)

水晶の壁が相手のシュートを阻む。鉄の壁となぜ同じ威力なんだ…?(困惑)

『364364』とは
見ろよ見ろよ…である。ただそれだけである。
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