サッカーの試合の話の度に相手チームの名前も書いておきます。
今回はサッカーバトル無しになってしまいました。申し訳ありません。次回こそはやります。
では、数あるイナズマイレブンの二次創作の中からこの作品を読んでくれる貴方に感謝を。
本編スタートです。
グラファとの戦いから十日ほど経過した頃…。
俺はあのサッカーコートに向かっていた。
ちなみに今回は試験結果の報告も兼ねている。まあ、バダップもエスカバも受かっているとは思うが。
しかし、今回は、少し遅刻ぎみだ。いつも時間ぴったりに到着するバダップよりも遅くなるかもしれない。
「まずいですよ!」
「だから言っただろう。夜遅くまで作戦たててないで寝るべきだと」
「七時に起こす約束破ったお前も大概だがな」
「天使だって睡眠が必要なんだ!労働基準法を見てみろ!一日に(強制終了)」
ダメ天使を無視して全力疾走する。ちなみにあいつは背中の羽でパタパタ飛びながらついてきている。というか、天使って疲れなさそうだが…。
サッカーコートが見える。案の定かなりの数の人達がサッカーコートの周りを囲んでいる。
…あまり混んでない時間にコートで待ち合わせする予定だったんだけど、そうはいかなくなってきたな。
「まずいですよ!(本日二回目)」
これだけ混雑した場所でバダップ達を探すのは困難を極めるぞ。
と、そこに俺とサッカーコートの間に一人の男が立ちふさがった。
金髪に青い瞳。スーツ姿に金銀財宝を散りばめられたマント、金の王冠を身につけている。宝石をこれでもかとつけまくった金の杖を握る両手には巨大な宝石のついた指輪がはめられていた。
「…誰だよ。そこをどけ」
「おっと。気にしないで。古芝セシルの使いさ」
「セシルの?というか「零!離れろ!そいつは悪魔だ!」…ファッ!?」
ラツィエルの声に反応して俺は一歩後ろに下がる。悪魔!?つまり、ラツィエルの敵!?
悪魔と言われた男はニコニコ笑いながらラツィエルの方を見る。ラツィエルを見た悪魔はハッとすると恍惚な表情を見せる。
「おお!誰かと思えば愛しのラツィエルじゃないか!君に会えて僕は最高の瞬間を味わってるよ!」
「私は貴様に会えて史上最悪の気分を味わってるがな」
対するラツィエルはゴミ虫を見るかのような蔑みの目で相手を見つめる。
「知り合いか?」
「ああ。ルキフグスという悪魔で、金と女が大好きなクズだ」
「ノンノン。正確に言えば金と美男美女が好きなのさ。君の転生者もそういう意味では僕の好みさ」
ルキフグスは俺を見るとにや~っとジジイが美女にセクハラでもするかのような目付きになる。
…気持ち悪い。
「俺は男だぞ?」
「安心したまえ!僕は愛を向ける相手は男でも女でも変わらない!美しければ僕のハーレムに加わる権利は誰にでもある!それに!」
ルキフグスはビシッと俺を指差す。人に指差しちゃいけないってこいつ習ってないのか?
「女性のような美しさを感じるが逆に男のような凛々しさも持ち合わせたその顔からは矛盾という美を感じる!さあ!問答無用で僕のハーレムに入りたまえ!」
…マジで気持ち悪い。
「ルキフグス、悪いが今は私の転生者の晴れ舞台だ。邪魔をするなら…」
ラツィエルが腰の剣を抜く。赤い刀身の剣は炎を纏った。圧倒的な殺気。しかし、周りの人々は天使も悪魔も見えていないために俺の横を気にせずに通りすぎていく。
ルキフグスは殺気をあてられているにも関わらずニヤニヤ嗤っていた。
「まあ、待てラツィエル。僕は君達天使と戦うつもりは毛頭ない。色々話したいことがあるのさ」
「…話だと?」
「ああ。ルシフェルや、他の転生者達に関する情報さ。僕をここで斬り殺すのは自由だが、話を聞いた後からでも遅くはないと思うよ」
しばらくの沈黙。ラツィエルから放出されていた殺気が止まる。どうやらこの場は落ち着いたらしい。
ほっと一息つく俺。
「…そうだな」
「おっ。分かってくれたかい?」
「ああ。話すことなどない。お前はここで斬り殺す」
「…え?ちょっ!?」
困惑するルキフグス。ちなみに俺もここは話を聞く流れだと思った。
「助けてハニー!…ラツィエル!空気を読んでくれ!ここは僕を見逃して話を聞く場面だろう!?」
「そうだよ(便乗)」
いくらルキフグスがクズでも停戦を申し出てる相手に攻撃するのは俺も反対だ。
「ついでにそこの転生者君もラツィエルを止めて『ルキフグス様♥ハーレムに入るから情報…お・し・え・て♥』っていう場面だよ!」
「よしっ!ラツィエル!殺しちゃっていいぞ!」
やっぱり汚物は消毒に限るな!
「ひいいいいいいい!助けて!ハニー!僕、殺される!死にたくないよ!」
「終わりだ。安らかに逝け」
「止めなさい」
ラツィエルとルキフグスの間に一人の少女が割り込んだ。セシルだ。
「ハニー!助けてくれたのかい!?」
「彼は私のナビゲーターなの。ここで死なれると困るのよ」
「ほう。やはり、私が見えていたのか」
「ええ。でももしルシフェルの仲間だとしたら危うかったから指摘こそしなかったけどね。…零。選手登録締め切りまであと19分よ。早く来て」
「あ、分かったよ」
セシルは俺の腕をつかむと引きずっていく。
「頼む。ラツィエル。ハニーもああ言ってるし話だけでも聞いてくれないか?…あれ?何でまた剣を振り上げてるの?」
「安心しろ。転生者の謝罪に免じて半殺しにしてやる」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さい!待って!助けて!待って下さい!お願いします!アアアアアアアア!」
「あのさぁ…」
「あのバカは放っておいてさっさと選手登録行くわよ。私のことは区切りがいい時に教えてあげる」
セシルに連れていかれるとバダップとエスカバが大会委員らしい人に何かを話しているところだった。
「そこをなんとかしてもらえませんか?試合開始前には来ると思うので…」
「でもねえ…選手がいないと登録はできないのさ」
「責任はとるから頼むよ!おじさん!」
「おじ↑さん↓だとふざけんじゃねぇよお前!お兄さんだろォ!?」
エスカバの発言にキレる大会委員様。どうやら俺がいないけど選手登録してくれるように大会委員に頼んでいたらしい。
というか大会委員!貴様、ホモだな!?
「悪い!バダップ!少し遅れた」
「遅い!」
「心配したぜ。怖くて逃げちゃったのかと思ったよ」
「四人目が来たので、選手登録、いいですか?」
「…分かった。選手登録を認めよう。君達は一回戦の第四試合からスタートだ」
バダップがあらかじめ持っていた選手登録用の用紙を大会委員に渡す。
「零様」
「あ、御影さん。こんにちは」
俺を呼ぶ声に反応して、見るとそこにはバダップの付き人兼ボディーガードの
「試合中はバダップ様のことをよろしくお願いします」
「あ、はい」
「数日前に身体中にアザをつくって帰ってきたバダップ様を見て奥様が心配されています。今回私は監督を務めますが、試合に干渉できないので」
…え?監督?
「…今回ですがこの御影、皆さんのボディーガード兼監督をやらせていただきます」
「あ、よろしくお願いします」
「では」
そう言ってどこかへ走り去っていく御影さん。
「監督って…?」
「この大会では監督一名が参加資格を得るために必要な条件の一つになっている。まさか、知らなかったのか?」
いつの間にかラツィエルが横にいた。右手でルキフグスを引きずっている。
「…知らなかった」
「バダップに感謝だな。もし誰も知らなかったなら出場すら出来なかったろうな」
俺はルキフグスの状態を見る。…大丈夫。見た感じ死んではいないな。
ルキフグスは真っ白になりながらポロポロと涙を流していた。
「…一点もののネックレスとマントが…指輪も一つ一つ丁寧に破壊しやがって…いつもこうだ。僕がナンパする度に宝を破壊して…ラツィエル…君は世界の宝を壊しまくってる自覚はないのかい……?」
「むしろ、貴様は身につけている宝達の気持ちを考えたことがないらしいな。貴様に身につけられるくらいなら壊してしまった方が宝のためだろう?」
どうやらラツィエルがルキフグスの宝を壊すのは今回が初めてのことじゃないっぽいな。
『みんな~!待たせたなぁ~!
「そろそろ試合が始まるから見に行った方がいいんじゃないか?…ああ。ルキフグスはまだお仕置き中だ」
「…少年。ラツィエルを止めてくれ…僕の宝はグシャグシャだけどまだ修復のしようがあるんだ」
「じゃあ言うべきことがあるよな」
「…そうだな。さあ!転生者君!僕のハーレムに「ラツィエル~!壊しちゃって!どうぞ!」…あ、待ってくれ!ふざけただけだから!ちょっと待って!助けて!待ってください!お願いします!アアアアアアアア!」
やっぱり汚物は消毒に限るな!試合見に行こ!
「うう…ひどい…あんまりだ…。プライスレスと言っても過言ではない品々をここまで粉々にするなんて…ラツィエルの鬼!悪魔!」
「悪魔はお前だ」
零が去った後、大会の運営の前に取り残されるラツィエルとルキフグス。彼等は霊体のために人間と接触してもすり抜けるだけだ。
だが、ラツィエルの放つ殺気に見えていない人間達も何となく、彼等がいる地点を避けていた。
「でも…これは宝物なんだよ?めちゃくちゃ大事な僕の思い出の「嘘をつくな」…」
「もう零はいない。貴様は零の前ではよいキャラを演じたいようだからな。あえて私ものってやった。だが、もういいだろう。本性を見せろ。ルキフグス」
しばらくの沈黙。それを破ったのは小さな小さな嗤い声だった。
「ククク…ククク…アハハハハハ…いやぁ…君の勘は鈍っちゃいなかったかぁ…。さすがだよ…。もう数千年は会ってもいないのに、僕の性格をよーく知ってる」
「私が何回悪魔の嘘を見てきたと思う?今のような嘘は通じんよ」
「そうだねぇ…。でもさぁ、大事な思い出の品ってのは本当だよ。こいつらは善良な人間をどうしようもないゴミに堕落させるゲームの戦利品だったんだから」
ルキフグスは沢山の富を人間に与える。与えられた人間はその富を元手に財産を増やしていく。もちろん、成功の影には必ずルキフグスの手が回っている。
最後にはその人間の死後に魂と今までその人間が欲望のままに集めた財をまるごと奪う。
そうしてルキフグスは地獄でもっとも裕福な存在となった。
ラツィエルにとってはもっとも最悪で醜悪な悪魔の一体だ。
「何が目的だ?」
「目的…か。君達と同じだよ。ルシフェルの討伐」
「嘘をつくな!ルシフェルは地獄の王と言える存在だ!地獄の悪魔であるお前が離反する理由などどこにもな「あるんだな~これが」…何だと?」
ルキフグスはクククと嗤う。
「なぁ…。生命の樹は天国を支えるエネルギーを貯めている。同じく対をなす邪悪の樹も地獄にとって大切なエネルギーを貯めてくれるものだ。そのエネルギーは当然、地獄を維持していくのに必要不可欠だ」
「…なるほど。そういうことか」
「あいつは
「それで、お前達の目的はルシフェルの復讐…ということか」
「そういうこと」
観客達がざわめいている。どうやら凄まじい試合になっているようだ。ラツィエルは少し気になったが、この話の重要性を知っているためにルキフグスとの対話に集中する。
油断はできない。ちょっとでも隙を見せればそこにつけこまれる。こいつはそういう奴だ。
「なぁ…さらに疑問があるだろ?お前達天使がどうやって邪悪の樹の存在に気づいたか」
「…」
「それは俺達、ルシフェルを見限った地獄の悪魔が神々に密告したからだ」
「我等の神以外にも…か?」
「ああ。日本の帝釈天、北欧のオーディン、ギリシャのゼウス…人間を転生させる権限を持った神にも全員に話したはずだ」
ラツィエルは気づく。今の言葉の重大な意味に。そして、彼女は
「まさか、転生者は無数に存在するのか!?大量の転生者を送り込むことがどういうことか貴様は分かっているのか!?」
「おいおい。俺は確かに転生権限を持つ神々にこの事を話したぜ。でも人間を転生させてやれとは言ってない。転生者を過剰に送り込むことがどれだけ危険かは奴等も承知してるだろ?事実、転生者はルシフェルを除いた俺達クリフォの悪魔とセフィラサイドのお前らしかいない」
ルキフグスはポケットから高級そうな葉巻を一本取り出すとオイルライターで火をつける。そのままプハーッと煙の息を吐いた。
「大半の神は静観…いや、面白半分でこの戦いを見てる。あいつらはルシフェルのことをナメてる。もし俺達がこの戦いに負けたら…」
「世界の終わりか」
「…ああ。そこで提案だ」
「…同盟組もうぜ?」
オリジナル設定
4対4のサッカーバトルの大会。32の予選会場の優勝者達が本選で競いあう。
メンバーがすぐに集まるという利点から参加条件を満たしやすい。
予選の出場条件は選手四名に監督一人。
本選にはリザーバー二名が義務づけられる。
第28会場出場チーム
ブラックテトラ
大海学園陸上部
糸川ハンバーグス
天馬は永遠に
円堂守ファンクラブ
松岡ファイヤーズ
オーガ
クロム