イナズマイレブンIN王牙 転生者の記憶   作:Balu

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お久しぶりです。
色々と忙しくなって投稿が遅れました。
出来るだけ、一週間に一回は投稿しようと頑張ります。
それでは、数あるイナズマイレブンの二次創作の中でこの作品を読んでくれる貴方に感謝を。
本編スタートです。


第十三話:ちゃんとサッカーしろ~?(VSブラックテトラ)

 森の中にその少年はいた。

 

 サッカーのユニフォーム…キーパーのものだろう…にグローブ、左手にボールを持った少年は一本の大木を見上げていた。

 

 いや、それは木というには人工物のような形をしていた。十個の様々な色の球体が木の実のようにその木にはついていた。

 

 少年…円堂守の姿をした神はじっとその大樹…生命の樹を見上げていた。

 

「…さあ、どうなるか。転生者達が勝つか、それとも…」

 

 

 

 

 

 

「ルシフェルが勝つか、か?」

 

 

 

 

 

 

 彼しかいなかったはずの森の中に別の男声が混じった。

 

 声の方向には真っ白なブカブカの服を着た少年がいた。美しい顔をしており、その黒髪が長かったら少女と見間違えそうになるほどの美貌だった。

 

「…ああ、君か。トール君」

 

「君か、じゃねえよ。クソ野郎」

 

 トールと呼ばれた少年…いや、神はもう一人の神との間の十メートルほどの距離を一瞬で埋める。

 

 両者の距離、僅か数センチ、トールが美しい顔をしているのでこの現場を見た者は下手をすればカップルがキスをしようとしているように見えたかもしれない。

 

 だが、その現場に立てばそれが違うということがすぐに分かる。トールから発せられるとんでもないレベルの殺気がそれを否定するからだ。

 

「何の用かな?そんなに僕とくっつきたいのかい?」

 

「…俺が何でここに来たのかまだ分からねえのか?」

 

「…さっぱりだ」

 

 神は肩をすくめるとトールから距離をとる。そのまま生命の樹の幹に背中を預けた。

 

「じゃあヒントだ…千年アイテム」

 

「…なにそれ?」

 

 ゴッという何かを固いものにすざましいいきおいで叩きつけたかのような音が森の中に響く。

 

 トールが神へと一瞬で近づいて右ストレートを顔面の横すれすれの生命の樹の幹に叩き込んだ音だった。

 

「…」

 

「…次のヒントだ。宿業(しゅくごう)」

 

 しばらくの沈黙。その沈黙を相手からの回答と受け取ったトールは拳を再び引いていく。二度目の右ストレートを放つために。

 

 しかし、その拳は神の一言によって止まることとなる。

 

「…どこまで知ってる?」

 

「それは…自白と受け取っていいのか?」

 

 トールは神に質問した。それに神は答える。

 

「うん。自白だよ」

 

 拳が放たれた。グチャッという音とともに神の頭がザクロの実が弾けるように破裂し血の撒き散らす。

 

 鮮血を浴びたサッカーボールがポトリと地面に落ちた。

 

「自業自得だ。死ね」

 

「死んではいないけどね。僕の本体は君達では絶対に届かない所にあるから」

 

 トールの後ろに神が再び姿を現した。先程と全く同じ姿だ。オレンジ色のバンダナを頭に巻いてサッカーボールを持っている。

 

「…悪趣味な奴だな」

 

「よく言われるよ。で、どうやって気づいたんだい?真実に」

 

「じゃあ話してやるよ。てめえが…ル(・)シ(・)フ(・)ェ(・)ル(・)の(・)味(・)方(・)を(・)し(・)て(・)い(・)る(・)って気づいた経緯をな」

 

 そして、トールは語りだす。隠された衝撃の真実を。

 

 それを聞いたのは神とトール…たった二人だけなのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 SBF(サッカーバトルフロンティア)予選第二十八会場は…荒れていた。

 

『ま、またもオウンゴール!《ブラックテトラ》、更なる一点を《オーガ》に与えてしまったぁ!』

 

 二回目のオウンゴール。得点板が2―0を表示する。

 

 頭にきますよ!あいつら予言とやらのためならオウンゴールも平気でするのかよ!

 

「ふざけんなよ!」

 

「お前らみたいな奴がSBFにでるんじゃねーよ!!」

 

「帰れ!」

 

「ちゃんとサッカーしろ~?」

 

 ギャラリー達も我慢の限界なのか野次を飛ばしてくる者も現れ始めている。

 

 しかし、神縛(かみしばり)達、『ブラックテトラ』のメンバーは平静とした態度でボールをセンターサークルに置く。

 

 神縛が話していたことを思い出す。

 

『次の試合は貴方達が2―1で勝ちますから』

 

 あいつらが予言を再現しようとするなら、一点を何とかして取りに来るはずだ。

 

「守りきれれば、予言から逃れられる…」

 

 別に予言など信じてはいないがセシルがあれほど動揺するからには何かある…はずだ。警戒するべきだろう。

 

 だが…もうひとつ予言を回避する方法がある。

 

 三点目だ。三点目をとれば、2―1の予言からは逃げられる。サッカーは加点方式、減点はない。

 

 ビーッという音とともに試合再開。

 

 神縛がアレクサンダーにボールをパス。するとアレクサンダーはそのボールを自分の胸元辺りの高さまでボールを軽く蹴りあげる。

 

 そして、ボールに両手をかざし…

 

「ハァッ!」

 

 両手からオレンジ色のエネルギーがボールに注入。ボールはそのまま空中にとどまる。そのボールをアレクサンダーはゴールへ向かって蹴った。

 

「気合い玉改!」

 

 エネルギー弾がゴールへ向かって一直線に進んでいく。

 

 いきなりのセンターサークルからのシュート。サッカーバトルのコートは実際の試合のコートの大きさよりは小さいがそれでもセンターサークルからゴールまではそこそこ距離がある。

 

 だからこそシュートはないと考えていた。不意をつかれた。

 

 しかもこちらにはキーパーがいない。いつも以上にゴールできる確率は上がっている。

 

 俺とバダップの間を抜けるボール。

 

「クリスタルウォール改!」

 

 そこにセシルがシュートブロックをかける。水晶の壁が気合い玉の威力を少しずつ殺していく。

 

 しかし、少しずつその壁に亀裂が入っていく。

 

 そして、ついに均衡が崩れる。

 

「くっ!…きゃあああ!」

 

 砕け散る水晶の壁。しかし、気合い玉のエネルギーの大半がそこに使われたようで、ボールに先程までの威力はない。

 

 そのままボールはエスカバがキャッチする。

 

『ついに…ついに《ブラックテトラ》のシュート炸裂!ギリギリで止めたがなんという威力だ!』

 

 つい先程までヤジを飛ばしていたギャラリー達もおおっとどよめく。

 

 …正直驚いた。グラファのシュートを防いだセシルのブロック技を吹き飛ばす。並大抵のプレイヤーなら出来ないはず。

 

「なかなかやりますね。まさか防がれるとは…こちらも本気でいったかいがあります」

 

 神縛が俺に向かってそう言った。

 

「…なるほどな」

 

「?」

 

「お前は予言の能力、ないんだな?」

 

 神縛は表情を変えない。しかし、その瞳は一瞬驚きの色を見せた。

 

「…」

 

「お前が本当に未来を見ているなら俺達はもうとっくに失点してる。未来を知ってるならこちらがどうディフェンスするのか手に取るように分かるはずだからな。でも俺達はお前達の攻めを止めれた。予言を行ってんのは兄でお前は大体の予言の内容を聞いてるに過ぎない…そうだろ?」

 

 バダップがブラックテトラのゴールに向かって疾走する。

 

 神縛はそれを横目に見ながら言った。

 

「…いいんですか?友達が攻めようとしているのに加勢しなくて」

 

「いくぞ!バダップ!」

 

 エスカバが叫んでボールを蹴った。俺はエスカバに向けていた視線を神縛に戻す。

 

「お前こそいいのか?守りに行かなくて」

 

「…」

 

 神縛は飛んでいくボールをしばらく見ていたが肩をすくめた。

 

「その台詞そっくり貴方に返しますよ。見てください。キーパーが緊張してたのか強く蹴りすぎたみたいですね。あれならコート周りのギャラリー達の頭上も余裕で越えますよ。私達のスローインで試合再開です」

 

 俺は神縛の肩越しに相手コートの様子を見る。バダップはセンターサークルとゴールの中間辺りにいる。

 

 アレクサンダー、古藤の二人、ブラックテトラのディフェンスはボールは外に出るものだと考え足を止めている。

 

「…やっぱりな」

 

 そう呟いた俺に怪訝な顔をする神縛。

 

「お前の兄貴に伝えとけ。俺は…いや、俺達は予言に勝ったってな」

 

 バダップが跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブラックテトラのメンバーの中でも古藤カズマは特に正(・)解(・)を重視する。

 

 勉強、運動、人間関係の構築、人生…全てのものには完全な正解が存在する。

 

 サッカーにも然り。故に彼はタウクの命(・)令(・)には必ず従う。タウクは絶対の正解。あれは絶対に正解を導く。

 

 だからこそ2―1で負けなければならない…というス(・)タ(・)ン(・)ス(・)で(・)戦(・)わ(・)ね(・)ば(・)な(・)ら(・)な(・)い(・)。

 

 だからこそ、ここは死守…しなければならない。

 

 しかし、キーパーが投げたボールは自陣のゴールすら越えるほどの大オーバー。

 

 アレクサンダーを見る。彼の足は止まっている。このままボールは外に出てこちらボールになると考えているのだろう。

 

 そう。普通の人間ならここで足を止める。外に出たボールを大会スタッフが拾ってこちらに渡す。そのボールをキーパーのグリムが蹴る。それが完全なる正解だ。

 

 …正解の…はずだ。

 

(何で…何でこんなに胸騒ぎがするんだ?)

 

 自陣まで入り込んでいる選手は一人だけ。仮にボールが落ちてくるとしてもこちらは二人いる。

 

 完全に守れているはず。

 

 その時、風が吹いた。風は自陣から相手のコートへと吹いている。

 

(もし…)

 

 もし、上空にも同じ向きで風が吹いていたら?

 

 空を飛ぶボールを見る。

 

 そして彼は…

 

「アレエエェク!」

 

 チームメートのアレクサンダー・デミータの通称を叫ぶ、と同時に相手の選手が空へと跳ぶ。

 

 ボールは…もろに風の影響を受けていた。これでもかというくらいに。

 

(…あれなら僕達のコートに落ちるじゃないか!)

 

 本来ならボールの中でもそこそこ重量があるサッカーボールがもろに影響を…まあ、多少は風の影響は受けるが…あれほど受けることはない。だが、ボールに逆回転かければボールは風の影響を強く受ける。

 

 さらに逆回転がかかったボールは滞空時間が通常に比べて長い。それを考慮しての完璧なジャンプタイミング。すべては計算されていたのだ。

 

(あの相手の技は分かっている!空中で放つジャイロ回転の『デススピアー』!グリムでは止めるのが難しい!)

 

 こちらもジャンプしたいところだが相手が先にジャンプした以上、こちらが追い付くことは出来ない。ただし、それは普通にジャンプした場合だ。

 

「アレエエェク!ホークショットだあぁぁぁ!俺を投げろおぉぉぉ!」

 

 ホークショット。体格の小さい者が体格の大きい選手に投げられることでその反動を利用してボールに一気に近づく。もう相手を止めるにはこれしかなかった。

 

 幸いにもアレクサンダーも相手の狙いに気づいたらしい。古藤の伸ばした手を掴みとりハンマー投げの要領で大空へと放り投げる。

 

(もうすぐ追いつく…いや、間に合わない!?いや、ボールを両足で挟み込む時にボールを蹴りあげれば…)

 

 必殺技…デススピアーには四段階のステップがある。①空中のボールに到達。②片足を振り上げる。③ボールを両足で挟み込む。④回転をかける。この三段階のステップの中で③のステップがデススピアーの弱点。

 

 この瞬間ほど相手選手が無防備な瞬間はない。

 

 バダップまで残り五メートル。バダップ、ボールの所へ到達。

 

 残り三メートル。バダップ、片足を振り上げる。

 

(間に合え!間に合え!間に合え間に合え!間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合え間に合ええええぇぇぇぇ!)

 

 残り零メートル。振り上げられた足がまさに振り下ろされる瞬間だった。

 

 間に合った。しかし、そこにボールは無かった。

 

(…は?)

 

 バダップがボールにかかとおとしをかましたと分かったのはその0.2秒後である。

 

「…え?「感謝する」…!!」

 

 バダップが古藤に話しかける。

 

「ここまでお前達が来ることを…俺は…読んでいた。お(・)前(・)達(・)を(・)信(・)頼(・)し(・)て(・)い(・)た(・)か(・)ら(・)」

 

「俺達を…信頼…だと…?」

 

(落ち着け!古藤カズマ!ハッタリだ!デススピアーを撃てなかったことへの負け惜しみだ!)

 

 古藤は必死に自分に言い聞かせようとする。しかし、バダップの目は嘘をついてるようにも見えなくて。

 

 そのまま二人は地上に降り立つ。ボールは地上にも無かった。

 

「アレク!ボールはどこ「クレイモア!」…!ぐああああああ!」

 

 足元から無数の針がアレクサンダーと古藤を襲う。その針の一本一本の模様は馴染みのあるサッカーボールの模様だった。

 

 クレイモア。ボールをかかとおとしで地中に埋め込み。合図とともに無数の針へと変形させる…ド(・)リ(・)ブ(・)ル(・)技(・)。

 

 バダップの狙いは無理矢理シュートを撃つことではなく、確実にディフェンス二人を除去すること。

 

 もう一度言うがすべては計算されていたのだ。

 

 完全にバダップがフリーとなる。

 

「…終わりだ」

 

 ボールを蹴りあげる。そして、空中へ。片足を大きく振り上げる。そして、ボールを挟み、強力な回転をかける。

 

「デス…スピアーV2!」 

 

 ボールは赤黒い一本の槍へと姿を変え、キュイイイインというドリルのような音をたててゴールへ。

 

「くっ!デスサイズスラッシャー!」

 

 キーパー、グリムの右手が鎌の形をしたどす黒いオーラに包まれる。そして、その鎌は死の槍へと突きつけられる。

 

 ギイイイイイイイインという互いを削り合う不快な音が会場中に響き渡る。

 

 しかし、冥府の鎌では死の槍には対抗できなかった。パリィィィンという音とともに鎌が砕け散る。

 

 デススピアーがゴールに突き刺さる。

 

 予言が崩れた瞬間だった。




オリジナル必殺技

気合い玉 山属性 威力130(基準としてデススピアーが140)

自身の気合いをボールに注入しボールを一つのエネルギー弾に変えて射出する技。

デスサイズスラッシャー 林属性 威力120(基準としてキラーブレードが30)

キラーブレードの強化版。オーラの鎌がボールを切断する。

オリジナル選手名鑑

アレクサンダー・デミータ MF(ミッドフィルダー)

タウクの従者。アメフトで培った圧倒的はパワーは誰にも止められない。

技
気合い玉
???
ザ・ウォール
ザ・マウンテン

古藤カズマ MF(ミッドフィルダー)

タウクの従者。鋭い洞察力を持ち、相手チームの分析を担当する。

技
ホークショット
???
???
???
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