銀ちゃんとの話し合いから二週間がたち、昔私のカメラマンを務めてもらっていた岡本さんに連絡しもう一度撮ってもらえるようにお願いした。案外簡単に同意してくれて、またモデルの世界に足を踏み入れることになった。
「はーい、もうちょっと顎引いてー。うん、そうそう。いいわぁ。やっぱりかわいい。よし、今日はこれで終わり!」
雑誌の撮影もだんだん思い出してきて安定して撮ってもらえるようになった。
っといってもやっぱり8時は超えてしまうので急いで挨拶して駅に向かう。
駅では女子高校生が雑誌を囲んで話していた。
「ねぇねぇ見て。沖田くん。かっこいいよねぇ―♡」
またアイツかヨ。JKはアイツ以外に興味ないのか、っと突っ込みたくなるほどどこにいても聞く名前だった。
「ほんとかっこいいよねぇー。あっ、そうそう雑誌っていえばカグラ復活したんでしょう?」
一瞬びくっとする。一歩だけJKに近寄り声がよく聞こえるようにする。
「あー、噂の赤髪ちゃんねー。可愛いわよねぇあの子。私あの子だったら沖田君の隣ぎりぎり許せるわ。」
「それー、私もぉ、めっちゃかわいいよねぇ。少し分けてもらいたいくらい。」
ふふーん。と思わず得意げになる神楽。復活して間もないのにこんなに広がっているなんて。
きっといいことある。と思い電車で家に向かう。
私の予想は大はずれだった。
家の最寄の駅で降りると、後をつけられていることにしばらくたってから気が付いたのだ。
こんなところで、暴力なんて起こしたらきっと問題になってしまう。何とかしなくては。と考えているうちに家の近くの公園まで来てしまった。足音が早くなる。思わず身が固くなり頭が回らない。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。また誘拐されてしまうだろうか?怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
目から涙が落ちる。もういやだ。モデル始めたとたんにこれだ。私には無理だったのだろうか。
過去を乗り越えるなんて不可能だったのだろうか。きっと次はない。殺されてしまうんだ。
銀ちゃん、総悟…こんなことなら告白すればよかった。
あと数歩できっと尾行していたやつは私に追いつく。これで終わり…そう覚悟した時だった。
後ろから声が聞こえた。
「おっ、やっぱり神楽だったぜぃ。」
振り返り確認すると総悟がたっていた。今一番合いたかった人。
安心すると涙が出てきて止まらなくなった。ギョッっとする総悟が心配そうに駆け寄って抱きしめてくれた。
今日はこれだけで、やっぱりいい日だったのかもしれないと思えた。