個人回も今回を含めてあと三回になりましたが、もう少々お付き合いください。
今回は鞠莉姉回です。
それでは「マリーのCooking Time」どうぞ!
Marie's perspective
「あ~ん、いったいどうしたら玲士の胃袋をcatchできるの~」
大きな独り言を呟き、買ってきた料理の本をながめる。
昨日も玲士に、『マリー特製☆フランス料理三段弁当』作って持たせたんだけど、あんまり気に入ってくれなかったみたい。
だって玲士ったら、私がどんな料理を作っても『かな姉の作る料理が一番美味しい』って言うんだもん。
果南ってばあんなに玲士に愛されてるなんて、マリー嫉妬しちゃう!
「そうだ、Good ideaがあったわ!」
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「―――ということで、玲士好みの料理の作り方を教えてください果南先生♪」
結局、私は果南から料理を教わることにした。場所はホテルの厨房でもよかったんだけど、果南が家の方が良いって言うから松浦家のキッチンですることになった。
「別に良いけど、私としては普通に作ってるだけなんだけどなぁ」
「いえ!何か秘密があるはずよ!それで果南、今日は何を作るの?」
「今日は玲士が大好きなカレーだよ」
「carry rice?たしか家に本場のspiceがあったから持ってきたほうが良いかしら?」
「まったく、これだから金持ちは・・・。普通ので十分。まずは玉ねぎを刻むから、まな板取って」
まな板を渡すと果南は玉ねぎを刻み始めたので、私も家から持ってきたものを同じように刻む。
「あ~ん、玉ねぎが目に染みる~」
玉ねぎが目に染みるとは聞いていたけど、まさかこんなにすごいとは・・・
果南の方を見ると平然と玉ねぎを刻んでいる。
「な~んで果南はそんなに平気そうな顔してるの~??」
「玉ねぎは切る前に冷水で冷やしておくと目に染みにくくなるんだよ。鞠莉も覚えておいた方が良いよ」
「Thank you 果南!」
その後はニンジンやじゃがいも等を食べやすい大きさに切る。
果南曰くじゃがいもは大きめに切っておくと玲士は喜ぶらしい。
切り揃えた野菜と肉を炒めて水を入れる。
「待って鞠莉、水はなるべく少なめに。玲士は水っぽいと嫌がるから」
「なるほど・・・」
料理の最中に果南から聞いた玲士の情報を逐一メモにとっておく。他の料理に応用して玲士好みの味を作るために!
そして、カレールーを入れてコトコト煮込む。
「あとは、カレールーの他にソースを少しとチョコレートを数欠片入れると玲士好みの味になるよ」
そして数分間煮込み、完成となった。
「これでcompleteデース!」
「もうすぐご飯が炊き上がるからそれで完成だよ。そろそろ玲士が帰ってくると思うから、ちょうど良いかな」
ご飯が炊き上がるのを待っている間、私は果南にあることを聞いてみる。
「ねぇ、果南って玲士のこと、どう思ってるの?」
「玲士のこと?どうしたの急にそんなこと聞いて」
「別に良いじゃな~い♪どう思ってるのよ♪」
私がそう言った後、う~んと果南は少し考える素振りをした。
「玲士は大切な弟だよ。昔から背伸びして私に追い付こうとしてるけど、まだまだ子供っぽい所もあるからかわいいんだ。お互い持ちつ持たれつな関係ってとこかな」
「ふぅん、持ちつ持たれつねぇ。⋯⋯じゃあ、もしそのかわいい弟にGirlfriendができたら⋯⋯どうする?」
「うーん⋯⋯、玲士が決めたことなら私は特に干渉しないよ。でも玲士って他人の事はよく気づくけど、自分の事になると鈍くなるからいろいろと大変なんじゃない?」
「ほんっと!それ!なんであんなに鈍感なのかしら!」
玲士の鈍感は一種の病気よ!マリーは毎日approachしてるのに!
「なんで鞠莉がそんなに興奮するのさ?」
「⋯⋯ただいま~」
そうこうしているうちに、玲士が帰って来た。
「おかえり、玲士」
「玲士~ wellcome back♪」
「鞠莉姉!?どうしてそんな格好を?」
エプロン姿の私に少し驚いたようだった。
「今日はマリーが玲士のためにcookingしたのデース!」
「また高級フランス料理でしょ?」
「non non、今日は果南直伝のcarry riceデース!!」
「もうできてるから、二人ともご飯食べる準備して」
「「は~い」」
いよいよカレーを盛り付け、食べ始める。私はドキドキしながら玲士の反応を窺う。
「お味はいかがかなん?」
「うん、おいしいよ。いつもの味」
その言葉を聞いてホッとする。
「よかったわ~気に入ってくれて」
「それにしてもなんでまた急にこんなことを?」
「だ~って~玲士がマリー特製お弁当を気に入ってくれないんだもん」
「別に気に入ってないって訳じゃなくて、鞠莉姉の料理も僕は好きだよ。ただ、かな姉の料理が一番ってだけであって・・・」
「じゃあ明日から毎日マリー特製のお弁当を持ってってるのね!」
「まぁ、毎日じゃなくてたまになら・・・」
「じゃあ明日はマリーがお弁当作るわね♪」
「べ、別に良いけど・・・」
少し目をそらしながら言う玲士。照れた時にする彼の癖だが、ハグしたくなるほどのかわいさだ。もういっそのことハグしちゃおうかしら?
「鞠莉、玲士!食事中はハグしちゃ駄目だからね!」
「なんでわかるのよ」
「玲士と鞠莉の考えそうなことは大体わかるよ」
どうやら果南には全部お見通しだったみたい。
「じゃあ、食べ終わったマリーがらい~~っぱいハグしてあげるわ♪」
「うぅ・・・かな姉・・・」
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翌朝、昨日言っていた通り、鞠莉姉が弁当を持ってきた。ちなみに結局昨日はご飯の後めちゃくちゃ抱きつかれました。
まったく鞠莉姉は僕を抱き枕と勘違いしてるんじゃないだろうか?僕にハグして良いのはかな姉だけなんだもんね!それにハグはかな姉の専売特許みたいなもんだぞ。
それはさておき、弁当の話に戻ろう。以前弁当を作った時なんかは重箱に入れて持ってきてたが、今回はいたって普通の弁当箱だ。
「マリー特製♪シャイニー☆弁当よ!ちゃんと玲士好みの味付けにしたわ♪」
「ありがとう鞠莉姉、お昼が楽しみだよ」
「いっぱい食べてね!マリーより愛を込めて♪」
そしていよいよお昼の時間になった。
弁当箱の蓋を開けると僕の目に飛び込んできたのは・・・
『LOVE♥️玲士』
そぼろと桜でんぶでご飯の上にそう表されている。
よく見るとニンジン等の野菜もすべてハートの形に切り揃えられている。
「ま、鞠莉姉ぇ・・・」
僕は恥ずかしさに耐えながら弁当を食べた。
まあ、美味しかったからよかったけど。
Marie's monologue
私が作ったカレーを美味しそうに食べる玲士の顔を見て、自然と胸がトクトクと高鳴っていくのがわかる。
その笑顔を見て、もっと彼の笑顔が見たい、そばにいてほしい、そんな気持ちが芽生える。
彼のことは昔から一緒にいるから弟みたいな存在だと思ってた。
でも、改めて実感する。
あぁ、やっぱり私は一人の男性として、彼のことが好きなんだ。
もしかして、煮込まれちゃったのはカレーじゃなくって私の方かもね。
でも玲士は果南にしか興味ないみたい。
こうなったらやっぱり、あの手で攻めるしかないのかしら?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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それではまた次回。