皆様お久しぶりです。
幻日のヨハネ、アニメおめでとうございます!!
勢いで書きました。
Aqoursのメンバーは皆個性的だ。かな姉は当然として皆と関わっていると毎日とても楽しい。
そして僕、松浦玲士がその中で最近一番気になっている人物がいる。
「じーっ」
「なによ」
僕はその人物をじっくりと見つめる。
「じーっ」
「だからなによ」
すらっとした顔立ち、色白な肌、そして特徴的な髪型。見れば見るほど気になってくる。
「じーっ」
「だからさっきから何見つめてるのよ!」
机の反対でスマホをいじっていた善子ちゃんは勢いよくこちらに食って掛かってきた。すでに部室にいたかな姉と他の一年生組は驚いた様子で声のするの方を見る。
怒っている姿もなんだかおもしろい。
「どうしたの玲士」
「ごめんごめん、ちょっと善子ちゃんが気になったからさ」
「ヨハネよ!何よ、気になったって」
「要は観察してたのさ」
「「観察??」」
花丸ちゃんとルビィちゃんが首をかしげる。まあ、自分でも変な事だとは思うから不思議がるのは当然だろう。
「クックック、主を観察するなんて良い心掛けだわリトルデーモン。もっとその目にこの堕天使ヨハネの姿を焼き付けなさい!!」
「こんな堕天使なんか観察しても意味ないずら」
「時々変な格好するのは見てて面白いけどね」
「こら!そこの二人!変なこと言うな!」
「まったく。玲士、いきなり人を見つめたりしたらびっくりするでしょ」
「はーい」
かな姉からの指摘にちょっと反省する。それにしても相変らず花丸ちゃんとルビィちゃんは手厳しい。
「まあ、玲士が観察好きなのは今に始まった事じゃないけどね」
「そうなの果南ちゃん?」
ルビィちゃんが尋ねる。
「うん、昔から玲士は気になったら時間を忘れて観察しててさ。この間なんか雨が降ってるのに外でずっとかえる見つめててさ」
「だってかえるさんかわいかったんだもん」
「リトルデーモン、あなた意外に子供っぽいのね」
たしかにかな姉の言う通り僕は気になったものをずっと観察している癖がある。それにしても子供っぽいと言われるのは心外だ。確かに二年生の中では唯一の早生まれで一番の年少だが僕にだってプライドというものがある。それにかえるさんかわいかったんだもん。
「それで、今度は何で善子ちゃんが気になったずら?」
「んー、なんでだろう。なんとなく、かな」
「何よ、なんとなくって!」
またも善子ちゃんは食って掛かる。オーバーリアクションなのも善子ちゃんの面白いところだ。
「具体的にどこが気になってるとかないの玲士」
「ある!」
僕は善子ちゃんと初めて会った時から一番気になっていたことがある。
「なになに!ルビィも気になる!」
「それは・・・」
「「「「それは・・・?」」」」
皆が一様に興味津々な目で僕を見つめる。
「善子ちゃんの髪型!!」
そう言った瞬間、先ほどまでの眼差しとはうって変わって皆の目が点になった。
「ヨハネの・・・」
「・・・髪型??」
「うん!髪型!」
「髪型のどんなところ?」
「善子玉!!」
「「「「善子玉??」」」」
またも皆が一様に首をかしげる。
「なによ善子玉って!あとヨハネ!!」
「もしかして、それってシニヨンのこと?」
「シニヨン?」
ルビィちゃんの口から出てきた知らない言葉、ファッションとかの事は疎いから何のことだか全くわからない。
「お団子髪のことだよ」
困っているところをかな姉が教えてくれる。やっぱりかな姉は頼りになるなぁ。
「そうそう!シニヨンって言うんだあれ」
僕が知ってる髪型の名前なんてせいぜいツインテールとかショートボブとかそれぐらいである。名前がわからなかったので勝手に善子玉と呼んでいたのだ。
「それのどこが不思議なのよ。別に珍しい髪型でもなんでもないでしょ」
「いや僕にとっては大いに不思議だよ」
僕は再びまじまじと善子玉、もといシニヨンを見つめる。
「どうやって作ってるのかもそうだし、なにかエネルギーが詰まってるんじゃないかと思って」
「まったく・・・。またおかしなこと言って」
僕の言葉にかな姉は呆れたような表情を見せる。
「クックック、この髪型は天界にいた頃より定められしヨハネのアイデンティティ。内部には堕天の力が秘められているのです!!」
いつものごとくポーズを決める。
「おお!すごい!」
「この間作るのに失敗してたのに?」
「ルビすけ!そのことは言うな!」
「なんかとりはずせそうずら」
「うんうん、わかるよ花丸ちゃん。よ〜くわかるその気持ち」
善子ちゃんの頭にちょこんとついているこの善子玉、反対側につけたり取り外したりできそうだと前々から思っていた。
「なによ!取り外すって!」
「えー、だって堕天使の力が秘められてるんでしょ?エネルギータンクみたいだからもう一個付けると力が湧いたり、取れると力が出なくなったりするのかなーって思って」
「ロボットみたいでおもしろいね」
善子ちゃん曰く堕天の力が詰まってるんだから、取り外し可能って結構合理的な考えだと思うんだけどな。
ルビィちゃんは無邪気に突っ込んでくるからこれまた面白い。かな姉はもはや突っ込むのをやめて頭を押さえている。
「あ・ん・た・た・ちぃー!!いい加減にしないとー!!」
そう言うと善子ちゃんは手を前に突き出してじわじわとこちらに近づいてきた。
「くらいなさい!
「ピギッ!」
「ひぃー!!」
ルビィちゃんは間一髪かわしたが、僕はあっけなく捕まり善子ちゃんの腕でがっちりとがんじがらめにされてしまった。
善子ちゃんの腕は細いがやはりスクールアイドル活動で培われた筋力ゆえかその力は強い。
「生意気なリトルデーモンにはこうしてやるわ!」
「か、かな姉助けて・・・」
「自業自得」
「そ、そんなぁ・・・」
その呆れたような冷めた目には僕の抵抗力を失わせるのに十分であった。
嗚呼、とうとうかな姉にも見捨てられてしまった、僕はもう最期だ。
だんだん体の力が抜けてゆく。僕はもうだめかもしれない。
「こ、こら!堕天使!そこまでよ!」
諦めかけたその瞬間、ようやく救い主が現れた。
「りっ梨子ちゃん!」
「リリー!」
「善子ちゃん!離れなさい!!」
梨子ちゃんは手に持っていた楽譜が落ちたのも構わずすかさず僕と善子ちゃんを引きはがしにかかる。
「た、助かった。ありがとう梨子ちゃん」
「ふんっ、今回は許してやるわ!」
梨子ちゃんによって僕は何とか助け出された。それにしても善子ちゃんの力の強さには驚いた。
「よ・し・こちゃん」
梨子ちゃんは普段より幾分か低い声とギロっとした表情で善子ちゃんを睨みつける。
「次やったらお団子没収するって言ったよね」
「言ってないわよ!」
「わ・か・っ・て・る・わ・よ・ね」
「ひっ!!」
こんな表情の梨子ちゃんは初めて見た、善子ちゃんと一緒に僕まで声を上げてしまう。それにしてもやっぱりあのお団子取れそうだよなぁ。
「ひどいよかな姉、見ているだけなんて」
「玲士があんまりからかうからいけないんだよ」
「わーなになに!千歌も混ぜてー!」
「全く、騒がしいですわよ」
すると残りの皆もやってきてたちまち部室は騒がしくなった。
ああ、僕はこの騒がしさが好きだ。些細な事でもこうやって楽しめる。そんな事を思いながら僕は皆を見つめるのだった。
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いつもの通りの休日、僕はいつも通り存分に二度寝してからリビングへと向かう。
「ふぁあ・・・かな姉、おはよう」
「んあ、おはよう玲士。早くご飯食べて」
「か、かな姉!その髪型・・・」
なんと驚くべきか、かな姉の髪型はいつものポニーテールではなく髪をお団子にまとめているのである。
「玲士があんなに不思議だ不思議だって言うから、善子ちゃんに教えてもらってちょっとやってみたんだ。似合ってるかなん?」
「もちろん!でも、かな姉の髪型はポニーテールが一番さ」
ポニーテールはかな姉のトレードマークだ。いろんな髪型のかな姉は勿論素敵だがやっぱりいつもの髪型が一番だ。
「ねえねえかな姉!触らせて!」
「ダメ、崩れるから。セットするの大変だったんだからね」
「そんなぁ・・・」
無論断られるのはわかりきっていたが、ちょっと大げさにしょんぼりしてみせる。
「まったく・・・。ちょっとだけだよ」
「わーい!!」
かな姉の許可が出たところで早速お団子髪を触ってみる。
「どうかなん?」
「へー!こんな感じなんだ。おもしろーい」
いつものポニーテールとは違って髪がまとまっているから感触が独特でおもしろい。それにしても、やっぱりかな姉の髪の毛は触ってて気持ちがいい。
「ほんと玲士は昔から髪の毛触るの好きだよね」
「だってきもちいいんだもん」
「私は別にいいけど、他の人にはやっちゃだめだからね。やるにしても言ってからだよ。わかった?」
「はーい」
「うむ、よろしい」
そうは言いつつも、やっぱり善子ちゃんの髪は気になる、今度お願いして触らせてもらおう。
そんなことを考えながら今日もいつもどおりかな姉に甘えながら休日を過ごすのであった。
不定期にはなりますが、今後ともよろしくお願いします。