シスコン弟とAqoursの日常   作:ふらんどる

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例によって書きかけで放置してたらヨハヌマ買ってモチベ回復して書き上げました。

ヨハヌマおもしろい。


幻日のレーシ ヌマヅのふしぎな旅【シスコン弟 in the mirror Day2】

 

「はっ・・・・・・ここは・・・・・・」

 

 視界に広がるのは白い煙、ここがどこだが、自分がなんでここにいるのか、全く思い出せない。

 

 

 

 そしてその煙が晴れると・・・・・・

 

 

「あっ! レーシ! なんで!? どうして!?」

 

「ああ! 善子ちゃん・・・・・・じゃない! ヨハネちゃん! やっぱり夢じゃなかったんだ!」

 

 

 

 僕、松浦玲士は再びヌマヅ後に降り立ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「レーシ! どうして急にいなくなっちゃったの!? びっくりしたんだから!」

 

「そんなの僕にだってわからないよ。目の前がぐるぐるーってして、それから・・・・・・うーん、思い出せない・・・・・・」

 

 改めて状況を整理すると、僕、松浦玲士は気がつくとどういうわけかヨハネちゃんの占いのお店の一室にいた。

 しかし前と同じく何でここにいるのか、直前まで何をしていたのか全く思い出せない。

 しかもヨハネちゃん曰く、前回はヨハネちゃんが呪文を唱えた途端に光に包まれて一瞬にして消えてしまったというから驚いた。

 

「ヨハネちゃんは何か知らない?」

 

「だからほーんの軽ーい気持ちで『レーシが見つからないかな』なんて言ってみたら水晶がピカーって光ってホントに出ててきたというか・・・・・・私だってワケわからないわよ!」

 

「うーむ、謎だ・・・・・・」

 

 どれだけ考えても話を聞けば聞くほどますますわからなくなっていく。

 

「おお! レーシ!!」

 

「ああかな姉・・・・・・じゃない! カナンさん!」

 

 二人で頭を抱えていると、愛しのかな姉・・・・・・のそっくりさん? であるカナンさんが部屋に入ってきた。

 

「ハグぅ! ・・・・・・あっ! ごめんなさい!」

 

 見知った顔に思わずハグしてしまったがこの人はかな姉ではなくカナンさん、すぐに離れて頭を下げる。

 

「あはは、いいよいいよ。私もレーシが急にいなくなって寂しかったんだから。また会えて嬉しいよ!」

 

 そして僕たちはしばしの間再会を喜んだ。

 

「うーむ、しかしこれからどうしよう」

 

 しかし、この奇妙な現実は僕にとっては大いに問題だ。このヌマヅには当然僕の家はないし、お金もなければ文字だってよくわからない。

 そしてなによりかな姉がいない。

 

「そうだ! レーシのこと行政局にも伝えておいたから、まずは行ってみない?」

 

「おお、それだ! 確か行政局の方でもいろいろ調べたりしてるってダイヤも言ってたから、きっと助けてくれると思うよ」

 

「・・・・・・ギョーセイキョク???」

 

 

 ~~~~~~~~~~

 

 

 

 こうしてヨハネちゃんたちに連れられてきたのはヌマヅ行政局というところ。しかしここもどうも見覚えのあるような形の建物だ。

 

「これから、どうするんですか?」

 

 この『行政局』というのはどうやら市役所のような施設らしく厳粛な雰囲気に萎縮してしまった僕は恐る恐る二人に尋ねた。

 

「とりあえず、ダイヤに会いに行くよ」

 

「ダイヤさん! ここにダイヤさんがいるんですか!?」

 

 またもよく知った名前が出てきたことに驚きを隠せない。いや、むしろ驚きとよりも知っている人に出会えるという嬉しさが勝っている。

 

「そう! ダイヤはこの街の執務長官なの!」

 

「シツムチョーカン?? 生徒会長じゃなくて?」

 

「あはは、生徒会長って、学校じゃないんだから」

 

 話を聞くにどうやらのヌマヅでのダイヤさんは僕らの世界でいうところの市長のような人物だというから驚いた。ヨハネちゃんやカナンさんといい、どうやらこの世界では僕の知っているAqoursの皆と関連したような仕事をしているようだ。

 

 

 

 

「あなたがレーシさんですね。ヨハネさんたちからお話は聞いていましたわ」

 

 そしてやって来た生徒会室、ならぬ執務長官室にいた執務長官ダイヤさんは、例によって長い黒髪からほくろの位置まで僕の知っている生徒会長のダイヤさんと全くもって同じだった。

 

「かっ・・・・・・カッコいい!」

 

 そして一番の違いと言っていいのがその服装だろう。モノクルをつけて黒を基調としたクラシックな雰囲気がとてもカッコいい。ちなみにモノクルという名前は現実の善子ちゃんから教えてもらったのだ、善子ちゃんの言う堕天使? 知識が珍しく役に立った瞬間だった。

 

 

「あなたの事はヨハネさんたちからお聞きしました。行政局でも捜しておりましたが、ひとまず見つかって何よりです。宿泊場所等に関しては行政局が手配いたしますのでご心配なく」

 

「そんなことまで! よくわからないけどありがとうございます」

 

「やっぱりダイヤに相談しておいて正解だったよ」

 

 皆の様子を見るにこの世界でもダイヤさんは皆から頼りにされているしっかり者のようだ。

 

「あ、そう言えばダイヤさん。一つ聞いてもいいですか?」

 

「はい。分からないことがあれば何なりと」

 

 そしてダイヤさんがいるとなれば、当然そのかわいい妹もいるはずである。

 

「えっと、分からないというか聞きたいというか・・・・・・、ダイヤさんって妹さんいますか?」

 

「妹⁉え、ええ、おりますわよ。どうしてそれを・・・・・・」

 

 全く予想外の事を聞かれたダイヤさんは虚を突かれたような表情を見せる。

 

「やっぱり! もしかしてルビィちゃんという名前です? 赤髪いツインテールの小動物みたいなちっちゃくてかわいい女の子ですよね」

 

「ピギィ!! なんでルビィの事知ってるの!?」

 

「まあ、ルビィ! いつの間に!」

 

 どこからかささやくような声が聞こえてきたかと思うと、何かがぴゅーっと目の前に飛んできた。

 

「わわわわわっ! ル、ルビイちゃんが、ち、ちっちゃい!」

 

 僕の文字通り『目の前』に現れたのはこれまた見知った顔のルビィちゃん。

 

 しかし驚いたのが他の皆と違って小さい、とにかく小さい。言葉そのままの手のひらサイズだ。

 背中には蝶の様な綺麗な羽が生えておりその姿はまさにおとぎ話に出てくる妖精そのものである。

 

 ヨハネちゃんたちと出会ってからこのヌマヅでいろんな不思議ものを見てきたが、こればっかりはさすがに声を出して驚いて思わず腰を抜かしてしまった。

 

「ええっ! あ、あの、驚かせてごめんなさい!」

 

「え、えーとこれは一体・・・・・・」

 

「実はねレーシ」

 

 どうやら話を聞くに、ダイヤさんとルビィちゃんは確かに姉妹だが妖精族の末裔? らしく、いろんな不思議な力が使えるというからさらに驚いた。

 

「うーむまったく驚くことばかりだ・・・・・・」

 

「それにしてもレーシって本当に不思議だね。どうしてルビィちゃんの事まで」

 

「どうしてって言われても、カナンさんやヨハネちゃんたちってみーんな僕の知ってる人たちと顔も声もそっくりなんです」

 

 となるとここにはまだ会った事のない鞠莉姉と梨子ちゃん、曜ちゃん、花丸ちゃんがどこかにいるのだろうか。

 

「そうだ! マリちゃんのところに行ってみるのはどうかな?」

 

「マリちゃん⁉やっぱり鞠莉姉もいたんだ!」

 

 そう思った矢先にまたも知っている名前が出てきたので思わず大きな声を出してしまった。

 

「さすがルビイ、それは良い考えですわ」

 

「そうだね。マリはヌマヅのいろんなことを知ってるから、もしかしたらレーシを探している人も見つかるかもしれないよ!」

 

 嬉しいことにまたもとんとん拍子で話が進んでいく。早速皆と共に『マリさん』のところに向かうことへ。

 

「それで、マリさんはどこにいるんですか? 淡島ですか?」

 

「アワシマ? 違う違う、ワーシマー島だよ」

 

「ワーシマー島??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということでカナンさんたちに連れられて内浦、ならぬウチーラ地区に戻ってきた。

 

「ワーシーマー島ってどんなところなんですか?」

 

 海の向こうにポツンと佇むのは僕とかな姉のダイビングショップと鞠莉姉のホテルがある淡島、ならぬワーシマー島。

 島全体がうっそうとした木々に覆われており、どこか暗く近寄りがたい雰囲気である。

 

「みんな最初は怖がるんだけどとってもいいところだよ。かわいいおばけちゃんたちもいっぱいいるし」

 

「おばけ⁉僕怖いのちょっと苦手というか・・・・・・なんというか・・・・・・」

 

「あはは、マリのところのおばけちゃんは怖くないよ。それにしてもレーシってかわいいねぇ」

 

「面目ない・・・・・・」

 

 またも恥ずかしいところを見せてしまったが、それにしても『おばけちゃん』とはどんなものであろうか。

 

「ここまでくれば迎えに来てくれるとは思うんだけど・・・・・・」

 

 

『キュー』

 

 

「わわわっ! でで出たぁ⁉」

 

 すると突如として噂の『おばけちゃん』僕の目の前に現れた。

 ルビィちゃんとは違い羽根はなくふわふわと宙に浮いているその姿は風船みたいだ。

 

「おお、ペラピー! 案内してくれるんだね」

 

『キュー!』

 

 しかしよく見て見るとカナンさんの言う通り全く怖くなく、むしろマスコットのようでとてもかわいらしい。

 

「ペラピー・・・・・・ペラ・・・・・・ペラ・・・・・・プロペラ! はっ! もしかして・・・・・・ヘリコプター!」

 

 よく見て見ると頭? の上の部分は4つに分かれている、回転してはいないもののまさにプロペラだ。尻尾? みたいな部分もよくよく考えたら尾翼だ。

 

 僕の知っている人達とよく似た人は出てきたがまさか似たものまで存在するとは思わなかった。

 全くヌマヅは不思議な場所だ。

 

「それでマリさんというのはどんな人なんですか?」

 

「マリはね魔王なんだよ」

 

「ま、魔王⁉」

 

「うん、魔王。でもおばけちゃんたちと一緒でちっとも怖くないよ」

 

 こちらの世界のマリさんはなんと『魔王』らしい。これは驚きよりも困惑の度合いが強い。

 しかしこの世界では妖精やおばけもいるし、よくよく考えれば僕の知っている方も生徒兼理事長というよくわからない存在だからこれはこれであっているのだろうか。

 

 

 

 

 

 そしてペラピーの先導で船で淡島、ならぬワーシマー島へ渡りホテルオハラ、ならぬ魔王の館に足を踏み入れた。

 

「マリ! レーシを連れてきたよ!」

 

 そして現れた魔王のマリさんはというと・・・・・・

 

「いらっしゃい、ヨハネ、カナン、そして・・・・・・あなたがレーシね?」

 

「あっ、はい。僕が玲士です」

 

 威厳たっぷりにたくさんのおばけちゃん達を引き連れて現れたその姿はまさに『魔王』、そして拍子抜けするくらい静かで落ち着いた人だった。

 

「あなたの声をずっと聞いていたわ。声と同じで本当に澄んだ目をしているわね」

 

「えっ? 聞いていたって、僕たち初めて会うのにどうして・・・・・・」

 

「実はねレーシ・・・・・・」

 

 なんとカナンさんが言うにはマリさんには頭についているその角で離れたところにいる人の声を聞くことができるというのだ。

 

「あなたの声はとてもよく聞こえていたわ。いきなりお姉さんと離れ離れになって、ずっと寂しかったのね」

 

「そうだ! もしかしたらマリならレーシを探している人の声が聞こえるかなって思ったんだけど・・・・・・」

 

「ダイヤから話を聞いてからよくよく注意していたのだけれど、私には聞こえなかったわ。ごめんなさい、力になれなくて」

 

「いえいえそんなそんな」

 

 更に聞くとこのワーシマー島にはマリさんとおばけちゃん以外は誰も住んでいないらしい。申しわけなさそうな表情で話すマリさんにこちらもいたたまれなくなる。

 

 

 

「それにしても鞠莉姉・・・・・・じゃなかった、マリさんがこんなに静かだとどうしても調子狂っちゃうなぁ」

 

「じゃあ、レーシが知ってるその『マリネエ』はどんな感じなの?」

 

 ヨハネちゃんに言われて普段の鞠莉姉を思い起こす。

 

「ええと、いーっつもハイテンションで『デース!!』とか『シャイニー!!』とか言って手とーっても明るくって面白い人で、僕なんかマスコットみたいに扱れるんです」

 

「なにそれ、変なの」

 

「でも、とってもいい人なんですよ。僕なんか想像できないような大人の世界で頑張ってるんです」

 

「ふふっ、会ってみたいわ」

 

「そうだ! 前から気になってたんだけど、レーシのお姉さんや他のお友達の話も聞かせてよ。私にとっても似てるんでしょ」

 

「もちろん! かな姉のすごいところはまず何と言っても・・・・・・」

 

 こうして僕は自慢のかな姉を筆頭に善子ちゃんや他のAqoursの皆の事をみんなに教えてあげた。どうやらヨハネちゃんは歌うのが好きなようで、他の皆もお祭りの時に一緒に踊った事があるらしい。

 そして何より驚いたのが、ヨハネちゃん曰くこの世界にもヨウさん、リコさん、ハナマルさんがいるそうで先に会ったチカさん、ダイヤさん、ルビィちゃん達と合わせてとても仲良しだそうだ。

 

 

「うーん、それにしてもよく似た町によく似た人たち・・・・・・まるで鏡みたいだなぁ」

 

「・・・・・・そうだわ! ちょっと待ってて」

 

 突然何かを思い出した様子のマリさんは周りに浮かんでいるおばけちゃんたちになにやら頼む。

 そしてしばらくして、ウミウシみたいなおばけちゃんたちが持ってきたのは何やら古めかしい分厚い本。それを受け取ったマリさんはその中の一ページを開いて僕たちに見せる。

 

「これは・・・・・・古代文字? わかる? ヨハネちゃん」

 

「さすがに私でも・・・・・・」

 

 そこにはいくつかの挿絵と共に今まで見てきたものとはまた別の文字で何かが書かれていた。

 

「これは私の一族に代々伝わるヌマヅに伝わる伝承を記した書物よ。今の話を聞いて一つ思い出したことがあったの」

 

「どんなことが書いてあるんです?」

 

「こう書いてあるわ『ヌマヅには古より鏡の中の世界有り。彼の世界の人々、この世界の人に似れども相反すところも多し。普段は決して交わらず、しかしその扉稀に開き彼の世界の人こちらに来て交わる』」

 

 分かったような分からないような文章である。

 たしかに書いてあるように、僕の知っている『沼津』とこの『ヌマヅ』は町も人も似ているけど違うところもたくさんある。

 

「じゃあはレーシはその『鏡の中の世界』から来たってこと!?」

 

「でも、僕は鏡の中になんか住んでないですよ」

 

 しかし僕が住んでいるのは沼津の内浦の淡島だ、鏡の中になんか住んでいない。それに『ヌマヅ』につながる『扉』なんてものも全く心当たりがない。

 

「他に何か書いてないんですか? 例えば元の世界に戻る方法とか」

 

「残念だけどこれ以外には・・・・・・! 待って!」

 

 すると突然マリさんが緊迫した表情となりその手を耳、ではなく角にかざす。

 

「かすかだけどたしかに聞こえるわ、レーシを呼ぶ声が!」

 

「えっ!」

 

「この声・・・・・・! カナ」

 

 

 

「わ────!!!!!」

 

 マリさんが何か言いかけた瞬間、目の前が眩い光に包まれる。

 

以前と全く同じで視界がぐるぐると渦を巻き、深い深い水底へと吸い込まれていくような感覚に襲われ、必死にもがこうとするがただ叫ぶことしかできずただひたすらに落ちていく感覚。

 

 

そして僕の目の前は真っ暗になった。

 

 

 

 

 ~~~~~~~~~~

 

「玲士ー! れーいしー! どこだー」

 

 遠くの方で誰かが僕を呼ぶ声が聞こえる。

 

「あ、こんなところにいた!」

 

 そして次にやって来たのは突き上げられる感覚。先ほどとは反対にぐんぐん上に押し上げられていく。ダイビング中に水面に上がる時のように近い感覚だ。

 

「ちょっと! 起きなさいよ玲士!」

 

 

「はっ⁉ここは・・・・・・?」

 

 聞きなれた声に目を覚ますと、見知った天井が見えた。そして窓からの光で今が夕方だという事が分かる。

 

「やっと起きた! まったく、このヨハネを待たせるなんて悪いリトルデーモンだわ」

 

「ああ! ヨハネちゃん・・・・・・じゃない! 善子ちゃんだ!」

 

 そして、今僕の目の前にいるのはヨハネちゃん、ではなく僕のよく知るAqoursの津島善子ちゃんである。

 

「もう! なんでわざわざ言い直すのよ!」

 

「おお善子ちゃん善子ちゃん〜」

 

「うにゃー!!」

 

 

 いつものように大げさに騒ぐ善子ちゃん。どうやらやはりここは僕のよく知る『沼津』である。

 そうだ思い出した、僕はみんなで淡島で今度の新曲のPVを撮っていたんだ。これまたどうして今まで気が付かなかったのだろうか。

 

「あら玲士、グッモーニーン!」

 

「あっ・・・・・・鞠莉姉・・・・・・角が・・・・・・ない!」

 

 明るい声と共に部屋に入ってきたのは静かな魔王のマリさんとは正反対の騒がしいくらい元気な鞠莉姉。

 

「Oh! ひどいわ玲士! 角なんて、まるでマリーを魔王のように言うのね! 泣いちゃうシクシク」

 

「全くいつまで寝ぼけてるんだか」

 

 わざとらしく泣き真似をする鞠莉姉と呆れ顔のかな姉、やっぱりこの感じが一番しっくりくる。

 

「玲士さんもお疲れなのですわ。今日も一日ありがとうございました」

 

「一日中カメラを持ったりしてたもんね」

 

 そして続いて部屋に入ってきたのはダイヤさんとルビィちゃん。

 

「ああ、ルビィちゃんもおっきくなってる!」

 

 そう言った瞬間に、しまった、と口を抑える。これ以上言うとさすがに変に思われるのは明らかだ。実際二人ともきょとん、としている。

 

「えへへ、実は最近身長計ってみたらちょっとおっきくなってたんだ!」

 

「まあさすが玲士さん! よく気づきましたわね」

 

「え、ええ!」

 

 ルビィちゃんの身長の事はぜんぜん気が付いていなかったのだが何とか助かった。

 ようやくさえてきた目でもう一度皆の顔を見ると、やはりここは『沼津』なのだと少しほっとする。

 

「それにしても玲士ったらどこに行ってたのさ。皆で探してたんだよ」

 

「ええと・・・・・・、ヌマヅの占いの館と行政局とワーシマー島・・・・・・あうっ!」

 

 そこまで言ったところでおでこにぱちん、と衝撃が走る。

 

「まったくまだ寝ぼけて・・・・・・。こうなったら帰ったら目が覚めるまでみっちり運動だからね」

 

「ひえぇ・・・・・・。でもほんとにほんとなんだから」

 

「はいはい。もう夕飯の準備もあるから帰るよ」

 

 当然のごとく信じてもらえなかったが、確かに僕はあの不思議な世界で不思議な現実を経験した。

 

 夢のようだけど夢じゃない、まるで白昼夢のようなこの不思議な日々はまだまだ続いていく、そんな予感がしたのだった。

 

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