UAが3000越えました。この作品を読んでいだいた皆様、本当にありがとうございます。
制作裏話をいたしますと、投稿したものの他に1話ストックをつくるようにしています。
そのため投稿が遅れるかもしれません。ご了承下さい。
今回は梨子ちゃん回です。
それでは「桜内梨子のお悩み」、どうぞ!
「ねえ玲士君、明日って空いてるかな?」
Aqoursの練習が終わり片付けをしていると、梨子ちゃんが声をかけてきた。
「明日はお店にも予約は入ってないし大丈夫だけど、どうかしたの?」
「うん、ちょっと相談したいことがあって・・・、明日家に来てもらえるかな?」
マネージャーとしてAqoursメンバーの相談にのることも大切な仕事だ。
「了解。お役にたてるかどうかは分からないけどね」
―――――――
「お邪魔します」
翌日、梨子ちゃんの招きに応じて桜内家を訪ねる。
中に通され梨子ちゃんの部屋に入ると、かな姉や千歌の部屋とは違うとても上品で良い香りがする。
「玲士、チャオ~」
部屋には僕より先に鞠莉姉が来ていた。
「二人ともごめんなさい、せっかくのお休みなのに・・」
「Aqoursのためなら平日も休日も関係無いよ。それよりも相談の内容は?」
「うん、実は・・・」
梨子ちゃんが見せてきたのは、何も書かれて楽譜だった。
「いざ曲を作ろうとすると全然イメージが湧いてこなくて・・・」
そう言って表情を曇らせ俯く梨子ちゃん。
元々梨子ちゃんは、あのμ'sで有名な東京の音乃木坂学院の生徒だ。
生まれも育ちも東京の彼女がこの内浦に引っ越してきた理由は、あるピアノの発表会で全く弾けなかった事があったので環境を変えたかったからだと以前彼女から聞いた。
その彼女がまたピアノの事で悩んでるなら助けてあげたい、そんな感情が自然と湧いてくる。
「それに来週の月曜日までには仕上げるって約束しちゃったし・・・」
「なるほどねぇ。でも、僕なんかで本当によかったの?鞠莉姉は作曲の知識があるけど・・・」
「ノンノン玲士、作曲に関する知識が無いからこそ、固まった考えに囚われないfreeな発想ができるのよ」
「自由な発想ねぇ・・・、とりあえず歌詞を見せてくれない?」
梨子ちゃんから渡された紙に書かれた歌詞を見る。テーマは『大切な人への想い』だった。
「大切な人への想いか・・・。ねえ梨子ちゃん、梨子ちゃんの大切な人ってどんな人?」
「へっ!?たっ、大切な人!?」
びっくりした様子の梨子ちゃん。僕そんなに変なこと聞いたかな?
「マリーにとってAqoursのみんなは家族みたいなものよ!そ・れ・と、玲士はマリーの弟みたいなものデース!」
「ちょっ、鞠莉姉!いきなり抱きつかないでください!」
隣に座っている鞠莉姉に思いきり抱きつかれる。なんか最近はかな姉よりも抱きつかれる回数が多い気がする。
「昔は自分からしていたくせに~」
「そうなの鞠莉ちゃん?」
「イエーッス!!鞠莉お姉ちゃ~ん、ってよく抱きつかれたものよ」
「ううっ・・・」
梨子ちゃんの前で少し恥ずかしい昔のエピソードを暴露される。
確かに昔はよくやってたよ。でもそれはかな姉の真似をしたかであって決して鞠莉姉からシャンプーの良い匂いがしたからとかそんな理由じゃないからね。
「私も鞠莉ちゃんと同じでAqoursのみんな、それと転校してきた私を受け入れてくれた浦女のみんなや町の人達、それと・・・」
「それと?」
どういうわけか梨子ちゃんは急に言葉に詰まる。
「れ、玲士君・・・」
「・・・へ?僕が?」
唐突に僕の名前が出たので思わずキョトンとしてしまう。
「Oh!これはまたずいぶんと突然の愛の告白ね!」
「へっ!?こ、こ、こ、告白だなんて!!そんなんじゃなくて!!い、いつも玲士君はAqoursを助けてくれるから大切な人って意味であって!玲士君!本当に違うの!!」
鞠莉姉の言葉に顔を真っ赤にしてあたふたとする梨子ちゃん。
千歌の時もそうだが鞠莉姉は何でこう変なことを言うのだろう。
「わかってるから梨子ちゃん、一端落ち着こう。ほら、お茶飲んで」
なんとかして梨子ちゃんを落ち着かせる。
「で、その大切な人への想い、例えば感謝の気持ちとかを思い浮かべながら曲を作ってみるってのはどうかな?抽象的すぎるか」
「Goodidea!梨子、早速やってみましょう!」
「ありがとう玲士くん。やってみるね」
そう言って梨子ちゃんと鞠莉姉はピアノに向かった。
―――――
三人で試行錯誤すること数時間、ついに曲が完成した。
「こんな感じでどうかな??」
梨子ちゃんは完成した曲を弾き終わる。
完成した曲は、大切な人への想いというテーマにすごく合った、綺麗でやさしい感じのメロディーだった。
「perfect!!素晴らしい曲だわ!」
「うん、凄く良いよ!」
「良かった。鞠莉ちゃん、玲士君、本当にありがとう」
そう言って深々と頭を下げる梨子ちゃん。
「梨子は一人で抱え込みすぎなのよ」
「どんなことも一人でするのは立派だけど、たまには人を頼っても良いんじゃないかなって思う」
「ありがとう。この埋め合わせは必ずさせて!
今日一日付き合ってもらったから・・・」
「いえ、マリーは遠慮しておくわ。だってdateは二人きりのほうが良いでしょ?」
「「鞠莉ちゃん!」姉!」
―――――――
梨子ちゃんの家を後にして連絡船乗り場で帰りの船を待つ。
「それにしても鞠莉姉、みんなの前で変なことを言わないでください。みんな困るし、こっちも恥ずかしいです」
「だ~って~あたふたする玲士がvery cuteなんだも~ん」
「まったく・・・」
「ふふっ、玲士もずいぶんと鈍感なのね」
「鞠莉姉今なんか言った?」
「いえ、なんでもないわ!」
Riko's monolog
玲士君に大切な人はと聞かれた時、びっくりしてすぐには答えられませんでした。
だって、私にとっての大切な人はあなたなんだもん。
Aqoursのマネージャーとして大切って事以上に私の想い人として大切なの・・・。
東京から引っ越してきて初めてあなたに出会ったあの日、あなたは見ず知らずの女の子である私が言った「海の音が聞きたい」なんて突拍子もないことに耳を傾けて、千歌ちゃん達と一緒にいろんな事で私を助けてくれました。
でも、あなたはきっと私なんかより千歌ちゃんや曜ちゃんみたいな明るくて活発な女の子が好きだよね・・・
新参者の私なんかに出る幕は無いのかな・・・
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は初の果南ちゃん未登場回です。
よろしければ感想、評価、文字の誤脱等の報告お待ちしています。
それでは、また次回。