『MY LIST to you』&ソロ曲最高。
UA6000突破しました。
読者の皆様及びアンケートにご協力していただいた皆様、本当にありがとうございます。
まさかこれほど多くの方にご協力していただけるては思いませんでした。
まずは三年生お姉ちゃん編から執筆しようと思います。
今回はルビィちゃん回です。
前書き長くなりましたが、
それでは「妹と弟の姉談義」、どうぞ!
休日、僕はかな姉に頼まれたおつかいがてら沼津の商店街を歩く。
「ん?なんだあれ?」
見るとそれは新しくできた洋菓子店の開店セールの行列だった。
実は、松浦玲士は『セール』とか『限定』等の言葉に非常に弱いのである。
だから普段なら買わないような物もついつい買ってしまうという悪い癖があるのだ。
「デザートに買っていくか」
行列に並び、おすすめと書いてあった特性プリンを4つ買っていく。
そして商店街をぶらついた後、店の近くに戻ってくると、ちょうど赤髪ツインテールの女の子がお店から出てきた。見まごう事なきAqoursの黒澤ルビィちゃんだ。遠目から見ても落ち込んでいるのがわかる。
「おーい、ルビィちゃ~ん」
「ピギィ!あっ、玲士さん」
僕に呼ばれてピョコンと小さく跳ねるルビィちゃん。
「もしかして、玲士さんもお買い物ですか?」
「うん、ちょっとおつかいを頼まれてね。ルビィちゃんはお菓子買いにきたのかな?」
「はい、でも欲しいものが売り切れちゃってて・・・。玲士さん、ルビィの相談聞いてもらって良いですか?」
そう言って上目遣いで頼み込むルビィちゃん。
こんな頼み方をされて断れる人がいるだろうか?いや、そんな人はいるはずがない。
「相談?良いとも。まあ、立ち話もなんだからどっか座れるところに行かない?」
「はい!」
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「実はお姉ちゃんが取っておいた抹茶味のお菓子を間違って食べちゃって・・・。それでお詫びにお姉ちゃんが大好きなプリンを買ってこようと思ったんだけど売り切れちゃってて・・・」
二人で入った喫茶店でいきさつを話終え、シュンとして俯くルビィちゃん。
「なるほどねぇ。優しいね、ルビィちゃんは」
「お姉ちゃんはいつもルビィが好きなものを分けてくれるから。それに今度のお菓子はお姉ちゃんが本当に楽しみにしてたみたいだから・・・」
ルビィちゃんの優しさに心を打たれる。
僕はAqoursには二人の天使がいると思ってる。一人目は堕天使の善子(ヨハネ)ちゃん。そしてもう一人が自称はしていないものの天使のようなかわいさと優しさを持つルビィちゃん。
つくづくダイヤさんは幸せ者だなと思う。
「ルビィ、玲士さんみたいにお姉ちゃんに頼らなくて良いようになりたいんです。ルビィはまだお姉ちゃんに頼ってばかりだから・・・」
「いや、僕もかな姉に頼ってばっかり。それに、ルビィちゃんはすごく成長していると思うよ」
ルビィちゃんはもう昔の彼女ではない。Aqoursのマネージャーをしていてわかる。昔は僕やかな姉がダイヤさんの家に行くといつも隠れちゃってなかなか姿を見せてくれなかった。
それが今ではスクールアイドルとして多くの観客の前で歌って踊っている。本当にすごいと思う。
「それにしてもうらやましいよ。ダイヤさんみたいな人を姉に持って」
ダイヤさんはその場にいるだけで凛とした雰囲気を醸し出し、厳しさの中にも優しさを兼ね備えている素晴らしい人だ。
「お姉ちゃんはスクールアイドルのことなら何でも知っていて、家でも宿題とかダンスの練習とか色々手伝ってくれて、ルビィの自慢のお姉ちゃんなんだぁ♪」
「でも、かな姉だって料理は美味しい、スポーツは得意、お刺身とか分けてくれるし自慢の姉さ」
僕が話し終わると、顔を見合わせて二人ともクスクスと笑う。
「お互い姉を持つもの同士考えることは同じみたいだね」
「そうみたいですね」
自分の姉を自慢したいと思うのはどちらも同じらしい。
「玲士さんは果南ちゃんと喧嘩しちゃったりする事ってあるんですか?」
「喧嘩かぁ・・・、最近はしてないけど昔はあったよ」
僕にとってかな姉は女神のような存在だ。
しかし小さい頃は愚かにもそのかな姉に楯突いたこともあった。
「確か家出するなんて言ったこともあったなぁ」
「い、家出!?」
「うん、あれは小学校に入るか入らないか位の頃―――」
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ある日、僕とかな姉は喧嘩をした。
喧嘩の原因は簡単明快、兄弟姉妹を持つ人は一度は経験したことがあるであろう『チャンネル争い』というものだった。
「今日は7時から『世界のイルカたち』見るの!」
「ヤダヤダヤダ!!そんなの見たくない!」
「玲士!お姉ちゃんの言うこと聞いて!」
「ヤダヤダヤダ!!見たくない!見たくない!他のやつ見たい!」
「見・る・の!」
「い・や・だ!」
「じゃあもう玲士にハグしてあげない!おかず分けてあげない!」
「ケチ!お姉ちゃんのいじわる!!」
「言うこと聞かない玲士がわるいんだからね!」
「むぅ~、もうやだ!玲士いえでする!」
そう叫んで僕は家を飛び出した。
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「―――――まあ、結局大事にならなくて済んだけどね」
「そんなことがあったんですか」
「後他にはね・・・」
「あら、ルビィ、玲士さん」
急に名前を呼ばれて驚いて振り向くと、入り口の辺りにその声の主はいた。
「ダイヤさん!?」「お姉ちゃん!?」
突然のダイヤさんの登場に僕もルビィちゃんも驚く。
「たまたま商店街を歩いていたら二人を見つけたので。ふたりでお買い物ですの?」
「いや、僕がたまたま商店街でルビィちゃんを見つけただけで・・・」
「ごめんなさい!ルビィ、お姉ちゃんが取っておいたお菓子を食べちゃったんです!」
突然ルビィちゃんが立ち上がって深々と頭を下げる。
ダイヤさんは驚いた様子だったが、次第に落ち着いた表情に戻っていった。
「いえルビィ、私の方こそあなたに謝らなければならないのですわ」
「と、言いますと?」
「実は一週間ほど前――――」
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「ダイヤ、冷蔵庫にお父様がお客様からもらったプリンがあります。お父様はいらないそうなので二人で食べなさい」
部屋で勉強しているとお母様が声をかけてきました。
言われて台所に行き冷蔵庫を開けてプリンを取り出す。
蓋を開けてスプーンで一口すくい、口に入れる。
「な、なんですのこの味は!?」
そのとろけるような美味しさに私は瞬く間に魅了されてしまいました。
「も、もう一つ・・・」
気づいたら私の手は冷蔵庫を開けてもう一つのプリンに伸びていました。
「る、ルビィ・・・、ごめんなさい!」
こうして私はルビィの分のプリンを食べてしまったのでした・・・
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「――――と言うことがあったのですわ」
「なるほどねぇ。結局二人とも同じことしてたってわけか」
「ルビィ、こんな私を許してください。お詫びに今度スイートポテトを買ってあげますわ」
「そうだ!もしよかったらこれ二人で食べて」
僕は箱からさきほど買ってきたプリンを2つ取り出し、二人に差し出す。
「本当に良いんですの!?結構高かったのではなくって?」
「いや、セールって聞いてつい多く買っちゃって。それに僕とかな姉の分があれば十分なんで」
「玲士さん、ありがとうございます!」
ペコリ と頭を下げて笑顔を見せるルビィちゃん。やっぱりルビィちゃんは天使だと思う。
「そういえば玲士さん、買い物は良いんですか?」
「あっ、いけない!すっかり忘れてた!」
ルビィちゃんに言われ、商店街に来た目的を思い出す。
「あんまり遅いと果南さんに怒られますわよ。早く行きなさい、ここのお会計は私がしておきますので」
「えっ!?そんな、悪いですよ」
「いえ、プリンのお礼ですわ」
「それじゃ、お言葉に甘えて。ダイヤさんありがとうございます!また学校で」
僕はダイヤさんに頭を下げ、喫茶店を後にした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでて分かると思いますが、タイトルにシスコンと銘打っているのにシスコン要素が少ないです。もっと精進します。
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