まぁ3月末には退職するので時間できるから執筆時間増えるんじゃないかな(白目)
見渡せど見渡せど自分が知らない場所…。先ほどまでは自分達は学校で授業を受けていたはずだったのだが今はそうでもない。普通このような状態になれば冷静を失い焦る気持ちが強くなっていくものだ。しかし、彼の内情は意外にも冷静であり穏やかであった。あまりの出来事で頭の回転が追い付いていないことも実際にはあるがそうではないようだ。それよりもむしろ彼からしたらこの場所は…
(なぜかはわからないがこの場所…
彼は過去の記憶を一部失っている。もしかしたらその時に経験があるのかもしれない。ただ、それを確定させられることは現状無理と判断した京太郎は後ろにいた幼馴染二人のもとに駆け寄り様子を伺う。この後のことを考えると三人で動くことを考えなければならない。
まぁこの状態で一人で行動するのは見当違いでもあり、なにより二人をほっとくことなどまず彼にはできないのだ。
和も先ほど震えがものすごく冷静でなかったし穏乃も和ほどではないにしろ戸惑っている感じである。この二人を置いて出口を探すことはとてつもない難易度になるだろう。
(和は動けなさそうだな… そうだ、さっき変に鳴っていた携帯にもしかしたら…)
そう思いつつ携帯を確認する。やはりというか画面はいつもの三人で撮った待ち受け画面とは異なり、この場所にいる人物名が表示されていた。よくよく見れば近くに同じ部員でもある愛宕洋榎と妹の絹恵の名前も確認することができた。少し安堵の表情を浮かべるがまだまだ問題は山積みである。今は和とシズを宥めつつ、二人がこちらにくるまで待つことにした。
side洋榎
(こっちのほうやな。)
アプリで場所を確認しつつ、妹と二人で後輩の所へ向かい始める。正直なところこの世界に京太郎が入ってることに最初は驚きを隠せなかったが今は合流することが大事であると判断していたのでそん考えは頭の隅っこのほうへおいやる。これに関しては元の世界に戻った後に大赦に聞けば問題ないと感じたからだ。曲がりくねった道を抜けていくと少し広めの場所にでることができた。その先に一年生三人組が見えたことでアプリが正常に稼働していることに安心したがまだ油断はできない。これから戦いが始まるのだから…
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「見つけたで三人とも。」
振り返れば手をつないで二人でこっちに来たであろう愛宕姉妹がこちらを見ていた。シズが駆け寄って抱き着いているが、このよくわからない場所で知ってる人間がいることに素直に喜んでいる感じだ。和もすこし落ち着きを取り戻しつつあった。
「みんな携帯今もっとるやろ?説明するから近くにきいや。」
そういうと京太郎を含めた四人に携帯の中にいつの間にか入っていたアプリについて説明を部長がしてくれた。
「このアプリにこんな隠された機能があったんですね部長。」
「せやで穏。非常事態になったときにな、アラームが鳴ると同時にアプリが起動するんや。」
「このアプリ…部長が部に入ったときにダウンロードしとけっていったものですよね?」
「…そうや。万が一の時を考えてな。」
…この感じだと部長はなにか知っているのか?そう考えた京太郎は質問しようとするが…
「部長は何か知っているのですか?」
どうやら和も同じことを思っていたらしい。京太郎が質問をする前に先に聞きにいっていた。
「‥‥もし知っているのならば、いったいここはどこなんですか?」
沈黙が場を支配する。部長は今言うべきか悩んでいる感じだ。目を瞑り考えていたがやがてその閉じた目を開いた。その目は何かを決心した目をしていた。
「‥‥あんたら落ち着いてよーく聞きいや。…うちはな、大赦から派遣されたもんや。」
「部長、大赦って神樹様を祭っている場所でしたよね。学校での挨拶の時にも礼をする…」
「それであっとる。」
部長は歳が一番上の人ではあるがまだ高校生である。逆にいえば高校生でありながら派遣されるというものはとんでもないことである。その理由は直接部長から聞かないとわからない。
「ちなみに絹恵先輩。先輩はこのことは知っていたのですが?‥‥絹恵先輩?」
「‥知らんかった。お姉ちゃん、それホンマなん?」
気になったので絹恵先輩に聞いてみたがどうやら本当に知らなかったみたいだ。自分の姉に聞こうとするその口の動きはとてもぎこちないものであった。
「すまんな絹。うちらが当たらなければ言うつもりなかったんや。」
「部長、当たりって…どういう意味ですか?」
ここからは部長が知っていることを包み隠さずに説明してくれた。部員集めも大赦の命令で行っていた部分があったこと、今いる場所が神樹様が作り出した結界の中であること。そして、神樹様が作ったこの結界の中で現れるという敵を倒さなければならないということを‥‥。
「当たりってことは他にも候補の人が俺らのようにいたってことですか?」
「せや、うちらは神樹様に選ばれてしもうたんや。」
「…そんなオカルトありえません!?」
「和!?」
「そんな…そんなことを急に言われても…」
和はいまだに信じられる状態ではなく声を荒げて叫ぶように言葉を放つ。いきなり時が止まったと思えば教室からこの場所に飛ばされたのだから無理はない。彼女は先ほどより冷静であったがそれでも納得はできてはいなかった。
ふと、携帯を見ていた穏乃が事を知っている部長に質問をする。
「あの‥‥この点はなんです?」
‥‥シズに言われるまでは気づかなかったが真ん中に映し出された五人の点の他にこちらに向かってきている大きな点があった。乙女型と書かれたその存在は事情を知っている洋榎以外にとっては不気味な存在としか思えなかった。
「‥‥来たんやな。」
そう言って部長は大きな点が示しているであろう方向を指さす。その先を見れば動きは遅いものの確かに巨大な生命体がこちらに向かってきていた。その姿は正に異端。彼らが生活していた世界の日常では絶対に存在してはいないであろうものが存在していた。
「な、なんですかあれ?浮いていますし…」
「あれが今回の敵ってことや。動きがトロイ奴で助かったわ。あれがバーテックス言うてな。世界を滅ぼすために攻めてくる…人類の敵や!」
「世界を滅ぼすって…そんなものがこの世にいるんですか!?」
「‥‥和。言いたいことはわかるで。現実逃避したくなることも…。けどな、今起きていることは現実なんや。」
「そんな…。」
「バーテックスの目的はな、この世界の恵みでもある神樹様にたどり着くことや。」
「つまり、あの敵を神樹様にたどり着く前にどうにかすることが私たちのやるべきことなんですか?」
「簡単に言えばそうや。これ以上は敵を見過ごせないから軽い説明をしていくで」
…簡単に言ってしまえばあいつが目的地に着く前にとっとと片付ければいいってことか。
(ハヤク、ハヤクアイツヲ‥‥)
(ワレハ■■ヲ■■リシモノ、ワレラニ■■■■ナンジヲ‥‥)
「
「ここにはうちらしかいないんや。アプリに対して戦う意思を示し、詠唱することでアプリが解除されて神樹様の勇者となれるんや。こうすれば、あのバーテックスとも戦えるように…って京太郎!?」
「きょ、京太郎君!?」
(ホロボス!)
気づいた時にはもう俺はアプリを開いて変身していた。黒を基調とした和服姿。これが神樹様の力を得た俺の勇者の姿らしい。この格好になるのはどうも慣れているみたいだ。彼の中では目の前にいる敵をただ滅ぼすことだけしか考えていない。後ろで皆の声がするが止まることはできない。自身の武器である剣を持ちひたすらに前に進んでいた。
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side 洋榎
(京太郎の奴、急にどないしたんや。いきなり変身したのにも驚いたがそれより…)
アプリで戦う意思を示したら戦えるようになると説明していた途中で変身したことにも驚いたがなによりも…
(あの殺気、なにかあったんやろか。)
京太郎から出ていた尋常でない殺気に一同は驚いていた。幼馴染二人に至っては軽い恐怖を感じている。
(それにあの詠唱…なんかで聞いたきがするなぁ。)
大赦のほうからは基本的に勇者になるのは基本的に神樹様に選ばれた人のみでそのほとんどが女性であると知らされていた。しかし、今目の前にいた男子の後輩でもある彼は自分が説明する前に変身し、敵へと向かっている。彼の過去になにがあったかはわからない。ただ、こうなってしまった以上調べねばならない。
(‥‥今は考えてる場合やないな。説明してはよあのアホの助けに行かんとな。)
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体が軽い。実際に今須賀京太郎は空を跳んでいる。飛ぶではなく跳んでいるのだ。変身直後に狂ったかのように乙女型バーテックスに向かう京太郎は未だ冷静に慣れてなかった。まさに荒れ狂う暴風の如く…敵である乙女型はその存在に気づき下腹部から小型の爆弾を京太郎に発射するがそれでも京太郎は止まらない。複数の爆弾を発射しても京太郎がもつその剣によって真っ二つに切りそがれてしまう。バーテックスは途中標的を変えたのかシズや和へ小型爆弾を放とうとするものの、その時にはすでに間合いに京太郎が迫ってきていた。
「よそ見している場合かよ!」
一発、二発と全体に攻撃を当てていくもののその場所はすぐに再生されていく。焦りからかはたまた見えてなかったのかその京太郎にバーテックスの触手による攻撃が迫ろうとしていた。
「しまっ!?」
当たればただでは済まない一撃が京太郎にあたろうとしたその時…
「勇者…パーンチ!!」
先ほどまで後ろにいたであろう高鴨穏乃がその攻撃を読んでカウンターで反撃したのだ。その姿は全体的に白とピンクを基準とした格闘物理型。ある意味山が好きで活発的に動く穏乃らしい勇者の姿であった。
いつの間にかこちらに来ていたことに京太郎は驚いたがすぐに反撃に移ろうとしていた。
「京太郎君!一旦下がりぃ!」
「このアホ!一人で突撃する奴がおるか!しかも説明しているのに…アンタまでけがしたらどないするっちゅうねん!」
穏乃だけでなく先輩でもある愛宕姉妹も応援に駆けつけていた。絹恵先輩は水色を基調とした勇者姿であり武器は前にサッカーでGKをしていた時を思い出させるかのようなワイヤーを軸にバーテックスの小型爆弾を包み込んでは相手に投げ返している。いうなればその使いようは慣れ親しんだ様子である。一方の姉である部長の洋榎先輩は赤を基調とした勇者姿でその武器は豪快な一撃を放つことのできる大剣であり部長の強気な性格に相応しいものだ。先ほど京太郎が突撃をしたあとすぐにここへ駆けつけたのであった。
「す、すいません部長。俺…」
「反省するのは後や。アンタは一回頭冷やすために下がっとき!まだ後ろには和もおるからな。」
彼女なりの気遣いだろう。実際さっきので頭は十分に冷えてはいたが現状和は一人で身を潜めている状態だ。ここでカン違いしてほしくはないが京太郎を助けに行く際に和が変身できなかったことでだれを残すか話をしていたのだが和が断ったのである。三人は流石にそれを却下したが和は自分が今回の戦いで足を引っ張ていると感じていたため危険にさらされている京太郎の増援に行ってほしいと言ったのだ。結局妥協案として三人で速攻で京太郎の救援に行き一度三人と京太郎を入れ替える形にすることで落ち着いた結果が今の状態である。
「‥‥すいません。一旦この場お願いします。」
「後で反省会ついでに飯でも行こうや。まだまだ話すことはいっぱいあるからな。」
「ハハッ。その時は俺が場所を設置しますよ。」
「あ、後、みんなにしっかりと謝っとき。穏は怒っとたし、和も泣いていたで。」
「…まぁ当然ですよね。」
後を頼みますと言ってその場を京太郎は去っていく。これ以上は話す余裕もなくなっていくであろう、二人の援護にも向かわなくてはならないのだから。言いたいことは山ほどあるがそんなのは後ででも問題はない、今は目の前で奮闘を続けている二人と共に日常を取り戻すのに剣を振るうだけだ。
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「和!」
「京太郎君!。いきなり飛び出して怪我でもしたらどうするのですか。私…心配で。」
京太郎が和の元へ向かったが彼女は半泣きの状態であった。友人が死ぬかもしれない恐怖と自分自身が変身出来ず何も出来ていないことへの悔しさと彼女の感情はぐちゃぐちゃになっていた。京太郎は自分の行動に後悔するも今すべきことをするために和を安全な所へ避難させなければならない。和を車椅子から下ろして抱きかかえ安全な場所に連れていく。後ろの方でいくつもの光が天に昇っていくのが見えた。どうやら無事に三人で倒したみたいだ。今回は初陣とはいえ、同じ部員に迷惑をかけたこと、そして幼馴染を泣かせてしまったこと。このことを考えると京太郎の初陣はとてもよろしいものとはいえない。しかし、今回のことで京太郎自身も反省をするだろう。
「‥‥なぁ和。」
「なんですか京太郎君。」
「俺、次はもっとしっかりするよ。今回みたいにみんなに迷惑をかけたし…次は勇者としてあきらめずにがんばるよ。」
「‥‥約束ですよ京太郎君。」
「約束するよ和。」
こうして清澄高校勇者部の初陣は危なげなくも勝利という形で幕をとじたのである。
やっとかけたよ戦闘シーン。話的にまだ原作2話の途中というスローペースという事実。
まぁ今回の京太郎暴走の理由はちゃんとありますよ。ここで書くとネタバレになるので書きませんが…
次回は反省会兼説明。あと少しだけ日常いれられればいいなと思う。