だらだらと時が流れます
夏休み、それは学生達の多くが待ち望む、青春の時間。アイス片手に空を見ると入道雲、耳に染み付く蝉の声、コンクリを煮えたぎらせる陽炎。全てが、夏を象徴し長旅に疲れた私を容赦なく出迎える
瑠璃『沼津と内浦、熱いわね…』
私はキャリーバッグを片手で引きながら、もう片手では棒付きアイスを食べる。私がいる場所は内浦。黒澤家、要するにルビィお母さんの実家、私のおばあちゃん家に向かっている途中です
瑠璃『そろそろ着く頃……あ、見えてきた』
目的地が見えてくる。そこは大きなお屋敷、誰がどう見ても、この家の者は只者ではない
瑠璃『いつ見ても…凄いわね。流石、元綱元』
まあ、毎年来ているから、今更驚くことはないんだけど…とりあえず中に入る
瑠璃『お邪魔しまーす』
『いらっしゃい、瑠璃さん。長旅ご苦労様です』
女性が私を出迎える。オレンジの長髪に、赤い瞳、着物を着て優しい顔をしたその人の名は…
瑠璃『お久しぶりです。千歌さん、今年もよろしくお願いします』ペコリ
千歌『はい!ご丁寧にありがとうございます。外は暑かったでしょ?中でスイカを用意しているから、どうぞ!』
瑠璃『はい!ありがとうございます』
私は靴を脱ぎ、千歌さんのあとについて行く。私の夏休みビッグイベント、数日ではあるが、おばあちゃん家での生活が始まった
千歌『お祖母様は顔を見せてくれれば良いと』
瑠璃『あ、はい。これを食べたら挨拶をしてきます』
スイカを千歌さんと食べながら雑談する。向こうではどうか。ルビィお母さんは?理亜お母さんは?そして…自然と、進路はどうするのかという内容に変わる
瑠璃『…実は、まだ決まってなくて…』
千歌『そう…確かに都会は大変そうですし』
自分がスクールアイドルの頂点を目指したいこと。でもそれは、仲間全員と一緒に目指したいということ。音ノ木坂やUTXではそれは難しいこと。全て話した
千歌『ふふっ、仲間思いね。瑠璃ちゃん』
瑠璃『仲間が大好きなんです』
千歌『見つかるといいわね!最高の仲間と、学校を』
瑠璃『はい!』
千歌さんは会話が終わると立ち上がり、家事作業に戻る
千歌『私は隣の部屋にいますから、何かあったら声をかけてくださいね』
瑠璃『は、はい!』
千歌『琥珀さんが帰ってくるのは夕ご飯前になると思います。それまではゆっくりと休んでいてくださいな。騒がしくなると思いますから…』
瑠璃『確かに、そうですね…』
琥珀姉様とダイヤさんが帰ってくると、必ず話が盛り上がって…千歌さんに怒られるんだよなぁ…まぁ、騒ぐのは琥珀姉様とダイヤさんだけど
瑠璃『スイカ美味しい…』シャクシャク
でも、にぎやかなのは嫌いじゃないけどね
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ー 数時間後 ー
ダイヤ『ただいま帰りましたわ』ガララ
琥珀『ましたわー!!』
どうやらダイヤさんと琥珀姉様、一緒に帰ってきたようです。琥珀姉様…玄関で大きな声を…また怒られるんじゃ…
ダイヤ『琥珀?騒がしくしたら、ぶっぶーですわよ?』
琥珀『あ、ごめんなさい…でも、この靴は…』
ダイヤ『靴?』
あ〜…私の靴かな?
ダイヤ『このようなオシャレな靴を履くのは…瑠璃ですわね!』
琥珀『もう着いたのですね!』
ドタドタドタ…足音二つ…近づいてくる…さあ、騒がしくなるかな
ガララ!!
琥珀『瑠璃!』
ダイヤ『無事ついたのですね!』
瑠璃『琥珀姉様、ダイヤさん、おかえりなさい。お疲れ様です』
ダイヤ『瑠璃、1年間でさらに綺麗に…』
琥珀『さっすが、都会の娘ですわ〜』
瑠璃『あっはは…(関係あるのかな?)』
ダイヤ『さあ!今夜は眠れませんよ!琥珀!』
琥珀『はい!お母様!聞きたいことがありすぎますわ!』
う〜ん、この流れ、そろそろ来るかな………あ、来た
千歌『お ふ た り と も ? ? ?』
ダイヤ『!!!?』
琥珀『千歌お母様…』
千歌『おかえりなさい』
ダイヤ『た、ただいま…』
琥珀『帰りました…』
千歌『ダイヤさん?毎年言っていますよね?騒ぎすぎだと』
ダイヤ『は、はい…気をつけます』
千歌『もうすぐ夕食です。手を洗ってきてくださいね』
怖ぇぇぇぇぇ!?千歌さん、目がまったく笑ってなかったよ!?え?怖っ、オーラがやばい!うん!やばい!(語彙力)
千歌『琥珀さん、お手伝いお願いしますね』
琥珀『は、はい!』
瑠璃『私も…』
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瑠璃『ふぅ…いいお湯だった』
お風呂からあがって、これから姉様の部屋へ向かいます。毎年、寝る時は姉様と一緒。姉様が、一緒に寝たいからって…まあ、仕方なくよ???
瑠璃『姉様、お風呂出ました』トントン
琥珀『どうぞ!入ってください』
姉様からお許しが出たので、部屋の中へ。琥珀姉様のお部屋は、伝統ある家とは別空間のようで、今どきの女子高生のお部屋です
瑠璃『姉様、また人形増やしたの?』
琥珀『はい!可愛いですよね!』
姉様のベッドの上には人形がたくさん。毎年増えているようで…しかも、全部寝そべり人形…
瑠璃『もうそろそろ、ベッドは定員オーバーになるんじゃ…』
琥珀『いやまだです!μ'sとAqoursのテラジャンボを揃えるまでは、増えますわよ!』
え!?あの部屋の隅にある凄く大きな寝そべり人形、まだ増えるの!!?μ'sとAqoursで18体……え?物理的にも、無理なのでは?
琥珀『ダイヤお母様の部屋にはμ'sのテラジャンボが全てありますわ!』
あ〜…だから姉様の部屋にはAqoursのテラジャンボしかないのか…
瑠璃『まぁ、程々にしてください…』
琥珀『もちろんですわ!!』
大丈夫かなぁ…??
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その後は千歌さんの時と同様に、進路について相談にのってもらいました
琥珀『ふむ…メンバー全員で頂点を…』
瑠璃『はい、ワガママですかね…』
琥珀『たとえワガママだとしても、それは大切なことだと思います。スクールアイドルは仲間とひとつになって初めて形になります。お母様も言っていました』
琥珀『誰一人欠けることなく、最後まで私達はAqoursだった。と』
瑠璃『最後まで…Aqours』
琥珀『Aqoursは9人でAqours。例えバラバラになっても決して消えることの無い絆』
瑠璃『離れていても関係ない…』
琥珀『そうですね。確かお母様達は一年に一度は必ず集まるようにしているらしいです。それに、会える日はなるべく会うようにしているとか』
凄い…部活仲間と卒業後も連絡とかを取りあうのはよく聞くけど、ここまで繋がりが深いとは…
瑠璃『私も、出会えるかな…』
琥珀『大丈夫。必ず出会えますわ』
瑠璃『どうして、そう言いきれるんですか?』
琥珀『わたくしが最高の仲間と出会えたからです』
瑠璃『最高の仲間…』
琥珀姉様の最高の仲間は、多分、同じ部活の…幼馴染達、私のでもあるか…
琥珀『鞠奈さん、莉南さん、そして梨曜さん、蘭さん、羽丸さん。全員、わたくしの最高の仲間です!』
瑠璃『幼馴染ですね。全員』
琥珀『はい!生まれた時から一緒に育ってきましたし、今スクールアイドルとして一緒に活動しているのは、鞠奈さんと莉南さんとの3人ですが、来年からは梨曜もメンバーに加わります!』
瑠璃『梨曜、水泳はやらないんですか?』
琥珀『莉南に負けたからやめる!って言っていました。本格的には』
瑠璃『一応、続けるんですね』
琥珀『はい。そうだと思います』
梨曜が水泳をやめるとか言い出すと、いろんな方面が騒ぎ出しそう…まぁ、水泳界では有名だし…
琥珀『梨曜さんは推薦での入学を考えているので、わたくし達と一緒にすでに練習を始めています』
瑠璃『じゃあ、今日も』
琥珀『はい。4人で部活を…オドレ!オドレ!アツクナルタメ〜♪
姉様の着信…Aqoursの「MY舞☆TONIGHT」だ…誰からだろう…
琥珀『鞠奈さんからですね。明日の練習についてでしょう』ピッ
姉様が鞠奈さんと話し始める。私も鞠奈さん達とは小さい頃から毎年遊んでいたから、今年もすぐに会うと思う。みんな明るくて、個性的で、一緒にいると…楽しい
琥珀『瑠璃、鞠奈さんからです』
姉様がスマホを私に差し出す。鞠奈さんが?久しぶりの挨拶だろうか…
瑠璃『もしもし?』
鞠奈『Ciao♪♪ 瑠璃!久しぶりね!早速だけど……』
鞠奈『明日の練習、一緒にやらない?』
スクフェス6周年前夜祭、無事に6周年ルビィちゃんとヨハネをお迎え出来たので、あとはWaterBlueのルビィちゃんを待つのみ…