このふたりの男女に祝福を! 作:スカイハーツ・D・キングダム
カズマ「ふうー、疲れた」
めぐみん「流石に連続でクエストを請ければ疲れますよ」
ダクネス「カズマ、これが今日の報酬金だ」
カズマ「ええっと……『牧場を襲う白狼の群れ討伐』で百万エリスに……『畑を荒らす一撃熊の親子討伐』で二百万エリス………合計三百万か……」
収入でいえば中々多いだろうがウチはパーティーなので
カズマ「……じゃあ四等分にして一人、七十五万エリスだな」
それでも多いが
めぐみん「………あの、カズマとアクアはもう少し多くとってもいいと思いますよ」
カズマ「え?なんで」
めぐみん「だってカズマやアクアは、報酬の殆どを借金返済にあてているではないですか」
ダクネス「そうだぞ。何だったら私達も払うが」
カズマ「生憎だが、借金は俺とアクアのふたりで返すって事にしているから、なあアクア?」
魔王軍幹部の一人、ベルディアを討伐してもうそろそろ2ヶ月近く経つ
俺達はこの二ヶ月間、借金返済の為に金稼ぎをしている
季節は冬
冬のモンスター討伐は自殺行為に等しいが、借金のある俺達には関係がない
いつもは冒険者でいっぱいのギルドには、俺たち以外には少ししか居ない
理由は冬のクエストは危険なので街の宿に引き篭もっているからだ
金のないやつは馬小屋だが、今の季節に馬小屋で寝たら凍死不可避だ
まあ屋敷に住んでいる俺達には関係のない話だけどな
アクア「ええ、だからふたりはお金を出さなくていいから」
めぐみん「で、ですがなぜ、あなた達だけが借金返済しなきゃいけないのですか」
カズマ「だって俺発案者だし」
アクア「私実行犯だし」
カズ・アク「「ねえ??」」
俺とアクアが互いの顔を見合わせて言った
めぐみん「そ、そうですか、分かりました(二人共仲いいですね)ですがもしも、ふたりではきつそうでしたら借金返済を私達にもさせて下さいね」
カズマ「本当にそうなったらな」
ダクネス「所でカズマ……借金は後どのくらいあるんだ?」
カズマ「ええっと少し待てよ」
俺はメモ帳を取り出して読み上げた
カズマ「借金は四千万エリスだろ?………この二ヶ月で請けたクエストの報酬金のいくらかを借金返済にあてた分と……ウィズの店に売り出したライダーの売上金と合わせると………一千万ちょいって所か」
2ヶ月で一千万エリス返せたのはなかなか大きかった
このぶんなら一年以内に借金返済四千万エリスを返済できるな
アクア「やっと一千万か………まだまだ長いわね」
カズマ「とにかく、今日はもう屋敷に戻って寝るか。明日のクエストは何にするか決めたからな」
めぐみん「え?もう決めたんですか?何にするのですか?」
カズマ「それは明日になってから教える……だからもう帰って寝よ」
こうして俺達はギルドを後にして、屋敷に戻り眠りについた
ダクネス「はあッ!!」
アクア「おっと!6匹目ゲット!!」
めぐみん「あっとッ!カズマ!そっちはどうですか?」
カズマ「オラァ!!まあまあだ。けどこれじゃあ目標の三百万には足りないな」
俺達は街から少し離れた所にある雪原地帯に来ている
そこには白くフワフワした丸い塊が漂っていた
カズマ「それなりにすばしっこく避けるな《雪精》は」
そう
このフワフワしている塊は雪精と言い
1匹倒すごとに春が半日速く訪れるというモンスター
こいつら自体は子供でも倒せるくらい弱く、しかも1匹討伐する度に十万エリスの報酬が出る
俺の目標の三百万エリスにいくには、30匹倒さなければならない
俺は普通に剣を使っているが、あまり当たらない
めぐみんは杖を雪精に叩きつけているが、やはり当たらない
ダクネスは剣と雪玉を使って雪精を相手にしている
………剣より雪玉があたる光景にジョブチェンジしたら?と言いたくなるのは俺だけじゃないはず
最後にアクアは杖
ではなく、どこから持ってきたのか虫取りアミを使っている、最初は何考えてるんだこいつと思っていたが、意外と捕まえているから俺も虫取りアミにすれば良かったんじゃないかって思えてきた
そうだ
こういう時にこそあれを使うべきじゃないか
俺は剣をしまい、手に魔力を集中させて
カズマ「『クリエイトアース』!」
使う魔法を言い、手に砂を出す
更にここで魔力を手のひらの砂に意識し
そして
カズマ「『ウインドブレス』!」
風魔法で飛ばした砂は勢いよく目の前にいる雪精に向かって放った
俺の飛ばした砂にあたった雪精共は
皆崩れ倒されていった
ウィズ「いいですかカズマさん。まず私の魔法を見てください。『クリエイトアース』!」
ウィズが手のひらに砂を出し
ウィズ「『ウインドブレス』!」
ウィズの手のひらにある砂は、ウィズが放った風魔法によって飛ばされていき、飛ばした先にある木に砂がめり込んでいった
めり込んだ!?
カズマ「え?待てよウィズ!!ちょっとこれどうなっているんだ!?」
砂が木にめり込むなんて光景、初めて見たぞ
ウィズ「今見た通り、砂が木にめり込みました。ではなぜ、砂を木にめり込ませられたと思いますか?」
ここで俺に問題を出して来た
……普通に考えたら魔力やレベルの違いとか出てきそうだが、何か違う気がする
何ていうか、今の俺でもウィズがやっていた事ができそうだと思う
ウィズ「分からないようですね。正解は…………魔力を砂に纏わせた……でした!!」
魔力を纏わす?
ウィズ「武器とかにあるじゃないですか。エンチャントができる剣やダガーなど………あれはとある魔石を武器に埋め込むことでエンチャントを可能にするんですよ。私が今言った、魔力を纏う事と似てると思いませんか?」
そうウィズが俺に問いかけてきた
ウィズ「しかし、魔石は無限に使えるわけではなく、長く使うと、魔石の効力を失ってしまいます。ですが、今私が使った魔法を纏うという行為は、魔力がある限り、無限に使う事ができます。」
なるほど、これを覚えれば
エンチャントができる武器を持つ必要も無くなるわけか
ウィズ「ですが、これを使えるようになるには、自身の中にある魔力を感じなければなりません。まずカズマさんはそれを覚える必要があります」
カズマ「どうすれば自分の中の魔力を感じられるようになるんだ?」
ウィズ「ちょっと失礼しますね」
そう言うとウィズは俺の左手を握ってきた
カズマ「ッ!」
ウィズ「え?あの、どうかしたんですか?」
カズマ「いや、ウィズの手が冷えていたからびっくりしたよ」
ウィズ「あ、私リッチーでしたので、体温は低いです。あの…不快な気分になりましたか?」
自分の体が冷たい事を気にしているのか、おずおずとした様子で聞いてきた
カズマ「いや?びっくりしただけで大したことない。むしろここまで冷えているなら夏とかに抱きまくら代わりになるんじゃないのかって思っただけだ。……いっその事、抱きまくらのバイトでもしたらどうか?」
ウィズ「ちょっとカズマさん!いくら私の体が冷えてるからって、それは無いじゃないですか!!」
カズマ「けどこのまま赤字続きなら、やらなきゃいけなくなるんじゃないか?」
ウィズ「…う……」
カズマ「(否定できねえのかよ)」
ウィズ「と、とにかく続きをやりますよ」
ウィズがそう言って、おれの左手を改めて握ると
カズマ「う、うお!!何だ!!何かが流れ込んできている!!」
ウィズ「それは私の魔力ですよ、カズマさん」
カズマ「ど、どうやってるんだ。あ!もしかしてこれがリッチーが使えるスキル、《ドレインタッチ》ってやつか?」
ドレインタッチ
触れた相手の魔力や体力を吸収し自分の物にしたり、逆に他の者に送ることができる
ウィズ「はい。よく知ってますね」
カズマ「これでもいろいろな本読んでるからな」
ウィズ「それでカズマさん……何か感じませんか?」
カズマ「……左手から何かが流れ込んでくるのを感じる……温かいスープを飲んだ時に体中にスープの熱が伝わっていく感じだ」
ウィズ「そう……その調子です。後はこれをドレインタッチ抜きでも体内の魔力を感じられるようになればいいです」
カズマ「質問何だか、その……魔力を纏う事とエンチャントって、どう違うんだ?」
ウィズ「ああ、その説明を忘れてました。エンチャントは簡単に言えば魔法を纏う事ですね。魔力を纏うのは単純に言えば強度アップという感じです。さっき砂に込めた魔力が多いので、木をめり込ませましたが、更に魔力を込めれば岩や鉄にめり込むことも出来るようになります。まあ木はともかく岩や鉄をめり込むほどの魔力はカズマさんはありませんし、岩や鉄をめり込ませる程の魔力持ちは、この街ですとリッチーである私と女神様のアクア様と紅魔族のめぐみんさんですね。街の外なら他の紅魔族の方々と魔王軍幹部の方々くらいです。最低でも
平均的なアークウィザードレベルの魔力が必要です」
結構難易度あるな
俺って魔力は平均より少し上程度だからまだ足りないか
カズマ「なあ、その魔力を纏うって、呼び名はないのか?」
ウィズ「え?あ、実はこれは私独自で見つけた方法何ですが、見つけて、物にするのに集中して、呼び名を決めてなかったんですよ」
カズマ「う〜ん……じゃあさ、魔力を装備品の様に纏う事から《まそう》魔装って呼ばないか?」
ウィズ「魔装ですか……ええ、いい呼び名です。これからはそう呼びます」
こうして俺は自身の魔力を感じられる様に何日もウィズの元で修行した
ウィズ「実はエンチャントは魔石を使わずとも出来るんですよ。と言うのもエンチャントとは魔法を、魔装は魔力を纏う。似ているからやり方を覚えればエンチャントも出来るようになりますよ。」
カズマ「まだあんのかよ」
アクア「痛い痛い痛い痛い!!ちょっとカズマさん!痛いんですけど!」
カズマ「いや前に立つな!!お前にまで当たるだろうが!!」
めぐみん「もう当たってますけどね」
そう地面に倒れているめぐみんが言う
爆裂魔法を雪精に向かって撃ったことで魔力を失い、すっからかんになっている
カズマ「それでアクア、俺の砂をくらった感想は?」
アクア「なんの感想聞いてんのよ!!BB弾に当たったみたいに痛かったんですけど!!」
ぐっ!
俺の魔装をした砂じゃBB弾程度が限界か
幸運なのは雪精がBB弾レベルの砂で倒せる程弱かったことだ
と、俺達が雪精を狩りとっていると
カズ・アク・めぐ・ダク「「「「!!!!」」」」
ものすごい殺気と威圧を感じた
俺達が殺気と威圧を感じた方角を見るとそこには
全身を白く染め上げた重厚な鎧、そして日本式の白く重厚な鎧兜に、同じく真っ白で、キメ細やかな陣羽織を着て、手には白い刀を握っている、さながら戦国武将を思わすソレが立っていた
突然だが、疑問に思わないか?
雪精という、BB弾程度の砂でも倒せるくらい弱いモンスターが、1匹討伐するごとに十万エリスなのに、請ける者がいない理由
それは目の前のソレが原因だ
カズマ「《冬将軍》、雪精共の主にして国に高額賞金がかけられている特別指定モンスター。配下である雪精を倒しすぎると主自ら現れて、配下を倒した者に死を与える」
ダクネス「ど、どうするかカズマ!流石にこいつには勝てるとは思わないが」
カズマ「言われなくても分かっている、俺もこいつと戦う気はない……というわけで逃げるぞ」
俺達の会話を聞いていたのか
冬将軍が刀を握りしめて襲いかかってきた
カズマ「全員!ふせろ!!」
俺はすばやくバックに入れていた物を冬将軍に向かって投げた
投げたソレを冬将軍は刀で切った
次の瞬間
「ドウオオオオオオンッッッ!!!」
カズマ「毎度お馴染み爆発ポーションでした」
カズマ「おい!!くそ大トロ!!」
大トロ「な、何だよカズマ」
カズマ「お前何だ?投稿遅くなる以前に新しい小説を投稿し始めてるじゃねえか!!」
大トロ「い、いやあ〜、ちょっとモチベーション的な問題で、つい」
ソラ「それを理由に投稿遅れるんじゃねえよ!!」
霊夢「やるからにはちゃんと、失踪せずやりなさい」
大トロ「い、いやあでも、こっちの投稿を遅くすれば、そっちの出番(投稿)ができるんだが」
ソラ「……」
霊夢「……」
ソラ「何言ってんだお前」
霊夢「そんなの駄目に決まっているじゃないの」
カズマ「おい今の間は何だ」
大トロ「こいつら絶対『あ、それならいいか』って思ったな」