このふたりの男女に祝福を! 作:スカイハーツ・D・キングダム
《キールダンジョンのクエストを終えた翌日》
カズマ「ってな事があったわけ」
ウィズ「まさかアクセルの近くに私以外のリッチーが居たなんて、私知りませんでした」
カズマ「なあ?こんな事言うのはなんだけど俺冒険者始めて一年も経ってないんだが、こんなに大物と遭遇する事って、多いと思うか?」
まず目の前にいるリッチー(ウィズ)に魔王軍幹部のデュラハン(ベルディア)に冬将軍、それにリッチー(キール)
やたら大物とのエンカウント率が高い気がする
ウィズ「確かに多い気がしますが、冒険者をしていたら嫌でも慣れてきますよ」
カズマ「嫌もう慣れてきてんだが…」
多分今の俺は駆け出しどころか中堅冒険者よりもメンタルが強いんじゃないかと思う
カズマ「そういえばウィズ、ベルディアの時言ってたよな、自分は結界を維持してるだけのなんちゃって幹部だって、だから他の幹部とは特に交流はないって言ってたけど一人交流のある幹部がいるって」
ウィズ「はい、確かに一人います」
カズマ「こう言っちゃあなんだが、幹部の中では変わり者に近いお前と交流のある奴なんてそいつも変わり者なんじゃないかって思うんだが」
ウィズ「まあ確かにあの人も変わり者だとは思いますが……ですがなぜ急にそんな話を始めたんですか?」
カズマ「いや、ちょっと興味あるからさ、人類とも魔王軍とも敵対しない中立の立場にあるお前と交流がある奴、興味湧いちゃってさ。話してくれないか?」
ウィズ「はい。ではまずその人の立場についてお話しします。その方は、私と一緒で結界の維持してるだけのなんちゃって幹部なんですよ。だからでしょうか、私と交流があるのは。ですが、実力は幹部の中ではトップレベルで冒険者時代、全く敵いませんでしたよ」
カズマ「人間だった頃のウィズがどれだけ強いのか分からんが、リッチーになれる素質があるくらいだからよっぽど強かったんだろうな。それでそいつって種族だと何にあたるのか?」
ウィズ「悪魔です」
カズマ「……悪魔って、あの悪魔か?人間の悪感情を喰らうあの?」
この世界の悪魔は人間の魂や血肉を食料としておらず代わりに人間の悪感情つまり、人間が出すマイナスの感情、例えば憎悪や怒り、羞恥心などを食料にしている
後悪魔は契約にやたらうるさい
だが対価を払うなら願いを叶えてくれる存在でもある
ウィズ「普段から変な仮面をかぶってて常に相手を苛立たせる様な言動をとって悪感情を得ようとしているんですよ」
カズマ「俺の中の悪魔のイメージが壊れていくんだが」
ウィズ「気持ちはわかります、私もそうでしたので、後悪魔の中でも上位の地位、地獄の『公爵』でもあって本来なら地獄の悪魔達を率いる存在なはずなんですが、ある目的を果たす為に地獄ではなく地上にずっと留まり続けているんですよ」
カズマ「そいつかなりの大物じゃねえか。んで、そいつ名は?」
ウィズ「あの人のお名前は……」
カズマ「魔王軍幹部にして、悪魔共を率いる地獄の公爵。この世の全てを見通す大悪魔、バニルか…」
俺は目の前の仮面の男、もとい悪魔の言おうとしたセリフを全て言ってやった
バニル「ほう、この見通す悪魔の言おうとしたセリフを先に言うとはやってくれるな冒険者の小僧よ」
ダクネス「カ、カズマ、目の前の悪魔を知っているのか?」
カズマ「ああ、ウィズの言ってた特徴とあっていたから分かった」
バニル「む、あの貧乏店主と知り合いか、そこまで見通しておらぬかったわ」
ダクネス「な、何を言って…」
カズマ「さっき俺が言ってただろ、この世の全てを見通すって、つまりそれがこいつの能力だ」
ウィズが言っていた
バニルの二つ名『見通す悪魔』はこいつの能力からそう呼ばれている
カズマ「見通す、つまりは過去や未来を見通す事ができる。さっきお前言ってたよなあ?『ようやくここにたどり着いたか』お前、俺達が来る事を見通していたんだよな?」
俺はバニルにそう言うと
バニル「フッフハハハハハハ!あの貧乏店主から我輩の情報があるといえ、あの短い会話からそこまで読むとは、以下にも、汝らが今日、この時、この場所に来ることは分かっておったわ!!」
高らかに笑って答えた
ダクネス「ちょっと待て、カズマの言っていることが本当だとしたら!」
カズマ「見通されるから攻撃しても避けられる、例えば俺が今からこいつに剣を投げて」
バニル「その後我輩が避けた所に拘束のスキルを使って動きを封じ込んで攻撃する、と言った未来の小僧の動きを見通す事ができる」
カズマ「……なんて感じのことしてくるからこいつの前では全ての攻撃はほぼ無意味だ。チートにも程があるな」
とここで俺は今まで一言も喋らないアクアの存在を思い出した
カズマ「アクア、お前どうし…」
アクア「悪魔倒すべし、悪魔滅ぶべし、悪魔倒すべし、悪魔滅ぶべし!!」
アクアの目がもうイッテいた
そういえばこいつリッチー(俺がストップさせているから今はやめている)もそうだが特に悪魔に対して異常なくらいの殺意を向けるんだったな
カズマ「お、おいアクア待て!」
アクア「『セイクリッド・ハイネスエクソシズム』!」
俺の静止を無視し、アクアが普段使わない破魔魔法の最上位版をバニルに撃ってきた
バニル「おっと、不意打ち攻撃してくるとは、やはりこの後ろの結界を貼った人間だけあって、忌々しいではないか。いや…これだけの結界を貼るのは人間では到底不可能………そうか、汝は」
バニルは冷静に喋りながらアクアの攻撃を避けた
アクア「うるさいわね!!その結界は、このダンジョンに悪魔やアンデッドが沸かない様にする為に貼ったものよ!!『セイクリッドハイネスエクソシズム』!『ゴッドブロー』!」
なおも攻撃を続けるがバニルに避けられる
バニル「……これはこれは随分と面倒な事をしてるではないか。この結界のせいでこの先の部屋に入れなくて困っていた所だったのだからな。我輩がバニル人形をばらまいたのは、我輩がここでの目的を果たす間、邪魔が入らない為だったのだが、元凶がこうして出てきてくれるなら好都合、ああ安心しろ小僧共、我輩にとって人間とは我輩のご飯を製造してくれるご飯製造機であり、それを壊したり傷つけたりする事は決してない。……そう、人間はな…」
カズマ「!」
バニルそういってアクアに攻撃を仕掛けようとした
アクア「これで滅びなさい!ゴッど!?」
俺はアクアが攻撃しようとした瞬間、アクアの首に峰打ちをした
アクア「あ……な…ん……で……」
そう言ってアクアは地面に倒れて気絶した
カズマ「……俺の静止を無視した罰だ」
バニル「む、何故その娘を気絶させた小僧?」
カズマ「そんな事俺の口で言わせる気か?そんなチート能力あるならそれで俺の真意を見通せばいいだろ?」
バニル「フム…………」
カズマ「………」
バニル「ほう……そんな事が」
カズマ「これで分かったはずだ。後お前の目的を果たすならここはやめてくれないか?」
バニル「…………なるほど、ここは元々ここにいたリッチーが建てたものか、ならやめておこう…ここも悪くないが我輩の理想にはまだ足りないな」
カズマ「……所で俺はウィズからお前の事を聞いた時、お前と会って話がしたかった。お前の目的を果たすのには俺の力もいるんじゃないかって思ってな」
バニル「……ほう…中々面白い事を考えているでは無いか」
カズマ「だがそれをやるには今の立場では色々面倒だろ?」
バニル「………フッフハハハハハハ!!面白い!小僧のその考えに、この見通す悪魔、乗ってやろうではないか!!」
ダクネス「な、なあ、さっきから何を話している?そしてどうして所々話が抜けているのに成立している」
カズマ「それは後で話す。ダクネス」
ダクネス「な、なんだ?」
カズマ「バニルにトドメを刺してくれ」
ダクネス「はあ!?」
俺の言葉にダクネスが驚くまあ、そりゃあそうなるわな
ダクネス「な、何を言って」
バニル「フム、小僧の言うとおりだ。さあ、我輩にトドメを、さすがよい。ああ、一つ言い忘れておったわ。我輩の本体はこの仮面だ。この肉体は魔力で作り出したにせものだ。だから体を斬られても我輩は痛くも痒くもない。しっかりと狙え」
ダクネス「カ、カズマ…」
カズマ「大丈夫だ。俺を信じて斬れ」
ダクネス「わ、分かった。よ、避けるなよ?」
そう言ってダクネスはバニルに近づき、高らかに剣を振り上げて
ダクネス「はあっ!!」
バニルを斬った
様に見えたが得意の不器用で斬れてない
ダクネス「よ、避けるなと言ったはずだ!!」
カズ・バニ「「こいつ(我輩)は避けて(おらん)ない!!」」
二度目でトドメを刺した
………しまらないな
バニルを倒した事でレベルアップ
ダクネス
レベル13→21