このふたりの男女に祝福を!   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第50話 狂人達の裏でうごめく影

めぐみん「ふう〜、色々あって疲れましたね」

 

ダクネス「ああ…肉体的に疲れることはあっても精神的に疲れることは滅多にないぞ」

 

今ふたりはアルカンレティアにある宿の温泉に入っている

 

あの後もアクシズ教徒達からの洗礼を受け続けた

 

その間渡された入信書の数実に数百枚以上

どう考えても紙の無駄遣いだ

 

めぐみん「アクアはアクアでなぜか部屋に籠もって落ち込んでますし、カズマはカズマで殺意に満ちてましたしね。これは旅行先をエルロードにしておけば良かったんでしょうか、最近来なかったからここがどういう場所か忘れていたのは失態ですよ」

 

ダクネス「まさかめぐみんが、昔アルカンレティアにいた事があったなんて知らなかったぞ」

 

めぐみん「ちょっとアクセル行きの運賃を稼ぐ為に滞在してたんですよ。あの時も今のような洗礼をうけましたねえ」

 

と、湯に浸かりながらため息をついた

 

カズマ「そこに居るのはめぐみんとダクネスか?」

 

めぐ・ダク「「え?」」

 

突然カズマの声がしてふたりは驚いて辺りを見渡す

 

当然カズマがいるはずがない

 

無いはずなのだが

 

カズマ「こっちだ!」

 

また声がした

 

声がした場所は今めぐみん達がいる女湯の垣根の向こうからだ

 

垣根の向こうって…

 

ダクネス「カカカカカカカズマ!?いいいい今こここ混浴に居るのか!?」

 

めぐみん「ちょっとどこに入ってんですか!?カズマがそんなスケベとは思いませんでしたよ!!」

 

カズマ「おい待てコラ!勝手に俺にスケベとか言ってんじゃねえよ………で、お前らまだ入るのか?」

 

めぐみん「何を聞いてくるんですか!?」

 

カズマ「良いから答えてくれ」

 

めぐみん「………私もダクネスも入ったばかりですしもう少し浸かってようとは思いますが…」

 

カズマ「そうか…ならもう少し浸かっていてくれ。俺は先にあがって外で待ってる。お前らに大事な話がある」

 

そう言って混浴の湯から誰かが出ていく音がした

多分出ていったのはカズマだ

 

めぐみん「……どうしますか?」

 

ダクネス「どうするって……とりあえずもう少し浸かってからカズマの所に行こうか?」

 

めぐみん「……そうですね。カズマが何を話したいのか分かりませんがそうしましょうか。後なぜ混浴にいたのかも問いただせないといけないですしね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ハァ…どうなってんだこの街は、観光に来たのに全く観光できねえし、観光して周ったのとは違う疲れもくるし、どうなってんだマジで……」

 

俺は苛立ちと疲れを同時に抱えながらアルカンレティアにある俺達が泊まる宿の温泉の前にある三つの入り口に来ている

 

左から 男湯 混浴 女湯

 

カズマ「……そういえば、日本の温泉に行っても混浴ってあまりないんだよなあ…」  

 

そう考えながら男湯に行こうとした

 

???「それでどうなの?」

 

???「これで忌々しいこの教団も終わりだ。秘湯での破壊工作が終わった。今の所他の温泉でも順調にいっている。全てが上手くいったなら、後はただ、待てば良い。長い寿命を持つ俺達にとって十年や二十年の時を待つのは何でもないことだからな」

 

が、混浴の浴場からそんな会話が流れた

 

カズマ「!?」

 

俺は驚いた

3つの意味で驚いた

 

一つは今の話の内容に対して

忌々しい教団、つまりアクシズ教団の事を察している

 

二つ目は話している者が人間ではないという事に対して

『長い寿命を持つ俺達にとって十年や二十年の時を待つのは何でもないことだからな』

この言葉で人間ではない何者かがアクシズ教徒を潰そうと企んでいる事が分かる

 

そして

 

カズマ「……全く感じなかった……魔力が」

 

そう

混浴にいる者の魔力を感じなかった

 

魔力はこの世に存在する者全てに当たり前のように持っている物

 

俺やウィズのように、相手の魔力を読み感じとれる者達を除けば魔力を普通は感じない

 

だがその俺達でさえ魔力を感じない事はある

その場合は主に2つに分けられる

 

一つは完全に死んでいる(アンデッドになった時は感じるが、アンデッドになってない死体からは感じない)

 

もしくは

 

カズマ「……中にいる奴が魔力を隠している」

 

気配を隠すように、魔力を隠すのはかなりの高等技

 

つまり中にいる奴は相当な実力者ということになる

 

カズマ「……これは、探ったほうがいいか…」

 

そう考えた俺は混浴の脱衣場に入った

服を脱ぎながらも浴場からの会話の続きを聞き逃さない

 

???「…ハンス、そんなことを一々報告に来なくても良いのよ?何度も言ったとおり私は湯治に来てるの」

 

???「そう言うな。正攻法じゃどうにもならないこの教団を潰せるんだぞ?」

 

ええっと、中で話している男の名はハンス……女性の方は……名前が出てこなかったな

 

ついでに姿も見たほうがいいか

 

女性も居るようだし、一瞬で姿を確認するくらいに

 

そう考えながら腰にタオルを巻き、引き戸の前に歩いて行き、前触れもなくスパンと開ける

 

ハンス・女性「「ッ!?」」

 

突然開けられた扉とその音に、中にいたふたりはビクッと震えた

 

カズマ「!?」

 

そしてここで俺も一瞬ビクッと震えた

 

あのふたりがビクッとなったほんの一瞬

 

隠していたふたりの魔力が一瞬漏れた

 

カズマ「(やべえ……実力者とは思ってはいたがこれは予想以上だ…)」

 

ふたりから感じた魔力の大きさは、どちらもデカイ

女性の方は特にデカい 

こいつらは…幹部クラスか…

 

だが…その女性から感じる魔力はどこか…アクアを彷彿とさせる物だった

 

俺は内心焦りながらも顔には出さずふたりの男女を見た

 

片方のハンスと呼ばれた男は筋肉質で背の高い、茶髪を短く切りそろえていた

 

もう片方は……赤毛のショーカットのお姉さん

…デカイな…どこがとは言わないがデカイな

 

赤毛の女「(ねえ…ひょっとして聞かれた?)」

 

ハンス「(さあ……だがこっちを見ているな…)」

 

いっけね長く見すぎた

これは怪しまれたか……どうにか誤魔化さないと……

 

ハンス「(……なあ…お前の方ばかり見ているがあれは…)」

 

赤毛「(う……多分アレは疑いの視線じゃなくて…好奇の視線ね……)」

 

あ…視線を赤毛の女にしたままどう誤魔化すか考えてたらどうにかなった

 

そして心なしか赤毛の女がさっきよりも深く湯船に身を沈めた

 

ハンス「(ま…まあいい……とにかく俺は次の場所に行くから!)」

 

小声だったから話の内容は聞き取れなかったが、男がそそくさと出ていく

 

……ふと、男の体が全く濡れていないのに気がついた

 

赤毛の女「……」

 

カズマ「……」

 

う〜ん、気まずい

 

混浴には今、俺と赤毛の女しかいない

 

赤毛の女「……あの、あなたはこの街の住人じゃなさそうね」

 

と、赤毛の女が話しかけてきた

 

カズマ「……なんで俺がこの街の住人じゃないって思った?」

 

赤毛の女「それは簡単よ……あなた…この街の住人特有の空気してないから…」

 

カズマ「要するに俺はあのイカれた狂信者達みたいではないと?」

 

赤毛の女「イ、イカれたってあなた……まあ分からなくもないけど」

 

カズマ「……ここは魔境だ…」

 

俺は顔を空に向けながらため息をついた

 

赤毛の女「い、いろいろあったみたいね……」

 

赤毛の女が俺に同情する様な目を向けた

 

カズマ「ここがこんな魔境だって分かってたら最初から来ねえよ……それで…なんでお姉さんはこんなイカれた狂信者達の巣窟に来たんだ?」

 

赤毛の女「……あなたからいろいろと負の感情を感じるわね………私…温泉が好きで休暇の時はよく……こうして温泉巡りしているの……この街の温泉は本当にいいわ……空気も美味しくて…景色も綺麗で最高の街よ!………この街の住人を除けば……」

 

カズマ「…アンタもかい……」

 

気がつけば俺は…このどこの誰だか分からない人間ではない者と話が弾んだ

 

カズマ「いや〜、正直助かったよ、この街に来て唯一まともな人種に会えたからさ…」

 

赤毛の女「私もよ……あなたとはもう少しお話したい所だけど、私も行かないといけない所があるから、もう上がるわね……」

 

そう言って赤毛の……お姉さんはタオルで体を隠しながら湯船から出て行こうとした

 

カズマ「そうか…またどこかで会えるといいな、お姉さん…」

 

そう言って湯船から上がる無防備な所を見ないように顔を背けた

 

赤毛の女「ありがとう……話し相手になってくれたお礼に一つ忠告しておくわ…」

 

お姉さんは俺の所に歩みながら

 

赤毛の女「この街からは出ていったほうがいいわ…でないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

せっかく助けてあげたのに無駄になっちゃうから」

 

と意味深な事を俺の耳元に告げた

 

カズマ「ッ!?」

 

俺は驚いて後ろを振り返る

 

そこにはもうお姉さんは居なくなっていた

 

『この街からは出ていったほうがいいわ』

 

どういう事なんだ……それに…

 

 

 

カズマ「……バレてたか」

 




もうこれからはどの二次小説を投稿するか
知らせといた方がいいと思ったからこれからはそうします。

次回【このふたりの男女に祝福を!番外】

6月7日はあの人の誕生日!!
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