このふたりの男女に祝福を!   作:スカイハーツ・D・キングダム

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第57話 紅魔の里までの道中

『拝啓 アクセルの皆さんへ せっかく旅行に行ったのに旅行先が魔境で魔王軍幹部と交戦するという事態になったものの俺達は元気です。皆さんはどのようにお過ごしでしょうか? ルナは相変わらず影で行き遅れと言われてるのでしょうか? ダストは相変わらず無銭飲食で警察のお世話になってるでしょうか? ウィズはウィズで砂糖水生活をお過ごししてるのでしょうか? 

 

え?俺はどうしてるかって? 俺はですね

 

 

 

ゆんゆん「カズマさん逃げてください!」

 

めぐみん「待ってください!今爆裂魔法の詠唱をするのでそれまで生き延びててください!!」

 

ダクネス「……」←ショックで気力を失い倒れてる

 

アクア「カズマー!捕まったら命はないと思いなさい!!」

 

オーク♀共「「「待ちなさあああああいい!!私達と良いことしましょうよおおおおおおお!!」」」

 

現在命がけの逃走をしています

 

 

 

翌朝、アルカンレティアから出た俺達はそのまま紅魔の里に向かって歩き出した

 

特に何事もなく順調に旅を続けられてたが…

 

カズマ「クソがあああ!!アクアコノヤロー!!」

 

ウチの問題児の筆頭であるアクアがやらかしてオークを呼び寄せた結果今に至る

 

そもそもなぜアクアがオークを呼び寄せ、俺が追われてるのか…それは遡ること昨夜に至る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は、俺が使っている部屋の中央で木箱の前に座り、中身を見ていた

 

カズマ「……まさか…完成したのか…」

 

ゆんゆんが持ってきた木箱の中には

 

二本の刀が入っていた

 

長さや形状は俺の知る日本刀と差異はなく、片方の刀の刃には白い龍が…もう片方には黒い龍

 

それぞれの刀に違う模様が彫られていた

 

差出人は

 

『ガリオス・ローグ・キルバス』〔43話参照〕

 

ようやく完成して俺の元に届けてくれたみたいだ

 

キルバスには、武器のリクエストで刀にしてほしいと頼んだ

 

キルバス自身、刀は作った事が無かったと言ってたので、俺が構造を簡単に説明して、俺の知る刀を作ってくれた

 

っと、木箱の中には、刀以外にも紙が一枚入っていた

 

内容は…この双刀は、上級ドラゴンの龍命石をそれぞれ一つずつを使って作った

まず、この双刀に俺の血を一滴ずつ垂らす

 

そうすることでこの双刀は、俺及び、俺の血を継いでいる者以外ではただの切れ味の良い刀としてしか機能しない

 

カズマ「……ッ…」

 

俺は指の皮をちょっと噛みちぎり血を出させ、双刀に垂らす

 

すると

 

カズマ「!」

 

血を垂らした双刀が突如光だし、宙に浮いた

 

そして

 

急に俺の方に飛んできた

 

カズマ「ッ!!」

 

俺は咄嗟に両腕をクロスさせて飛んで来る双刀を防ごうとした

 

だが、双刀は俺を刺すことはなく…それどころか、俺にぶつかる瞬間に、消滅した

 

カズマ「……へ?」

 

今さっきの出来事を受けて、驚いていた

 

そして周りを見た

 

だが周りのどこにも双刀は見当たら無かった

 

どこかに行ったのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・

出てこないかなあ……

 

そう思った瞬間…俺の両手から光が出たかと思うと……

 

 

 

 

 

 

カズマ「……こんなことってあんのか…」

 

俺の両手は、双刀を握っていた

 

俺が心の中で出てこないかなあと思ったから出てきた

 

……と言う事は

 

俺は心の中で戻れと言うと、握っていた双刀が消えていった

 

どうやらこうやって出し入れが出来るようだ

これは……死ぬほど便利だ

 

これなら万が一でも瞬時に攻撃できたり、攻撃のパターンを大幅に増やせるし…捕まった時とかにも出して対抗する事ができる

 

……双刀は俺の中にあるって事か……

 

紅魔族が聞いたら興奮しそうだな

 

そう思っていると今度は

 

カズマ「……マジすか…」

 

俺の冒険者カードが光り輝いた

 

カードを見てみるとなんと…全ステータスが1.5倍ほど上がっている

 

しかもカードのスキル欄には見たことも無いスキルがいくつか表示されていた

 

カズマ「こいつは嬉しい収穫だ」

 

俺は思わず笑みを浮かべた

 

そうだ…せっかくこれから長く使っていくからな

 

名前とか決めといた方が良いな

 

カズマ「……そうだな……日本人としての感性でシンプルにこいつらに名付けるとしたら……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「てなことがあった訳だ…」

 

翌朝…俺達はアルカンレティアから出て数時間程歩く道中…俺は昨日の事を話した

 

アクア「そんな面白武器手に入れるなんてラッキーね…」

 

めぐみん「カ、カッコいいです!!このカタナと言う武器、紅魔族の琴線に大きく触れます!!」

 

ゆんゆん「わ、私は普段あまり武器をカッコいいとか思いませんが…これは本当にカッコいいです!」

 

ダクネス「これは随分と見事な造形をしているな……武器鑑定があまり出来ない私でもかなりの業物に見えるな…流石は国一の鍛冶職人の作った武器だ……」

 

カズマ「そうなんだが……実はまだこの双刀の新スキルとか使ってないし何ならまだ模擬戦でも実戦でも使っていないからまだよく分からねえんだよこれの凄さとかさ……」

 

アクア「あ…それなら今ここで試せばいいじゃないの…」

 

そう言うとアクアが何やら魔法の詠唱を始めた

 

カズマ「お、おいアクア、何勝手にやってんだ、嫌な予感するから辞めてく(アクア)「『フォルスファイア!』」……遅かったか」

 

そう思いながらアクアが空に打ち上げた青白い炎を見て言った

 

 

そしてほんの十数秒後

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「さあカズマ!今こそ新ウェポンのデビュー戦よ!!」

 

カズマ「出来るかふざけんなーー!!」

 

確かに武器を試したいとは言ったが

 

カズマ「オーク♀の群れを呼べなんて誰が言ったんだーー!」

 

俺は全速力で逃げている

 

なぜならオーク♀に捕まれば、色々と搾り取られ死ぬからだ

 

この世界にはオーク存在するが居るのは♀ばかりだ

♂はもう絶滅していると言われている

 

たまに♂が生まれても成人する前に♀共に弄ばれて干からびて死ぬらしい

 

そして現在のこの世界にいるオークの♀は混合に混合を重ね、各種族の優秀な遺伝子を兼ね備えた、もはやオークと呼べないハイブリッドモンスターと化している

 

オークの♂は女と見るや即座に襲いかかり犯すが

 

オークの♀は……これは言わなくてもわかるな…

ふざけんな!こんな形で童貞卒業してたまるか!

 

俺は仲間達の方を見るとめぐみんとダクネスが何やら言い合っていて……あ、ダクネスが突然地面に膝をつけてそのまま倒れ伏した

 

……どうしょう…あいつがなぜ倒れ伏したのか分かりたくもないのに分かってしまう……

 

大方めぐみんからオークの♂が絶滅している事を知ってショックを受けたんだろうな……

 

……もう嫌…あの変態

 

とにかくめぐみんが爆裂魔法の詠唱を唱え終えるまでなんとしてでも生き残るんだ

 

アクア「カズマ!!何逃げてんのよ!逃げてばかりいないで、さっさとニューウェポンを試しなさいよ!!」

 

カズマ「嫌に決まってんだろ!初めて試す相手がオーク♀とか絶対に!」

 

なんかこいつらを斬ったら刀を持つのが生理的に無理になりそう

 

そしてアクア!てめえは後で殺す!

 

逃げねえと……逃げねえと……逃げねえと!!

 

オーク♀「しぶとく走るわね!ますます欲しくなってきちゃったわ!」

 

オーク♀2「そうね!私、彼の子を30人は生むわ!」

 

後ろで不気味な会話が行われていて尚更捕まるわけにはいかない!

 

と、そう思った次の瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つい足をコケてしまった

 

あ、やべ…

 

アク・めぐ・ゆん「「「カズマ(さん)ーーーー!!!」」」

 

ダクネス「……」←未だに立ち上がれない

 

地面に倒れるまでほんの0.5秒ほど

 

不思議とその間周りがゆっくりと感じ、俺の脳内では様々な思い出が巡ってきた

これが俗に言う走馬灯ってやつか

 

頭の中で浮かんだのは、俺が作った朝食のベーコンをめぐみんに食べられ涙目になってめぐみんを叩くゆんゆんに……そばで落ちついて朝食を食べているダクネスと…俺の目玉焼きを勝手に食べようとしたから口に醤油をむりやり入れられて地面に転がり落ちるアクアと、それを指差して笑う鬼こと俺

 

って、全部今朝の思い出じゃねえか!!

 

落ち着け佐藤和真

お前はこんな所で2つの意味(童貞と人生)で終わる男なのか?

 

まだこの世界のすべてを見てないんだぞ!

まだまだやりたい事があるのに終わるのか!

タイプ以前にむりやり童貞卒業するのか!

 

ふざけんなよ

 

カズマ「こんな所で終わってたまるか!!」

 

俺は地面に倒れる前に両腕を地面につけ

 

カズマ「うおおおおおおおお!!」

 

両腕に力を込めて、両腕の筋力だけで体を浮かし、空中回転させてそのまま、地面に着地した

 

アク・めぐ・ゆん「「「嘘ーー!?」」」

 

俺の地面衝突の回避方法を見て色々驚くあいつらを尻目に

 

カズマ「ゆんゆん!!」

 

ゆんゆん「!『ボトムレス・スワンプ』!」

 

俺はゆんゆんを呼びかける

流石は紅魔族、俺の呼びかけの意図に即座に気づき、相手を足止めする魔法を放ってくれた

 

ゆんゆんの放った魔法は、俺を追いかけていたオーク♀共の足下に泥沼を出し、足止めをした

 

俺は急ぎ足でそこから距離をとり

そしてそれに合わせるように

 

めぐみん「『エクスプロージョン』!」

 

めぐみんの爆裂魔法がオーク♀共を飲み込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「いや〜本当に危なかったわねカズマ…」

 

カズマ「ああ、そうだな」

 

アクア「でもせっかく新武器を試すいい機会だったのに結局しなかったから無駄足になっちゃったわね」

 

カズマ「ああ安心しろ、ちょうど試せるものがある」

 

アクア「え?何に新武器を試すの」

 

カズマ「なあアクア……俺思ったんだ…………別に武器を試す相手」←両手に出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「何もモンスター相手でなくても良いってことにさ」

 

アクア「いやあああああああああああああああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゆんゆん「あ、あの…カズマさん、逃げるアクアさんに武器振り回しながら追いかけてますが、放っておいていいんですか?」

 

ダクネス「ああ、あんなのは日常的によくあることだから」←ようやく立ち直った

 

めぐみん「スキルや魔法をぶっ放して追いかけるなんてこともよくありますしね」

 

ゆんゆん「……めぐみん達のパーティーって、どういう日常送ってるのか、逆に気になるわ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクア「ううぅ…散々な目にあったわ」

 

カズマ「いやアレはお前が悪いだろ…」

 

めぐみん「オーク♀の群れを呼び寄せてカズマを2つの意味で終わらせかけたのですから…むしろあれだけですんで良かったと思いますよ」

 

アクア「本当に斬られかけたわよ!」

 

ダクネス「だが新スキルを使わなかった分、本気では無かったのではないか?」

 

カズマ「いや、斬る時だけは割と本気で」

 

アクア「誰か助けて!うちのパーティに殺人鬼が!」

 

ゆんゆん「……こんな事がこのパーティでは日常的なんだ……」

 

その夜、オーク♀の群れから無事生き残り、アクアに制裁をくわえた後も、何事もなく歩き続け、日が沈んだので近くにあった岩陰で今晩を過ごすことにした

 

夜飯も食い終わって後は寝るだけだがここは外、モンスターが来る恐れもある……実はさっき危なかった……ゆんゆんが件のトイレの魔道具を持っていたので危うくここら一帯が水浸しに加え、モンスターが寄ってくる所だった

 

ダクネス「……なあカズマ、本当に寝なくていいのか?確かにスキルの特性上お前が起きてくれる方が良いのだが…」

 

カズマ「ああ、徹夜はよくやってたからな」

 

めぐみん「そういえばカズマやアクアはどこに住んでいたんですか?……カズマは見たことも無い商品をよく作りますし、アクアはよくカズマとなにやら自分達の国の話をしてるのを時々聞きますから」

 

……聞いてたのか…

 

実は時々夜俺かアクアの部屋に行って酒やツマミを口にしながら日本の事……主に見てた漫画やらゲームやらテレビ番組とかの話をしてた

 

アクアは元は日本担当の女神なだけあって色々話が合うな

普段は問題起こしたりやらかすことも多いが、何気に俺と一番話せるのはこの世界だとアクアが一番だな

 

カズマ「まあとにかく平和だな……後魔法より科学が発展してんな」

 

ゆんゆん「へえ〜、そんなところから来たんですね…」

 

めぐみん「ちなみに冒険者になる前は何をしてたんですか?」

 

カズマ「べーつに……学生だったよ…元は」

 

めぐみん「元は?」

 

カズマ「色々あって辞めたんだよ……大した理由じゃねえよ」

 

アクア「私はまあ……言ってみれば、ギルドのルナみたいな仕事してたわね………毎日多くの人に選ばせて、その選んだものに導く事とかをね…」

 

まさか異世界とか天界でしたとかなんて言えるはずもなく……なおかつ俺はともなくアクアは死者を次の世界に導いてたなんて言えないからそれっぽく言って誤魔化した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後も他愛もない会話をして、俺と(見張りをやると言い出した)めぐみん以外は眠りにつき

 

俺とめぐみんは月を眺めながら起きていた

 

カズマ「なあ、別にお前まで起きてないで寝てていいんだぞ?」

 

めぐみん「大丈夫ですよ。カズマ一人に任せる訳にもいきませんし」

 

カズマ「俺の国の言葉にこんな言葉がある、『寝る子は育つ(どこがとは言わない)』」

 

めぐみん「ほ、本当ですか!?いやでも私これでもちゃんといつも寝てますがあまり育たないんですが…」

 

よくよく考えれば何気にめぐみんとふたりっきりになるのはこれが初めてかもしれない

 

めぐみん「カズマは……その……国に帰ることはないんですか?」

 

恐る恐るといった感じで訪ねてきた

 

日本に帰るね……

 

カズマ「帰らねえよ………自分のいた国に対して……未練もないし帰れる場所もないんだよ」

 

めぐみん「……勘当……ですか?」

 

カズマ「……そんな所だ…」

 

……全くといっていいほど未練がない

              

そもそもあの世界には

    ・・・・・・・・・

もう……残された者もいないしな

 

めぐみん「……そうですか……私も、今の暮らしが気に入ってるのでこのままでいいです。しょっちゅうピンチになるも、皆と乗り越えていく……そんな今の暮らしが好きです」

 

カズマ「そうかよ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めぐみん「ずっとこうやって四人で居られればいいのに…」

 

カズマ「……」

 

俺はそれを聞いて、なんとも言えない気分になった

 

ずっと四人でか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると…睡魔に負けて眠りにつくめぐみんに毛布を被せながら夜空を見た

 

カズマ「はあー」

 

俺の脳裏に、日本にいた頃の様々な記憶が巡った

 

オレと同じくらいの少年「和真!」

 

ショートヘアの少女「和真!」

 

母さん「和真」

 

父さん「和真」

 

弟「兄ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カズマ「ずっと一緒なんて……できるわけねえよな」




次回【このふたりの男女に祝福を!】

第58話 聞いて地獄 見て極楽

突然ですが私……新しい小説の投稿もやりたくなりました。そこで皆さんにアンケートを取って一番たくさん票があるものを投稿していきたいです。期限は特に決めていませんのでどうぞよろしくお願いします。《注意》このすばとは違う物も混じっています。また、投票が少ないものでも場合によってはそれの投稿もします。

  • 転生したら槍の勇者だった件 (盾の勇者)
  • 二周目!このふたりの男女に祝福を!
  • 双龍の刃 鬼滅の刃×このすば
  • 盾の勇者×王国心×ラスボスはカズマ
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