このふたりの男女に祝福を! 作:スカイハーツ・D・キングダム
第68話 駆け出しの街に迫りくる脅威達
ルナ「集まりましたね…ではこれより、緊急会議を始めます。本日呼び出しに応えて下さり大変ありがとうございます。只今より対機動要塞デストロイヤー討伐の緊急クエストを行います。無理と判断した場合は街を捨てて、全員で逃げる事になります。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか…よろしくお願い致します!」
あの後クリス達に連れられて俺達はギルドに来た
そこには、この街の冒険者達が集まっていた
よく見ると、ミツルギとその仲間……たしか、フィオとクレメアだっけか?も混じっていた
そこからルナがデストロイヤーについての説明をした
その内容は俺の知っているものばかりだ
知らなかったのは、その体にノイズの魔道技術の粋で常時強力な結界が張られていて、一切の魔法攻撃が通らない……しかも内部には自立型のゴーレムがいて空中からの攻撃にも対応されるそうだ
外部は魔法金属に覆われている為、弓も弾かれ、並の攻撃ではビクともせず。上級魔法レベルでやっと傷つけられる程の頑丈さを持っている
結界も結界で爆裂魔法でも破壊困難な程強力なモノ……
穴を掘って落としたとしても、その図体では予想もつかないジャンプ力で穴から出てくる
………普通に考えたら無理だな
ありとあらゆる方面で硬いこいつを倒すのは、正直骨が折れるな……
けど今ならどうにか…
ギルド職員「ルナさん!大変です!!」
ルナ「どうかされましたか?」
突然ギルドの扉が開いたかと思うと、ここのギルドで働いてる職員が大慌てでルナの元に来て
ギルド職員「ア、アクセルの山で眠りについていた【クーロンズヒュドラ】が眠りから覚めたんです!」
ルナ「え?」
その場の冒険者達「「「はああああああああ!?」」」
ギルド職員が伝えた内容に、その場の一同は驚愕した
クーロンズヒュドラ
アクセルの街近くの山の湖に棲む、巨大な8本首のヒュドラであり、ヤマタノオロチの様な外見をしている
普段は湖の底で10年単位で眠って大地から魔力を吸収・貯蔵し、充分な魔力を得ると山を出て人里などで暴れ回るという
一応分類上は下級なドラゴンの亜種にあたるが、その戦闘力は極めて高く、王都の騎士団の力をもってしても弱らせて眠りにつかせるのが精一杯だ
しかも、長い首は千切れても魔力を使って再生させることができるため、倒すには魔力が尽きるまで攻撃し続ける必要がある
高額な賞金がかけられた賞金首モンスターでもある
ルナ「ど、どういうことですか!?クーロンズヒュドラは眠ったら10年は起きないはずですよ!?しかも、前回からまだ10年経っていないはずですのに!」
ギルド職員「わ、私に言われても、現在調査中です。とにかく今の所は街まで降りてくる様子はありませんがそれも長くは……」
ルナ「王都の騎士団は!?」
ギルド職員「そ、それがアクセルに向かわせる団員の編成に手間取っていて恐らくは……」
これは……不幸が重なってるな…
このままだとアクセルは2つの災厄に滅ぼされるな
アクア「ど、どうするのカズマ!逃げる!?逃げちゃうの!?」
カズマ「落ち着けアクア、落ち着いてテーブルに水絵でも描いとけ」
アクア「いやそんな場合じゃないでしょ!?……まあ描くけど」
いや描くんかい
さて…どうするか……
外からはデストロイヤー
内からはクーロンズヒュドラ
討伐最優先はデストロイヤーだが、クーロンズヒュドラも放って置けねえ…
そして王都からの援軍も期待できない……
つまり、今アクセルにある戦力といったら俺達アクセルの冒険者達……正直2つの相手にするには戦力が足りないな
片方を相手にしたらもう片方が手薄になる
ランサー風の冒険者「なあ魔剣のにーちゃんの魔剣ならどうにかならねえか?」
その場にいる冒険者の一人がミツルギに話しかけた
ミツルギ「……そうだね……正直言うと、クーロンズヒュドラは兎も角、デストロイヤーを斬るのはおそらく難しい…………あまり期待しないで欲しい…」
ミツルギの魔剣でも難しい……
ならクーロンズヒュドラはミツルギを筆頭にアクセルの冒険者の4割、デストロイヤーに6割……いやそれでも確実ではないな……
どうするか……
一旦この街の現戦力を見直そう……
まずアクセルにいる冒険者約数百人
次にミツルギとそのパーティ
俺のパーティとゆんゆん
ここまでがこの街にいる冒険者の戦力
次に冒険者じゃない戦力
魔道具店の店主(魔王軍幹部 リッチー 師匠)ウィズに魔道具店の店員(元魔王軍幹部 地獄の公爵 悪魔)バニル
こんなところか……
……そういえばアイツらは……この状況下でどうして……いや、アイツならもしかして
カズマ「おいお前ら、ちょっとウィズの店まで行くぞ」
めぐみん「え?どうしたんですかカズマ」
ダクネス「何かは分からんが、また何か考えたのだろう……行こうめぐみん、アクってアクア!?」
ダクネスが立ち上がりめぐみんとアクアに目を向けると
それはもう立派な水絵が出来上がっていた
なんかもう美術館に飾るレベルの上手さだった
カズマ「落ち着かせる為に言ったのにここまでとは……とにかく行くぞアクア…」
俺はアクアの腕を引っ張って俺達はギルドを後にした
ミツルギ「流石はアクア様だ…これはもう……芸術品を超えて神作品だ!」
しばらくその場はアクアの水絵で盛り上がった
△△△△
バニル「フハハハハハ!これはこれは、旅先で地獄を味わった小僧に信者共の狂犬ぶりにショックを受けた発光娘に絶賛役に立てずにいる爆裂娘に最近腹筋がまた割れたクルセイダーではないか」
カズ/アク/めぐ/ダク「「「「くたばれバニル!!」」」」
俺は速攻で白龍黒龍で斬りかかり、アクアは破魔魔法を、めぐみんは棚にあった爆発するポーションを、ダクネスは持ってた剣をバニルにぶつけようとした
カズマ「お前よくも俺が地獄を味わうことを知っててだまりやがったな!!お前と話す前にお前を殺す!」
バニル「フハハハハハハハハハ!汝らの苛立ちの悪感情、大変美味である!!ではこの悪感情を頂いたお礼に小僧、貴様が知りたがっていた事について教えてやろう…」
バニルがそう俺に向けて言ったので、攻撃しようとした手を止めた
バニル「小僧、貴様が知りたがっていた事を話そう……クーロンズヒュドラが早く目覚めた訳は実に単純………吸収した魔力があまりにも多くて目覚める予定の日よりも早く目覚めたというだけ………つまり、ヒュドラが眠っていた場所から魔力吸収範囲で魔法を使い、大気中や大地に流れたその魔力を吸収した事で早く目覚めた……」
カズマ「そうか……」
バニル「ちなみにそのヒュドラが魔力吸収をする範囲は、このアクセルの地図だとこの辺りまでだ」
俺は地図に目を通して……
カズマ「……!」
思わずびっくりした
なぜなら…
カズマ「ここ……俺がウィズに修行つけてもらってる場所じゃん…」
そう……俺とウィズは……ヒュドラの魔力吸収範囲の中で魔法の修行をしていた
その範囲内では俺はもちろん、ウィズも散々魔法を使った
そりゃあ俺はともかくリッチーのウィズが使った魔法には、大量の魔力が含まれている
そりゃあそうなるわな………とはいえ俺は関係ないと言う訳ではない……
バニル「もっと言うとそこの発光娘も原因なのだがな」
アクア「はあ!?ちょっとクソ悪魔、アンタなんてこと言うのよ!私が原因って何を言……っ…て……」
途中まで強気だったアクアだが……言葉が途切れた
俺は地図を改めて見た
そこには…
カズマ「あ…アクアが除霊している共同墓地も範囲に含まれてんな…」
ギリギリ、かなりギリギリだが、アクアが除霊の為に訪れる墓地も範囲に含まれていた
バニル「まあ要するに……ヒュドラが早起きしたのは汝らとウチのポンコツ店主が原因というわけである」
カズマ「これは……」
アクア「最悪ね……」
バニル「まあそれはさておき、今日はこれを、小僧に売りに出そうと思う……」
そう言ってバニルが出してきたのは……2つの同じ鏡
カズマ「これは……?」
バニル「うむ…これは言ってみれば、どんなものでもテレポートできる魔道具だ……これを我輩が薦めると言うことはどういうことか……汝ならわかるのではないか?」
つまり……これを使って今起きてる問題を解決しろって事か…
カズマ「ちなみにこれの欠点は?」
この店にある物の大半は訳ありの欠陥品ばかり
バニル「そんなものは無い…だがまあ強いて言えば……使うには、爆裂魔法3発分の魔力を込めないといけないということだ……だが…」
カズマ「お前はそれを見通して既に魔力を込めたと……」
バニル「そのとおりだ…ちなみにそれに魔力を込めたのはウチのポンコツ店主で現在店の奥で寝込んでいる……3日3晩魔力を込める事だけに集中してくれた事で余計な物を仕入れないでくれたから本当に助かった…いっその事そのままで10年過ごしてくれればこの店は世界一の魔道具店に出来るというのに……」
めぐみん「ウィズの存在価値が…」
ダクネス「もはや…いらなくないか?」