ジョルノが4部に出るようです   作:アズマケイ

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ドリーム・シアター1

「昆虫博士か爬虫類研究家か、それとも植物学者にでもなるつもりか?ジョルノ」

 

「海洋冒険家の線も捨てがたいですね」

 

「最近そればかり読んでいるな、お前は」

 

「人というのは成功や勝利よりも

失敗から学ぶ事が多いんですよ、琢馬」

 

「なるほど、なにかしらの再現ができなかったのか」

 

「より複雑な動きを可能にするにはその生命を理解する必要がありますからね。君のようにシャッター記憶法が使えればよかったんですが」

 

「お前らしくない冗談だな」

 

「せっかくお目当てのページを探り当てたのに取り上げられたからですよ、返してください。それ。貴重な文献だから持ち出し禁止なんですよ」

 

「......毒蛇?」

 

「最近なにかと物騒ですからね、自衛の手段は多いに越したことはない」

 

「なるほど。なら、付き合ってやろうか」

 

「どういう風の吹き回しです?いつもつまらなさそうな顔をして断るのに随分とやる気があるじゃあないか」

 

「ジョルノのいうことも確かだと思っただけだ」

 

「自衛の手段は多いに越したことはない」

 

「そうそれだ」

 

「それでこの間の借りはチャラというわけですね、わかりました。なら、この辺りからリクエストはありますか?」

 

「アマガサヘビ、インドコブラ、カーペットバイパー、ラッセルクサリヘビ?......ジョルノ、僕はお前にそんなに不快なことを仕出かした覚えはない」

 

「さすがに知っていましたか」

 

「あたりまえだろう、この辺りは新書以外は小学生の時に読破している」

 

彼はつまらなさそうに本棚を振り返る。

 

インドには危険な毒蛇が多いが、上の4種は毒が強く、人家近くや農地など人との関わりが深い地域に生息するため、咬まれる被害が多いという特徴がある。彼らが捕食するネズミなどは人間の居住地域で繁殖しやすい。彼らは夜行性であり、多くの被害者は夜間に裸足で歩いて彼らを誤って踏みつけてしまい咬まれるに至る。

 

アマガサヘビやカーペットバイパーは近縁種が多く生息するため、それらも一緒に含まれていることが多い。

 

なお、同じインド周辺に生息し毒が強いキングコブラは、四大毒蛇には含まれない。相対的に小さい種である四大毒蛇と比べてキングコブラは遥かに多くの毒を注入するが、キングコブラは比較的臆病な性質を持ち、ジャングルの奥に住むため人間との接触が少ない。

 

またキングコブラが捕食するのは他の蛇などの爬虫類だけで、ネズミは飼育環境下など特殊な状況でない限り基本的に捕食しない。

 

インドでは四大毒蛇のために作られた血清が開発されている。これは広く用いられており、四大毒蛇のどれに咬まれてもこの血清で治療が可能である。だがこれ以外にも恐ろしい蛇はたくさんいる。

 

 

「血清があれば死にはしませんよ」

 

「生成できるようになってから言え。それに確実性を高めるなら映像で確認できるものじゃなきゃあな」

 

「冗談ですよ。責任をとる道は身投げのような行為の中にはない。責任をとる道はもっとずーっと地味で全うな道ですからね」

 

「適切に処置をすれば蘇生できるものにしてくれ。お前の治癒能力向上にも貢献してやるんだから一石二鳥だろう」

 

「なにを企んでいるんです?」

 

「あるとしても言う義務はないな」

 

「たしかにそうだ」

 

「ちなみにどちらをリクエストするんです?」

 

「決まってるだろう、どちらもだ」

 

僕は彼から指定された毒蛇について読み込む。そして、通学路近くの一級河川におりて雑草だらけの橋の下に潜り込んだ。そして、来いよと手招きする彼目掛けてゴールド・エクスペリエンスを発動した。足元から一気に成長する木から跳躍し、逆光を陣取る。

 

「産まれろ、生命よ」

 

投げつけられた石ころが毒蛇に変化し、彼に襲いかかった。痛みに彼は呻くが蛇を捕まえてしまった。

 

「君のリクエスト通りどちらも準備してみました。やめろといってくれたら治療に入りますね」

 

「ああ」

 

冷や汗をだくだく流しながら彼は頷いた。

 

ヘビ毒は神経毒と出血毒、筋肉毒に大別される。複数のタンパク質で構成され、多くの種では消化液が毒腺に溜まった物。一部の種は、餌として捕食した動物の毒を再利用している。

 

神経毒は主にコブラ科のヘビが持つ毒。毒の作用部位から神経伝達を攪乱し、骨格筋を弛緩或いは収縮させ、活動を停止させる。横隔膜が麻痺することで呼吸困難に陥り絶命する。

 

出血毒は血液毒とも呼ばれる。主にクサリヘビ科のヘビが持つ毒。血液のプロトロンビンを活性化させ、血液を凝固させる。その際に凝固因子を消費する為、逆に血液が止まらなくなる。さらに、血管系の細胞を破壊することで出血させる。血圧降下、体内出血、腎機能障害、多臓器不全等により絶命する。特に腎臓では血栓により急性腎皮質壊死を起す。

 

治療には出血毒の場合、抗毒血清の投与、血清投与によるアレルギー反応の治療。呼吸管理、腎機能の管理が必要だ。

 

「はじめますか」

 

彼が噛まれた局部に焼き火ばしを当てられたような激痛がある。 局部が腫れ上がりだんだんとひろがる。 毒は毛細血管壁を侵すので局部に内出血が起こり、そのために局部が打撲傷を負った時のように紫色を帯びてくる。白血球、赤血球が毒により破壊され筋肉組織に十分な酸素が与えられないので局部的にネフローゼ(筋肉組織が死ぬ事)がおこる。

 

また、血液の殺菌能力も落ちるので二次的化膿の危険も非常に大きくなる。 頭痛を起こす事があり、一時的に視覚障害をおこすこともある。ときどき内臓が出血して尿あるいは大便と一緒に血液が出る。唇、歯茎、爪の下、局部に出血することがある。

この毒蛇は小型種のヘビであり注入される毒量も少ないのでハブ毒より毒性は高いものの死に至ることは稀。

稀。

彼の言われたとおりの時間放置したのち、僕は彼を休ませる。噛まれた傷口を動かさないように固定した。

 

傷口の上部をタオルなどであまり強くない程度で縛る。止血・緊縛は体の中心部に毒の侵入拡散を防ぎ遅らせる事ができる。しかし、あまり強い止血はかえって悪い結果を招く事もあるので少なくとも10分おきに1分程度ゆるめる必要はある。

 

すみやかに傷口から毒を吸い出す。吸引器があればそれを使うのが一番である。出血する血液と共に毒液を吸い取り、捨てることを何回も繰り返す。速やかに吸引処置を行えば後々の治療効果が大きい。手足など自分で処置できる部位は自分で処置するのが良い。

 

また、2~5%のタンニン酸で洗浄するとヘビ毒を不活性化する効果がある。口で毒を吸い取った後は水か渋茶などで口をすすぐのが良い。血が出なくなったら塩水で熱い湿布をする。そしてさめたら、また吸い出す。

 

毒や血液を吸い出した後は他の菌による混合感染を防ぐため消毒剤による処置は 必ず行う。 氷などで患部を冷やさない。

 

可能な限り安静に保つ事。救急車の応援を求める事。 水分を摂取すること。血液中の毒素濃度を薄め、毒素排出にもつながることとして水分を多くとらせ利尿促進を計る。 タンニン酸溶液の活用をする。蛋白凝固剤のタンニン酸とヘビ毒(出血毒)が直接触れあうとヘビ毒は中和分解される。

 

タンニン酸は薬局にも売っているが含有する物として渋茶や渋柿がある。

 

「どうです?」

 

「だいぶん気分がマシになってきた、ありがとう」

 

「それはよかった。さあ、病院に行きましょう、琢馬。医師に処置報告をして、一刻も早く医師の診断・治療を受ける事が一番大切ですからね。今度会ったらどんな感じだったか教えてください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いきなりどうしたんだよ、ジョルノ。おめーが来るなんて珍しいじゃねーか」

 

「実は億泰先輩にお願いがあってきたんです」

 

「んんー?わかんねーな、なにもったいぶってんだよ。教えろってば」

 

「君のお兄さんは随分と僕のことを調べていたじゃあないですか」

 

「......おお、そうだなあ」

 

「そう暗い顔しないでくださいよ、僕は気にしちゃいないんだ。むしろこれからのために知る必要があることがわかって感謝すらしているんですよ。だからここを訪ねたってわけです。君のお兄さんはおそらくディオの信奉者たちのつてを使って僕について調べあげたはずです。あのとき見せられた資料、見せてもらえませんか。空条さんがきっと根こそぎ持って行ってしまうと思うので、それまでに控えておきたいんですよ」

 

「あー?なんでジョルノが調べるんだよ?承太郎さんに調べてもらえばいいじゃあねえか」

 

「あのですね、僕はDIOの息子なわけですよ億泰先輩。世界中にはまだまだたくさん残党がいて、僕のことを誘拐したりして第2のDIOにしようとするかもしれないじゃあないですか。あるいは君のお兄さんみたいにDIOに対する復讐のつもりで僕を酷い目に合わせようとすることだってあるかもしれない。だから知りたいんですよ、僕は。なにも知らないなんて冗談じゃない」

 

 

僕の話を聞いて、形兆先輩のことを思い出したらしい億泰先輩は否定したくてもできないらしく唸りながら目を逸らしてしまう。僕を前にしてそんなことない、考えすぎだ、と言いたいのは山々だが、他ならぬ形兆先輩がやらかしているのを目撃した経緯があるのだ。僕も形兆先輩も否定したくない億泰先輩は困り切ってしまっている。嘘をつけない優しい人だと僕は思った。

 

 

「勘違いしないでくださいよ、億泰先輩。これはこの上なく前向きなことなんです。僕は今まで何者かなんて考えたこともありませんでしたが、わかったことでようやく前に進むことが出来るんです。あまり恵まれた幼少期じゃあありませんでしたがね、これはいわばマイナスからゼロに戻すための作業なんですよ。どうかわかってください」

 

 

僕の言葉を聞いて億泰先輩はそんなにいうならと渋々家に入れてくれたのだった。そして形兆先輩の部屋から僕に関する調査書を受け取る。不愉快な写真やスクラップブックも合わせると人を殴って殺せてしまいそうな厚さになった。

 

「これ、借りてもいいですか、億泰先輩。必ず返しますから。コンビニなんかでコピーを取りたいんですよ」

 

「おう、いいぜえ。ただし、ぜってー無くすなよジョルノ。そりゃ兄貴の遺品なんだからよぉ」

 

「はい、もちろん原本はお返ししますよ。ただ、空条さんが調査のためにとアメリカに帰国する時がきたらこれごと持って行ってしまいそうな気がするんですがどうするんです?」

 

「アメリカかあ......そこまで考えてなかったな」

 

「空条さんに1度聞いた方がいいですよ、億泰先輩。大切なものは自分の手からこぼれ落ちないようにしないと」

 

「おう、そうだな!わかった」

 

「それはよかった。あ、すいません、さっそくコピーを取りたいので失礼しますね。いきなり押しかけてすいませんでした」

 

「いいってことよ。俺たちの仲だろ、ジョルノ」

 

じゃあなあ、と見送ってくれた億泰先輩の屋敷を後にした僕はそのまま帰路につく。億泰先輩にいったのは半分本当で半分嘘だ。僕は僕について知らなければならない。形兆先輩にどうしてお前は俺の父親のようにならなかったのだと問いただされたとき、なにひとつ答えることができなかったのがなによりも悔しかったのだ。

 

僕について暴力的なまでに調べ尽くし、情緒も干渉もなく容赦ない調査結果だけを羅列している報告書。読むだけでだいぶ精神を削られる心地がしたがなんとか耐えた。

 

僕が最初に調べようと思っていたベビーシッターの女性についての情報を見た気がしたのだ。

 

「......あった」

 

ぼやけながらもたしかに僕の中にあった根幹の記憶が鮮明になっていくのを感じる。履歴書などを閲覧していくうちに僕はひとつの紙切れに視線を奪われた。

 

「......子供がいたのか!」

 

シングルマザーが我が子を育てるためにベビーシッターをしていたら殺された。これだけでドラマがひとつ出来そうな悲劇だ。その名前を指でなぞる。

 

「僕と同じくらいの男の子......か」

 

じわりと汗が滲むのがわかる。住んでいる場所なども詳細が載っていた。

 

自然と足が向く。なにがしたいのかはわからない。ただなんとなくすぐにでも会いに行かなければならない衝動に駆られたのだ。

 

それは古びた映画館だった。よくいえば昭和のレトロな雰囲気、悪くいえば映画館ごと焼き払ったらさっぱりするだろうなと思うような雰囲気がある。大学サークルの自主制作映画やマイナーな映画を公開しているようだ。僕は意を決して歩き出した。ここの支配人が彼女の父親なのだ。

 

「いらっしゃい」

 

煙草をくゆらせながら老人がチケット売り場で新聞を広げながらこちらを見つめてくる。僕を見て物珍しそうにジロジロみたあと、にやりと笑った。

 

「映画、好きかい?」

 

「内容によりますね」

 

「はっはっは、そりゃそうだ。正直だね坊主」

 

いきなり尋ねるよりはなにか見てからの方がいいだろうか、と考えた僕は適当に目に入った映画のチケットを買うことにした。

 

「もうすぐやめるんですか」

 

横に張り出された手描きのお知らせには今年をもって閉鎖すると書いてある。

 

「ああ、そうだよ。やっぱテレビの時代にゃ勝てないね」

 

道楽特有のお気楽さがちっとも暗く感じさせない。僕は支配人に好感を抱いた。彼女の父親だからというのもあるのかもしれない。

 

「まさかこんな若い子がくるとは思わなかったな。さあ、ごゆっくり」

 

僕は教えてもらった通路を抜けて貸切状態のシアター席に座った。

 

暗幕の向こう側はぬくもりをおびた人工の闇を、襟巻のようにしっかり掻き合わせている。全盛期にはこの小さな劇場では毎日のように、様々な興行が開催されてきたようだ。劇場の歴史分の笑い声が、この薄汚れた壁には吸収されているような色合いに感じる。映画館は、長い無限につづくトンネルのようだった。

 

かつては観客の熱気が館内に充満していたのだろう。照明は落ち、ライトはステージを明るく照らし、人々はぼそぼそと話し込みながら開演を待っていたころを容易に想像出来る。

 

生まれて初めてみるジャンルの映画だ。こんなことでもないとまず見ないだろう。やがて真っ暗になった世界が知らない世界を映し出す。独特の音が響く。僕は前をみつめた。

 

 

不思議な映画だ。芝居は、実体のない神がかりの恍惚境を招き出す媒体のようで、舞台の荒っぽい興奮に巻き込まれ、出演者が喚声をあげる。カラフルな安っぽい照明がチカチカと舞台を照らし、ステージはまるで積み木の見本みたいに様々なアンプやスピーカーが並んでいる。音にあわせて揺れ、巨大な一つのざわめきを作る。空気の振動を一身に集めて反り返りまた前へのめる。

 

 

巨大なスピーカーからの音はステージで動いている連中とは関係ないように聞こえる。これに初めから音があって、それに合わせて化粧した女優が踊っているように見える。

 

「......?」

 

違和感を覚えたのは、その女性が誰かに似ていたからだ。何度も目をこする。いやまさかそんな馬鹿な、こんなことがありえるのか?僕はまた凝視した。

 

「......かあ、さ、ん......?」

 

その瞬間、僕に女優は微笑んだ。ゾワッとした僕はスタンドを発動する体勢に入るが遅かった。

 

「しまった、この中全体がスタンドなのかっ......!」

 

僕はそのまま意識を失ってしまった。

 

 

 

 

 

気がつくと僕は倒れていた。白骨が雪の降ったように、あたりが白くなるほど転がっていて、周りは惨憺たるありさまだ。息が凍るような恐ろしい情景が広がる。目の覆いたくなるほどのあまりの惨状の現場をひと目見るや言葉を失う。慌てて僕は立ち上がった。

 

ここで起きたであろう悪夢のような事件に心を引き裂かれる。その光景のリアリティのなさに叫ぶこともできず、ただ放心する。終わりのない悪夢を見ているようだった。僕はこの光景を知っている。

 

「なにみてんの、ハルノ。見世物じゃないのよ?」

 

ゾッとするほど暗く、憂いに満ちた瞳だった。 とんでもないものを見てしまったと直感した。

 

僕は施設で教わった「地獄」の絵がそのままこうであることを思い出した。このままではシェークスピアお得意の「悲劇」が起きてしまう。薄い暗黒。天からともなく地からともなくわき起こる大叫喚。ほかにはなんにもない。

 

目の前にいる母親の目は報告書にあったまさに肉の芽に苛まれた女の目をしている。

 

「...........億泰先輩の能力がなければあの屋敷もこんな状態だったのか......」

 

余りの酷さに、眉をひそめた。

 

「何度も引っ越すわけだ。ベビーシッターの女性も恋人もすぐにいなくなってすぐに補充するわけだ」

 

僕は母を見た。母は僕を見ていない。その向こう側には虚無しかない。いや、母の目を通して誰かが見ている気がする。

 

「僕がどこにいようと変わらないというわけか......DIO、あんたって人は僕が考える以上のやつだったんだな」

 

母はなにも言わない。

 

なるほど、どうあがいても激しい家庭内暴力が繰り返されることになったわけだ。僕の中にあるジョースターの血が覚醒することを余程危惧しているように見受けられる。

 

たしかに僕は徐々に自尊心と自信を失い、追いつめられ、鬱状態に入り込んでいった。自立する力を奪い取られ、アリ地獄に落ちたアリのように、そこから抜け出すことができなくなった。

 

家庭内で妻や子供たちに激しい暴力を振るうのは、決まって弱い人格を持った男たちといわれている。弱いからこそ、自分より弱い人間をみつけて餌食にせずにいられないのだ。さぞ操作しやすかったに違いない。

 

僕は母を無視して後ろのアパートに入った。アパートには電話がひとつ、テレビがひとつあり、それらは玄関のわきにある共同のホールに置かれていた。ホールにはまた古いソファ・セットとダイニングテーブルがあった。僕は一日の大半の時間をその部屋で過ごしていた。

 

しかしテレビがつけられることはほとんどなかった。テレビがついていても、音量は聞こえるか聞こえないかという程度だ。僕はベビーシッターの彼女に本を読んだり、新聞を広げたり、編み物をしたり、額を寄せて誰かとひそひそ声で語り合うことを教わった。一日絵を描いていることもあった。

 

今思えばそこは不思議な空間だった。現実の世界と死後の世界の中間にある場所みたいに、光がくすんで淀んでいた。晴れた日にも曇った日にも雨の日にも、昼間でも夜でも、同じ種類の光がそこにはあった。

 

僕達は額を寄せ合うようにして、小声でひそひそと話し合っていた。それは現実の風景には見えなかった。

 

「心象風景なのか......?あまりにも現実から離れている......」

 

僕達は架空のドラマの登場人物みたいに見えた。呼び鈴もなしにドアが開かれる音がした。ああ、悪夢の再来だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………......誰だ、この男はっ!僕はこの男を知らないっ」

 

僕の目の前で、ただ男は立っているだけ。そこに立っているだけだった。 それがこの男を証明する物の1つだ。 母の恋人が帰って来るとばかり思っていた僕は幾人ものうろ覚えな男たちとは似ても似つかない男に驚くのだ。若い、若すぎるのだ。

 

状況を端的に表すならば、一般人という括りになるのだろう。 そう、彼は有態に言って一般人だ。この空間に帰ってこれる異質さを除けばだが。

 

「誰?」

 

彼女も知らないのか、不思議そうに見上げる幼い僕を抱き上げたまま男に問いかける。

 

「やっと見つけたぜ......シオバナハルノはこいつか?」

 

「ええ、そうだけれど」

 

「依頼主の女から聞いてはいないか?今日来客があると。シオバナハルノに用があると」

 

「もしかして、あなたが奥様が言ってらしたご主人様からのお使いの方ですか?」

 

「そう、まさしくその通りだ。合鍵は依頼人から預かっている。それがなによりの証拠だ」

 

「…………」

 

彼女は幼い僕を離そうとしない。

 

「どうした?貸せ」

 

「なにをするの?」

 

かれこれ1時間になる。僕は彼らの不毛なやりとりを聞いていた。やがて彼女は男に僕を引き渡し、不安そうな顔で幼い僕を見て見送っていった。

 

「これでいい、これで......なあ、かあさん」

 

「!!!」

 

この瞬間僕は鳥肌が立つのがわかった。すでに手配していたタクシーが集合団地の安アパートの前に路上駐車しており、幼い僕は男に連れられて乗り込んだ。

 

僕は思わずその道を通り過ぎ、タクシー乗り場に向かう。並ぶ長蛇のタクシーの列が混雑しては解消され、また混雑しては解消される繰り返しを見つけ、そこに乗り込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

運良く捕まえられたタクシーで追跡したその港は、海の匂いというより無機質のさびた鉄の匂いがしていた。波止場に停泊している船の灯かりが花のように煌いている。埠頭に並んでいる巨大なガントリーグレーンの列も、夢の地平線上に立ったまま死んだキリンの骸骨の列のようだ。

 

小さな造船所、倉庫などが目白押しに並ぶ先を行くと、桟橋のコンクリートに砕ける波が足元を揺らす。

 

遠くには巨大な港があった。何本ものクレーン、浮ドック、箱のような倉庫、貨物船、高層ビル、そういったものが見渡せる。右手には内側に向って湾曲した海岸線に沿って、静かな住宅街やヨット・ハーバー、酒造会社の古い倉庫が続き、それが一区切りついたあたりからは工業地帯の球形のタンクや高い煙突が並び、その白い煙がぼんやりと空を被っていた。

 

 

防波堤を打ち、コンクリートの護岸ブロックのあいだを縫うように引いていく冬の波が僕の髪を揺らす。

 

 

赤い太鼓腹をはば広く浮かべている汽船や、積荷最中らしく海の中から片袖をグイと引張られてでもいるように、思いっ切り片側に傾いているものがある。

 

黄色くて太い煙突、大きな鈴のようなブイ、南京虫のように船と船の間をせわしく縫っているランチ、寒々とざわめいている油煙やパン屑くずや腐った果物の浮いている何か特別な織物のような波。風の工合で煙が波とすれずれになびいて石炭の匂いを送った。

 

ウインチのガラガラという音が、時々波を伝って直接に響いてきた。

 

「今とはだいぶん違う雰囲気だな......」

 

僕はあたりを見渡した。

 

視界の隅に焼き付けたナンバーのタクシーが乗り捨ててある。ここで逃走車を変えるつもりのようだ。逃がしてたまるかと無人の漁港に向かう。

 

埋め立てでほとんどの海岸線を奪われたあと、辛うじて残った小さな漁港には、小型の漁船が数艘停泊している。波止めで囲まれた湾内はおだやかで、漁船を繋ぐロープの軋む音だけが、ときどき思い出したように辺りに響く。

 

 

強い潮の香に混って、油の匂いが濃くそのあたりを立ちこめていた。もやい綱が船の寝息のようにきしり、それを眠りつかせるように、静かな波のぽちゃぽちゃと舷側を叩く音が、暗い水面にきこえている。

 

夜の港は舷の触れ合う音、とも綱の張る音、睡たげな船の灯、すべてが暗く静かにそして内輪で、柔なごやかな感傷を誘った。南の海の色や匂いはなにか荒々しく粗雑だ。

 

波止場には船がついたのか、低い雲の上に、船の煙がたなびいていた。汐風が胸の中で大きくふくらむ。

 

「ここは…………!」

 

今にも発進しそうな車が1台こちらに向いているのがわかる。あまりに眩しくて僕は目を細めた。

 

「ここまでの追跡御苦労様だな、 シオバナハルノ!」

 

ジョルノは咄嗟に気付く。男はただの一般人ではない。この世界ではどういうわけか、幼い僕やベビーシッターの彼女は僕の存在に気づきもしていなかった。なのに、この男は僕の存在に気づいている。このふてぶてしく自信家な態度といい、後ろで構えている拳銃の引き金を引く音といい、どうやら僕を殺す気なのは間違いないようだ。

 

「そう、俺は虹村の出番を奪った!肉の芽を埋めたところでお前のスタンドが、生命の波動が、その発芽を邪魔しやがるからなあ!」

 

「君は......きみはまさかっ!クソッ!」

 

僕は咄嗟に飛び出し、発車寸前の車のフロントガラスに銃痕が染みる。とっさの判断で、後頭部への直撃を避けた。

 

「スタンドも使わず早いな、凄いじゃあないか……」

 

男も車から出て、ジョルノを見やる。逆光が眩しくてよく見えないがそこには拳銃が握られているに違いない。

 

「さすがはDIOの息子にしてジョースターの血を引く者だな!そう、俺はお前を守ろうとしててめーの義理の父親に殴り殺されたベビーシッターの息子だ!善人を殺すのは気が引けるが悪人なら関係ない! ここで死んでもらうっ!」

 

僕はため息をついた。

 

「......ふぅん。ずいぶんと直球な八つ当たりですね。そうやって僕の心を折るつもりなんだ……」

 

ジョルノが報告書で目にしたことがそのまま語られる。ジョルノは底冷えするほどの感情を抱いた。

 

「この奇妙な世界の正体は……あなたですか?」

 

「ご名答っ!そのために俺はスタンド使いになったんだからな!」

 

「なるほど。でも、残念ながらそれは今回が最初で最後になりますね......。アンタはミスを犯したっ!僕を利用する……!利用してしまった事がミスだったッ!」

 

「へえ……言うじゃないか!」

 

男が拳銃を構える 。しかしそれよりも速く、ジョルノはゴールドエクスペリエンスを発動する。

 

「生まれろ、生命よ!!」

 

沈黙がおちる。

 

「なん、だ、これはっ......!」

 

なぜかスタンドが発動しない。男は高笑いした。

 

「あたりまえだろう!この時代、この時、この瞬間の汐華初流乃はこのクソガキだからなあ!まだスタンドに目覚める前の、しばしば暴走してろくに操れない、能力に振り回されるたけの、クソガキだあ!」

 

「ぐあっ!」

 

タクシーから引きずり出された幼い僕が男にぶん殴られた瞬間、僕にも衝撃が襲いかかる。

 

「お前は、そう、ただの観客!上映される映画になにひとつ干渉できないまま、嬲り殺される自分を見ているしかできない、ただの観客なんだよぉ!」

 

まるで津波に飲み込まれるようだった。顔面に鋭い衝撃が走り、視界がぐらりと揺れる。すぐ続けて2発、3発と蹴りや拳が飛んできた。男は殴り疲れてくると、罵声を浴びせてくる。

 

そして4発、5発、6発。殴られた数を覚えていたのは、30発くらいまでだった。口の中が鉄の味でいっぱいになり、少しずつ意識が薄れていく。全身から力が抜けていく。自分が立っているのか、寝ているのかわからない。

 

とうとう僕はコンクリートに倒れこんだ。それでも男は手を休めない。幼い僕の腹を何発も蹴り上げる。とうとう幼い僕はぐったりして動かなくなった。男は我に返ったように、その場から慌てて離れていく。

 

「......ぐふっ」

 

血が出た。

 

「ハルノ」

 

幼い僕は動かない。

 

「ハルノっ!」

 

僕は激を飛ばした。

 

「なにを怖がっているんだ、シオバナハルノ!君も汐華初流乃だというのなら、スタンドを呼べ!叫べ!助けてくれと!死にたくないと叫べ!この能力は生きるために生まれたはずだ!忘れたのかっ!いつだってゴールド・エクスペリエンスは!僕の傍にいたはずだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼い僕が目を覚ます。そして前を見据えた瞬間に、僕はゴールド・エクスペリエンスが発動できることに気がついた。

 

「やればできるじゃあないかッ......!」

 

僕は地面から木を生やす。その高さを利用して一瞬で宙へ舞った。男の放った銃弾は空を切る。木に突き刺さる。反射して男に襲いかかるが、防弾ジョッキでもしているのかビクともしない。その隙を逃すまいと僕は上空から握りしめた石を投げつけた。そしてその石はゆっくりと生命となり、男に牙をむく。

 

 

「なんだこいつは!マムシ......いや違うッ......毒蛇だとッ!?」

 

 

蛇へと姿を変え、男に喰らいつこうとする。だが払われてしまった。まだ実験途中だったから症状を見たかったが仕方ない。銃弾を再装填する時間はない。銃の反動での一瞬の硬直故避けることは不可能だった。

 

「面白いじゃないか……行けェエエエ、ドリーム・シアター!」

 

乾いた音が響いた。2つの銃声だ。しかし、男は銃を一つしか握り締めていないにもかかわらず、銃声は2つ。間髪で避けた僕は冷や汗だ。

 

「なぜ銃が......まさかッ! 」

 

僕が振り返るとタクシー運転手が立っていた。そう、先ほどの銃声はその僕をここまで連れてきてくれた運転手だった。これで2つの拳銃となる。

 

「ご名答だ!俺もスタンド使いだからな!奥の手はとっておくものだろうッ!この世界では!お前以外の人間は全て俺の言うがまま!操ることができるのさあッ!」

 

 

言うが早いか、男の号令にあわせてここが職場と思われる男たちが次々と飛び出してきた。

 

 

「なるほど、これが君の部下ってわけですか」

 

「そうだ!さあいけええ!!」

 

男の号令と共に拳銃を持った男たちの攻撃が僕へ襲いかかる。

 

「クソッ!ゴールドエクスペリエンスッ!」

 

僕は地面からツタを生み出す。それはカーテンとなり、拳銃を防御した。カウンターを食らった男たちはあちこち負傷するが平気なのか微動だにしない。血はダラダラ流れているというのにだ。

 

 

「残念だなあ!それじゃあナイフはかわせないぜえッ!さあ、あのツタを掻っ捌いて腸まで突き刺さしてぐっちゃぐちゃにしちまええ!」

 

 

号令と共に男たち再び動き出す。今度はナイフだ。僕に突進し弾丸を防いだツタを切り刻んだ。

 

 

「ぐあっ!チイッ……」

 

 

まさかナイフによる反射すらたじろがないとは思わなかった。僕は対応しきれず銃弾はかわしたもののナイフを腹部に許してしまう。

 

「おいおいおいおい隙だらけたぜえッ! あっけねえなあー!俺がどれだけ楽しみにしてたと思ってんだよ、この日が来ることをよォ!さあ総攻撃だッ!」

 

 

5つの拳銃を構えた男たちが僕へ近づき、一斉に構えた。同時にカチリと銃弾が装填される音が響く。

 

 

「撃ち抜けえええっ!」

 

 

男の号令のもと、一斉に引き金が引かれる。

 

 

しかしそれ以上に発砲音が聞こえる事はなかった。

 

 

「……何!」

 

 

僕はにやりと笑った。気付いた時には男たちの銃は一丁残らず蝶となって舞っていた。

 

 

「危なかった……。君が……君が猪突猛進のバカで……助かった。どうやら僕を殺すために何度も何度もシミュレーションしたようだが、裏目に出たなッ!」

 

 

僕は息を荒げて、先ほどまでナイフが刺さっていた位置で舞う蝶を逃がす。 そして、睨みつけるように前に向き直り、にやりと口角を上げ、笑って見せた。

 

 

「無知……だと……ッ!?」

 

「ああ、君は知らなかったんだろ?僕以外のスタンド使いに会った事が無いんだ。だから知らなかった。スタンドによって発動する時間はちがうんだ。君のスタンド、ドリーム・シアターはこの空間全体。だが命令してから人間たちが動き出すにはタイムラグがあるッ!それは僕より遅いッ!!」

 

「めんどくせえことしやがって!この国でこんだけの武器を入手するのにどれだけ苦労したと思ってんだあ!」

 

 

男は苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

 

「やりたかなかったんだがしかたねえ!」

 

 

男は叫んだ。

 

 

「さあ、こいつを爆死させろぉ!!」

 

「それは……爆弾かッ!」

 

「ご名答だぜえ!さあ、てめーら、シオバナハルノもろとも消し飛ばしちまえ!さあ、特攻しろおッ!」

 

「ふうん……そうか……君はどこまでもゲスな奴なんだな......」

 

 

僕は笑う。

 

 

「君の部下たちはたしかに優秀だ……。自爆テロなんてとんでもない命令にも絶対に逆らわない従順なやつらなんだ。でも、だからこそ、この勝負……僕の勝ちだッ!」

 

 

僕は男達目掛けて突進した。襲いかかり、もろとも自爆しようとする部下達を回避しながら、ひたすら前に進んだ。

 

 

「何ッ!」

 

 

弾丸も僕に迫るが、ゴールド・エクスペリエンスがそれを許さない。そして男が逃げるよりはやく僕は男に特攻した。男は新たにも部下に号令する。いくつものナイフが僕に突き刺さったが、無視した。

 

 

「無駄だッ!」

 

 

僕は突き刺さった腕をそのままに走り抜ける。たしかに彼らは優秀だ。この上ない忠実な部下だ。だがそれだけだ。柔軟な思考力がそこには存在しない。

 

 

「チッ!ならばッ!」

 

「もう遅い……ッ!」

 

 

男が拳銃を装填するよりも速く、ゴールド・エクスペリエンスが男の胸ぐらをつかむ。そして、男たちの中に投げ飛ばした。

 

 

「アンタが悪いんだッ......アンタを避けろと、攻撃は僕だけにしろと命令しなかったアンタの......負けだッ!」

 

「ぐぁああああ!」

 

 

耳をつんざく轟音と衝撃。連鎖する大爆発。男は巻き込まれて吹き飛ばされた。

 

世界が崩れ去っていく。

 

 

「クソッ……クソックソッタレエエエエエッッ!ハァ………ハァ……」

 

「ずいぶんと元気じゃあないですか」

 

 

ダラダラと血を流しながら、四肢がえげつない方向に曲がってしまっている男は僕を見るなり威嚇してくる。爆撃を直撃して、骨のいくつかが折れ、既に歩く事すら困難な状態で映画館の椅子に倒れている。

 

 

「どうします?まだ戦いますか?」

 

 

僕が腕に刺さったナイフを抜きながら、首をかしげて尋ねると男は舌打ちをした。

 

 

「もう映画は終わってるぜえ、お客さん」

 

 

僕は振り返った。

 

 

「親父ッ!今だ!さあ!コイツの脳天ぶち抜いてくれよぉ!」

 

「バカいっちゃいけねえ、自分の手で落とし前つけるっていったのはお前だろクソガキ。ピンチになってから親に縋るんじゃねえよ、みっともねえ」

 

「アナタは......なにもしないんですか?」

 

「巻き込んじまってわりいねえ、お客さん。コイツの頭が冷えりゃいいと思って巻き込んじまった」

 

「あんまり効果はなさそうですが」

 

「これでいいんだよ、ろくに家に帰らねえでいきがってるクソガキ縛り付けるにゃ充分だ。救急車呼んだからよ、厄介事になる前に逃げな」

 

「なんでだよ、親父ィ!」

 

「うっせえ、黙ってろ!......ったく、誰に似たんだか......」

 

「......また、来てもいいですか?」

 

「ああ、いいぜえ。今度はゆっくり家族愛の映画でも見に来てくれや、アンタならいつでも歓迎するぜ」

 

「それはよかった......でもスタンド使いでもない息子を主演させるなんて、コネでねじ込む監督みたいで好きじゃあない」

 

「あっはっは、これはやられたな。いつわかった?」

 

「ドリーム・シアターの特性を1番わかってるはずの使い手が映画の中にいるわけがないって思ったんですよ。この男とはあまりにもかけ離れた性質だ」

 

「さすがだなァ......さすがは俺の女房が命に替えても守ろうとしただけはあるぜえ......」

 

「......ありがとうございます。僕はなにか大切なことを思い出した気がする」

 

「そりゃあよかった。久しぶりにアンタを見た時、どうにも女房が生かしたに値しない目をしてたもんだから心配してたんだよ」

 

「......。ひとつ聞いてもいいですか」

 

「あん?なんだ」

 

「あの人が幼い僕を渡さなかったのは、アナタの命令ですか?」

 

 

支配人は静かに首をふる。

 

 

「俺の愛した女がんな不義理なことするわけねーだろうがよ。あいつが選んだ道をねじ曲げるのだけはこのクソガキにだってさせやしねえさ」

 

「......そう、ですか」

 

「ああ、そうさ」

 

 

僕はまた来ることを約束して、映画館を後にしたのだった。

 

 

 

 

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