ジョルノが4部に出るようです   作:アズマケイ

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殺人鬼の家

晩春から初夏へ移り変わる山里の、新緑の美しさは目を見張るものがある。神社の境内のくすのきが、若葉の季節には、緑という黄金色に輝いて、初夏の空の蒼によく映える。

 

春はどんどん深まっていった。風の匂いが変わっていった。夜の闇の色合いも変化した。音も違った響きを帯びるようになっていった。そして季節は初夏に変わった。

 

夏の盛りを思わせるような暑い日のこと。梅雨が明けるにはまだ早すぎたが、ここのところ何日か真夏を思わせる日が続いていた。蝉の声が庭の木立の中から聞こえた。その声はまだそれほど大きくはない。どちらかといえば遠慮がちなものだ。

 

六月半ばだというのに青嵐が街路樹の枝を揺らし、白いシャツの胸元をはためかせた。秋から冬にかけて曇天しか見せない空もいまは力強く晴れ渡り、直線の陽射しを舗道やビルに注いでいる。

 

川に沿って植えられた樹々の若い葉の匂いがした。その緑色があたりの空気の中にしっくりとにじみこんでいるようだった。

 

目に映る何もかもが初夏のまぶしさをたたえて、勢いづいていた。人々のむきだしの腕、風に揺れる木々の緑。葉先に光る陽光、空気の匂い、何もかもがもう止まらない。

 

夏の勢いにあふれた、すごい青空だった。まぶしくて、そこいらじゅう光って見えた。こういう日が何日も続いて、本当の暑さがやって来る。好きな季節だ。

 

ゴールド・エクスペリエンスのスタンド能力がもっとも生き生きとし始める季節の到来である。

 

待ちわびた日が訪れたのは、6月29日のことだった。

 

空条さんから連絡があったのだ。

 

「DIOが何故スタンド能力に目覚めたのか。それを調査してきた俺達は致命的なミスを犯していたらしい。人間の欲望ってのは底知れねえ闇そのものだってことをいつしか忘れていたようだ」

 

帆波家について説明した僕に空条さんはどかりと椅子にすわると深深とためいきをついた。思考をめぐらせたいのかものが少ない天井を眺めている。

 

「スピードワゴン財団はたしかに俺達に協力的だが、既に最大の脅威であったDIOはいない。協力者たちとの小競り合いはあるにしろ、世界の脅威はすでに去っている。むしろスタンドの矢という私利私欲に走る者ほどスタンド能力を得やすい厄介な爆弾が存在してやがる。こいつだけでも厄介だってのに、奇病にかかるだけでスタンド能力に目覚めるだと?そのうえ不老?通りで政府側が隠すわけだぜ。人類の長年の夢じゃねえか」

 

なんと帆波夏帆、志帆姉妹の父親についてはすでに調査が終わっていたという。

 

空条さんたちが調べた結果はこうだ。グリーンランドにケープヨークというイヌイット以外人が住まない土地がある。そこは隕石で出来たクレーター跡で有名なところだ。いつ落下したのか?それはわかっていないが 数万年前だろうと言われている。

 

1978年、そのクレーター内で鉱物資源調査をしていた作業員11名。うち2名が原因不明の病気に感染し死亡したことがある。原因を調査した政府医師団は2名の調査員が共にクレーター内でころぶかなにかして、手足にすり傷などの 岩でこすったような 小さな負傷をしている共通点を見つけた。そして医師団はひとつの事を断定した。

 

このクレーター内のある隕石の中には数万年前のウイルスが閉じ込められて眠っており、それが傷口から血液に入り感染したものとしか考えられないというのだ。そのウイルスは隕石に付着して飛来したのかもしれない。

 

しかも 2名中1名の発病後の症状に常識では考えられない肉体の変化の事実が記録として残されている。ベッドの上ですでに彼は意識はなかったが、突然自分の指先からスタンガンのような火花を放電し、治療する医師の指を焼き切ってしまったという。

「まさか、その変化っていうのは」

 

「ああ、そのまさかだ。世界で最初にスタンド能力に目覚めたのがその2名だ。スタンドの矢の材質は、ケープヨークのクレーターで採れる岩石と同じ物質だ」

 

空条さんはやられたぜとぼやいた。

 

「たしかに最初の調査では死んでいたんだろう、その作業員は。実際は休眠期だったようだが......。しかもそいつは奇病にかかっただけだ、目につくような能力に目覚めちゃいない。報告書に嘘はない。周囲に感染させるっていうスタンド能力に目覚めたとしても、未知のウィルスによるパンデミックで済んじまう。しかも病院まるごと感染源だと......?手術した医者まで感染しちまったら調査の整合性もクソもねえじゃねえか」

 

その医者がその国で一番権威がある人間だったことが災いした。奇病とはいえ環境さえ許せばそれは不老となり、新たなる新人類として高みにいけることが確約された存在だ。いくらスピードワゴン財団が潤沢な資金源を持つ組織だとしても所詮は民間組織である。政府が2カ国も全力で隠匿に走ればいとも簡単に欺瞞情報だらけとなってしまう。

 

「もう一度洗い直しだな......」

 

「それならTG大学病院を重点的に洗った方がいいですよ、空条さん」

 

「あ?」

 

「僕が保護されて2回も入院した病院なんだ。頭の上からつま先まで僕は調べ尽くされている。世界で一番DIOの息子のことについてくわしいのはあの病院だ」

 

「............やれやれだぜ。7年振りに煙草が吸いたくなってきた。DIOがてめーをここに送り込んだのはそのせいじゃねえかと勘ぐりたくなっちまうぜ」

 

悪霊の住む家とはこのことか、と空条さんが言った言葉がやけに残っている。

 

「さあて、そろそろ行くか、ジョルノ。この様子だと双葉照彦の身柄すら安全とは言いがたくなってきたが、やつの口を割るには娘の安全を確保するためにも吉良吉影の捕獲は絶対条件だ」

 

長い長い沈黙の後、空条さんは立ち上がる。受付から仗助先輩たちが来たという電話がかかってきたからだ。僕は空条さんの後に続いた。

 

琢馬から借りている双葉照彦の私物があれば、爆弾魔の拠点が判明するのだ。ネックレスのたったひとつの装飾でもゴールド・エクスペリエンスの手にかかればあのスタンドの対象外である人間以外の生命体にすることができる。いくらスタンド使いから見つけられない効果でもその生命体は双葉照彦自身である。自分を効果の例外から外すことはできないのだ。

 

僕達は吉良吉影の家の前にいた。悪霊の住む家は初夏の眩しい青空の下で成仏をまちわびているようにさえ思えてしまう

 

「ここか」

 

「ここが爆弾魔、吉良吉影の家......」

 

「いくぞ」

 

「意外と普通の家っすね」

 

「豪邸だとは思うけどね」

 

「俺んちよりはちっちぇえな」

 

「そりゃ億泰君の家と比べたらなんだって小さいよ」

 

いわば家宅捜索である。ここが静・ジョースターや杉本鈴美一家を惨殺した恐るべき連続殺人および爆弾魔の拠点なのだ。僕はごくりと唾を飲む。空条さんに続いて、僕達は吉良吉影の家に侵入したのだった。

 

 

 

 

 

 

今思えば吉良吉影の邸宅に向かうカーブにはたしかに不吉なところがあった。まず体が漠然とした不吉さを感じ取り、その漠然とした不吉さが頭のどこかを叩いて警告を発していた。川を渡っている時に急に温度の違う淀みに足をつっこんでしまったような感じだった。

 

人間は、自分が棲息する家の空気に対して、獣が巣の安全、或は近づいた危険を本能的に嗅ぎ分けると同じような直覚を持っている。僕は部屋部屋の鎮まりかえった調子、何処からか流れ出て、廊下にさえ感じられる冷やかさに、用心を感じた。

 

別荘地帯にあるその家は明らかに住人の不在を伝えていた。新聞などが入らないようにガムテープがはられたポスト、全てのライフラインがとめられているメーター。郵便物は最寄りの郵便局でとめてもらい、自分で取りに行く手続きが完了していた。

 

カメユーはすでに吉良吉影という男が転職のために退職したことが知らされており、様々な書類が渡った後だった。何もかもが僕らの家宅捜索を予見していたかのように動いていて、完璧に吉良吉影は行方不明になっていた。

 

「この程度で僕のゴールド・エクスペリエンスから逃げられるとでも思っているのか?」

 

「そうだぜ。爪なんて気持ちわりぃもん残しやがってよォー!」

 

僕達がスタンドを発動させるのはほぼ同時だった。

 

「......なんだと?」

 

「動かねえ......なんでだ!?」

 

「どういうことだ......まさか2人のスタンドの射程範囲外に?」

 

「いや、それはありませんよ。僕も仗助先輩も、能力的な距離を感じたことは今まで1度たりともなかったはずだ!」

 

「そうだよね?じゃあなんで......?」

 

「どういうことだよ、こりゃあ」

 

その意味がわかった瞬間に僕らは、無数のソーダの泡粒のようなものが、全身の皮膚を逆撫でに走り抜け戦慄させる。膝のあたりに水をかけられるような不気味さがそこにはあった。全身がひきつるように痙攣する。

 

まるで氷の中にいるようだ。間断なく戦慄がおこり、がちがちと歯と歯がぶつかりあう。自分ではしっかり歩いているつもりなのに、まるで水に浮かべた板の上を歩いているような震えが伝わってくる。襟元えりもとに凍った針でも刺されるように、ぞくぞくとわけのわからない身ぶるいをした。

 

眼の前の現実に襲って来た無形の大磐石のような圧迫にはなお恐怖を覚えて慄え上った。

 

身じろぎもできない。全身に汗が流れるような血も凍るような事実がそこにある。

 

吉良吉影という人間がこの世界のどこにもいないという事実が。

 

どっと汗が吹き出すのがわかる。

 

何かしら底意地の悪いものが秘められているようでもあった。まるで靴の中の小石のようにはっきりとそれを感じ取ることができた。不吉な悪魔の仕業でもあるように嫌な予感にゆすぶられる。

 

「ありえねえ......」

 

仗助先輩のから笑いがきこえる。

 

「そんなことありえるの......?」

 

康一先輩の疑問が宙ぶらりんだ。

 

「嘘だろぉ......」

 

億泰先輩の不安な予感が隙間風のように吹き込んでくる。

 

「面倒なことになってきやがったぜ」

 

嫌な予感が背筋を冷たく流れる。西の空が黒い。ひどく嫌な予感がした。心臓が喉もとまでせりあがってきた。何かが間違っている。何かまずいことが持ちあがろうとしている。

 

「そんなはずはない......なにか、なにかありませんか、人間がなんの痕跡も残さず消え去るなんてありえない!」

 

「そうだぜ!んなことが許されるのは振り返ってはいけない小道だけだ!」

 

「鈴美さん、そんなこと言ってなかったもんね!」

 

「まさか、もう逃げられねえって思って、自分でスタンド使ったとか......ねえよなあ?」

 

「おいおい何言ってんだよ、億泰ゥ!DIOの手下まで使って俺たちの邪魔してる奴がんな簡単に死ぬわけねーだろォ!」

 

「ああ、ジョルノと俺を襲った新手のスタンドは、間違いなく爆弾魔のものだった」

 

「ええ、明確な殺意の塊でした」

 

「だからよォー、渾身の一手を突破されちまったからパニックになってぇ!」

 

「追い詰められていたのは確かなようだがな......やつは追い詰められれば追い詰められるほど頭が回るらしい」

 

空条さんの言葉には不吉な響きが含まれていた。僕の耳はその微かな響きを、遠くの雷鳴を聞くときのように感知することができた。あたりの空気にはどことなくあぶなっかしい気配が漂っている。その一瞬、暴力的な思念が強烈な電流のように僕の肌を貫いた。

 

「───────ッ!?」

 

手がさっと伸びて、僕の右腕をつかもうとした。そういう生々しい一瞬の気配がそこにはあった。誰かが僕が何かをおこなったことを感じ取っている。この部屋の中で何かがもちあがったことを直感的に認知している。何かはわからないが、ひどく不適切なことが。

 

「あの、空条さん。吉良吉廣はどうしていますか?」

 

「心配しなくても両面を裏にしてホッチキスで止めた後、アタッシュケースにいれてすでに回収してあるぜ」

 

「そう、ですか」

 

「どーした、ジョルノ。さっきからキョロキョロしちゃってよォ」

 

「誰かが僕らを見ているような気がして」

 

「はあ?」

 

「......いや、誰もいねえのはわかってるだろ?畳もなにもかもひっくり返しまくったんだからよォ」

 

「だといいんですが」

 

僕の本能は「吉良吉影を捕らえなくてはならない」と告げている。確証はない。単なる思い違いであった場合には、ひどく面倒な立場に置かれることになる。僕は激しく迷い、そして気配があった窓を開けた。意識がその一秒か二秒のあいだに通過した一連の段階を、ありありと感知することができた。

 

やけに大きなカラスが出し抜けにベランダにやってきて、手すりにとまり、よく通る声で何度か短く鳴いた。状況が状況だ、僕らはゾワッとした。カラスはしばらくのあいだ、

 

ガラス窓越しにこちらの様子を観察していた。カラスは顔の横についた大きなきらきらした目を動かしながら、部屋の中のこちらの動きをうかがっていた。それからカラスはやってきたときと同じように、唐突に羽を広げてどこかに飛び立っていった。見るべきものは見たという感じで。

 

「あんな大きさのカラス日本にいたかな......」

 

そのカラスが吉良吉影のまわしものでないことを祈った。

 

「なあんだ、ビックリさせんなよ、ただのカラスじゃねえかあ」

 

「状況が状況だからビビったよね......あはは」

 

「どこのホラーだよォ......こえーなーもう!」

 

「......おい、ジョルノ。カラスであの大きさは不自然じゃあねえか?」

 

「そうですね......少し思いました」

 

「しかもやつは三本足だったぜ」

 

嫌な胸騒ぎがする。吉良吉影の家はこんなにも静かなのに、木々が、砂利が、微かな風までが、意志をもっているように感じる。悪意で何かを期待してるみたいに。

 

頭上の外灯が突然、ばちっと音を立て、切れかかり、それがますます穏やかさを失わせる。空に目をやれば、空が雲で霞んでいた。何もかもが凶兆に見える。

 

空は雲でいちように覆われている。不吉な未来を思わせる黒々としたものではない。銀行強盗たちの仕事ぶりをにやにやしながら見下ろしている、そんな空だった。

 

「三本足ってサッカーのあれか?」

 

「なんだっけ、ヤタガラス?」

 

「まさかアイツ、スタンドじゃねーだろうなァ!?」

 

「鳥のスタンド使いか......嫌なことを思い出させやがるぜ」

 

「まじっすか、戦ったことあるんだ......」

 

僕は遠ざかるカラスから目を離すことが出来ないでいる。

 

ちょうど夢でうなされる時のような重くるしい感じで周囲の空気が急に固形体になって四方から身をしめつける。

 

いやな予感はますます高まり、僕はなんだか動悸がしてきた。僕の目にはおぼろげながら気味悪い不幸の雲がおおいかかろうとしていた。

 

「あの、あのカラス......おかしくありませんでしたか?背中に気味の悪いザラザラとした塊があったような......」

 

「いや、そこまでは見えなかったな」

 

「たしかに色が黒かったからカラスと思ったけれど、よくよく考えてみればおかしくありませんでしたか?腹に真っ黒な背びれが生えていたような......」

 

「やっぱスタンドか!」

 

「まじかよ、鳥が敵とか厄介な......」

 

やつの登場はおそらく何かの前ぶれに違いない。僕のまわりでは確実に何かが進行しつつあるのだ。あたりがはききよめられ、何かが起ころうとしている。

 

夕陽が山の向こうに落ちかけており、まるでこれからの僕の将来を暗示しているような気がした。

 

なにか手がかりが残っていないかとゴミ箱からなにから探し回っていた僕らは1通の封書が目に止まった。  

 

こんな時でもなければひとの手紙なんて見やしないが緊急事態だった。何かひっかかる宛名の書きかただった。だから、反射的に中身を見てしまった。そんなことは生まれて初めてすることなのに、なぜか後ろめたさはなく、見なくてはという確信だけがあった。

 

「......わざわざ置いていくなんて、挑発のつもりか?」

 

この町にいるスタンド使いのリストを見つけたとき、全てはこのためにあったのだと僕は確信した。僕の悲鳴にも似た声に誰もがかけよってくる。

 

「......やはり、吉良吉影に俺たちの情報を渡しているやつがいるらしいな」

 

帽子の唾をさげ、空条さんはいった。

 

「この町のスタンド使いをだいたい把握してるのか、厄介だぜ......」

 

「どおりで見当たらないはずだよ」

 

「バレバレってか!気に入らねえぜ!」

 

「......待って、これはっ!ちょっと電話していいかなあ!」

 

康一先輩が慌て始めた。いきなりリストを手にするや電話をかけ始める。

 

「......よ、よかった......早とちりだった。あ、いえ、なんでもないです、ハハハ」

 

はあ、とあんどのため息をついた康一先輩はリストの1人を見せてきた。

 

「シンデレラ?」

 

「メルヘンチックなスタンドだな」

 

「顔が変えられるんだ」

 

「!?」

 

「あ、大丈夫だよ。無事だったみたいだし。後で気をつけるように言わなきゃね」

 

スタンドの詳細を見てみる。

 

シンデレラは機械的な姿の人型スタンド。人間の外見上のパーツを取り替え、「肉体のイメージを変換する」ことで、運を呼び込む相に変える能力を持つ。施術したパーツは完全に記憶しており、任意で施術前に戻すことも可能。

 

この運勢を変える能力には制限時間があり、30分で元に戻る。それ以上の維持には30分ごとに彩が指定した口紅を塗らなければならない。「運勢を定着させるには、それなりに時間がかかるから」との事。これを怠ると取り替えたパーツが徐々に崩壊していく。手相や指紋もなくなり、運勢のエネルギー自体がどこかへ飛んで行ってしまうという恐ろしい末路が待っている。

 

ただしこれらの制限は前述の『魔法使い』として彩本人が課したルールとの区別が難しい。能力の底が見えないスタンドである。

 

「スタンドの名前が店の名前なのか」

 

僕には縁遠い場所だ。杜王町でエステ「シンデレラ」を営むエステティシャンが本体らしい。世界各国のエステティシャンコンクールで優勝した実力派で「魔法使い」を自称する。ため息をつきながらの、低血圧っぽいしゃべり方が特徴。

 

童話「シンデレラ」に登場する魔法使いに憧れており、彼女のように他人を望む姿に変えて幸運を与える助力をしたいと思っているが、一方で特別な力にはそれ相応の制限があるべきだとも考えているらしく「シンデレラ」劇中の時間制限を模したような独自のルールを相手に課す。

 

横から覗き込んでいた仗助先輩が唸った。

 

「たしかにこれなら俺のクレイジーダイヤモンドじゃ追跡は無理だな」

 

「この場合なら僕のゴールド・エクスペリエンスで何とかなります。全身整形したところでDIOみたいに首だけすげ替えたわけじゃあない。遺伝子までは変えられない。いずれは吉良吉影の遺伝子のある爪が作られる日がくる。体は代謝ってものがありますからね」

 

「ううーん......じゃあなんでツバメ飛んでいかないんだろう?」

 

「......他のやつの仕業か......?」

 

「リストをもっと読んでみようぜ、なんかあるかもしれないし」

 

忽然と姿を消した吉良吉影。万が一、シンデレラによる全身整形があった場合に備えて爪は回収した方がよさそうだ。どうやら空条さんもかんがえることは同じようで、護衛をつけるよう電話をしはじめた。

 

ふと僕は目に付いた名前をみる。

 

「一礁一(いしはじめ)......帆波帆乃香の元旦那......?こいつが帆波さんの父親か......」

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