GOD EATER ―深紅の復讐者―   作:片桐 奏斗

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※今更遅いですが、この作品は一部、GE2要素がありますのでご了承ください。

間違っても、ネタバレ等ではありませんので大丈夫だと思いますが。


ちなみに私はGE2、2キャラ目を作成中であります。難易度は5の途中~♪


第2話 アナグラでの日常

 

「よっ、リッカ」

「あ、ハヤト君。ちょうど良かった。君の新しい神機が出来たよ」

 

 一応、支部の人間に神機整備班に所属する整備士『(くすのき) リッカ』の居場所を聞いたのだが、俺の予想通りの場所にいたな。

 彼女の父も神機の整備班で働いていて、その技術力は正式に継承されている。この極東支部がきちんとゴッドイーターとしての責務を果たせているのも(ひとえ)に裏方の人物が皆頑張ってくれているからだな。

 ちなみに彼女は五年前からここフェンリルに所属しているらしい。

 リッカ自身の年齢は一八歳で、五年前と言えば、一三歳となるわけなのだが、俺もさすがにこれは嘘だと思い、第一部隊の人達に確認を取ってみた事がある。そしたら、ものの見事に肯定されてしまい驚愕した覚えがある。

 

 そんな幼い頃から整備班のクルーとして努力してきたリッカが端末をピッピッとリズミカルに操作すると、一つのボックスがこちらに向かってきた。

 このボックスみたいなやつこそが神機を収納するケースだ。もしも、アラガミが襲撃してきた際には、人類の希望である神機だけは安全な場所へ保管するためにこのような大規模な仕掛けが作られている。

 

「これが君の新しい神機だよ」

 

 リッカが見せてくれたボックスの中に収納されている俺の神機――。

 今まで使っていた愛用の『ナイフ』は、紅色に染まっている『発熱ナイフ』へ代わり、機関銃のようなフォルムをしていた『50型機関砲』は、少し改良された『55型機関砲』へ。

 

「一番変わったのはこの盾かな」

「盾?」

「そう」

 

 外見的にはそこまで変わっていないような気がするんだけどな。

 言ってしまえば刀身の色が変わった意外は殆ど変わっていないような気さえする。姿形が変われば強くなるなんて単純な代物でない事は理解しているんだけども、目に見える変化じゃないと実感が湧かないな。

 

「この盾は『回避バックラー改』って言ってね。回避力に重点を置いた戦闘を行う人にぴったりなんだよ。ハヤト君の神機なんだけど、装甲だけが全然傷付いてなくて、盾で防御するより回避を優先して行っているのなら、こっちの方が良いんじゃないかって思って勝手に変えちゃった」

 

 てへっと言わんばかりに謝罪するリッカ。

 そんな彼女を見ても、俺は苛立つ事はなかった。彼女は怒られる事を承知で、神機を扱う人の戦闘スタイルや能力を考えた上、気を使って変更してくれた彼女を誰が怒れるかっつーの。 

「サンキューな。既にリンドウさんとアリサでミッションに行く事が決定してるから、試しで使ってみるよ」

「うん。使い勝手が悪かったら言ってね。迅速に変更してみせるから」

「おう、そんときは頼むぜ」

 

 神機のチェックを終えた俺は保管所から姿を消し、ロビーへと戻る。

 リンドウさんの用事と、アリサの準備が完璧に終わっていれば良いなと思いながら。

 

 ◇

 

 

 ロビーに着いた俺を迎え入れてくれたのは、リンドウさんでも、アリサでもなかった。

 

「あ、こんにちわ。ハヤトさん」

「おっ、ハヤト君じゃないか」

 

 防衛班に属している『台場(だいば)カノン』さんと『大森(おおもり)タツミ』さんだった。

 カノンさんはとにかくとして、タツミさんはリンドウさんと同じようにベテランの一人だ。リンドウさんが第一部隊……言わば討伐部隊の隊長だとすると、タツミさんはフェンリル極東支部の付近を彷徨(ほうこう)するアラガミの討伐又は撃退を主にしている防衛班の隊長だ。

 極東支部の内分けは、討伐部隊としてエース級のゴッドイーターを集めている第一部隊。それ以外の隊は基本的に防衛班や偵察班で、至る場所に振り分けているお陰で平穏な日々を送れているらしい。

 防衛班はアラガミの出現を報告された後、エース達が不在の場合は遠方へ討伐に行ったりするが、民間人に被害が及ばないように付近のアラガミから討伐していくのが主な仕事だ。

 偵察班は定期的に偵察に赴き、アラガミを発見した際には観察を行ったり、時には少しだけ戦い癖などを見抜くのが仕事だ。防衛班の人数が少ない場合は、そちらに回る場合もある。

 

 ちなみに彼らと一緒にミッションに行った事は数回ある。

 経験こそが何よりも大事を考えている俺にとって、部屋で腐っている時間は少なければ少ない程良いと思っているので、フラフラと色んな人をミッションに出回っているからだ。

 防衛班の皆とは友達と言ってもいい程、仲良くなった。

 特に同じ系統の武器を扱うタツミさんや、最初はそこまで仲良くなかったというか一方的に嫌われていた少年『小川(おがわ)シュン』とも仲良くなった。

 ――勿論、タツミさんと一緒にいる少女。カノンさんと仲良くないわけではない。が、やっぱり異性よりは同性と話す方が落ち着く。

 

「あ、カノンさんにタツミさん。こんにちは。お二人でデートですか?」

「で、で、デートだなんて……。わ、私なんかとタツミさんは合いません!」

「そ、そうだぜ。第一、俺はヒバリちゃん一途だって」

 

 俺の一言により、慌てて撤回をし出したカノンさんに、いつもの光景の一部と化しているようにタツミさんはヒバリさん一筋だと発言した。

 タツミさんがヒバリさんをナンパしている光景は良く目に入る。

 ここ最近では誰よりも任務に行っている数が多いと自負している俺は、何度もヒバリさんと話す事がある。その半分ぐらいは常にタツミさんが近くにいた気がするしな。

 

「タツミさーん。そんな事より、仕事してください。このままだと後輩のハヤト君に抜かれますよ」

 

 今のヒバリさんは完全にとは言わないけど、オフモードだな。

 現在進行形では、まだ仕事がないって感じだな。いつもはタツミさんの事なんかに反応しない上に、俺の事を君付けで呼んだりしないからすぐにわかった。

 

「ひっでぇ。今の一言、結構グサッと来たよ。ヒバリちゃん」

「……って事は、タツミも危機感を感じてるって事よね。この新型君に」

 

 人通りの多いロビーの一角で騒いでいたからだろうか、第三部隊と呼ばれる『偵察班』に所属している『ジーナ・ディキンソン』さんが会話に参加した。

 ジーナさんとはあまり関わりがないのだが、物静かな女性だと思っている。が、同じ班のシュンから聞いた話によると、出世や名声といったものに興味がないらしい。今時珍しい女性(ひと)なんだなと思って話を聞いていると、アラガミを撃ち抜く事を生き甲斐としているらしい。

 その件で深く突っ込んだらしいシュンが聞いた話には、アラガミとの戦いを「生と死の交流」と呼ぶなど独特な価値観を持っている。

 そして、ミッションの際には自身を軽んじる無茶な行動を取ったりするとシュンから聞いた。

 

「だってよ。ミッション達成数も多いし、ここ最近の極東支部で一番頑張っているのハヤトなんじゃないかな。って思ってるからな。俺だって、危機感ぐらい湧くさ」

「……まぁ、そうだろうね。だから、シュンも『カレル』を連れて偵察に行ったんだろうし」

「え、またあいつら偵察に行ったの?」

「ええ、あなたがヒバリにお熱な間にね」

 

 ジーナさんから止めの一撃を受けたタツミさんは、カノンさんの腕を持ち、ヒバリさんの下へと向かっていった。

 カノンさんの「ちょ、ちょっと、タツミさん!?」という困惑した声や、ヒバリさんに必至にミッションはないかと訴えるタツミさんの姿を上の休憩所のような場所から見届ける。

 

「……ありがとうね」

「へっ?」

 

 接点が殆どない女性からいきなりお礼を言われる意味がわからないと言わんばかりに、呆けた返事をしているとジーナさんが再び口を開く。

 

「あなたが来てから、皆、笑顔の頻度が多くなってきた。後、ミッションに行く回数も増えて実力も付いてきたわ。だから……」

「それは、皆さんが頑張ったからですよ。俺は特に何も」

「それでも良いのよ。私なりのお礼を言いたかっただけだから」

「……そうですか」

 

 思っていたよりも取っ付き難い人じゃなさそうだな。

 もしかして、シュンの言っていた話も全部嘘なんじゃないかなと思えるぐらい真人間な気がしてきた。

 

「えぇ、そうよ。そのお陰で、私もアラガミとの命の駆け引きを楽しむ回数が増えたのだから」

 

 ……うん。俺は何も聞かなかった。

 そして、前言撤回させてもらう。偵察班に真人間はきっと一人もいないだろう。先程、彼女が言った『カレル』という人も、絶対に一癖や二癖があるゴッドイーターに決まっている。

 何かさ、思っていた以上に極東支部のゴッドイーター達は皆、独特な特徴があり過ぎる気がする。

 

 そんな心暖かるような事を考えながら、アリサとリンドウさんがロビーへ来るのを待つ。

 防衛班や偵察班の皆と一緒に、祭りの如く騒ぐのも悪くないな。大騒ぎが大好きなコウタやシュンに話してみようかなとか思っちゃったけど、これって今から戦場に向かう人間の思う事じゃないな。なんて思いながら。

 

 





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