エリカのボーナスタイムの後、私は久しぶりにエリカと話した。
エリカが戦車道をしていたことは知っていたし、熊本出身なのも知っていたのだが、まさか学校が被るとは思っていなかったから凄く嬉しかった。
兄の方はそこら辺ほとんど知らなかったそうだが。
毎年行っていた航空祭にも行けなかった事を謝ったし、これから一緒に戦車道ができることを喜びあった。
エリカはツンケンしてたけど、私の前ではそんなん効かない、すぐに為すがままにしてあげた。大丈夫、不快なことはしていない、ただ、戦車道とエリカがどれほど好きなのか語っただけなのだから。
戦車道のガイダンスが終わるとその日は終了で、そのまま寮に帰った。
残念ながら私とエリカは同じ寮部屋では無かったが、以外な子と同じ部屋になった。
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みほ視点
今日、寮部屋が決まりました。本当なら入学式の前に入れるらしいんですけど、内装工事とかの関係で入るのが少し遅れてしまったらしいんです。
それにしても、同じ部屋の子は優しい子ならいいなぁと凄い思います。
特に自己紹介の時、隣の鉄黒恵さんはありえないような自己紹介で周りを圧倒していた、控えめに言っても変な子でした。
ああいう子と同じ部屋になるのは少し勘弁して欲しいです。
主に私が振り回される運命しか見えません。
個性が強すぎるのは冗談抜きで困ります。
そう、考えて過ぎてしまったのが間違いでした。
「オッス、オラクロエ。よろしくな」
私は表情筋が死んでいくのを感じながら、彼女の握手に応じることになりました。
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今はとりあえず、荷物の整理をしています。
心の支えと癒しになるボコのグッズをとりあえずたくさん持ってきました。
これをベット周りに置いておけば少しは心が休まるはずです…。
私はベット周りのボコの配置はバッチリ覚えているので、その通りに五分も掛けずに配置します。
その時、なんとなく私は鉄さんがどうしているのか気になったので、チラリと覗いてみると、そこには多種多様なグッズに囲まれながら家庭用ゲーム機を設置していました。
「お?みほちゃんゲーム興味あるの?」
視線を感じたのか、鉄さんがこっちを見て話しかけてくれました。
「い、いえ、ゲームにはほとんど触ったことなくて…ごめんなさい」
けど、ゲームにはほとんど触った事がないしなにもわかりません。残念ですがお話することはできません。
「ふーん、そう」
鉄さんはそういうと私のベットの方をチラッと見ました。
「ぬいぐるみは随分と好きみたいじゃない」
「そ、そうなんですよ!!ボコはスゴイ可愛くて、あのやられても立ち上がる姿がカッコよくて!!?」
「お、おう、随分と熱くなるんだね」
「あ」
やってしまいました。ほとんど何も知らない人にこんな風に迫ってしまうなんて、変な子だと思われてしまいます!
「まあ、これから嫌でも寝食を共にする仲なんだ。西住の好きな事を知れて良かったよ」
そう言うと、ゲーム機をセットし終わったのか立ち上がりこちらに向き直る。
「だからそんな捨てられた子犬みたいな顔しなくて良いよ。自分の好きなことぐらいおっぴろげにしてたって良いじゃん」
「く、鉄さん…!」
「クロエでいいよ、私もみほって呼ぶから」
「ハイ!よろしくお願いします!クロエさん!」
クロエさん、とてもいい人だったんですね、私てっきり変な子なんだって誤解してました。
「ク、クロエさん!クロエさんはボコって興味ありますか?」
なら、私の好きなことだって前向きに受け入れてもらえるはずです!
「ウサビッチ」
「へ?」
「ウサビッチ」
「何がですが?」
そう聞くと、クロエさんは肺に思いっきり空気を取り込みます。そして勢いそのまま声として私にぶつけてきたんです。
「興味のあるものだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」
ヤッパリ変な子だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!
■ 変な子視点
ごめんよみほよ。
私はもう夕方にやってる幼児向けアニメは見てないんだ。
今の私のブームはウサビッチ一択なんだから。
だから、最近はキレメネンコとプーチンのめいぐるみも多くなってきた。
ついでにプーチンみたいなダンスを踊れるようにも練習中だ。
にしてもみほよ。
お前は何処からその大量のボコのぬいぐるみを買ってきたんだ?
ぬいぐるみをそれなりの頻度で買う私でもボコのぬいぐるみなんてほとんど見たことないぞ?
がんこちゃんのぬいぐるみは見たことあるのに、ボコはないぐらいなんだぞ?
そもそも、あの作品だって古い方だし、毎回余りにもオチが同じ過ぎてすぐにつまらなくなってしまう。
余りに年齢層が下の幼児向けと言えるアニメだ。はなかっぱより下なのではないだろうか?でんでんザムライは普通に面白かった記憶があるが。
それも、毎回主人公が殴られ立ち上がるストーリーなのだが、これって教育に悪いって親にクレームつけられやしないだろうか?あれ?普通にありえそうだ。
このままじゃボコのいい点を見つけられないような?
不思議だ。みほはなぜあそこまでボコが好きになったのだろうか?
まあ、好きになる経緯など人それぞれなのだから私には何も口出しできないのだか。
まあみほよ、私と同室になったのだお前にもウサビッチ好きになって貰おう。
デュフフフフ、ウサビッチ狂いなっているみほの姿を想像したら笑いがでてくるなぁ。
さあ、みほよ覚悟するがいい!!デュフフフフフッ!!
この笑い方疲れるなぁ。
ブルッ!な、何かとんでもない寒気がします!!
なんとも難しいみほ視点。
けど、Amazonプライム・ビデオにガルパンがいつのまにか追加追加されていた!!これで俺もアニメ未視聴を脱却できますよ!!