魔法少女リリカルなのは~結界使いの転生者~   作:DragonWill

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いろいろ忙しくて久々の投稿です


時空管理局対警察局特務捜査機関

ジュエルシードの暴走の翌日。

 

授業を終えた龍一はなのはたちと帰路についていた。

 

「なのは」

「ユーノくん」

 

しばらく歩いていると、ユーノが首にレイジングハートをぶら下げて帰宅中のなのはたちの所にやってきた。

 

「レイジングハート直ったんだね」

『コンディション、グリーン』

「良かったね、なのはちゃん」

 

完全に元に戻ったレイジングハートを受け取ったなのはに、すずかは嬉しそうに声を掛けた。

 

「また、一緒に頑張ってくれる?」

『オールライト、マイマスター』

 

なのはがレイジングハートを首にかけ、その肩にユーノが駆け上る。

 

その時・・・・・。

 

「「「!?」」」

 

魔導師組がジュエルシードの反応に気付いた。

 

「なのはちゃん?」

「なのは、もしかして・・・」

 

心配そうに声を掛けるすずかとアリサ。

 

しかし、なのははジュエルシードの方へ迷わず駆け出そうとした。

 

「ちょっと、なのは!?」

「駄目だよ、なのはちゃん!?これ以上首を突っ込んだら」

 

なのはの身を心配して忠告する二人。

 

「ごめん、アリサちゃん、すずかちゃん。・・・・でも、やっぱり、わたしはこのままフェイトちゃんのこと知らないふりなんてできないよ!!」

 

そう言って、駆け出していくなのは。

 

「おい待て、高町!?・・・くそっ!!追うよ、二人とも!?」

「「うん!!」」

 

なのはを追って、三人も駆け出した。

 

 

 

 

 

同時刻。

 

フェイトとアルフは、タワーの展望台からなのはたちが感じたものと同じものを眺めていた。

 

「バルディッシュ、どう?」

『リカバリー、コンプリート』

「そう」

 

フェイトはバルディッシュの調子を確かめる。

 

「感じるね。あたしにも分かる」

「うん。近くにある」

 

二人はその後、タワーを降り、ジュエルシードの元に向かった。

 

 

 

 

 

なのはとフェイトがジュエルシードの元にたどり着いたのは、ほぼ同時であった。

 

二人はジュエルシードを挟んでお互いに向かい合った。

 

「ジュエルシードには衝撃を与えたらいけないみたいだね」

「うん。昨夜みたいなことになったら、フェイトちゃんのバルディッシュも、わたしのレイジングハートも可哀想だもんね」

「・・・・だけど、ジュエルシードは譲れない」

「わたしも譲れない」

 

二人はデバイスを展開し、バリアジャケットの姿に変わる。

 

「理由を聞きたいから。どうしてフェイトちゃんがジュエルシードを集めているのか。どうしてそんなに寂しそうな目をしているのか」

「!?」

「わたしが勝ったら、お話聞かせてくれる?」

「・・・・」

 

二人は互いのデバイスを構えた。

 

「なのは」

「なのはちゃん」

「・・・・」

 

龍一たちは二人を見守っていた。

 

この場一体を沈黙が支配する。

 

そして・・・・。

 

「ふっ!!」

「はっ!!」

 

二人は同時に駆け出し、互いのデバイスを振り下ろした。

 

「盛り上がっているところ申し訳ないが、そこまでだ!!」

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

突然、瞬動で現れた剛が二人のデバイスを素手でつかんで戦闘を中止させた。

 

「この勝負、私が預からせて「そこまでだ!!」・・・?」

 

しかし、剛が現れてすぐに、彼のそばに水色の魔法陣が展開され、なのはたちと同じくらいの年齢の少年が姿を現した。

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」

 

クロノは目の前にモニターを表示し、執務官の身分証を提示した。

 

「「!?」」

「ほう?」

 

それと同時にクロノはなのは、フェイト、剛の三人をバインドで拘束した。

 

「詳しい話を聞かせてもらおうか」

 

三人を睨みつけるクロノ。

 

「!?」

 

だが、そこにアルフの放ったオレンジ色の魔力弾がクロノに迫った。

 

クロノはそれに気づき防御魔法を展開しようとしたが・・・。

 

「ふっ!!」

 

それより早く、内功で強化した筋力でバインドを引き千切った剛が、クロノの襟を掴み後ろへ下がらせる。

 

「何を!?」

 

クロノが問いただす前に、剛は腕を交差させ、アルフの魔力弾を受ける。

 

ズドドド!!と鈍い音が鳴り響き、土煙が立った。

 

「フェイト!!撤退するよ!!」

 

アルフの言葉に我に返ったフェイトはジュエルシードに向かって走り出す。

 

「フェイト!?」

 

しかし、クロノが魔力弾を撃ち出し、フェイトに直撃する。

 

「しっかり、フェイト!!」

 

アルフがフェイトに近寄り抱き起す、その肩からはうっすらと血の跡が滲んでいた。

 

クロノは魔力をチャージし、次弾を撃ち出そうとする。

 

「だめ!!」

 

そこにバインドが解けたなのはが割り込んできた。

 

「撃っちゃダメ!!」

「何を・・・」

「待ちたまえ。それ以上は過剰攻撃だ」

 

剛がクロノS2Uを掴み、砲身を上に向ける。

 

「貴様!!一度ならず二度までも!!」

 

クロノが抗議しようとする間に、アルフはフェイトを連れて転移魔法で逃げてしまった。

 

「片方は逃げてしまったか・・・まあ仕方がない。それよりも・・・なのはちゃん!!」

「は、はい!!」

「君は一体何度言ったら「そこの君たち!!」・・・まったく何かね?」

「時空管理局だ。詳しい事情を聴きたいから僕と来てもらおう」

「え、ええっと・・・」

「それと、そこの君!!」

「私かね?」

 

クロノが剛を指さす。

 

「君の所持する警棒からロストロギア反応が出ている。それを速やかにこちらに渡してもらおう」

「ふむ、断る」

「何!?」

 

クロノ要求を一蹴する剛。

 

「この警棒は警察から私に特別に貸し与えられているものだ。どこぞの誰とも知れぬ者においそれと渡せるはずがないだろう」

「僕は管理局の執務官だぞ!!それが信用できないって言うのか!?」

「そんな組織はこの国に存在しない。先ほどの身分証だって、私たちには本物か確かめる術もない。ただ君がそうだと主張しているだけにすぎん」

「ふざけるな!!魔法を知る者が管理局の存在を知らぬはずがないだろう!!」

「君の常識を一方的に語られても困る。我々はこの世界独自の魔法技術を持つ存在で管理局と名乗る存在との接触など一切ない」

「この世界に魔法技術は存在しないはずだぞ!!」

「魔導の技術はこの世界では秘匿するものとされているからな。普通の調査ではそう認識されていても仕方がないだろう」

 

問い詰めるクロノとそれを平然と受け流す剛。

 

二人の話はお互い平行線を辿っていた。

 

「いいだろう。あくまで白を切るつもりか」

「白を切るも何も、事実なのだがね」

「もういい!!先ほどの行為と言い、公務執行妨害とロストロギア不法所持の現行犯で逮捕する!!」

「先ほども言ったが、この国には時空管理局などと言う組織など存在しないし、執務官などと言う職務もない。よって、君に逮捕権など存在しなし、我々に強制させる権限もない」

 

クロノがS2Uを構える。

 

対して、剛も鬼切を抜き構える。

 

「えっと・・・どういうこと?」

 

話についていけないなのはは、目を回しかけていた。

 

「分かりやすく言うとだね・・・」

 

そこにアリサやすずかと近づいてきた龍一が答えた。

 

「例えば、コカの葉って知ってるかい?」

「コカの葉?」

「それってコカインの原料の?」

 

なのはは知らなかったようだが、知っていたアリサが答えた。

 

「そう。麻薬のコカインだよ」

「麻薬!!」

 

麻薬と言う言葉になのはが反応した。

 

この年頃の子供は麻薬の危険性について保険の授業で口酸っぱく教えられるので、一種の拒否反応みたいなものがあるのだ。

 

「日本では当然禁止されているが、コカの葉が採れる南アメリカでは古くからコカ茶と言った感じで日本の緑茶と同じ感覚で飲まれている」

「大丈夫なの?それ」

 

すずかが心配そうに聞いてきた。

 

「日本では問題だが現地では何の問題もない。要するに彼が言っていることは、日本の警察官が現地に行って、コカ茶の売買を取り締まるようなもんだ」

「何か問題あるの?」

 

良く分かっていないなのはが聞いてきた。

 

なのはの頭の中では、『危険な麻薬の原料を取り締まること』は『正しいこと』であるから外国でそれを行っても問題がないと言った認識がなされている。

 

「大問題だ。まず、日本と現地じゃ法律が違う。現地で行われていることは現地の法律で裁かなきゃいけない。それに、日本の警察の権力が発揮されるのは日本の中だけだ。日本の警察官が外国で警察権を行使することは重大な越権行為であり、外交上非常に問題のある行為なんだよ。日米修好通商条約みたいな不平等条約が締結されているなら別だけどね」

「「へー」」

「むー」

 

アリサ、すずかは納得したみたいだが、なのはだけは納得できなかったみたいで不満そうな顔をしていた。

 

ちなみに、日米修好通商条約とは1858年に日本とアメリカで締結された条約であり、日本は『領事裁判権』を認めさせられ、『関税自主権』が無いなどと言った不平等条約である。

 

今回は『関税自主権』は全く関係ないので割愛するが、『領事裁判権』を認めるということは、アメリカ人が日本で罪を犯しても、アメリカの法律で裁かれるということである。(領事裁判権の不平等さを詳しく知りたい方は『ノルマントン号事件』を調べるように)

 

つまり、クロノの行いは、この領事裁判権の行使であり、越権行為であると同時に、地球を対等とみていない非常に問題のある行為なのだ。

 

「そうか。そちらがそう(、、)するならこちらもこう(、、)しよう」

「どうするつもりだ?魔力もない貴様が。頼みの綱はそのロストロギアだけだろう?」

「なに、拮抗状態を作るとしよう」

 

そう言って剛が指を鳴らすと建物の陰から、機動隊の格好をした人が出てきて、クロノを取り囲んだ。

 

「なっ!?」

「警察特別機動隊第8結界封印部隊だ。昨日の次元震の影響を考慮してジュエルシード捜索のために出動要請していたのだよ」

「くっ!!」

 

クロノは即座に剛に対し砲撃を放とうとするが・・・。

 

「させん!!」

 

剛は飛穿を取り出し、鉄砕をセットして放った。

 

それに気づいたクロノは障壁で受け止めようとするが・・・。

 

「何!?」

 

それは障壁を紙のように貫通した。

 

クロノは咄嗟にS2Uで受け止める。

 

しかし、S2Uに当たった瞬間、S2Uが爆発し、機能を停止した。

 

「何をした!?」

 

クロノは咄嗟にS2Uを手放したため、軽傷ですんだ。

 

剛が鉄砕に装着した投擲用装備は、今までのと違い装着部分から両刃の刀身が出ていて刀身の部分に字が彫られていた。

 

それの名は『ディオニューソス』。

 

リンカーコアを持たない剛が唯一使える礼装であり、対魔導師戦の切り札である。

 

その効果はいたって単純で『供給された魔力を増大させ、圧倒的な出力で放出する』と言ったものである。

 

魔導師相手に使うと、敵に塩を送るようなものだと思われるかもしれないが、実はそうではない。

 

例えるなら、『雷が落ちた時の電化製品』を思い浮かべると分かちやすいだろう。

 

電化製品が使用すると想定している以上の電流が流れると、回路が焼き切れて使い物にならなくなってしまう。

 

確かに、この礼装は魔力の量と出力を増幅させるが、それは到底常人が扱いきれるものではない。

 

想定以上の魔力が暴走状態で流し込まれた術式は自らの魔力により自壊し、発動中の魔法を強制終了させる。

 

そして、これが最も効果を発揮するのは術者に当たったときである。

 

まぶしい光に目がくらんでしばらく目が見えなくなるように、大きな爆音を聞いてしばらく耳が聞こえなくなるように、強大な魔力を受けた術者はしばらくの間、魔力を扱うための感覚がマヒしてしまい、まともに魔法を発動できなくなるのだ。

 

クロノはこれをデバイスで受けたため、魔力の高付加でデバイスの回路が破壊されてしまったのだ。

 

しかし、この礼装には欠点もある。

 

上記のような単純な効果しかないため、安全装置もなく、魔力を持つ人間がふれると、自分の魔力を暴走させてしまうのだ。

 

そのため、この礼装は実質魔力を持たない人間しか扱えない欠陥品としてお蔵入りしていたのである。

 

「拘束しなさい!!」

「くっ!?」

 

一瞬で状況が不利になってしまったクロノに機動隊の人たちが拘束しようと近寄る。

 

『待ってください!!』

 

そこに、空中にモニターが現れ、ライトグリーンの長髪の女性が映し出された。

 

『時空管理局提督リンディ・ハラオウンです』

「何かね?」

『先ほどのクロノ執務官の非礼、私が管理局を代表して謝罪します』

「艦長!?」

「それで、一体どんな要件かね?」

『はい。今回は互いの認識不足による衝突が起こってしまいましたが、事件を一刻も早く解決したい気持ちは互いに同じはずです』

「ふむ」

『そこで、お互いの持つ情報を共有するために、一度私たちの次元船に来てくれませんか?』

「この事件は我々警察の管轄であり、我々の力だけでも十分に対処できる。君たちの力を借りるまでもない。事件が終わった後に君たちに情報を公開するのでは駄目かね?」

『本当にそうかしら?』

 

突っぱねようとする剛に対し、不敵にほほ笑むリンディ。

 

「どういうことだ?」

『先ほどの金髪の少女』

「!?」

『彼女は私たちの世界出身の人間です。そちらの組織だけでは彼女の情報を集めるのには限界があるでしょう?それに、私たちにはジュエルシードに関するより詳細な情報を持っています』

「ふむ」

 

剛は考え込む。

 

「いいだろう。ただし条件がある」

『何ですか?』

「こちらがそちらの艦に向かうことには同意するが、その間、『いかなる罪でもこちらを拘束しないこと』が条件だ」

「貴様!?自分の立場が分かっているのか!?」

『クロノは少し黙りなさい!!いいでしょう。その条件をのみます』

「感謝します」

 

剛のこの条件は重大な意味がある。

 

例えば、日本人がフランスの飛行機で中国の領空で罪を犯した場合どこの法律で裁かれるのか?

 

その答えは『その飛行機が所属する国籍の法律』、つまりフランスの法律である。

 

彼が時空管理局の次元航行船に乗船するということは、管理局の法律に支配されることを意味する。

 

彼がこの条件を出さずに乗船した場合、最悪、有無を言わさず犯罪の現行犯で拘束される可能性もあるのだ。

 

先ほどの理論で言うのなら、次元航行船の中では警察は全くの無力なのだから。

 

こうして、機動隊はその場で待機し、剛、小林、なのは、ユーノ、龍一、アリサ、すずかの6人と1匹はクロノと共にアースラへ転移した。

 

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