魔法少女達の世界で最強の魔物使いを目指す。   作:たくヲ

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転生より1年


小人

魚飼空だ。

 

無言で、『原子崩し(メルトダウナー)』をぶっ放す。吹き飛ぶ研究者たち。別に逃がす気はもともとない。

 

この研究所でやっていたことは単純。ロストロギア認定の動物の力の移植らしい。

 

こちらに向かって攻撃をしてくる研究者はスパタで切り捨てる。逃げる研究者は、『原子崩し(メルトダウナー)』で吹き飛ばす。

 

潰しても潰してもこういう研究所はなくならない。たまにまっとうな研究所はあるけどな。

 

前方からの砲撃を『原子崩し(メルトダウナー)』の障壁で防ぎ、適当な射撃魔法を用いて、砲撃を撃った射手を潰す。

 

気づけば『ニンゲン』はいなくなっていた。内臓を抉りだされているイノシシに『無限の食料(アンリミデットフードワークス)』で出したエリクサーを飲ませる。どうやらぎりぎり生きていたらしい。一応麻酔もあったようだし。だが、その麻酔も痛覚を僅かに抑えるにとどまっていたあたり人道……いや、獣道から外れている。

 

いや、薬なんかを作るための実験動物とかならいいんだよ?それは人類が生きていくために必要なものだからな。

 

しかし、この研究所で行われていたのは決して生き残るためのものではなかった。ロストロギア級の力を人間に移してなんになる?

 

「スパタ、『広域捜査』」

 

どうやら、この建物の中に俺以外の人はいないらしい。さて、動物たちを解放しようか。

 

ロストロギア生物『猪突猛進』とかいうイノシシ。確か突進する時に受けた風や衝撃をエネルギーに替えてバリアを張ったり、空気の弾丸を撃ったりするらしい。まんま、四字熟語じゃないか。

 

鉄格子の部屋。とりあえず捕まっていたイノシシ達にエリクサーを飲ませる。どいつもこいつも傷だらけだったが、それが一瞬で治っていく。

 

ん?奥の部屋になにかがいるのか。やけに厳重に封鎖された扉だ。確かに、広域捜査で一つだけ反応があったが。

 

とりあえず入ってみよう。

 

動物世界への門(ゲートオブアニマル)』に入ってすぐに出るとあら不思議。扉の向こう側です。

 

簡易次元転移。何度やってもパネエな。

 

そこは、白だった。無機質な白の部屋。何の家具もないその部屋にいたのは……。

 

「ユニゾンデバイス?」

 

白い肌に黒い髪。バンドのようなもので拘束された小人のような全裸少女。この『リリカルなのは』の世界においてユニゾンデバイスと呼ばれる、それだった。気絶しているのか?

 

ふむ。この光景は結構ヤバイような気がする。全裸の少女が拘束されていて気絶。その前には一人の男。俺が外見年齢6歳じゃなければつかまってた。誰にとは言わねえが。

 

とりあえず拘束を外す。まあ、とりあえず目覚めるまでは面倒を見てやらんでもない。人間ではないとはいえ、ユニゾンデバイスが『動物世界への門(ゲートオブアニマル)』に入れるのか?

 

 

 

 

 

 

結論だけ言おう。入れた。

 

ユニゾンデバイスの少女を魚ハウスにご案内。

 

毛布(魚飼作。外敵の足止めのために自分の毛を飛ばす羊『もーふ』の協力)をにくるむ。これで寒くないだろう。

 

さてと、おかゆでも作るか。いや『無限の食料(アンリミデットフードワークス)』で出すだから、その時に出せばいいのか。

 

あとは……お湯でも沸かしておくか。

 

[おい、『機織』。服をひとつ頼む。サイズは人形用サイズ。輸送は『クローバー』か『ちい(チーター)』に頼め]

 

念話を行い、指示を出す。これで機織は、ほかの動物達と服を作って持ってきてくれるだろう。

 

「……んあ」

 

どうやらユニゾンデバイスの少女が意識を取り戻したらしい。

 

「ん。あれ、ここは」

「気が付いたか」

「!?……あなたは?」

 

おっかなびっくりと言った様子で聞いてくる少女。どんな生活してきたかは知らないが、比較的に丈夫なユニゾンデバイスであろう彼女はロストロギアの力を移すための実験体にされていたんだろう。

 

「俺は魚飼空。おっとまだ動くな。いまんところは大丈夫だが、まあなんというか、その恰好は目に毒だ」

 

俺の言葉に顔を赤くする少女。あれ?これセクハラじゃね?いや、違う。俺はいったん彼女を保護しただけだ。うん。

 

無限の食料(アンリミデットフードワークス)』で食べ物を出す。シンプルに具なしの塩粥。

 

「ほれ」

「え?」

「え?じゃない。腹減ってるだろ?食えよ」

 

スプーンでおかゆを救って彼女の前に持っていく。だが、少女は食べようとしない。ああ、なんか食事と偽って変な薬飲まされたりしたこともあるのだろう。まあ、ゆっくり慣れていけばいいさ。

 

少女の横におかゆの入った、鍋を置く。

 

「まあ、気が向いたら食ってくれ」

 

少女とおかゆを置いて外に出た。

 

そろそろ、動物たちの一部が飯を食いに来る時間だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付くといつもの部屋ではなかった。あの真っ白な研究所ではない、木の部屋。

 

私はなにか暖かいものに包まれていた。

 

「気が付いたか」

 

いきなり声をかけられた。

 

「……あなたは?」

 

いつものヒトじゃない、男の子がいた。誰?

 

「俺は魚飼空」

 

うおかい、そら。

 

研究所のヒトは名前なんて名乗らなかった。研究所のヒトじゃない、の?

 

私は起き上がろうとする。

 

「おっと、まだ動くな。いまんところは大丈夫だが、まあなんというか、その恰好は目に毒だ」

 

顔が熱くなる。研究所では気にしてなかったけど指摘されると恥ずかしかった。

 

「ほれ」

 

スプーンが差し出される。研究所のヒトが薬を作る時に使ってたスプーン(薬さじ)じゃない。

 

「え?」

「え?じゃない。腹減ってるだろ?食えよ」

 

優しい声色で言われた言葉。それを食べようしても、体が動かなかった。

 

研究所のヒトは私をいろいろな薬の実験台にした。飲み薬は食事の中に混ぜられていた。そのことを、思いだして。

 

目の前の人がどういう人なのかわからなかった。でも研究所のヒトとは違うことだけはわかった。

 

男の子はため息を一つつく。そしてスプーンと鍋を私の横に置き立ち上がる。

 

「まあ、気が向いたら食ってくれ」

 

男の子は外に出て行った。

 

残された湯気を立てる鍋を見る。私に気を使って出て行ってくれたのだろうか?

 

ぼんやりと考えてからスプーンを手に取る。ユニゾンデバイスの私もお腹はすくのだ。

 

鍋の中身を口に運ぶ。ちょっとしょっぱくて温かいそれは身体の中から私を暖める。おいしい。

 

目元が熱くなったことに気付いた。おかしいな。久しぶりの幸せなのに、なんで涙が出るのだろう?




作者のたくヲです。

魚「この作品の主人公、魚飼空です」

正「『リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す』主人公、正村島羽(ただむらとうは)です」

画「『戦国武将を召喚して聖杯戦争で勝利を目指す』主人公、画仙改善(がせんかいぜん)です」

最近短くなってきた気がします。

魚「っつーか、俺が動物達と戯れる描写がないじゃないか」

正「つーか、ユニゾンデバイス登場かよ」

画「ユニゾンデバイス?」

動物達と戯れる描写を期待してくださっている読者様。申し訳ございません」

正「魚飼」

魚「なんだ?正村ちゃん」

正「俺の使い魔がいたらどういうことになっていたことやら……。あいつは食事に関しては厳しいんだぜ?きっと『……手作り以外は認めない。……愛がないから』とか言うわれるぞ」

魚「『無限の食料(アンリミデットフードワークス)』か?いや、あれは愛を入れてる」

画「ん?あれは、頭で思った食べ物を召喚する力じゃないのか?」

魚「いや、あれは……画仙ちゃんの世界風にいうなら投影魔術みたいなものだな。まあ投影とは違って食べれば栄養になるし使っても魔力が減るわけでもない。とはいえ、出すためには頭の中で材料とかを選ばなければいけないけどな」

正「おい、まさか」

魚「ああ、材料の中に愛と真心をを入れておいた」

正「おい、それはどうなんだ。……まあいいか」

さて、今回は新キャラが降臨しました。ですが今回まったく動物たちが出ていません。なので、動物たちの声のコーナーです。

画「唐突?」

魚「このコーナーは、俺の仲間の動物達の声を聞くコーナーだ」

機織『社長』

クビ『なんだね。機織クン』

機織『仕事しましょう』

クビ『これを飲むまで待ちたまえ』

機織『何杯目ですか』

クビ『13杯目』

今回は蚕の二匹組、『クビ』と『機織』でした。

魚「……あいつ、仕事しろよ。あいつはもうクビだ」

画「これが名は体を表す。……俺と同じだな」

正「それ結構重要な設定じゃねえのか?」

さて、それではこの辺でご挨拶を。作者権限(あとがき)、マヒャデイン。

魚・正・画「「「ぐはあ!?」」」

今回は以上とさせていただきます。今回の話が面白かったという方も期待はずれだったという方も、次回をお楽しみいただければ幸いです。これからも『魔法少女達の世界で最強の魔物使いを目指す。』をよろしくお願いします。





目指すシリーズ第4弾。『アサシンに憑依して暗殺王を目指す』近日投稿予定?
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