魔法少女達の世界で最強の魔物使いを目指す。   作:たくヲ

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平穏

魚飼空だ。

 

「先程は申し訳ございませんでした」

 

なぜ俺は黒髪少女に謝られてるんだ?

 

「食事までいただき、その上服までいただけるとは、感謝の言葉が見つかりません」

 

今、この少女は白のワンピースを着ている。流石『機織』が率いる『機織隊』。人間にはできない速度で服作りするとは、相も変わらずパネエな。具体的には依頼してから15分。

 

「こっちがかってに助けただけだ。気にすんな」

「なら、感謝の言葉は言いません」

「……」

 

『そこは言えよ』なんて俺は言わない。

 

「改めて紹介を。おそらく知っておられるかと思いますが、私は古代ベルカ式融合機、雷雨の水魔」

「俺は転生者、魚飼空」

「転生者?」

「この世界がアニメとして見れる世界から来たっていえば解るか?」

「!?」

 

別に隠すものでもないからな。知られたとしても困るのはほかの転生者ぐらいだろうし。

 

「神様の玩具ともいう。……っつーか、お前名前はないのか?雷雨の水魔、なんて呼びづらいだろ」

「……私は作られてからずっとこの名称で呼ばれていましたので」

 

む。なら……そうだな……うーん……これだ!

 

「それなら、ここはひとつ俺から名前をプレゼントしよう!」

「いりません」

「えー」

 

速攻で断られた。

 

「しかし、お前これからどうするんだ」

「どうする、とは?」

「見たところ目も覚めて回復もしたみたいだからな。……俺としてはすぐにも放り出してもいいんだが」

 

俺としてはユニゾンデバイス?なにそれおいしいの、って感じだしな。そこまで魔法を使う気もないし、融合相性もわからないから。

 

「まさか、こんな女の子を無責任にも見捨てるつもりですか?」

「実際、お前を放り出そうが、ミッドチルダに投げ出そうが、無人世界に放り出そうが、上空6000メートルからパラシュートなしスカイダイビング風に放り出そうが、海中に放り出そうが、宇宙空間に放り出そうが虚数空間に放り出そうが、どうでもいいんだ。俺としてはここの住民達の安全が第一だし、静かに平穏に生きられたらそれでいいんだよ」

 

べつに平穏に暮らせるのならここに置いといて構わないんだが。

 

『お前の生活が平穏なわけねーだろ、ばーか』って突っ込みは却下する。

 

「ところでここは?」

 

話題を180度切り替えやがった。

 

「俺の能力……希少技能(レアスキル)ってやつで入れる世界なんだが。せっかくだから案内しよう」

「お願いします」

「ついでに名前も」

「それはいいです」

「えー」

 

だめか。残念。

 

「さて、案内する前に一言」

「?」

「別に俺はお前を追い出すつもりもないし、出ていくことを強要したいわけでもない。そもそもお前が行く場所なんて俺が知ったことか。お前が勝手に決めろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つーことでまずはここだろう。

 

「……まず、砂漠に案内した神経を疑います」

「いや、まあ分からんでもないが、俺が一番よく来るのってここなんだよ。ほら、ここならどんだけ暴れても心配ないだろ?」

「なぜ疑問形……じゃなくて暴れる?」

「おう。こんな感じで」

 

原子崩し(メルトダウナー)』をぶっ放す。砂が舞い上がった。

 

「……!?」

「ああ、これは魔法でもなんでもないから」

「は、はい」

 

ある程度、手の内を明かしておくのもいいような気はしたから見せたが、失敗だったかな?

 

「それに砂漠だっていいところもある。ほれ、そのへんにサボテンが」

「だからなんなんですか」

「いや、あれがなかなかうまいんだよ」

 

俺の『無限の食料(アンリミデット・フードワークス)』の弱点はそれが食用だと知らなければ作れないことだ。逆に言えば食用だと知っていればなんだって作れるのだが。

 

俺だって住民たちがサボテンを食べているのを見なければこれを食えるなんて知らなかったし。

 

ちなみに食っていたのはイグラ(イグアナ、超デカイ、2.5メートルくらい)だ。

 

急いで地球の本屋でサボテン料理の本を探し、レシピを覚えて帰ってきて早速作ってみたら、結構うまかったのでたまに食ったりする。

 

「それに、向こうに行くとオアシスってのもあるし」

「はあ」

「次行くぞ、次」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はここか。

 

「ここがプライベートビーチ」

「……綺麗」

 

その感想で間違いではない。中にいる奴を気にしなければ、な。

 

「って言っても、この『動物世界への門(ゲートオブアニマル)』の中のビーチは全部プライベートビーチなんだけどな」

「そうですか」

 

まあ実際ここは取り立てて紹介することもないんだが。

 

あるとすればここにはここの住民の中で最強の存在である一体が住んでいるくらいだ。

 

「なんか今、さらっと重要なことを考えませんでしたか」

「いや、別に」

「ならいいんですが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次はここだろうな。

 

「な、なんでこんなところに来ているんですか」

「なんでって言われても、特におかしなところはないだろ」

 

ここは鉱石の採掘所。だった場所である。過去形なのは、最近1年ほどここで採掘していないからだ。

 

「なんですか、あれ」

「ウラガのことか?」

 

住民の一人ウラガ(どう見てもウラガンキンです。ありがとうございます)が食事中だった。

 

壁を砕いて出てきた鉱石をバリバリと食っている。

 

「ああ、なるほど。お前もあれが食いたいと」

「そんなわけないでしょう!」

「いや、あれ食えるぞ」

「は?」

 

『ウラガ』と『グラモ(どう見てもグラビモスです)』が作ってくれたんだよ。なんかこの世界の鉱石の中には食べられる奴があるんだよな。

 

ちなみに『無限の食料(アンリミデット・フードワークス)』で某グルメバトル漫画に登場した『メルクの星屑』を出したことがあるんだが、この鉱石の中に普通にまじってたことがわかって驚いたな。

 

「あれの中に調味料として使える物が含まれてんだよ」

「はい?」

「塩みたいな感じで」

「なる、ほど?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、いろいろ案内し、最後はやはりここだろう。

 

「魚ハウス!!」

「魚ハウス?」

「俺の家だ!」

 

もはやツッコむ気力もなくなったのだろうか、ジト目で俺を見ている。『なに自分の家を最後に紹介しているんだ、この男は』って感じか?

 

「いや、この魚ハウスにもある見どころはある」

「……」

「ほら。魚ハウスの横。そっからなんか出てるだろ」

 

それを見て少し首をかしげる。

 

「火事ですか」

「違う。似ているがあれは煙じゃない、湯気だ」

「湯気……」

「温泉だ」

 

まあ、脱衣所だのなんだのも一応作ってあるからな。ただ、女性が入ることを想定してなかったから混浴状態だけど。

 

って、のわ!?

 

後ろから何かに押された!?

 

「……ってお前らか」

 

そこには大量の住民=動物達。

 

「ふぇ!?」

「あ、ちょっと待ってろ」

 

無限の食料(アンリミデット・フードワークス)』。やってきた動物たちの食料を作り出す。

 

……?住民ナンバー1号のタトさんじゃないか。珍しいな、ここに来るなんて。

 

「ほれ、食え。しかし久しぶりだな、タト。4か月ぶりか?」

 

首を縦に振る巨大なカメ、『タト』。食料をせびりに来たのが4か月ぶりなだけで、実際はちょくちょくあっていたりする。

 

「ちい、さっきはありがとうな」

 

牛肉を食っているチーターの『ちい』に言う。相も変わらず高速で服を届けてくれたからな。

 

「おいおい、自分の食事はたまには自分で捕れよ。ヒーター」

 

小さなゾウ、ヒーター。小さいとはいえ普通に木は届くサイズなのだが、なぜか二日に一回やってくる。そこらへんにリンゴの木はあるし、俺が渡しているのも普通のリンゴなんだがな?俺もこの世界のリンゴを食べたが毒はなかったしな。

 

「くまで。流石にお前食いすぎだ。ドンだけ鮭好きなんだ」

 

巨大熊、『くまで』。鮭の切り身が川を泳いでいるこの世界ならちょいと頑張れば捕れるだろうが。いやそもそもロストロギアクラスの魔法生物が鮭貰いに来るってのもシュールな光景だけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、フギンとムニン(カラスの兄妹。ロストロギアクラス)、ライノス(サイ。滅茶苦茶堅い)、リョカ(小さな緑色の蛇。毒はないが魔力が多い)、ネッキ(尻尾が二つあるキツネ。人間に変身するが人語は喋れない)、アリガ(ワニ。歯から遅行性の毒を送り込む)、ハラクロ(フラミンゴ。なんか小さい)、ゴリム(筋肉質なゴリラ。でも意外と技巧派)、もーふ(羊。外敵に自分の体の毛を綿上にして飛ばす)、に一匹、一体、一人、一頭ずつ声をかけ、時には頭を撫でたりもした。

 

なんだかんだで全員に行きわたったので解散とする。

 

と、黒髪少女(小人サイズ)がこっちを見ている。

 

「おお悪いな。時間がかかった」

「いえ……いつもこんなことを?」

「ん?……まあ確かに毎日食事をとれなかった奴には食料を配給するが」

「なぜ?」

 

なぜって何がだ。と俺が聞くよりも早く彼女は口を開く。

 

「なぜ、あなたは動物たちといっしょに暮らしているのですか?この世界にいる人間はあなただけでしょう?そんな中で動物達を見てそんなに安らかに笑いかけていられるんですか?」

「何を言っているんだ?」

 

そんなもん理由はひとつしかないだろ?まあ、偉そうに語る必要もないし、どこにでも誰にでもあるようなありふれた文章で説明できるちっぽけな理由が。

 

「俺はたくさんの家族に囲まれて平穏で楽しくて、おもしろい生活をしている。そんな幸福な生活を笑って過ごせないわけがないだろ」

 

俺は前世……いや、前前世で掴めなかった平穏を満喫している。たくさんの家族もできた。これほど幸せなことはない。

 

「……そういうものですか」

「そういうモンだ!」

 

空を仰ぎ全力で言い放つ。

 

『お前、絶対平穏じゃねえよ』とか言われようと堂々と宣言できる。

 

時折混ざる刺激も、ほのぼのした家族とのふれあいも、温泉に入ってのんびりするときも、布団に入って寝ているときも、俺にとっては等しく平穏だと!!

 

「じゃあ……」

 

青空から少女に視線を移すと顔が耳まで真っ赤だ。

 

「私もあなたの家族にしてくれますか?戦闘のために造られた融合機の私でもあなたと平穏に暮らさせてくれますか?」

「……もちろんだ。平穏に生きたいなら俺はいつだって歓迎する」

「あ、ありがとうございます!」




作者のたくヲです。

魚「本作の主人公、魚飼空です」

正「『リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す』主人公、正村島羽(ただむらとうは)です」

画「『戦国武将を召喚して聖杯戦争で勝利を目指す』主人公、画仙改善(画仙改善)です」

ザ「『ザイードに憑依して暗殺王を目指す!?』主人公、ザイードっす」

今回は自分としては納得のいくできに仕上がったように思います!!

魚「ザイードちゃんって、あのハサンダンスやってたアサシン?」

ザ「あ、そうっすよ。まあ、憑依っすけど」

正「しかし、大変じゃねえの?ザイードって言ったら第4次聖杯戦争の最短死亡者じゃねえか」

画「ってことは、あの時アーチャーにやられていたのがこれか」

ザ「そうっすねえ。だからいろいろやって頑張ってるっす。とにかく生き残るのが第一っすから」

私の話聞いてますか?

魚「ああ、聞いてたが無視してた」

……最近うちの主人公が酷いです。

正「まあ、本編に触れないのもあれだしやってみるか」

画「この話、なんとコメントすればよいのやら」

ザ「でも、この話を見ると本作のテーマが分かるっす」

はい。私はそれぞれの作品の主人公に邪道性を与えるとともに一つのテーマを持たせているのです。

魚「邪道性、ってめだかボックスの異常性みたいなもんか?」

ザ「ええ!?」

正「いきなりどうしたザイード」

ザ「あ。なんでもないっす」

画「邪道性っていうと、俺は『武器職人』『強化魔術特化魔術師』ってところか」

正「俺は『狙撃手』」

ザ「俺は『暗殺者』っすね」

魚「そして俺は『魔物使い』、と」

そんな感じです。

魚「あと、動物達に話しかけるシーン。あれ省きすぎじゃないか?」

されは適当なところで省かないと読者様が飽きてしまわれるかもしれないですのでそのための配慮です。

画「しかし、黒髪小人少女が仲間になったわけだが」

正「あれ融合機だけどどうなるんだ?」

ザ「このまま『雷雨の水魔』って呼ぶんすか?」

魚「それはもt」

作者権限(あとがき)、言葉の重み。

魚・正・画「ぐはっ」

ザ「これは先輩の!?」

ネタバレは許しません。

さて、もう少しでこの物語は終わるところまでやってきました。これからも『魔法少女達の世界で最強の魔物使いを目指す。』をよろしくお願いします。

感想いただけると頑張る気力がわいてきます。










最後に正月投稿ということで一言。

あけましておめでとうございます。昨年は読者の皆様にはお世話になりました。今年も頑張って小説を投稿していきますのでよろしくお願いします。
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