魚飼空が神から貰ったその能力で入れる世界のとある星。魚ハウスの立つ星には季節が存在する。
そんな、あらゆる季節において彼は動物達やとある融合機と平穏に暮らしてきた。
今回は、そんな彼の春夏秋冬の話。
『四分の一周 団子より花』
「いやはや、たまには花見ってのもいいもんだな」
「そうですね。よいものです」
俺は黒髪ミニマム少女と花見をしていた。周囲には住民たちがいる。
俺はあの後、この少女にウンディーネと名付けた。『雷雨の水魔』だから、地球における水の精霊の名前を使わせてもらったわけだ。
ウンディーネは綺麗な桜色に染めた和服を纏っている。
桜は満開。地球だったら、煩わしい場所取りイベントに身を費やす所だがそれもない。のんびりと花を眺められる。
「さて、ウンディーネ」
「どうしました?」
「突然だが、ここにお団子がある」
『
「花見だとこれを食べるのが決まりらしい」
「……はあ」
「一応、いつでも食っていいぞ」
そう返事をした、ウンディーネは団子に手を伸ばす。
住民たちに団子を配りつつ桜を眺める。肉団子、草団子、魚団子と住民が食べられない食材を使っていない団子を出す。
ふと見るとウンディーネの前の皿の中身がなくなっていた。俺は皿に団子を補充する。
ふたたび満開の桜を仰ぎ見る。桜に勝る美しい光景はそうそうないだろう。なんというか、和の心という感じで、俺は好きだ。
クローバー(黒い馬。全身に炎を纏う)の口に団子を銜えさせる。コモドン(180センチほどのトカゲ。火を吐く)の前に団子を置く。カット(普通の白猫。ロストロギア級)に肉団子&魚団子を食べさせる。ミザル(メガネザルみたいなサル。千里眼持ち)にバナナ団子を手渡す。
ウンディーネの方を見ると彼女は桜を眺めている。その前にある皿には串だけが置いてある。
住民たちはそれぞれのんびりと桜を眺めながら団子を食べている。
俺はウンディーネの隣に座る。
皿に出したのは三色団子と桜餅。
団子を一つ頬張る。うん、美味い。
「む、……お団子の方が好きです」
桜餅を食べたウンディーネが一言。俺は桜餅好きなんだがな。
「ウンディーネ。うちの住民たちとはもう慣れたか?」
「……まだ、あまり」
まあ、しょうがない。俺は前々世の『以上に動物に好かれる体質』を引き継いでるから、比較的すぐ慣れてくれる。
でも彼女はそういう体質じゃないみたいだし。
「ゆっくり慣れていけばいい。うちの奴らはいいやつばかりだからな」
「……はい」
『ニ分の一週 夏=水着回だとは限らない』
暑いな。
「暑……」
たまに元気な奴もいるが、ほとんどの住民たちは完全にばてている。
「お前は元気だな、スノウ」
スノウ(3メートルほどのホワイトタイガー)は魔力変換資質『氷結』によって周囲を凍てつかせて暑さを防いでいるからなあ。ん?いや、周りにガンモ《モモンガ。リンカーコアなし》や、ハムタ(ハムスター。魔力変換資質『炎熱』。噛んだものを燃やす)、カゲグチ(小さなトカゲ。変温動物。体に見合わず大量の魔力を持つ)がくっついているからそこまで涼しくもないのか?
「こんな時は何をすべきだろう?違法研究所でもぶっ潰そうか?スカッとするかもしれないし」
「やめましょう。今は暑くてそんなことやる気がしません」
だとすると、まずは夏バテ対策。全住民の口の中にゴーヤでも放り込むか?
「いいんじゃないでしょうか」
「……そこは、止めろよ」
っとなると、どうしようか。暑い夏によることと言えば……
「……って何を食べてるのですか?」
「ん?きゅうりの丸ごと浅漬けだけど。……食うか?」
こんな暑い日はよく冷やした野菜をかじるのが一番だな。
程よく漬けたきゅうりはちょうどいい塩味で、パリッとした食感は失われていない。冷水によって適度な温度に冷やされているため、それを掴んでいる手から伝わる冷たさが心地よい。
「あ、ありが」
「おお、じゃあ食え」
俺は冷やした野菜を集まってきた動物達に渡していく。しかし、ここに来るやつらも減ってきたな。
紫に染めた和服を纏ったウンディーネが俺を恨みがましく睨んでいるが、どうでもいい。
「む~」
「ほれ、白菜」
「う~」
「ほら、キャベツ」
「……」
「ほい、大根」
「……」
「はい、無菌豚」
「……あうぅ」
「これ、きゅうりの丸ごと浅漬け」
「え?」
「それ、牛ブロック塩漬け肉(無菌)」
「
ウンディーネがきゅうりの丸ごと浅漬けを涙目で食べているが、スルーしよう。
「この後は、海にでも泳ぎに行くか?」
「
動物達も返事をするかのように人泣きし走り出す。あ、そうそう。海と言えば。
「お前ら!先に行くのはいいが『エンキ』に遊ばれんなよ~」
あーあ。もう、見えなくなったよ。忠告も遅かったぽいからさっさと準備していくか。
あ、アリガ(ワニ。歯から遅行性の毒を送り込む)がギャグ漫画的に吹っ飛んでる。……さっさと行くか。
『四分の三週 食欲の秋なんていう以前に年がら年中食ってばかり』
秋だ。秋と言えば食欲の秋ということで、今回は特別な料理を作ってみようと思うわけだ。
作るって言っても『
もはや、ほとんど秋は関係ない気はするが、葉の色を変えた木々を見ながら食事をするのも悪くない。
というわけで……
「秋の大試食会!!」
「それで今回のメニューは?」
「『泰山の激辛麻婆豆腐』『こんがり肉』『某グルメバトル漫画の食材』『仙豆入り団子』『翠屋のシュークリーム』『知恵の鮭の塩焼き』『ギガントミート』『某RPGの種子系アイテム』『食べれるテーブル』『メシデス』だな」
どれから、食べるかと聞かれれば『知恵の鮭の塩焼き』からだと答えざるをえないな。
『知恵の鮭』とは、ケルト神話においてフィアナ騎士団の団長を務める英雄『フィン・マックール』の修行時代のエピソードに登場したものだ。
ある僧の弟子についていたフィンが師に命じられたとおりに知恵の鮭を調理を行っていたときのこと。鮭を焼いているときに脂が彼の親指にはねて火傷をしたため、その傷を思わず傷を舐めてしまった。そのことを知った師がフィンにその鮭を食べさせた。その後、フィンは親指をなめることで知恵を得ることができるようになったと言う。
この逸話に登場する知恵の鮭の効果や、味が知りたくて、『
「いただきます。……ん!?」
「……こ、これは!?」
「む~!?」
程よく脂が乗っていながらしつこくなく、ちょうどいい塩味は白米が欲しくなる。
「んー!?んーーーー!?」
パリパリに焼いた皮を口に入れると、皮ぎしの脂のうまみが口いっぱいに広がる。パリッとした歯ごたえが抜群のアクセントだ。
まあ、要するに普通の鮭の塩焼きなんだけど。
しかし、食べた瞬間から頭の中に知識が流れ込んできた。その中には、アルハザードの知識、魔力の効率的な運用方法、デバイスの知識、食料をおいしく料理する方法、と言った感じにすごく役に立ちそうのがチラホラと。
神話上でフィンは親指にはねた知恵の鮭の脂をなめたから、『親指をなめて知識を得る』という初めて聞いた人がドン引きしそうな感じの説明しかできない力を得ていた。そこから考えると俺の場合は知恵の鮭を普通に食べたから常に必要な知恵を得られるってことか?
「うー!?」
「パネエな、おい」
「……うあ、みずぅ」
「はい」
「あ、ありがとうございます……」
赤く染まった和服を纏ったウンディーネが『泰山の激辛麻婆豆腐』を食べて悶絶していたが気にしない。
住人達は『ギガントミート』や『某RPGの種子系アイテム』、『メシデス』を食べている。
リスナー(リス。すばしっこい魔法生物)やハムタ(ハムスター。魔力変換資質『炎熱』によって噛んだものを燃やす)と言った齧歯類ズの纏っているオーラが現在進行形で変わっていることも気にしない。
ホー(梟。飛行魔法を利用した飛行法により完全無音飛行を行う)やクラッカー(黒い犬。高速の射撃魔法が得意)などの肉食系動物ズが『ギガントミート』の二つ目を食べた瞬間に体力が30ほど上がった気がするのも無視する。
『某グルメバトル漫画の食材』を食べた中で、銅鑼(龍。とっても強いよ)やフジョ(ハイエナ。他の肉食動物の食べている所を襲って食事を奪う。草食動物を狙った方が早いのにそれに気が付いていない)など一部が目に見えて体つきが変わったがスルーするー。
つーか、翠屋のシュークリームうまいな。
赤や黄に変わった木々も素晴らしい景色を作っているし、ずっとこんな日々が続けばいいが。
『一周 雪と妖精と温泉』
「雪か」
すっかり冷え込んだが、今日も俺は大戦略Tシャツ+ジーンズである。
俺の視界には一面真っ白雪景色。
これは、あれをやるしかないな。
そう決めた俺は雪玉を作っていく。
「なにをやってるのですか?おままごとですか」
「なにを作っているって、雪玉だが」
通りすがりのニット帽やセーターやマフラーで完全防寒装備ウンディーネの質問にそう答える。
しかし、ウンディーネがラプラ(大型犬。魔法による強化で犬なのに5馬力のパワーを発揮する)に乗っているのを見ると感慨深いな。
「なにをするためそんなことを」
「無論、雪合戦大会を行うためだ。俺のことは『雪だマシーン魚飼』と呼べ」
「いや呼びませんけれど」
勿論、話している間も手は止めない。
「ウンディーネ。暇なら、住民たちを適当な数集めてくれるか?」
「……わかりました。集めるのはここでいいのですか?」
「ああ、頼む」
「行きましょう。ラプラ」
ウンディーネに促されラプラが高速で走り去っていく。
さて、作るか。
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いつの間にかパンジー(初老のチンパンジー。魔力を球状にして投げつけたり、魔力を棒状にして殴ったりと言った攻撃を行う)が雪を丸め始めた。
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いつの間にかアメ(アイアイ。魔法生物ではないが頭がいい)やゴリム(筋肉質なゴリラ。でも意外と技巧派)を筆頭としたみんなが雪玉を作っていた。
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「ゆ、雪玉作り選手権!?」
帰ってきたウンディーネが叫んだ。周りを見てみると大量の霊長目が大量の雪玉を作っていた。
その姿は、さながら手作業で商品をパックに詰めていく工場のパートさん軍団のようだ。
ウンディーネを見てみると行ったときと同じくラプラに乗っており、その後ろには百鬼夜行とでもいうべきな住民の軍団が。よくもまあ、ほとんどの住民が冬眠している中でこれだけ連れてこれたな。
さて、雪玉の数はおおよそ12万。おかげでこの辺だけ雪がないが気にしない。
では、
「レディース&ジェントルマン!これより、第一回雪合戦大会(個人)を始める。全員で雪玉を投げ合って、一発でも雪玉が当たれば退場。最後まで残った奴が優勝だ。絶対厳守してほしいことはひとつ。死ぬな!」
「死ぬな!?」
「じゃあ、ゲーム、スタート!!」
………………………………………………………………………………………………………
結果。開始から20秒足らずで俺は負けてしまった。
雪玉を射撃魔法で撃ち出すのを禁止にしておけばよかった……。
ちなみに最後は山から超巨大雪玉が飛んできて空中でバラバラになり、その場にいた全員に的確にヒットするという事態が発生して、参加していた住民が全員混乱していた。
巨大雪玉を投げた(?)優勝者の『ハッシュ』さんには巨大マンガ肉が贈られた。
閑話休題
俺たちは雪合戦で冷えた体を暖めるため、魚ハウスの横の温泉に入っていた。
見渡すと、先程の雪合戦に参加していたほとんどの住民が温泉に入っている。が、ほとんど霊長目だった。
「いい湯だ」
「はあ~~~」
しかし、前から思ってたけど、この温泉何の効能があるんだ?確かに入るとその日の疲れが取れるし、体力が上がってスタミナもつくような気がするし、卵を入れておくと『とろける食感に高い栄養価の温泉卵』に変貌する。
一体どんな成分でそんなことが……。
「しかし、今日も楽しかったな」
「はい~~」
昨日も一昨日も、俺たちはいろいろあったが楽しく過ごしてる。
「明日も楽しく過ごせればいいけどな」
「……」
ん?ウンディーネの返答がない。さっきまでは、俺の発言一つ一つに相槌を打ってくれてたのに。このままだと俺が独り言を言い続ける痛い人になってしまう。
ん?なんか『ゴボゴボ』とも『ぶくぶく』とも取れる音が聞こえるな?一体何が?
「……」
「って、溺れてるだと!?」
作者のたくヲです。
魚「本作の主人公、魚飼空です」
正「『リリカルでマジカルな世界で最強の狙撃手を目指す』主人公、
画「『戦国武将を召喚して聖杯戦争で勝利を目指す』主人公、
ザ「『ザイードに憑依して暗殺王を目指す!?』主人公、ザイードっす」
禁「『とある主要人物に憑依して最強の魔術師を目指す』主人公、
投稿遅れて申し訳ございませんでした。
魚・正・画「この、駄目作者が」
ザ「とりあえず、あんたを愉悦材料に……」
禁「えーと。私は無視なのかな?」
新キャラのインデックスさんは……
禁「駄目作者は黙ってた方がいいかも」
……………………。
魚「
正「ああ、第四位の能力持ってたんだっけ」
画「完全に俺がおいてかれてるんだが。お前ってなんなんだ?」
禁「私はイギリス清教のシスターさんに憑依した元一般人の女子高生なんだよ」
魚「特典はなんかもらったのか?」
禁「『とある魔術の禁書目録の10万3千冊の魔道書の知識』と『魔術や魔法の知識を見ることで解析、追加していく能力』だね」
ザ「みんなずるいっす……俺なんて能力を貰うどころか神様にあってすらいないんすよ?」
画「そんなこと言ったら、俺は転生者ですらないぞ?」
さて、今回の話しについてですが。
魚「短編集だな」
正「投稿遅すぎんじゃねえか。……まあいいか」
禁「まあよくないと思うんだよ?」
ザ「しかし『リリカルなのは』ほとんど関係ないっすねえ」
画「『知恵の鮭』まで出せるとは。ってことはお前、実は頭いいのか?」
魚「いや?別にあれは知識を与えるだけの物だからな。頭の回転が良くなるとかそういうのはない。ただ必要なときに必要な知識が手に入るだけだ」
禁「見事に私の株を奪ってくれてるね」
『
正「……まあいいか」
魚「今更ツッコミは不要、か。さて、駄目作者。今後の更新予定は?」
この作品はあと3・4話で完結します!!
禁「言い切った!?」
正直な所、目指すシリーズの中ではおまけ扱いみたいな作品ですから。
ザ「『狙撃手』のスピンオフっすからねえ」
画「しかし、かなり前から更新していない『戦国武将』は……」
禁「私の『歩く教会』の前ではその程度の攻撃は意味がないかも」
魚「
ぐはあ!?
魚「さて、作者もいなくなったところでお別れの挨拶を」
正「今回の話は異常です」
ザ「短編集でしたが、楽しんでいただければ幸いっす」
禁「考えなしに作品を増やしている気がしますが、もうこの作者は作品を増やす気はありません」
画「これからも『魔法少女達の世界で最強の魔物使いを目指す。』をよろしくお願いします」
魚「感想などを頂けると作者の執筆速度も上がります。よろしくお願いします」
次回、『魔物使い』の物語は一気にクライマックスへ。