副作用に副作用があるのはおかしいだろ!!   作:おびにゃんは俺の嫁

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おまたせしました。
最新話凄かったですね!
情報量多スギィ!
帯島ちゃん可愛スギィ!


第14話

「失礼します」

 

そう言って夏樹は嵐山隊の隊室にお邪魔する

 

「来たか夏樹。忍田本部長から話は聞いたよ。とりあえず入ってくれ!」

 

夏樹を爽やかな笑顔でそう言いながら嵐山は自身の隊室に迎え入れた。

 

「はいお願いします。それでこれ、ドーナツです。皆さんで食べてください」

 

夏樹は嵐山にクリスピードーナツの箱を渡す。

 

「別に構わなくていいんだぞ」

「いや、今回はそういうわけには行きませんよ。玉狛(うち)のゴタゴタに巻き込むわけですから。まぁ俺の気持ち的なとこもあるんで、受け取ってくださいよ」

「わかった。充、お茶を頼んでいいか。後これも」

 

夏樹からドーナツを受け取った嵐山は時枝にドーナツを渡し、お茶を入れるように頼んだ。

 

「了解です」

「私も手伝います」

「おう、頼んだ。夏樹はそこに座ってくれ」

「はい」

 

嵐山に促され夏樹は椅子に座る。

座った夏樹は正面のソファに座っていた綾辻と目があった。

 

「報告書を書いた時以来ですね」

「そうだな綾辻。すまんな、生徒会に入隊式と忙しい時に」

「大丈夫ですよ!慣れてますから」

 

そう言って綾辻は胸を張る。

思わず綾辻の胸に目が行ってしまう夏樹。

だが普段教師含めて若い女性のいない男子校に通っている夏樹にはこう言った女子の光景を見る事が無いので、胸に目が行っても、光景を脳裏に焼き付けても仕方ないことなのである。

だが、日頃の冬華の調きょ…教育で綾辻に悟られることなく、こっそりとこの光景を頭の中に保存している夏樹。

ドヤ顔気味で胸を張っている事に気付き顔を赤くしている綾辻、表面上は真顔だが顔を赤くした綾辻にグッと来ている夏樹、2人の間に妙な沈黙が流れていた。

 

「お茶淹れてきました。どうぞ」

「先輩もどうぞ」

 

妙な沈黙がお茶を淹れて来た時枝と木虎によって破られた。

 

「2人ともありがとう。座ってくれ。賢は狙撃手(スナイパー)の訓練で遅れると連絡があった。という訳で夏樹、忍田本部長から話は聞いてるけど改めて事情を聞かせてくれるか?」

「分かりました。まずは…」

 

嵐山隊の全員が座ったのを見て嵐山が夏樹に事情を聞く。

夏樹は嵐山達に空閑のことや、城戸さん派が黒トリガー強奪に動くであろうことを説明した。

 

「なるほど…」

「そうだったんですね…」

 

話を聞いた嵐山隊の面々は自分達が思わぬところで救われていたことに驚きつつも納得の声を漏らす。

 

「今話した通り、自分は遊真を、空閑をボーダーに入れてやりたいんです。なのでどうか協力をお願いします!」

 

その反応を見た夏樹は椅子から立ち上がり、真剣に訴えかけるような眼で嵐山達を見て、体を畳むように深々と頭を下げた。

 

「!?あ、頭をあげてくれ。俺たちも協力させてもらうよ。話を聞く限り俺たちは空閑くんに借りもあるみたいだからな!」

「ありがとうございます!」

「みんなもそれでいいか?」

『はい!』

「よろしくお願いします」

「ああ。それで俺たちは何をすればいいんだ?」

「一応迅さんと自分で太刀川さん達と戦うんですけど、そこに忍田さん派として参戦してもらえればありがたいです」

「なるほどわかった。それでいつぐらいになりそうだ?」

「恐らくですが、太刀川さん達遠征部隊が帰ってくる、3日後の夜かと思います」

「3日後の夜か…」

「微妙ですね。確か防衛任務がありましたよね?」

「そうだな。だがちょうど終わる頃だろう。午後から夜までのはずだったよな」

「はい」

「なら終わり次第そっちに急ごう。夏樹それでいいか?」

「はい、大丈夫です。それじゃあ詳しい作戦を話しますね」

「ああ、頼む」

 

夏樹は嵐山達に迅と考えて決めたトリオン切れ狙いのプランAと、太刀川達がプランAに気づいた時用のプランBを説明する。

 

「そうか…迅が風刃を…」

「はい」

「わかった。俺たちは夏樹に加勢すればいいんだな?」

「はい。それで1つ渡しておきたいものがありまして。綾辻、これを」

 

夏樹は胸ポケットからUSBを取り出して、綾辻に渡す。

 

「あの、先輩これはいったい何ですか?」

「それには俺が新しい作ったトリガーのオペレーター用のソフトウェアだ。太刀川さん達と戦う時に使おうと思ってるから渡しておこうと思って」

「新しいトリガーですか…」

「どんなやつなんだ?」

「名前はスモークでいこうと思ってる」

「スモーク…発煙弾ってことですか?」

「とっきーの言う通り煙を出すけど、そっれだけじゃないんだな?」

「他に何かあるんですか?」

「そうだなぁ、まぁ説明するより早いか!嵐山さんトレーニングルーム使っていいですか?」

「おう、構わないぞ!俺も気になるしな!」

「じゃあとっきー、トリガー借りていい?俺が使うよりとっきーがスモーク使った方が効果がわかりやすいだろうから」

「わかりました。どうぞ」

 

時枝が夏樹にトリガーを渡す。

夏樹は嵐山と木虎に先にトレーニングルームに入ってもらい、綾辻と時枝にスモークの説明をする。

そして時枝のトリガーのメテオラの代わりに突撃銃の片方の枠にスモークをセットした。

時枝がトレーニングルームに入り、各々がトリガーを起動する。

 

『じゃあ早速始めても大丈夫ですか?』

「私は大丈夫です」

「ああ、俺もいつでも大丈夫だ」

『とっきーもいいか?スモークはさっきの説明通りにやってみてくれ』

「わかりました」

『それじゃ始めますね』

 

夏樹のアナウンスが消え、機械的な音声でカウントダウンが始まる。

トレーニングルームは何もない無機質な状態から市街地の一部が再現される。

街の中、嵐山と木虎、時枝がそれぞれの銃を構えて、少し距離を置いて向かい合う。

カウントダウンがゼロになった瞬間に時枝が動いた。

 

(スモーク!)

 

メテオラの大弾を白くしたものが時枝の突撃銃(アサルトライフル)から放たれ、嵐山と木虎の2人と時枝のちょうど真ん中あたりに着弾した。

そして着弾したスモークは大気と反応するのを防ぐ役割を持つカバー部分が割れ、弾体部分が大気と反応して辺り一帯に白い煙をまき散らす。

スモークは設定された通りの濃さと範囲を持って、嵐山たちの視界を奪った。

 

「木虎、警戒!」

「了解!」

 

警戒した木虎の元にアステロイド飛んでくる。

 

「くっ…シールド!」

 

たまらず木虎は手持ちのハンドガンで撃ってきた方向に撃ち返すが、シールドにさえ当たっている気配がない。

嵐山も木虎を援護するために広範囲にアステロイドをばら撒くが、こっちも手応えは無い。

だが相変わらずほぼ全ての弾丸が木虎に命中しており、ついにはシールドが割られ、木虎の戦闘体が破壊された。

嵐山は今さっきアステロイドが飛んできた方向にメテオラを撃つ。

しかしやはり反応はなく、思いもしない方向から撃たれて、嵐山もあえなく戦闘体を撃破された。

 

『嵐山、木虎、両名ダウン 模擬戦終了』

 

模擬戦を終えた三人がトレーニングルームから出る。

 

「とっきーどうだった?うまく作動してた?」

「はい、大丈夫でしたよ。うまく作動してました。さすがですね」

「そうか、なら良かった。綾辻もありがとな、わかんないところとか無かったか?」

「大丈夫でした。とても使いやすかったですよ」

「そうか、そっちも良かった」

「あの…そろそろ説明してもらってもいいですか」

「ああ、そうだな」

「一体どうなっていたんだ?充は俺たちの位置をわかってたみたいだったじゃないか」

「それはですね…」

 

夏樹は嵐山と木虎にもスモークの仕組みを説明した。

 

「なるほど、そういう事だったんですね」

「道理で充の射撃が正確だったわけか…」

「やっぱり風間隊対策ですか?」

「まぁ、俺が当たるとしたら風間さんたちか秀次たちあたりでしょうからね」

「なるほどな。ところで…これ何時本部に持ってくんだ?」

「一応はこの件の後ぐらいに鬼怒田さんに渡そうとは思ってますよ」

「そうか、それは楽しみだな。ぜひ使わせてもらうよ」

 

その後も何度か綾辻のソフトへ慣れる為の練習と、嵐山達との連携のために何度か模擬戦をこなした。

 

ひしがた

 

「それじゃあ自分たちはお先に失礼します」

「お疲れ様です」

「おつかれっす」

「おう、おつかれ。そんじゃよろしくな」

 

忍田本部長に報告に行く夏樹と嵐山を残して、途中から参加した佐鳥を含めた4人は帰っていった。

残った夏樹と嵐山の2人は忍田本部長の元へ行こうと隊室を出て廊下を歩く。

すでに外は暗くなっている時間だからか、隊員の姿はなく、廊下には2人の足音が響いていた。

 

「それにしても、驚いたよ。夏樹が今回のことに参加するなんてさ。俺はてっきり迅のやつに任せると思ったよ」

「そうですか?」

「ああ、前のお前なら迅に協力はしただろうけど、ここまでは動かなかったと思うぞ。変わったな」

「そんな変わりましたか?」

「変わったさ。四年前のお前はこういったものに関わる余裕が無かったぞ」

「まぁ確かにそうですね。あの時は親父達の代わりに冬華に不自由なくさせなきゃ、ってガキなりに必死でしたから」

「そうだな。あの時の夏樹は三輪とは別の意味で暗い奴だったな。そっからよくここまで変わったもんだな」

「それは皆さんのお陰っすよ。間違えそうになったとこを何度も助けてくれましたから」

「だからか?今回の空閑くんは…」

「そうですね。あいつはどっか俺に似てる気がするんですよ。だから俺は遊真にここで楽しい思いをして欲しいんです。俺もそれにだいぶ救われてましたから」

「そうか…」

「はい。なんで、改めてよろしくお願いします!」

「ああ!任せてくれ!」

 

夏樹は足を止め、嵐山に向かって改めて頭を下げた。

 

「しかし懐かしいな。もう四年前か…」

「…?何がですか?」

「俺たちの会見だよ。衝撃だったよ。お前の発言は」

「あ〜あれですか…忘れて貰えるとありがたいんですが…」

 

夏樹は気恥ずかしそうに指で頬をかき、目を外らす。

 

「そうそう忘れられないさ。まさか自分たちより年下の夏樹が記者相手にあそこまで口で追い詰めたんだから俺も柿崎もビックリしたよ」

「あれはあの記者の質問に怒りを抑えられなくて思わずやっちゃったんですよ」

「まぁそうだな。あれはお前が怒るのも仕方ないさ。でもまさか喋る予定のない夏樹が会見のメインニュースになるなんてな」

「今でもたまに街で声をかけられますよ…」

「それは仕方ないさ。根付さんが悪評を広めないようにしてくれたんだ。それくらいは我慢だな。あの時の根付さんの顔は凄かったよ」

「いやほんとに申し訳ないっす」

 

気がつけばさっきまで静まり返っていた廊下に2人の明るい会話が響いていた。




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