副作用に副作用があるのはおかしいだろ!! 作:おびにゃんは俺の嫁
次で黒鳥争奪戦終われればいいなぁ
太刀川らと別れた風間隊は、さっきまでレーダーに反応があったところへ向かっていた。
『風間さん、夏樹を見つけたぜ。位置はそっから東に50くらい行ったとこの公園だ。そこ木からバッグワームがはみ出てるぜ』
「わかった。当真はそのまま警戒していろ」
『了解』
「……っ!?危ない!」
夏樹の場所に向かおうとした時だった。
菊地原が、何かに反応したように歌川を突き飛ばし、自分も後ろへ跳んだ。
間一髪のタイミングでさっきまで2人のいた位置にバイパーの雨が降り注いだ。
「助かった菊地原」
「位置がばれてい…っ!」
風間が話そうと口を開いた瞬間、再び風間達にバイパーが四方八方から襲いかかる。
「シールド」
3人はお互いカバーし合い、バイパーを防ぐ。
『なっ!?警戒!!』
レーダーを見た三上が、焦ったように風間達に警戒を促す。
レーダーには風間達のすぐそばに新たに反応が出て、風間達に猛スピードで近づいていた。
それも西側から。
「どうなってる…当真、バッグワームは?」
『それが今さっき消えちまった。どういうことだ?』
『…おそらくだが、あらかじめバッグワームを脱いで、木か何かに掛けておいたのだろう。本人は…』
ちなみにそれは夏樹のいない世界だったら、ランク戦で東が使った手と似たようなものだった。
『佐藤先輩の反応がまた消えました!』
「なに!?……っ!来るぞ!」
冬島の推測を聞いていた風間達の元に、またしても軌道を複雑に描きながら弾の雨が降ろうとしていた。
「ハァー、またですか…シー「止せ!避けろ菊地原!」…!?」
菊地原が、今度の攻撃もシールドで防ごうとした時、風間はハッと何かに気づき、菊地原に避けるよう叫び、自分も急いで後ろへ跳んだ。
「なっ!?
歌川が言ったように、跳んできた弾丸は複雑な軌道を描き、着弾した途端に爆発した。
そう、夏樹が撃ったのはバイパーではなく、メテオラとの合成弾、トマホークだった。
「くっ!」
着弾したトマホークの爆発は、シールドで防ごうとして反応の遅れた菊地原の、左足の足首から下を飲み込んだ。
「無事か?菊地原!」
風間の問いに、咳き込みながらも菊地原は右手を挙げて答えた。
だがその左足首から先は、今のトマホークで無くなっていた。
「三上、レーダーの反応はどうだ?」
『さっきまでの反応は消えて、今は反応ありません』
「そうか…」
「次弾来ます!」
◆
「佐鳥、どうだ?当たったか?」
『ダメっすねー。今度のは躱されました』
「そうか…さすがは風間隊だな。なかなか思い通りにはいってくれないか…」
『でも少しずつですが、攻撃は与えられています』
「まぁそうだな。頼むから、とっとと撤退してくれー」
俺は、迅さんと別れた後、後を追って来た風間隊と冬島隊を相手にしていた。
ありとあらゆる手を使って。
ある時は、バッグワームをしたままバイパーで狙ったり…
またある時は、バッグワームを解除して近づくような動きを見せて、トマホークを撃ったり…
さらにバッグワームを解除して、トマホークではなく敢えてバイパーを撃ったり…
一人時間差射撃をしたり…
俺は佐鳥というスポッターの元、自分の姿を見せないまま風間さん達に攻撃を加えていた。
『それにしても、恐ろしいっすね〜。良かったーあっち側じゃなくて』
「そうか?」
『そうっすよ!ゾエさんのメテオラより、厄介ですよ。絶対』
「まぁ、戦闘はやられたら嫌な事をするのが基本だからいいんだよ」
『そんなこと言ってると、いつかやり返されますよ〜』
やり返せるなら、やり返してみろってもんだ!
バイパーの精密な弾道設定、バイパーとトマホークの違いを感じさせないような弾速調整、合成弾を素早い作成、そしてある程度のトリオン量、これらの条件に当てはまっているのはそういないだろう。
まぁ俺自身もサイドエフェクトのおかげで出来ているようなものなので、そう長くはできないだろう。
実際、サイドエフェクトを30%、合成弾を作る時に至っては40%まで上げているんだ。
「あぁ〜頭、いてぇ」
言ったそばからこれだ…
酷い頭痛と倦怠感だ。
トリオン体じゃなきゃ、倦怠感で座り込んでただろう。
俺は隊服のポケットからチョコバーを取り出して食べた。
チョコの甘い味が口に広がり、じんじんと頭に響いていた頭痛が少し薄らぐ。
『大丈夫ですか?』
綾辻が心配そうに聞いてくる。
「ああ、大丈夫だ。まだいけるよ」
佐鳥に風間さん達の様子を確認してもらうよう頼む。
「佐鳥どうだ?どんな状況になってる?」
そしたら、遠くの方からドンッという音が聞こえた。
隠れていたマンションの一室のベランダから、身を乗り出して外を見ると、遠くで本部基地へと飛んでいくように光が走っているのが見えた。
ベイルアウトだ。
おそらく迅さんが誰かを倒したのだろう。
『
「綾辻、作戦変更だ。嵐山さんにも言ってくれ」
『了解です。事前の打ち合わせ通りでいいですか?』
「いや、嵐山さん達には冬島さんと当真を探してもらえるか?」
『わかりました』
「後、綾辻スモークのサポートも頼む。悪いな、色々任せて」
『いえ、これくらい大丈夫です!』
「そうか、助かるよ」
『夏樹先輩、俺は?』
「佐鳥は、風間さんたちをいつでも狙撃できるよう待機していてくれ」
さてと、こっちも仕掛けるとしよう。
そう決めた俺は、バッグワームを解除して、トマホークを撃つ。
そしてトマホークが着弾するタイミングで、風間さん達に向かって走り出し、数十メートルまで近づいて、菊地原の背後にテレポートする。
いくら耳がいいからといっても、爆撃の中、テレポートする前の遠くの足音は聞き取れないだろう。
「菊地原!!」
「…っ!」
(獲った!!)
俺のその考えは的中、菊地原は突然現れた俺に驚き、反応が遅れる。
それを好機とばかりに俺は、菊地原を袈裟切りにせんとばかりに斬りかかった。
感想、評価、アドバイス等等お待ちしています。
黒鳥争奪戦ですが、迅サイドもやった方がいいですか?
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書くべき
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そんな暇あるなら、続きを書け!