副作用に副作用があるのはおかしいだろ!!   作:おびにゃんは俺の嫁

18 / 29
少し遅くなってしまい申し訳ありません。
アンケートにご協力してくださった方、ありがとうございました。


第17話

 菊地原は、俺の袈裟斬りを躱そうと身体を仰け反れせたが間に合わず、左肩からトリオン供給機関手前にかけてを大きくダメージを受けた。

 

チッ、供給機関には届かなかったか……

まぁでも、左腕の伝達系は切断した。

これで左は使えんだろ。

 

 俺は、追撃が来る前に菊地原を攻撃してる時から座標設定していたテレポーターで、菊地原とその後ろにいる風間さんと歌川の背後へと跳んだ。

だが風間さんは、俺が跳んだ先を予想したみたいでこっちを向いて、牽制目的の攻撃をしてきた。

 

「菊地原、戦えるか?」

 

 こちらを警戒しつつ菊地原の方へ視線をやる風間さんの問いに、菊地原は頷いて答え、スコーピオンを展開して右手に持って構える。

風間さんと歌川もスコーピオンを持ち、俺の目を見てテレポーターを警戒する。

 風間さん達三人の動きを注視していた俺の視界の端に、閃光が迸り遅れて弾丸が飛来した。

 

「レイガスト」

 

 俺は、左手にレイガストを展開する。

 そして狙撃を受け流せるように構え、飛んできた弾丸を弾いた。

 レイガストを構え直し、右手を手刀のように構えて、手刀の側面にスコーピオンを生やす。

 

「来るぞ!」

 

 俺は、こちらに向かってくる風間さんにシールドを構えて突撃する。

 風間さんの横薙ぎに振るわれたスコーピオンをレイガストでパリィする。

 そしてパリィで隙のできた風間さんの胴に向かって、スコーピオンで突きを繰りだす素振りをする。

 俺の突きを躱そうと、風間さんは左半身を後ろに引こうとする。

 

 かかった!! 

 

 そう思った俺は、左手のレイガストを形を変えずにブレードモードに切り替えてスラスターを起動する。

 

「スラスターON!」

「しまっ……!?」

 

 予測していなかった攻撃に回避が間に合わなかった風間さんの右脇腹に俺のレイガストが決まり、風間さんを後ろへと吹き飛ばした。

 

「「風間さん!」」

 

 すぐさま、俺に歌川と菊地原が斬りかかり、風間さんのカバーに入ってくる。

 

 2人の密度の高い連携を、シールドモードに戻したレイガストで、しのぐ。

 菊地原が下段蹴りを繰り出して、俺の足をとろうとする。

 そして取られまいと、上に飛んだ俺に、いつのまにか後ろに回り込んでいた歌川が、スコーピオンを振り上げながら、アステロイドをいくつかに分裂させ横方向に拡散させて放つ。

 

「アステロイド!」

「くっ! シールド」

 

 俺は、歌川が振り上げて来たスコーピオンをレイガストで弾き、多方向から無数に迫るアステロイドをシールドで防ぐ。

 

『先輩、右です!!』

「!?」

 

 綾辻の通信通りに右上から、風間さんが何もないところから突如現れて、スコーピオンを振り下ろして来た。

 俺は咄嗟に右手にスコーピオンを生やして、振り下ろされた風間さんのスコーピオンを受け止める。

 スコーピオンで風間さんの攻撃を防ぎ、レイガストで歌川を弾いたことで、空中で身動きが取れず、隙のできる。

 隙の出来た俺に、前後から菊地原と歌川が、俺に斬りかかってきた。

 

「スラスター」

 

 俺はスラスターを起動して、左側へ飛ぶ。

 風間さんら3人から離れた位置に着地したところに、予期していたかのようにピンポイントで、狙撃が飛んできた。

 

「シールド」

 

 前の狙撃とは別の場所から放たれた狙撃は、俺が展開したシールドによって防がれた。

 

 イーグレットじゃ俺のシールドは破れない。

 

 そう思いつつ、俺は佐鳥に当真がまだ今の場所にいるか確認するように通信をする。

 横にいた風間隊の姿が消えていった

 おそらくカメレオンを使ったのだろう。

 

 来た!! 

 

『綾辻、スモーク使うぞ!』

『了解です。……OKですいつでもいけます!』

 

 綾辻が用意出来たことを確認した俺は、スコーピオンを仕舞い、グラスホッパーを外して、代わりに入れてあったスモークを起動する。

 起動すると、手のひらに他のシューター用トリガーとは違った、白く輝く立方体が現れた。

 そしてその立方体は、弾けるように辺り一面に白い煙をまき散らした。

 

 

 ◆

 

 

 夏樹がスモークを使ったことで、風間隊を白い煙が覆った。

 

「……!? 三上、視覚支援だ」

 

 風間が、三上にいち早く視覚支援の指示を出す。

 すぐに三上の『視覚支援』の通信越しの声と共に、支援が起動した。

 だが視界を埋め尽くす白い煙は晴れなかった。

 

『風間さん』

 

 声で位置がバレないよう通信越しに歌川が、風間に指示を仰ぐ。

 

『おそらく夏樹の新トリガーだろう。菊地原、耳はどうだ?』

『大丈夫ですよ』

『わかった。なら……!?』

 

 風間が聴覚共有をしようと提案したその時だった。

 ドンッという音がして、菊地原が緊急脱出(ベイルアウト)した。

 

『歌川、急いで煙から出ろ!』

 

 風間は、歌川に煙から出るように指示しつつ、自身も急いで煙から出た。

 

「風間さん、どうしますか?」

「夏樹はおそらく煙の中でも俺たちの姿が見えているのだろう」

「カメレオンは?」

 

 歌川の問いに、風間ではなく緊急脱出(ベイルアウト)した菊地原が答えた。

 

『見えてると思いますよ。僕がやられた時はカメレオン使ってたんで』

「そうか……ならもうカメレオンは使わない方がいいな。当真、やつが出て来たとこを狙撃できるか?」

『ああ、できるぜ風間さん』

「わかった。歌川、俺たちも狙撃と同時に仕掛けるぞ。一応、テレポーターにも気をつけろ」

「了解です」

 

 風間と歌川は、煙の中から出てくるであろう夏樹を警戒する。

 

「来た!」

 

 煙から何かが飛び出た。

 

『余裕だぜ』

 

 当真が狙撃した。

 狙撃は見事に飛び出たところへと飛んで行った。

 それと同時に風間が、そして少し反応が遅れた歌川が、走り出した。

 

『なっ!?』

 

 狙撃は見事夏樹に命中したかに思われた。

 だが狙撃は、夏樹ではなく、スコーピオンに当たった。

 そう、飛び出して来たのは夏樹ではなく、スコーピオンだったのだ。

 スコーピオンは弾に当たって砕けて消えていった。

 そして風間達が警戒していた夏樹は、テレポーターで風間と歌川の隣へと跳んできた。

 跳んできた夏樹は風間に向かって一直線に駆け、スコーピオンを風間に振り下ろそうとする。

 

「風間さんっ!!」

 

 それに気づいた歌川が、風間と夏樹の間に入って、自らのスコーピオンを横して掲げることでガードしようとする。

 お互いのスコーピオンは、ぶつかり、砕けるかに思えた。

 だが夏樹の振り下ろされたスコーピオンは、歌川のスコーピオンを、避けるように変形しながら、通り過ぎたのだ。

 まるで米屋が使う幻妖孤月のように。

 そして夏樹のスコーピオンは、元のブレードの形に戻り、そのまま歌川の左足の膝下を斬り落とした。

 体勢を崩す歌川に、夏樹が新たに生成したレイガストでとどめを刺そうとした。

 そこに歌川を飛び越えて、風間がカバーに入った。

 風間は、息もつかせぬ連撃で夏樹を下がらせ、さらに追撃する。

 

「くっ……」

「アステロイド!」

 

 そこに歌川が、体勢を崩しながらもアステロイドを、夏樹の動きを阻害するように放つ。

 さらに当真による、狙撃の援護射撃が加わる。

 

「シールド」

 

 夏樹は、アステロイドと狙撃をシールドで防ごうとするが、シールドを張った瞬間、風間がシールドをスコーピオンで叩き割った。

 

「なっ!?」

 

 たまらず夏樹は、後ろへ大きく下がっていった。

 その時夏樹は、レイガストのブレードを仕舞い、視線を風間と歌川の奥の方へと向けながら下がった。

 

 テレポーターだ。

 

 そう思った風間、歌川、狙撃位置にいた当真の3人は、夏樹の視線と見ている時間を考えて、夏樹が跳んで来るであろう位置を予測して、警戒する。

 夏樹が消えた。

 

(((来る!!)))

 

 風間は、歌川の横を通って予想位置に近づき、両手にスコーピオンを持つ。

 歌川は、片足を失っている為、近接戦は厳しいと判断して、少し下がってアステロイドを出す。

 当真は、狙撃銃の照準を予測位置に合わせ、引き金に指をかけた。

 

「えっ?」

 

 ピシッという音と共に、歌川の身体に罅が入った。

 驚きのあまり声が漏れる。

 その声は、突如自分の後ろから攻撃を食らった歌川のものだった。

 

「な、何が……」

 

 夏樹は、風間達3人が予測した距離よりも、短い距離を跳んだのだった。

 そして跳んだ先にいた歌川を、背後からレイガストで供給機関を貫いた。

 

 〔 トリオン供給機関破損 緊急脱出(ベイルアウト) 〕

 

 歌川が、本部基地への軌道を描いて緊急脱出した。

 風間は、歌川の緊急脱出(ベイルアウト)の瞬間の閃光を利用して、夏樹に両手のスコーピオンで猛攻撃を仕掛けた。

 夏樹に反撃の隙を、主導権を渡さない、まさに攻撃は最大の防御と言わんばかりの風間の猛攻に、夏樹は防戦一方になる。

 そしてその夏樹に、横から当真による狙撃が加わった。

 夏樹は、狙撃の方へレイガストを向けて、狙撃を防ぐ。

 風間は、狙撃を防いだことで夏樹のレイガストの向きが自らから外れた瞬間、レイガストを掴み、下に引っ張る。

 そうすることで夏樹の重心がレイガストにつられてずれる。

 風間はさらに追い打ちとばかりに、足をかけて夏樹の体勢を崩した。

 

「……っ!?」

 

 夏樹は、咄嗟に腕にスコーピオンを生やす。

 風間は、一撃目で夏樹のスコーピオンを割り、二撃目でとどめを刺そうと、両手にスコーピオンを持ち、思いっきり振り下ろした。

 その時、風間の脳裏に嫌な予感が走ったが、風間はそれを無視してそのままスコーピオンを振り切った。

 

「何っ!?」

 

 振り下ろしたスコーピオンは、夏樹のスコーピオンとぶつかり、2つとも砕け散ったのだ。

 風間は、同じスコーピオン同士でぶつけたのにもかかわらず、自身の両手の2つのみが壊れ、夏樹の手に生えたスコーピオンは割れるどころか、罅さえも入っていないことに驚いた。

 その為、風間は一瞬動きが止まってしまった。

 

「スラスターON!」

「しまっ!」

 

 夏樹は、風間のその隙を見逃さず、レイガストをスラスターで飛ばして、風間の足を取った。

 風間は、バランスを崩して前に倒れこむ。

 

 倒れこむ風間に、夏樹が瞬時に手に生やしたスコーピオンを剣の形に変えて風間を斬った。

 

 〔 戦闘体活動限界 緊急脱出(ベイルアウト) 〕

 

 

 




感想、評価、アドバイス等、お待ちしています。
誤字報告ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。