副作用に副作用があるのはおかしいだろ!!   作:おびにゃんは俺の嫁

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初めまして。
処女作です。ハーメルン難しい!


第1話

 

今でもたまに思い出す。

 

そして何度も何度も考えてしまう。あの時の自分が下した選択は正しかったのだろうかと。

 

迅さんや冬華に

 

「仕方なかった」

 

「兄さんは悪くないです」

 

と慰められても、自分なら、自分の持つサイドエフェクトなら、何かもっと良い結果を生み出す選択をできたのではないかと思ってしまう。

 

どうしようもなかったと自分でも理解していながらも、何かあるとふと考えてしまう。

 

それはあの日から4年たっても続いていた。

 

 

 

 

「…いてるの?ちょっと佐藤君、聞いてるの?」

 

オペレーターの俺を呼ぶ声によって、俺は現実へと意識を引き戻される。

 

あぁそうだった、今は警戒任務中だった。どうやらまたあの事を考えてしまっていたみたいだ。もう4年か…

 

「聞いてますよ。で、なんの話でしたっけ?」

 

「聞いてないじゃない!トリオン兵の反応がないからいいけど、今は任務中でしょ」

 

「すいません沢村さん、少し考え事をしてました」

 

声の主であるオペレーターの沢村響子さん。彼女にも4年前の現ボーダー設立した直後の時、かなりお世話になった。

 

当時まだ中学生だった俺は、大規模侵攻で親父と母さんを亡くして精神的に参っていた。まだ子供で、右も左もわからなかった俺と妹に、生活面のことを色々と教えてくれた。

それに現ボーダー設立当初は同じ隊だったしな。解散して沢村さんはオペレーターになって、今では本部長補佐になった。

俺も隊が解散した後、ボスに誘われて本部から玉狛支部に転属したが、今でもありがたいことに、今日みたいに時間が合えば、こうして警戒任務の時はオペレーターを引き受けてくれている。

 

別に他の通信室のオペレーターさんでもいいんだけど、旧ボーダー時代からいた古参だからなのかわからないが、年上の人にも敬語で話されたりして、少し気まずい時もあるんだよな…

 

 

俺はそんなに凄い人じゃないし。サイドエフェクトがあるだけで、ただの男子高校生だ。

このサイドエフェクトだって、周りが思っているような都合のいいものじゃない。確かに、頭が良くなってるし、そのおかげで特待生だけど…

燃費は悪いし、分かりたくないことも分かってしまう。

 

あの子、俺に気があるのかも!?

 

なんて勘違いもこのサイドエフェクトにはありえないのだ。

 

まぁ通ってるの男子校だから、まずそんな出会い存在しないけど…

 

 

「ならいいけど…前みたいに無茶して倒れたりしないでね?最近、また任務の数を増やしてるって忍田本部長が言ってたよ」

 

「大丈夫ですよ、無茶はしてませんから。最近の任務が増えてるのも学校が自由登校になったし、妹ももうすぐ高校生になるんで今のうちに少しでもお金を貯めておこうと思っただけですしね」

 

俺は振り込まれる給料で貯金残高が増えるのを見て安心したいのだ。

 

「ならいいんだけど…でも体調には気をつけなさいね」

 

「はい、ありがとうございます。いつも気にかけてもらってるみたいですし」

 

「それぐらい気にしないでいいのよ」

 

「そうですか、なら今度お礼に忍田さんとの仲を発展させるのを手伝いますよ」

 

いい加減、想いを伝えたらいいだろうに。

 

「もう!からかわないで!ん?どうやら門が発生したみたいね。

そこからすぐの所にバムスター3体、モールモッド20体、バンダー5体が現れたみたい。大丈夫そう?応援を呼ぼうか?」

 

どうやら飯の種が現れたようだ。A級の固定給があるとはいえ、追加収入はどれだけあっても困らない。

 

「いえ、応援は大丈夫です」

 

その後、その時のトリオン兵以外は特に何もなく、無事に警戒任務は終わった。任務が終わって本部に戻った俺は、お昼を食べに食堂行くことにした。

 

何を食べようかと迷っていると、後ろから声がかかった。

 

「夏樹じゃないか。今から昼飯か?だったら一緒に食べないか?」

 

「哲次か。ああ、そうだな。お前も任務終わりか?」

 

声をかけてきたのは荒船哲次だった。隊員3人全員がスナイパーで構成されているB級荒船隊の隊長で、現在はある目標のために狙撃手(スナイパー)に転向したが、元はマスタークラスの攻撃手(アタッカー)という実力者だ。

 

「いや、学校が防衛任務で休みだから、せっかくだしパーフェクトオールラウンダーのメソッドの理論化を少しでも進めようかなと思ってな。そうだ!この後暇なら相談に乗ってくれよ。あとランク戦もしようぜ」

 

「別にいいけど、4時までな。4時からは俺も用事があるから。覚悟しとけよ?ポイント根こそぎ奪ってやるから」

 

「ありがとな。じゃあ頼むわ。お礼になんかデザートおごるよ」

 

それはありがたい。ちょうどそろそろ頭が糖分を欲していたところだった。

 

「そうか?じゃあ板チョコを頼む。さて何を食おうか」

 

「俺はカツ丼にしようかな」

 

「このあとのランク戦に向けたゲン担ぎか?どんなに担いだって俺には勝てねーよ」

 

「うるせー、俺の計画の礎にしてやるから覚悟しとけよ~。その貯まったポイント奪い取ってやるよ!」

 

「期待してるよ。さて俺は生姜焼き定食にしようかな」

 

ここの定食はご飯大盛りに出来るからな。

 

「じゃあ俺が貰ってくるから、先に席を確保しといてくれ」

 

「わかった。ご飯は大盛りで頼む」

 

「りょーかい。そっちも良い席を頼んだ」

 

ちょうどよく4人掛けのテーブルが空いていたのでそこに座って待っていると、生姜焼き定食とカツ丼、そして板チョコを持った哲次が来た。どうやらちゃんとご飯は大盛にしてくれたみたいだ。ご飯が日本昔話盛りされてる。

 

「お待たせ。はい、これ板チョコな」

 

「ありがと。早速いただくとするか」

 

俺は割り箸を2本取って、1本を哲次に渡す。

 

「「いただきます」」

 

「やっぱり此処の生姜焼きは味が濃くてうまいな」

 

「あいかわらず味の濃いもんが好きなのか。舌がバカになるぞ」

 

哲治が呆れた目でこちらを見てくる。

 

「うるせー。おまえだってソースのかかってないお好み焼きなんて美味しいと思わないだろ?要はどんなに良いもん使った食いもんでも味がなきゃ美味しくないんだよ」

 

「確かにそうだが、お前のそれは異常だって言ってるんだよ。どこにカレーやハヤシライスとかなんにでも醤油をかける奴が居るんだよ」

 

「やってみ?絶対うまいから!絶対ハマるって!」

 

そんなことを話しながら昼飯を食べ終わり、話はパーフェクトオールラウンダーの話になった。

 

「で、調子はどうなのよ?」

 

「順調とは言えないけど、まぁ少しずつ進んではいるよ」

 

「でも実際どうなんだろうな。確かにパーフェクトオールラウンダーのメソッドが確立すれば、パーフェクトオールラウンダーが増えるだろうけど、戦闘で選択肢が増えるのも良いことばかりじゃないだろ?技術はあっても、それを活かせる判断力とか戦術、トリガーセットの組み合わせも考えないと…」

 

経験も無しに、出来ることが増えても混乱しちゃうからな

 

「それも理論化しようとは思ってるんだけど、なにぶんまだ自分もパーフェクトオールラウンダーになっていないからな…なってみないと分かんないんだよな~」

 

「まぁそっか。それにアタッカーやシューターに集中した方が活躍できる奴も居るだろ。木虎や米屋みたいにトリオン量の問題がある奴も居るだろ」

 

木虎や米屋はトリオンが多いとは言えない、むしろ少ない方なのだ。それでも木虎はガンナーで苦戦していた時にスコーピオンを使い始め、アタッカー寄りになることでトリオンが少なくてもA級で通用するまでになっている。米屋も低コストの槍弧月を使うなど工夫をして、今ではA級の三輪隊の点取り屋的存在だ。

 

「才能が~」とか言ってるC級もいるらしいけど、才能なんてのは結局、努力なしにはありえないからな。

 

「そうだよな~、問題はそこなんだよな~」

 

「まぁ、全てのポジションをやってみるのは悪いことじゃないだろ。自分では知らない才能があるかもしれないだろうし」

 

「そうだな、それに各ポジションでも、この理論が使えるようにすればいいか」

 

「ああ、頑張れよ。俺もレイジさんも応援してるよ。言ってくれれば、出来る限り俺らも協力するから」

 

「ああ、ありがとな。じゃあ早速ランク戦しようぜ」

 

「いいよ、じゃあいこうぜ」

 

俺らはトレーを返した後、食堂を後にしてランク戦ブースに来た。

 

「じゃあ俺は310番に入るから」

 

「俺は337番に入るから」

 

お互いに部屋に入って通信をつなげる。まずは10本でいいだろうか…

 

「とりあえず10本勝負でいいか?」

 

「ああ、そうだな。じゃあ始めるか」

 

さて、哲次はスナイパーに転向したが腕が落ちていないか、楽しみだ。そう思っていると、いよいよ始まるみたいで住宅の屋根の上に転送された。

 

 

〔 対戦ステージ 「市街地A」 個人ランク戦 10本勝負開始 〕

 

 

とりあえず周りを見るが、当然開始直後に近くに居るはずもない。レーダーを見るも、哲次はバッグワームを身につけているようで表示されていない。哲次は今はスナイパーでもあるので、屋根から降りて射線を切って狙撃を警戒する。

 

とりあえず警戒しつつ、狙撃ポイントになりそうな所をしらみつぶしに探すことにしよう。1つ目はハズレだったので、2つ目に移動しようとした時に、視界の端に閃光が見えた。

 

「シールド」

 

とっさにレイガストとシールドで防ぐ。シールドは破られたがレイガストで防げたようだ。今の狙撃で位置が分かった。 

そこから哲次が通るであろうルートをサイドエフェクトで20%まで使用率を上げた頭で読む。そのルートに向かってグラスホッパーを使いつつ、向かう。その際に一細工しておく。

 

哲次も俺が来ると分かっていたのか、屋根の上から狙撃してくる。どうやら迎え撃つつもりらしい、狙撃をかわしながら近づくと哲次は弧月を抜いた。

 

「バイパー、スラスターON」

 

俺はバイパーを牽制に撃ちながらレイガストをシールドモードからブレードモードに切り替え、スラスターで勢いをつけながら哲次に切りかかる。

 

「ぐっ」

 

哲次はバイパーをかわして、弧月でレイガストを迎え撃つ。その時、哲次を後ろからバイパーが襲った。

 

「なっ!?シールド!」

 

哲次はぎりぎりのところで気づいて、シールドを展開するが間に合わず、片方の腕が吹き飛ばされる。そして片腕を失った哲次にできた隙を見逃さずにレイガストで首を飛ばす。

 

「まずは1本目だ」

 

 

〔 荒船 緊急脱出  1-0 佐藤リード 〕

 

 




いかがでしたか。
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