副作用に副作用があるのはおかしいだろ!! 作:おびにゃんは俺の嫁
なんとか一週間以内で書けた…
短めですいません
「風間さんが
倒したトリオン兵の残骸の上に立っている夏樹が驚きの声を上げた。夏樹の足元には戦闘用のモールモッドや捕獲用のバムスターだけでなく、偵察用のラッドも残骸となって転がっており、夏樹は今までラッドに
『そのようだわ。黒トリガーの不可視の攻撃にやられてしまったみたいね』
「不可視ですか…?」
『ええ。…あ、通信が来たみたい。繋ぐわね』
夏樹の元に通信が繋がる。
『夏樹、俺だ』
「風間さん?どうしたんですか?」
通信の相手は今はなしていた風間だった。夏樹はトリオン兵の残骸から降りながら、風間の話に耳を傾ける。
『俺が黒トリガーにやられたのは知っているな。俺がやられた黒トリガーの見えない攻撃についてお前の考えを聞きたいと思ってな。それに…』
風間の通信を聞きながら周囲を見張っていた夏樹は、何となく自分の足元を見る。そして足元のアスファルトから黒いドロッとした液体が出てくるのを見つける。夏樹はさっきの戦闘で戦った色違いのラービットの攻撃と似たものを感じて、急いで上に跳び上がった。
ゴバッ!!
夏樹のいたところに黒い液体が、襲い掛かりブレードに変化して辺りを破壊した。間一髪攻撃をかわした夏樹はそのまま近くの家の屋根の上に乗り、次の攻撃に備えて周囲に気を配る。
『どうやら俺の心配は当たったようだな。そのまま聞け。奴は液体化する能力を持っている。近接戦で倒すのは難しい。俺を倒した未知の攻撃もある。まずは距離を取って中遠距離から弱点を探すんだ。三上、俺たちの戦闘記録を夏樹に送ってくれ』
風間の夏樹の元にエネドラが来るという心配が当たったようだ。風間は的確に夏樹にアドバイスを出し、三上に指示を送る。
『了解です。記録を送ります』
三上は風間の指示通り相川経由で夏樹の元に視覚などの各種情報を送る。夏樹は下げていた
「てめえはイルガ―を落とした奴だったな。さっきの雑魚どもよりは楽しめそうだな!遊ぼうぜぇ!!」
夏樹を攻撃した黒いスライムが人型に変形しエネドラへと姿を変え、更に夏樹に向かってブレードを生やして攻撃を加える。
「セットスイッチ」
〔 トリガーセット切り替え
夏樹はトリガーセットを射手用のモノに変更しながら、エネドラの攻撃を躱し距離を取る。
「アステロイド」
トリオン量の多さを活かした壁のような密度のアステロイドの銃撃をエネドラへ与える。
「流石のトリオン量だな。だが俺には効かねぇぜ」
エネドラは夏樹のアステロイドを避けることをしないでそのまま身体で受ける。身体がアステロイドでぐちゃぐちゃになる。だがそれでも倒れることはなく、それどころか攻撃をものともせずに元の身体に戻りつつある。
「…!?今の感触は…」
夏樹は今の銃撃で一か所感触が他とは違って硬いところがあったことに気づく。
『葵さんスタアメーカーで今の硬かった感触のところにマーキングをお願いします』
夏樹は即座にサブセットにあるスタアメーカーを起動して相川にマークを頼む。相川は頼まれた通りにマークし、夏樹の視界にマークされた場所が表示される。
『そこだ。恐らくそこだけ硬化させているんだろう。その中に奴の供給機関と伝達脳がある。そこに狙いを集中しろ』
「ええ、分かってますよっと。アステロイド」
夏樹は再びアステロイドをエネドラに向けて放つ。だが今度は面攻撃のような感じではなく、一点に火力を集中させた撃ち方でマークしてある弱点を狙う。
「ほーう、弱点に気づいたわけか…だがこれならどうだぁ」
『マークした部分を破壊したみたい。でも…』
『ええ、破壊する前に弱点を移動させられましたねこれは。でもそれなら磨り潰すまでですよ』
そう言うと夏樹は、今度は両手にそれぞれキューブを出してエネドラに撃つ。片方は最初と同じアステロイドで面攻撃を。そしてアステロイドでエネドラの動きが止まっているところに、もう片方のバイパーで竜巻のようにエネドラの周りを回りながらエネドラの身体を削り取っていく。
「甘ぇんだよ。オレは黒トリガーだぜ。多めにトリオン持った程度じゃオレには敵わねぇんだよ」
身体を削り取られて原型が分からなくなったところから即座に元に戻ったエネドラは、攻撃を受けている間に地下に張り巡らした自分の液体をブレードに硬化させて、辺り一面を針山地獄へと変える。
夏樹は針山に変わる瞬間に即座に上に跳び上がり安全な家屋の屋根の上に乗る。そしてバイパーを出してエネドラが身体を液体に変形させてこちらに向けて伸ばしてくるブレードを撃ち落としていく。だが撃ち落としたそばから再び液体に戻り、またそこから攻撃してくる。
『夏樹、このままだとキリがないぞ。何か作戦は思いついたか?』
『一応ありますよ。結構力技ですけど…葵さん、今から撃ちまくるんで硬化してるところに片っ端からスタアメーカーでマークをお願いします』
夏樹は相川に指示を出すとバイパーを今までよりも細かく分裂させて弾数を増やしてエネドラを包み込むように放つ。エネドラに当たったバイパーの内、硬い反応があった部分を相川が次々とマークしていく。夏樹の視界には数十の反応がマークされる。
「さっきからそればっかじゃねぇか。なんだ?もう限界か」
「いやいや、これからですよ。スモーク」
夏樹は白いキューブをエネドラに向かって放つ。スモークのキューブはエネドラの少し前で白煙になり辺りを煙で埋め尽くす。
「煙幕!?」
エネドラにいろいろな方向から弾が飛んでくる。
「おいおい、そんなんでオレを倒せるとでも思ってんのかぁ」
エネドラはフルパワーでブレードを伸ばして周囲の建物ごと煙幕を吹き飛ばす。だがそこに夏樹の姿は無い。
「いねぇ…上か!」
すぐに夏樹の場所に感づいたエネドラは上を見上げる。見上げた先にいた夏樹はエネドラに何かを向けていた。
「あれは…まさか!」
エネドラは夏樹の持っているものが何かわかり焦りを露わにする。夏樹が持っているのはイルガ―を消し飛ばしたアイビス改。それを真上からエネドラに向けて引き金を引く。アイビス改のビームがエネドラを丸々と飲み込んで地面に突き刺さった。
「セットスイッチ」
〔 トリガーセット切り替え
『葵さん、反応は?』
『全部今の攻撃に飲み込まれて消滅したみたい。被害も最小限におさえられたはずだわ』
スタアメーカーの反応がすべて消えたことを確認した夏樹は、セットを攻撃手用に戻し、近くの頭一つ飛び出た高さのビルの屋上に着地する。夏樹のアイビス改によって地面に穴が開いている。中から煙が上がっているが、地下に埋まった配管には当たらなかったのか、ただ穴が開いただけの様だ。
『換装が解けているはずだ。恐らくあの穴の中にいるはずだ。確認し次第捕虜としてとらえろ』
『了解です』
『まだだよ』
「っ!?」
夏樹は突然入った通信に驚きながらもビルを登ってきた黒い液体から伸びたブレードを間一髪で躱した。
「ちっ!避けやがったか。今のは完全に死角だったろーが」
夏樹を襲った黒い液体がエネドラへと変化した。
『倒したんじゃ…!?』
三上が予想外のことに驚く。
「なるほど弱点を地下に逃がしたわけですね」
『だろうな。気を付けろその距離だと俺を倒した攻撃が来るかもしれないぞ』
『了解です』
屋上の床から生えてくるブレードをレイガストで防いだり躱したりして、エネドラの攻撃を捌いていく。
「さぁもっとだ!もっと楽しもうぜぇ!!」
エネドラは身体からさらに周囲に液体を伸ばし、攻撃をより広く大きくしていく。さらに風間を倒した未知の攻撃ガスブレード。夏樹へと気体の見えざる刃を伸ばす。
「いや、次で終わりにさせてもらいますよ。スモーク」
夏樹は再びスモークを出して屋上を煙幕で埋める。すかさずそこに相川からの支援が入り、夏樹の白く染まった視界に重なるようにしてスモーク内の全ての輪郭が表示される。
『これは…』
「風間さんを倒した攻撃ですね。たぶん奴は液体だけじゃなく気体にもなれるってことみたいです」
夏樹の視界には輪郭がぼやけてしまっている部分があった。エネドラの気体でスモークの密度が薄くなったことで観測がうまくいかず、分析した輪郭がぼやけてしまっているのだ。
『でもそれが分かったとこで、倒す方法にはならないでしょ。煙幕だってあいつの気体であいつ自身が視えないんじゃ攻撃できないじゃん』
さっき夏樹へ通信で警告した菊地原は、夏樹にどうするのか聞く。
『まぁな。でも一つ思いついたのがある。菊地原、巻き込まれない様に下がっとけ。もう耳は十分だ。
『うわ~あれかよ。アレうるさいから嫌いなんだよ』
菊地原は嫌そうな声を出す。
『いいですよね風間さん?ここならそこまで被害は出ないですし、このまま無暗に戦っても奴に壊されるだけでしょうから』
『はぁ、まぁそうだな。なるべく周辺に被害を出すなよ』
風間は渋渋夏樹の提案に許可を出した。
「じゃあ行きますか。スモーク」
夏樹はさらにスモークを出して周囲を改めて煙で包み込んだ。そしてトリガーセットを射手用に切り替える。
「
夏樹とエネドラのいるビルを中心に巨大な爆発が起こり、各地で戦闘中の隊員たちに聞こえるほどの轟音が鳴り響いた。
エネドラってこんな感じでいいんだっけ?
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