副作用に副作用があるのはおかしいだろ!!   作:おびにゃんは俺の嫁

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また遅れてしまった。
お待たせしました


第7話

火曜日になり、学校を終えた俺は冬華との待ち合わせ場所の警戒区域近くの公園に来ていた。

しばらくすると、冬華が来た。

 

「兄さん、お待たせしました」

「来たか、じゃあ行くとするか」

 

冬華と玉狛支部に着いた。

中に入って、ボスの部屋に向かう。

ボスには昨日の時点で話はしてある。

 

「とりあえず今日のところは、顔合わせとボーダーについての説明くらいだから、まぁ肩の力抜いてな」

 

そう言って、俺は冬華と一緒にボスの部屋に入る。

 

「「失礼します」」

「おう、待ってたぜ」

「どうも林道支部長、お待たせしました」

「いいよ気にすんな、そんなに待ってないからよ。それより久しぶりだな冬華ちゃん」

「はい、お久しぶりです。いつも兄さんがお世話になってます」

「いやいやこちらこそ、いつも夏樹には世話になってるよ」

「ちょっと二人ともやめてくださいよ恥ずかしい」

 

せめて本人のいないところで話してほしい、いやいないとこでも話さないでほしいけど…

 

「まっそうゆう話は置いといて、夏樹から話は聞いてるよ。支部長としてボーダー玉狛支部への参加を歓迎する」

「はい!よろしくお願いします!」

「よし、じゃあこれが入隊用の書類と仮入隊申し込み書だ。まっポジションやらなにやらは後で決めるといい」

「わかりました。ありがとうございます」

「それじゃ俺は本部の方に用事があるから、これで失礼させてもらうよ。じゃあ夏樹、後を頼むわ。書類は書いたら持ってきてくれ。んじゃお疲れ~」

「了解です。お疲れ様です」

「お、お疲れ様です」

 

支部長室を出た俺と冬華は居間に来て、冬華にポジションやトリガーやランク戦などのボーダーについて説明していた。

 

「まぁこんな感じでボーダーの説明は大体出来たかな。冬華何かわからないことあったか?」

「いえ、取りあえずは大丈夫です」

「そうか、じゃあそろそろトリオンを測ってみるとするか」

「そうですね」

「間に合った!」

 

ドアを勢いよく開いて現れたのは、我らが玉狛支部紅一点の戦闘員である、小南桐絵譲だった。

 

「もう少し落ち着きを持てないのか桐絵」

「急いできたんだから仕方ないじゃない。元はといえばあんたが悪いんじゃない。今日は私遅くなるのに冬華ちゃんのくる時間を放課後直後にするからよ」

「それ俺悪く無くねぇだろ、おい!」

「うるさいわね!まぁいいわ、それより冬華ちゃん、ついにボーダーに入るのね。歓迎するわ!」

「ありがとうございます」

「それじゃ私がボーダーのことを教えてあげるわ」

「もう俺が説明したから大丈夫だよ。それに桐絵、お前説明できるのかよ」

「で、できるに決まってるじゃない!まぁ説明してたなら仕方ないわね。それで冬華ちゃんはどのポジションにするか決めたの?」

「そうですね。スナイパーにしようかなと思っています」

「へ~スナイパーね、いいじゃない!」

「うん、いいと思うよ。それじゃトリオン測ってみるか」

 

俺はトリオンを測る機械を起動して、冬華に渡して測定を始める。

 

「さてさて、冬華ちゃんのトリオンはどれくらいなのかしら?」

「俺と同じく父さん譲りならトリオンは多いと思うよ」

「そうなんですか?」

「そうだよ。おっ測定ができたみたいだ。どれどれ~、これは…」

「どうしたのよ夏樹?」

 

測定器に表示されていた数値は正隊員に必要なトリオン量を大きく下回る数値だった。

 

「兄さん、これは…」

「ああ、冬華は母さん譲りだったみたいだったな。母さんはトリオンが少ない方だったんだ。だから研究員をしてたんだ」

「そうだったのね。だから榛名さん体の動かし方上手かったのに研究員だったのね」

「そうだったんですか。じゃあ…」

「そうだね。このトリオンじゃ戦闘員は厳しいだろうな」

「そうね、でもオペレーターなんてどうかしら?」

「オペレーターか?」

「ええ、そうよ。あたしは向いてると思うけど?」

「確かにいいかもな。どうする冬華?戦闘員で行きたいなら何とかしてみるけど」

「わかりました。オペレーターで行こうと思います」

「わかった。じゃあ少しだけだけどオペレーターについて教えられることは教えるよ。詳しくは宇佐美に聞いてくれ」

「わかりました。お願いします兄さん」

「おう、任せとけ!」

「でもどうするのよ?玉狛にはあたしたちだけだし、あんたも迅も個人じゃない」

「確かにな、となると、本部の通信オペレーターかな」

「入る直前に転属ってことですか兄さん?」

「まぁ転属っていうより本部に入隊ってところかな」

「そうね、残念だけどうちにいてもやることがあまりないしね」

「冬華、本部で西峰姉弟たちと部隊組んでみたら?」

「そうですね。それはいいかもしれませんね。早速連絡してみます」

「じゃあ入隊の書類も本部所属に直しておくよ」

「そうですね。お願いします兄さん」

 

 

地下室の機材があるところに移動して、冬華にオペレーターについての基礎的なこと教えてあげていると宇佐美が来た。

 

「お疲れー、おっ冬華ちゃん!冬華ちゃんがいるってことは…ついにボーダーに入るんだね~所属は?ポジションは?眼鏡かける?眼鏡人口増やそうぜ!」

「はい、私本部でオペレーターをしようと思います」

「そうなんだ。宇佐美お願いなんだけど、冬華にオペレーターのことについて詳しく教えてやってくれないか」

「了解でーす。じゃあ冬華ちゃん早速いろいろ説明するね」

「夏樹、ちょっといい?」

「ああ、いいけどどうした?」

「この間の勝負であたしが勝ったじゃない」

「そーだっけか?」

「あんたね~!まさか忘れたなんていうつもりじゃないでしょうね!」

「冗談冗談、忘れてないよ。そう怒るなよ。なんか一つ言うこと聞くだろ」

「お、怒ってないわよ。まぁ忘れてないならいいわ。今度の日曜、買い物に付き合ってちょうだい!」

「それくらいなら別にいいぜ」

「ホント!じゃあ日曜の9時に弓手町駅に集合でいいかしら?」

「あいよ9時ね、了解」

「遅れたら承知しないんだからね」

「大丈夫大丈夫~」

「私がちゃんと兄さんを送り届けますので安心してください」

「そうね、冬華ちゃんがいるなら安心ね」

「待て、なぜ俺が信用されん。納得がいかんぞ!」

「まぁいいじゃない。それより遅れないでよね。わかったわね?」

「あいよ」

 

そのあと、冬華のオペレーターの機械操作を教えて、最後に桐江と俺の個人戦をすることになって、そのオペレーターを宇佐美と一緒に担当してもらった。

 

「うん、取りあえずはこんな感じかな。どう冬華ちゃん?」

「大体理解できました。栞さんありがとうございました」

「いいよ~わかんないことがあったらいつでも聞いてね」

「はい、お願いします栞さん」

「サンキューな宇佐美、助かった」

「いえいえ、私も冬華ちゃんが入ってきてくれてうれしいですから」

「もう遅くなるな。冬華、今日は帰ろうか。夕飯はお祝いに寿寿苑で焼肉にしようぜ」

「そうですね」

「二人もどうする?今日は奢るよ」

「本当ですか!じゃあごちそうになります」

「あたしも行くわ」

「あんまり高いもんは頼まないでくれよ」

 

俺たちは寿寿苑で焼肉を食べて家に帰ってきた。

 

「いや~美味かったな」

「そうですね、また行きたいですね」

「そうだな。まぁ部隊組んでランク戦に出るようになれば、隊で行くこともあるだろうからな」

「じゃあその時も奢ってくださいね?」

「それ俺関係なくない?」

「奢ってくださいね?」

「ハ、ハイ」

「じゃあ私お風呂に入ってきますね」

「おう」

 

冬華がお風呂から出た後、俺もお風呂に入って、お風呂から出ると冬華が居間で待っていた。

なんだろう、冬華の後ろから凄いオーラが出てる気がする…

 

「ど、どうした?冬華なんか怖いぞ」

「兄さん、話があるのでそこに座ってください」

「お、おう、わかった。それで話ってなんだ?」

「兄さん、まさかとは思いますが、桐絵さんとの買物をただの荷物持ちと勘違いしてませんか?」

 

え?ただの荷物持ちじゃないのか?

もしや財布になって来いということだろうか。

まさか桐絵が俺をデートに誘うわけあるまい。

桐絵は俺のことは親戚くらいに思っているだろうからな。

まぁそれは俺もなんだけどな…

 

「安心しろ。何度、冬華から説教を受けたと思っている。これくらいなら朝飯前に理解できるぞ」

「そうですか…ならいいんですけど…」

 

(本当に大丈夫だろうか?まぁ前日にも一応確かめることにしよう)

 

「ああ兄さんを信じなさい!」

「ホントですね信じますからね兄さん。じゃあおやすみなさい」

 

 

~ デート当日 ~

 

俺はジャージパンツにパーカーを着て出かける用意をしていた。

財布もよし。

取りあえずこれくらいあれば足りるだろう。

さすがに財布役とはいっても、桐絵も俺んちの事情は知ってるから無茶な注文はしないだろう。

少し早いがそろそろ行くとしよう。

待ち合わせ場所の近くに本屋もあったし早くついても大丈夫だろう。

 

「それじゃあ冬華、俺行ってくるよ」

「はいいってらっしゃ、って少し待ってください!」

「なんだ、どうかしたか?」

「まったく「どうかしたか」じゃあないですよ。何ですか?そのユニ○ロ統一の服装は!?靴下までユニ○ロじゃないですか!」

「待て、靴下はユ○クロじゃない、しま○らだ」

「し○むらでもユニ○ロでもどっちでもいいです!私が言いたいのはそのおしゃれのおの字も感じられない服装で桐絵さんのとこに行こうとしてることです!」

「全国のユ○クロユーザーに謝れ!」

「私が怒っているのは兄さんの服装選びのセンスの無さにです!なんでもユニ○ロを着ればいいとでも思っているんですか兄さんは!」

「別に悪くないだろ。安さ、着心地の良さ、他にも色々優れてるじゃないか」

「わかりました。もういいです。でもとりあえずその服では行かせられません!私が服を選ぶのでそれに着替えてください」

「え~、いいじゃんこれで」

「良くありません!さあ脱いでください!」

「わ、わかった!わかったから、着替えるから落ち着け冬華」

 

俺は冬華の勢いに押されて着替えることになった。

ユ○クロ別にかっこ悪くないだろ。

まぁ仕方ない冬華の言う通り着替えるとするか…はっ、まずい部屋のクローゼットにはうちの男子校ネットワークの力で集めた俺のお宝が隠してあった!

冬華に見つかるわけにはいかない!

しかしどうすれば…仕方ないこうなったら副作用を使って考えるか。

誤魔化すか…ダメだ!冬華に怪しまれてしまう…そうだ!俺がその場で冬華の視線を誘導して隠し場所に目を向けさせなければイケる!

そうとなれば作戦開始だ!!

 

「まったく兄さんは顔は悪くないのに所々抜けてるというかなんというか…これじゃあ優佳さんのことを「がっかり美人」なんて言えないですよ」

「ゴメンナサイ…」

「もういいです。それより早く選びますよ」

「お、おうそうだな…」

「さてと、どうしましょうか…」

 

冬華がクローゼットを開けて服を漁り始めた。

よし、いま冬華が漁ってるのは俺のお宝から距離がある。

作戦通りにいけばうまくいくはず。

取りあえず冬華にお宝から距離のある服を選ばせよう

 

「冬華それなんていいんじゃないか?」

「この長袖Tシャツですか?」

「そう、それそれ」

「どれどれ?って何ですかこの千発百中って文字は!?」

 

しまった!出水から貰った千発百中Tシャツだった!

こっちからだと見えなかったから間違えてしまった

 

「ごめん、間違えた」

「もう、しっかりしてください!」

「ごめん、じゃあそれは?」

「これですか?どれどれ?」

 

~ 5分後 ~

 

「及第点ではありますがこれでいいでしょう」

「これで及第点なのかぁ…」

「何故兄さんはユニ○ロやし○むらくらいしかないんですか!今度は他のところで買ってください」

「はい、お手数おかけしました…」

「これで服は良しとして、いいですか兄さん、細かいところへの気遣いとレディーファーストを心掛けてくださいいいですね?」

「りょーかいりょーかい。何度も聞いてるから大丈夫だよ」

「そうですか。なら行ってらっしゃい兄さん」

「おう、行ってくるよ」

 

結局俺は冬華コーディネートの黒スキニーとニットセーター、チェスターコートという服装で桐絵との約束に向かうことになった

お宝は無事だろうか…心配だ、多分大丈夫だと思うがそれでも不安だぁ

隠し場所変えておくんだった。

まぁ見つかったら仕方ないか。

その時は腹を決めることにするか。

おっと早く弓手町駅に向かわないと、遅刻なんてしたら大目玉をくらってしまう。

 




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