魔導雑貨屋の『変身物語』 作:キルケー敗北拳!
「此処は……」
バックドロップを決められ気絶していたが、部屋の様子を視るにどうやら何処かの施設にでも連れていかれたのだろうか。
身体をベッドから起こして部屋を見渡しているとドアが開いて先程の門の前で会った水色の髪でエルフ耳の女性が入って来た。
「あら、起きてたのね。地面にめり込むぐらいの威力だったのに結構丈夫なのね。ああ、私の名前はメディア。貴方の名前は?」
「……ランガ」
相手から名乗ったので素直にオレも名前を教える。家名の方は言わない。名前は仕方ないが自分を売った親の家名を言う気分ではない。
「ランガ、ね。ランガ歩けるなら付いてきてちょうだい。紹介したい人たちがいるわ。ついでにご飯もその時に食べてもらうわよ」
オレはメディアさんの言葉に首を縦に振り、彼女の背中を追い掛ける。
部屋を出て廊下を歩き階段を下っていくと、机を囲む人が四人いた。
四人の内二人は門の前で会った人ではない眼鏡を掛けた女性と自身を気絶させた男性だった。
「やあ、無事でなによりだ。取りあえず自己紹介をしようか。アタシは月と魔法を司る神ヘカテーだよ。そして此処、魔導雑貨屋『魔法の月』の経営者でもある」
人ではないと感じていたが神様だったのか。前世でも今世の故郷には居なかったからな。
「先に他の子の自己紹介を済ませておこうか。君を連れてきた女性がメディア。ハーフエルフの冒険者でレベルは6。二つ名は『
メディアさんって団長だったのか……。
団長を紹介したなら次は副団長か?と思ってたらオレを気絶させた男性に指を指した。
「君を気絶させた彼が副団長のリィガン。ヒューマンの冒険者でレベルは5。二つ名は『
三者それぞれの反応をして、次は君の番と言いたげな目で見てきたから名前を言う。
そしてヘカテー・ファミリアの入団条件がある。それは神ヘカテーに変身魔法の素質があると認められた者だけらしい。
今居るメンバー全員変身魔法が使えるらしくオレもその変身魔法の素質があるというか、神罰の野猪が変身魔法に該当する模様。
それでこのままファミリアに入って欲しいとの事。
行く宛の無いオレにとっては棚ぼたな話だ。だからオレは差し出されたその手を握り返した。
ヘカテー・ファミリアに入ったオレは団長から発展アビリティの一つ〈神秘〉を知り、これって活用すれば現代機器の再現イケるんじゃね?と考えた。
現代人だった者として中世な世界観は住み辛い。
いや、まあ、少し前まで奴隷やっていたから嫌でも慣れたけど……。
奴隷商人とその護衛を殺ってくれたコボルトどもには感謝しないとな。全滅させたけど。
あのままだったら男娼にされてただろうからな。
それからのオレは神秘のアビリティを手に入れる為にポーション類の調合や鍛冶、物の加工、各種ステイタス上げ、魔力のステイタスを上げるのに一年半を掛けダンジョンでインファント・ドラゴンを『
レベル2ではまだ神秘が取れなかったから仕方なく発展アビリティは〈集中〉を取った。効果はあらゆる事に対しての集中力を高めてくれる様だ。
神罰の野猪の副産物である闇を弓矢にしている関係上有り難いし、ダンジョンで集中力を切らしたら死あるのみだし、物を作るなら集中力はあった方がいいよねって事。
後、神会でオレの二つ名が決まった。
『
オレより先にファミリアに入っていた犬人のセンジもランクアップして『
二つ名から読み取れるように、センジは人狼に変身する事が出来る。
そしてランクアップの半年前に新しい仲間が二人も加わった。しかも二人とも女の子だ。
エルフのエリーゼとアマゾネスのルゥラと言う。
二人はどうやらオレと同じ?様に偶然魔法が発現し、身体が変身してしまい解除方法が分からない為、家から飛び出し解除方法を求めてオラリオまでやって来たらしい。
そしてまたオレと同じ様に門前で騒ぎになりヘカテー様に導かれるままファミリアに入った。
エリーゼは金の角を生やした鹿に変身する。どうやら魔法発動時には角が出てくる模様。
ルゥラは熊に変身する。変身時に力と耐久に上昇補正が入り手足が熊の様になるようだ。
レベル3になる為に丸二年を費やした。器用、敏捷、魔力は上がりやすいが、力と耐久は中々上がらない。だから副団長を殴ったり殴られたりの組手をして経験値に変えていった。
レベル3へのランクアップの為の偉業はゴライアスの討伐。リシャールとセンジの三人で倒した。
それぞれの変身体である魔猪、魔人狼、魔蛇となり怪獣決戦な事になった。最後はオレがゴライアスの足を破壊し、倒れたところをセンジが頭を切り裂き、リシャールが尾で胴を抉って終わった。ゴライアスを倒して勝利の咆哮してたら未知の魔物扱いされたがすぐに魔法を解除して事なきを得た。
ランクアップで発展アビリティに神秘がやっと追加されたので色々な物を作った。
カリュドーンの牙を使った双剣。エリーゼに金を渡し譲って貰った鹿の角を基にした弓。リシャールの鱗を使った防具。
身に付けていれば発展アビリティの様な効果を得るアクセサリー。アクセサリー類は所持者の魔力を微量だけ吸いとって効果を維持する事が出来る作りだ。身に付け過ぎると精神枯渇するので二個が適当。まあ、それなりの魔力があればな。
飲食店向けに作った冷蔵庫やクーラーを作ったが効果維持に魔石を用いた。魔石灯があるのだから別にいいだろう。
神秘を持つ冒険者は少ないもしくは隠しているがほとんどで、オレの様に売り物にはしないようだ。売るって言っても個人で買える値段にはしていないし、注文を受けてから作ってるから盗難は無い。もし侵入してきたら団長が作った魔法の罠で半殺しにされる。泥棒に人権は無い殺さないだけマシだろう。
店番しながら孫の手を作っていると店のドアが開かれ客がオレの前に立った。
「あの、武器を作って欲しい……のですが」
オレの目の前に立ったのは剣姫もしくは人形姫と呼ばれている冒険者アイズ・ヴァレンシュタインだった。
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ランガ・レーオ Lv3
力:E
耐久:G
器用:B
敏捷:B
魔力:C
集中:H
神秘:I
《魔法》
【
・変身付与魔法
・闇属性
・
・詠唱式【我が
【 】
《スキル》
【アルカディア越え】
・あらゆる障害を乗り越える時に敏捷、器用を大幅上昇
・敏捷、器用の経験値増大
【自己進化】
・あらゆる障害を乗り越える時、ステイタスに干渉しステイタスを変動させて進化させ続ける。障害を乗り越えた時、変動したステイタスの一部を経験値に変換
・
【
・魔力を混めた物に属性を付与する
・魔力量によって効果変動