今回からやっと強化合宿ですよ!
う~ん、今日もいい天気だ。
僕は、文月high schoolへの道をのんびりと歩いていた。
荷物の整理も終わったし、これでしばらくはゆっくりできるんじゃないかな?暇があったらアキヒサ達と遊びに行きたいな~、なんて。
「うーん、早かったかなあ」
アメリカでの時間に合わせてついつい早く起きちゃうんだよね…なるべく合わせていかないと、と思うんだけど。今日は、朝のワイドショーもよくわからない話題ばかり取り上げててつまんなかったから早く登校してみたんだよね。
教室に入ると、キノシタくんが既に席についていた。
「Hello、キノシタくん。早いデスね」
「うむ。実は―――」
そこへ、アキヒサが入ってくる。
「お、今朝は早いのう明久」
「おはよう秀吉、桃真。なんか早く目が覚めちゃってね」
「あ、アキヒサもデスか?僕もなんデス」
アキヒサがキノシタくんにデレデレしているのを除けば、普通の和やかな朝の風景だ。
キノシタくんが、にやりと笑ってアキヒサを指差す。
「さてはお主、明日からの強化合宿で浮かれておるな?」
「あはは。もしかして、二人もなの?」
「学力強化が目的とはいえ、皆で泊まりがけなのじゃ。楽しみになるのも当然じゃろう?のう、桃真」
いきなり話を振られて、僕はビクッとして二人を見た。
が、がくりょくきょーかがっしゅく?何それ。あ、た、確かヒメジさんが言ってたよーな気が…
「知らなかったの!?」
「え、えへ。ホームルームの時間、うとうとしちゃって」
「ぬう…お主も流石Fクラスじゃのう…」
二人は、簡単に説明をしてくれた。
「学力強化合宿とは、学力を高めるため避暑地で勉強する合宿の事」らしい。へえ、つまりリンカンガッコ―とかと同じ意味になるのかな。
「まあ、楽しみに……あっ」
性格には、「あ」に濁点が付いたような声で、アキヒサは顔をこわばらせた。
そして、僕の腕を引っ張って教卓の後ろへ行く。お、おーい、アキヒサー?
(ねえ桃真!あの…どうするの、泊まりがけなんだよ?)
(え?……あっ)
(流石に女ってばれちゃうと思うんだけど…)
(……問題ないはず…デス。確か、Mr.西村が手配してくれてると)
(そう?それなら良いんだけどね…)
「二人とも?何の話をしておるのじゃ?」
「あっ、ごめん秀吉!ちょっと込み入った話がね」
ちょっとふてくされた可愛い顔で、キノシタくんが首をかしげる。ちょっと危ない道に入りかけたなんてことは、断じてない。
「早く準備をしマショう」
「うん、そうだね」
アキヒサのロッカーと僕のロッカーは結構離れている。自分のロッカーから荷物を取り出していると、アキヒサの焦ったような英語が聞こえてきた。
「異常事態じゃな」
キノシタくんの言葉が、すべてを表していると言えよう。