「次の問題に答えなさい。三国時代に中国を支配していた三つの国名をそれぞれ答えなさい。」
姫路瑞希の答え
「魏」
「蜀」
「呉」
先生からのコメント
正解です。魏は曹魏、蜀は蜀漢、呉は孫呉と呼ばれたりもしますね。
土屋康太の答え
「ぎ」
「しょく」
「ご」
先生からのコメント
きちんと漢字で書きましょう。
城田桃真の答え
「Belgium(ベルギー)」
「Holland(オランダ)」
「Luxembourg(ルクセンブルク)」
先生からのコメント
先生はどこから突っ込んでいいのかわかりません。
呆れた顔で、ユウジと呼ばれた少年が僕に向き直る。
「じゃあ、なんでお前は男子の制服着てるんだ?」
「色々ありマシて、日本語で何と言えばいいかわからないデス。でも、家のせいデス!僕が女ってばれたら駄目なのデス!」
少し片言で僕が言うと、ユウジ…くんは解ってくれたようで、軽くうなずいた。
「でもそれじゃ、俺達はもうお前が女だって知ってしまってるんだが…」
「ソレは、大腸です。ススめるには、何事にも大腸がいるのデス。」
うん、結構上手に説明できたと思う!難しげな日本語も上手に使えたし、ちょっとは慣れてきたかなっ?
「……代償って言いたいのか?」
穴があったら潜りたいです。
「じゃあ、とっととそいつを連れ帰りな。うるさくて仕方がないんだよ、クソガキ。」
Ms.カヲルに追い出されるような形で、僕らは廊下へ出て行った。
もう、授業が始まってるのかな?ずいぶん静かだ。
誰もいない廊下に、上靴がぺたぺたいう音が大きく響く。勉強中の人には迷惑かも知れないけど、やっぱり靴を脱ぐのって慣れてないからな…今日も靴箱の所で「靴を脱ぎなさい!」って怒られちゃったし。
「ねえ、城田…えーと、えーっと…」
「桃真でイイデスよ、アキヒサ。」
昔みたいに名前だけで、と行きたいところだけど、覚えてないなら抵抗あるかな。
「えっ、でも…いいの?」
「Yes!ロスでは名前呼び、当たり前!」
ちょっとためらったアキヒサを後押しするように、僕はにっこり笑って親指を立てた。
「じゃあ、桃真。なんで日本に来たの?」
「father…パパの転勤デス。mom、えーっと、ママはアメリカ人なので、僕はハーフデス。最初はアメリカで暮らしてマシたが、パパが日本に戻るノデ、ママも付いてきマシた」
「ちなみに、日本に来たのは何回目だ?」
ユウジくんが割り込んできた。僕はその質問に指を一本立てて答えにかえる。
「…一度、か。じゃあ日本語はあんまりわからないのか?」
「イエ、パパが教えてくれマシたから大体解りマス」
…あっ、そうそう。
この紙、どうしよう?
「ユウジくん、アキヒサ。コレ、成績表らしいデス」
「?へえ、もう桃真の成績でてるんだ。ちょっと見せてよ」
「い、嫌デスよー、悪いデス!…多分」
「Fクラスに来るくらいだからな…ふぉおおおおっ!?」
oh!?ユウジくんが覚醒してるけど、どうしたのかなっ!?
「…お前、この…英語の点数…!」
「?」
ユウジくん、どうしたんだろう?まさか僕の点数、そんなに悪いとか…!?