「……雄二?その子、誰?」
「え、いや、翔子!?こ、コイツは転校生で…!」
ん?どうしたんだろ、サカポン。この綺麗な女の子が出てきてからずーっとあわててるけど…顔もこころなし青ざめてるし手も震えてるし声も震えてるし冷や汗らしきものがぼたぼたぼたと。
……気のせいじゃないよねっ!?これ絶対なんかあるよねっ!?流石に事情を知らない僕でもわかるけど、ここはとりあえずサカポンを助けてあげないと…「……その子が、転校生の女子生徒?」前言撤回。さっさと締める必要がありそうだ。
「な――――ん―――――で―――――僕が女になってるんだよ―――――ッッ!!!!!」
耳元で吠えてやる。ははっ、ざまあみろ!鼓膜が破れてるんじゃないかな?まあ、こんな奴の事はどうでもいいよね☆
……でも…なんか、違う意味で震えてるような?
「……いつからそんなに仲良くなったのか、教えてほしい」
「しょ、翔子これには色々とぐぎゃあああああ―――ッッ!!!???」
えぇええええ!?サカポン、なんかいきなり手が曲がっちゃいけない方向に曲がっちゃってるよ!?いや、違う、手じゃなくて「肘」と「手首」ってちがあああ――う!そーいう問題じゃなくてっ!?
「アキヒサ?こ、コレ、どういうことデスか!?」
「あ…えっと、そこの美少女はね、霧島翔子さんって言ってね、学年首席なんだ」
うん。そういうことじゃないんだ。
そういうことを聞きたいわけじゃないんですよ。
「あっ、うん。えっとね、雄二の彼女なんだよ」
「えっ!ホントデスか!へえ~え。ふう~む…うへへへっへ―――」
あー、だから僕を女と勘違いしてジェラシ-感じちゃったのかあ…あの無骨で粗暴なバカのサカポンにそんなかわいいオンナノコがいたなんて!きゃー、ゴシップ好きの血が騒ぐね!
「こら明久!勝手に彼女なんか『……嬉しい』ぎゃあああああ―――ッッ!!!」
んー。それなら、ここは二人の円満のために、一肌脱がないと駄目っぽい感じかな?……僕だって、女って知られちゃ困るし…うん、そうしよう!
「アキヒサ。僕は、二人のため、脱ごうと思いマス」
「えええええええええ!?いやそれは、あの、ちょっとアレだよっ!!?あの、二人のためにもならないしその画ヅラ的にもまずいし――ッ!」
……?あ、そっか、「一肌」忘れてた。
「まあ、大丈夫です!一肌脱いじゃいますから!」
「あ、そっちの意味!?そっちの意味だったの!?」
うん、僕の「脱ぐ」発言でサカポンが目を押さえてはいずりまわってるけど大丈夫だよね!?
よし。
気分は、ビバリーヒルズの人気俳優。甘い声とマスクで女性を虜にするような…そんな感じで。
うん、出来そうだ!
「……あの?」
「……何」
ちょっと不機嫌そうな彼女の前に、僕は跪いた。
驚く三人。
ふふ、ちょっとOverreactionかもしれないけど、結構効果あるかも。
そして、キリシマさんの右手を取る。
「はじめまして。僕は、城田桃真といいマス。……転校してきたばっかりで、良くわからないことも多いのですが、よろしくお願いしますね?」
にっこりと微笑むと、キリシマさんは戸惑ったように「……ええ」といった。
さー、こっからが本番!
「貴方のような美しい人は、きっとユウジくんのような逞しい男性がピッタリデス。彼に守ってもらえると嬉しいデスよね?……美しい薔薇には、それを守る番人がいなければならない。そして、貴方は番人とともにある、たった一輪の特別の薔薇デス。貴方達が幸せであることが、彼の友人である僕の唯一の願い……Do you understand?」
決まった……と思う!
いやあ、我ながら臭い台詞だねっ?
と思ってアキヒサを見ると、すごく複雑そうな顔でハンカチを握りしめていた。どうしたんだろう?
(……どうして女なのにあそこまでイケメンなんだ…?)