「……まさか無事で帰ってこれるとは…!!」
僕の隣で、サカポンが感動した声を出していた。その眼にはうっすらと涙さえ浮かんでいる。…ってそんなにおびえなくてもいいじゃない。キリシマさん優しいし、可愛いし、理想の奥さんだよね?
「あはは。羨ましいよ雄二」
「と言いながら臨戦態勢に入るな馬鹿明久」
二人とも、目が全く笑ってないよっ!?あ、これが喧嘩するほど仲が悪いってやつなのかなっ?……あれ?なんか違う?ま、いっか。
「それよりも、僕の教室はどこデスか?」
「あ、悪い悪い。えーと、この角を曲がったところだ」
サカポンが指で廊下を指し示す。
僕は、これから日本での時間の大半を過ごすであろうその教室の前へと駆け寄って行った。
普通の、スライドタイプのドア。中が見えないようになっている硝子。
そして僕は、颯爽と扉を開け―――――
「……What?」
卓袱台が並ぶ教室内を見て、首をかしげた。
えーっと、見えるものは、蜘蛛の巣が張ってる天井と、埃っぽい藁でできた絨毯みたいなやつと、ガムテープの貼ってある窓?あ、黒板にひびが入ってる。卓袱台の前には、濃い緑の薄ーいクッション。えっと、これ、ざぶ…なんだっけ。
うーん、と。
「こ、これが日本の教室なんデスね!!」
「違う。違うよ桃真。うちが異常なんだよ」
あ、なんだ。卓袱台とか初めて見たからテンションあがっちゃったよ。
「うちの学校のシステムはもう理解してるよね?」
「Yes。召喚獣システムを導入して、それによる試召戦争での勝敗で教室設備が変わるって事ですよね?」
「……雄二、どういう意味?」
「お前馬鹿なんだな」
僕がキョトンとして見ていると、サカポンが頷いた。
「そうだ。それで正しい。……なら、うちのクラスが今どういう状況にあるか理解しているな?」
「……えっと、Fclass…デスね?Schoolcaste(スクールカースト)の最下層にいる…」
「その通り。そして、この状況を改善するため、お前には色々と力になってもらう!良いな?」
えっと、確かにこの状態じゃ駄目だよね。まともに勉強なんてできないし…。
とにかく、このclassの設備を良くしよう、って言われてるんだから、
「勿論!」
答えは決まってます!
「む?なんじゃ明久。そこにおるのは――ええと、どちら様なのじゃ?」
「Oh!Japanese・samurai!?」
この特徴的な喋り方、ニッポンで有名なサムライだよね!?刀もってバッサバッサ敵を切り倒す、正義の味方だよね―ッ!?
うわー、うわー、格好いい!見た目は女の子みたいだけど、制服は男子だし、あれ?もしかして僕と同じ状況?えっ、サムライさんと同じだなんて照れるな―、えへへっ!
「……お…おう!とりあえず、落ち着け」